スーパーロボット大戦 Re:Boot   作:戯龍

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 どったんばったんしてますが、あの博士なら多分通常運転の内。
まったりやりますよー


格納庫にて

 格納庫へと続くエアロックが開くと同時に、数人の影が艦内から飛び出してきた。

タラップの脇で宇宙服の防疫最終チェックを行っていた小柄な人物の前を、

彼らは先を争うようにドタバタと駆け抜けていこうとする。

 

 そして、四番ハンガーの目前で見事なまでに全員がズッコケた。

最初にはね起きたのは、白衣を翻した研究者然とした男、ロバート・H・オオミヤ博士だった。

「君かっ! あの行方不明になっていた、グルンガスト壱式のパイロットというのはっ!」

小柄なパイロットスーツの少女に詰め寄り、掴みかからんばかりの勢いで矢継ぎ早に問いかける。

 

 残りの面々はラボの職員たちのようだ。手慣れた様子で、暴走する彼を後ろから羽交い締めにしにかかる。

「待ってくださいってば博士! 気持ちは分かりますが、まずは落ち着いて!」

「ええい離せ、離せ! これが落ち着いていられるかーっ!」

 

(もしも相手が危険人物だったらどうするつもりなんじゃろぅか……)

少々呆れた様子で彼らの喧騒を見守る少女の左斜め前から、不意に声が掛かった。

「すまないな、騒がしくて。…外の声は聞こえているか?」

 

 声を掛けてきたのは、いつの間にか乗機から降りて近づいていたギリアム・イェーガーだった。

彼の手振りに気づき、コクりと頷いた少女は、彼らを安心させるためにもバイザーの遮光シールドを上げる。

そのままヘルメットを両手で持って外して脇に抱えると、中から幼い素顔が現れた。

 

 「問題ないのじゃ。こちらとて保守要員を務めておったのでな、喧騒には慣れとるよ」

インカムから流れていた声の主である少女は、ギリアムを見上げて不敵に笑う。

ギリアムは彼女の幼げな姿に一瞬目を細めた。多分10代そこそこにしか観えないのだが。

 

 「君がこの機体のパイロット、なのか? それにしても……」

長すぎる金髪を邪魔にならないよう後方で一つにまとめている少女は、気さくに答える。

「ぬ? ああ、この機体のことなら現物支給というやつじゃよ。給料の前払いみたいなもんじゃな」

 

機体に触りたくて今なおジタバタしているロバートたちを尻目に、少女は淡々と告げた。

 

「現物支給だって!? 随分と気前がいいんだな!」ギリアムとは別の方向から、興奮気味の声が響く。

今度やってきたのは碧い制服を着たリュウセイ・ダテだ。

その目は少女ではなく、背後の機体――グルンガスト壱式とその頭部に完全に釘付けになっていた。

 

少女はリュウセイの視線に気づき、苦笑を浮かべる。

「ある意味、仕方のないことでな。・・・なんせ宇宙からだけでなく地球側からも阿保共が襲ってくるのよ」

と肩をすくませてみせるとパイロット・スーツからIDカードをギリアムに差し出した。

 

「ユイネ、か。私はギリアム・イェーガーだ」 ギリアムは彼女からIDカードを受け取ると

そこに記載された文字に目を落としながら片眉を顰めつつ問いかける。

「…あの基地は正体不明の敵からだけでなく地球側の勢力からも襲撃を受けていた、ということか?」

 

 「そうじゃ。特に武器商人とかいう性質の悪い連中とか部品漁りの連中が酷くてのぅ・・・」

と少女はうんざりとした顔で嘆いて見せる。

「あの辺はまだマシになった方じゃが場所によってはゲッターの量産型の残骸とか平気で転がってるのよ」

 

 「ゲッター?あのゲッターロボの事か!?」思わず顔を見合わせるリュウセイとギリアム。

自分達が居なくなっている間にかなり物騒な事になっている事は察して余りある。

「そんなに驚く事かのぅ?・・・ちなみに今更じゃが主らの所属はどちら様なのか聞いても?」

 

 小首を傾げるユイネの前に、一歩、歩み出る影があった。

遅れてやってきたクスハ・ミズハが、凛とした声で名乗りを上げる。

「この艦の名前はハガネ。私達は地球連邦軍特殊部隊、鋼龍戦隊所属のパイロットです」

 

 その名を聞いた瞬間、ユイネの表情に微かな変化が生じた。

「鋼龍戦隊ぃ……? ああ、思い出したわい。確か1年くらい前に行方不明扱いになっとったとかいう…

そんな噂を、どこかで聞いた覚えがあるのぅ」

 

 「え……」クスハの身体が、その場で凍りついた。たった一年。されど一年。

そのわずかな年月の間に、一体何がどうなればこんな世界になるのか。

ギリアムたちの視線が、自然とユイネの幼めな容姿へと集まる。

 

 年齢を鑑みれば、彼女がここにいること自体がどう考えても異常だ。

まだ子供でしかないはずの少女が、命を懸けて働く・・・いや戦わねばならない。

そこまで地球は追い詰められ、疲弊しているというのか。

 

 沈黙の重さに居心地の悪さを感じたのか、ユイネが苦笑した。

「あー……何か誤解があるようじゃが、儂の境遇なんぞまだマシな方じゃからな?」

必死に出されただろう助け舟は、しかし状況の深刻さを際立たせるだけだった。

 

 気さくな姿はこれっぽっちも、彼らの気休めにはなってくれそうにない。

「とりあえず、詳しく話を聞きたい。場所を移してもいいか?」

ギリアムはこめかみを指先で押さえつつ、深く重いため息をついた。




 ユイネ「よもや一年程度であれやこれや変化するでもと思っとるんのかいのぅ?」
そこはある意味彼らも被害者なんで・・・
 それは兎も角ようやく主人公の名をチラ見せ出来ました。次回に続きます。
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