スーパーロボット大戦 Re:Boot   作:戯龍

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中に入ってる物は希望か絶望か


パンドラの箱の蓋がずれる刻

 地球への帰路を急ぐメガロード23番艦の市街地の地下に眠りしもの。

もしも智美が省吾の操るバイクの後ろでもう少し余裕を持っていたのであれば、

都市の案内図には「Nouvelle Tokyo City」と書かれていた事に気が付いた事だろう。

 

 だが、目の前のウォルフガングの実物に彼女は混乱の極みにあった。

「何を今更。お主、あの地上とやらで散々ホイの奴の作ったラーメンを喰ってきたじゃろうが」

(いやいや、ちょっとまってそれじゃあのホイさんも本物のホイ・コーローって訳なの!?)

 

 「いや、だから、何でアニメの登場人物が「それは誰がそう決めた事なんじゃね?」」

「は?」「儂らが『虚構』だと言うのなら、その言葉はそのままお主達にも当て嵌まる事なんじゃよ」

ウォルフガングはTVを付けたまま智美に向き直る。

 

 「総てを受け入れろ。とまでは儂も言えぬ。卵が先か鶏が先か等、誰にも判らぬ様に、な」

画面の中ではヒロインたるサリーがアルバイトでマイトガインのセル画を塗っている。

智美にとってそれは悪趣味なメタ構造の表現に過ぎなかった。だが、その前提が崩れたら?

 

 「私達も、アニメの世界の住人だった…?いえ、違うわ。両方とも本物だったとすれば。あっ!」

彼女は思い出す。暗がりに佇むあの巨大な塔のシルエットを。あれは紛れも無く都庁だった。

それが地上と地下に同時に存在しているという動かしようも無い現実に思い当たる。

 

 「私達の住む地上は、貴方達の住む地上の真上に建てられた偽りの地上だった…て訳ね」

それはまるで臭い物に蓋をするかの様な悪魔の所業ではないか。

「そうじゃ。そしてバハムートこそがあのブラックノワールの親玉でもある」

 

 画面を切り替え地下のかつての都庁を苦々しげに睨むウォルフガング。

「かつてブラックノワールの奴も言うていた。『ワタシもまた造られた存在だったのか』とな」

智美がぎょっとした顔でウォルフガングを見る。もしやそれってアニメの重大なネタバレでは?

 

 「気付いてはおらんかったろうがぬしらの『昭和』は『ループさせられて』おったんじゃよ」

ウォルフガングはギリギリと歯を軋ませながらかつての悪の首領の墓標を仰ぎ見入っていた。

「じゃが、その欺瞞ももう終わりじゃろうて。あのデザルグ軍とかいう外部の連中のお陰でな」

 

 

 

 

 

 月のガルファの根城である螺旋型宇宙船・螺旋城の中では3体の機将と呼ばれるメカが集まっていた。

「ギガアブゾルート、ギガグルメイ、ギガウィッターよ。お前達に新たな命令を与える」

「あの地球と呼ばれる星にお前達の『チップ』を送り込み、電童の基地を探し出させるのだ」

 

 3体の機将は互いに顔を見合わせ、ギガグルメイが怪訝そうに口を開いた。

「しかしお館様。あの惑星は今や混沌状態。探査など無意味では?」

「そうです。それよりもデータウェポンを探す方が先決では? あの星なら、奴らが潜んでいる可能性が高い」

 

 ギガウィッターが同意するように言葉を重ねれば、ギガアブゾルートが好戦的に言い放つ。

「それこそ徹底的に攻撃を加え、逃げ場を狭めてやれば、奴らも出てこざるを得ないでしょう」

三者三様に意見を具申する彼らを見据え、螺旋城の主は、冷酷に事実を告げた。

 

 「そうも言ってられんのだ。本国の決定だけは、我が意のままには動かせん。

恐らく、あのアルテアの派遣が決定されるであろう」機将たちの間に緊張が走る。

「奴が来る前に、何としてでも電童を我らの手に入れねばならぬ。奴の好きにだけはさせん」

 

 激しい敵意を孕んだその言葉に、3体は揃って深く頭を垂れた。

この場にいる全員にとって、アルテアという存在がいかに不快なものであるか、

沈黙の重さが雄弁に物語っていた。




 当初マイトガインは回路の混線で現実化してしまうという想定でしたが、メガゾーン23の地下都市空間に割り当てる事で現実の存在として参戦させる事が可能になりました。
ユ「まぁバハムートの構築力ならマイトガイン勢を出力可能だとは思うがこの方が自然、かの?」
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