スーパーロボット大戦 Re:Boot 作:戯龍
さて、どうしたものか。
ヴァンは未だに、これから先どうすべきか決めあぐねていた。
「ヨロイ」を呼び出したはいいが、肝心のミハイルには逃げられた。
高所から探すのも楽だと思ったが、本当にツイてない。
ウェンディは足元から離れたが、ガドヴェドの大ボケ爺はまだ昔話に精を出している。
形や武器に多少の違いはあれど、性能はほぼ同じ。面倒くさい。
「ガドヴェド。……言いたい事はそれだけか?」
説教のつもりらしい口説き文句も、くどくてしょうがない。
あえて内容は聞かないようにしていたが、本人は必死だから救えない。
―ん?ミハイルが去った方角から、別のヨロイがすっ飛んできた。
増援かと身構えたが、そいつはこちらに見向きもせず飛び去っていく。
だが。俺の視界に入った「奴」の顔だけは、見逃すわけがなかった。
ヨロイの片手の中で、風圧を避けながら前を見据えていた、あの男。
「ハハハハハッ! 俺は間違っちゃいなかった!!」
「見つけたぞ! 鉤爪ぇぇえ!!」
突如として大笑いした俺にガドヴェドが怯むが、知ったことか。
「なぁ、ガドヴェド。……俺はあんたに感謝してるんだぜ?」
大事なエレナに逢わせてくれたこと。そして、今この瞬間の状況に対して、極上の礼を。
「……所詮、付け焼き刃では儂には勝てんぞ?」
流石に俺の異変を悟ったか、奴が低く応じる。
言ってくれる。散々修行という名のシゴキをしてくれた元恩師が。
だけどな。剣の筋の良し悪しなんて、もはや関係ねぇんだよ。
邪魔をするってんなら、例えあんたであっても、叩っ斬って捨てるだけだ。
ヒロト達がログアウトして現実に戻ったとしても、彼女にとっては何ら問題ない。
彼らにとってのホームグラウンドと彼女のそれとは異なるのだから。
一人、あの路地に戻った彼女の前には再びあの隠しクエストの募集画面が出現していた。
『助けて下さい・・・』よく聞けば舌ったらずの子供のそれと同じだと判る音声。
どうやらあれからクエストが進行したらしく、前回とは依頼内容が異なっている。
これまで彼女が探して来た様々な情報の中ではまったくもっての未知の存在。
仲介者であるマギーさんにも一応報告を上げているが、カザミの動画だけでは信憑性に欠けると考え、
自分もまたこっそりと動画を撮っている事はヒロト達に告げる段階ではないと判断した。
「依頼を遂行してくれるのは有難いけど、貴女のルーツを探す事は忘れないでね?」
酒場を経営するマギーさんに言われるまでも無く、自分の出目は自分でも良く判っていなかった。
ガンプラの妖精たるサラとは似ている様で違う存在。手がかりは手持ちのアクセサリーのみ。
「多分それ、イヤリングの片割れだと思うのよね。それもカスタムメイドの一品物」
データ上でしか存在しないそれの説明文には何も記載されていないが故の造り主不明状態。
GBN産の公式グッズではない事から制作ログの解析も出来ないという無情な回答さえ受け取っているが。
「いずれにせよ他人に見せびらかすモノじゃない事は確かね。貴方が『これだ』と思う人だけに見せなさい」
下手すると奪われかねない。とまで警告を受ける位には造り込まれたそれに込められた思いに彼女は想う。
誰が誰にこれを送ったのか、どんな願いでソレを私が託される事になったのか。
もしかしたら。縋る思いで選択したこのクエストはどうやら『アタリ』の様だった。ならば見極めよう。
フレディと名乗ったこの仔の様に、意図的に隠された真実を暴く事だけが終わりではない。
秘めた想いをくみ取れたならば、それが真実(まこと)となりうる。
彼女もまたネットという名の大海に住まう人物の一人としてメイは注目すべき少年達を静かに見守り続ける。
フレディの隠し事とは?(すっとぼけ。因みに翻訳ソフトの不具合とかじゃありませんよ。て事でここは一つ。
ユ「はて。何か隠し要素あったかのぅ?」
それはおいおい・・・