スーパーロボット大戦 Re:Boot 作:戯龍
東京湾洋上。EI-02を撃破し、ガオガイガーを収容したディビジョンⅣの内部にて。
そこでは、緊迫した面持ちで強制フュージョン・アウト作業が進められていた。
必殺技「ヘル・アンド・ヘブン」の凄まじい反動は、サイボーグである凱の肉体をも確実に蝕んでいるのだ。
メインモニターの向こうでは、洗浄と乾燥を終えたガオガイガーから3機のガオーマシンが切り離されていく。
大型アームによる分離作業が進む中、やはりライナーガオーの損傷が一番深刻だった。
麗雄博士はモニターに噛みつくようにして、無残に歪んでしまった右上腕部のジョイントを見つめている。
「やはり、異星のテクノロジーに地球産のメカを合体させるっつう無理が出とるな」
それは、ギャレオンの分解解析で得られたブラックボックスの設計図から再現したマシン群だ。
GGGの技術を結集し、地球上での運用を想定してステルスやドリル戦車という形を与えたこと自体は正解だった。
だが、500系新幹線のタイトな車体に腕部パーツを押し込むという「ボトルシップ方式」が仇となった。
激しい負荷に耐えきれず、衝撃吸収ダンパーの改良や、構造そのものの早急な見直しを迫られている。
「他のマシンも、内部回路の負荷が限界を突破しとる。やはり、あの技は危険すぎるわい」
右腕に破壊、左腕に防御のエネルギーをそれぞれ充填し、それを力技で一つに融合させて叩き込む。
緑の星の魔法と科学の融合した技術は、単なる格闘戦の枠を超えた絶対絶命の諸刃の剣だった。
「それよりも博士、凱の見舞いに行かなくていいのかね?」と、背後から大河長官が声をかける。
「儂なんかより、卯都木命君に看病されてる方が治りも早いわい。今、儂にできるのはこれくらいじゃて」
実の親として、一番に息子の元へ駆けつけたい衝動を理性で抑え込み、麗雄は職務に没頭する。
「そんな事よか大河、天海護君じゃったか。彼の身辺警護体制はどうなっとる」
一時は諜報班を総動員して身柄を確保しようとした司令部に、待ったをかけたのは他ならぬ麗雄だった。「あぁ。穏便に接触を図るよう手配は進めているが……まさに灯台下暗しだったよ」
宇宙開発公団の一職員である天海勇と、その妻・愛。二人の一人息子こそが、あの少年の正体だった。
ヒロトは悩みに悩んだ末、カザミの攻略配信を手伝う決断を下した。
一方のパルは「チームの足を引っ張りかねない」と気後れしている様子だったが、
攻略そのものへの参加はまだ諦めては居なかった。
「『モルジアーナ』には申し訳ないんですが……実は、空を飛ぶことに対してトラウマがありまして」
前回の戦闘時、ドラゴンモードのまま『ヒトツメ』と呼ばれる敵性メカの触手に絡め捕られてしまったパル。
その様子が動画で配信された結果、ある意味で、通常とは異なる方向性の人気が出てしまっていた。
パルは当時のことを思い出したのか、はにかみながら告げる。
中の人もフレディとほぼ同年代と推測される、中性的な銀狐の獣人アバター。
その引っ込み思案な性格は、今日も健在のようだった。
因みに、前回のクエストでは全員が報酬を受け取っておらず、撃破数もカウントされていなかった。
パルの考察によれば、これは正式実装前の「先行実験クエスト」のようなものであり、
システム未実装ゆえにカウントや報酬がないのではないか、とのことだった。
しかし、メイは「それでも構わない」と淡々と受け入れている。
唯一、強制終了(強制ログアウト)という形でクエストを終えたのはヒロトだけだったが、
それについては星見町で行われていた戦闘が原因ではないかと当たりを付けていた。
今回はかなりの難産でした。も少し余裕もたんとあかんかな。
ユ「無理に絡めようとするからじゃろが。まぁ一周廻ってプロットに近くはなったがの」