スーパーロボット大戦 Re:Boot   作:戯龍

56 / 60
プロと素人じゃ振るう力に差はあるだろうけど


振るわれる力の向かう先には

 葛城ミサトの家に下宿する事にはなったとはいえ、シンジ自身は未だ学生の身。

第3新東京市立第壱中学校の2年生のクラスへと無試験で編入される並びになったのだが、

「お前か!あの紫色のロボットのパイロットって奴は!」といきなり殴られる羽目になった。

 

 殴って来たのは鈴原トウジ。なんでも避難の際中に妹とやらが大怪我をしたらしい。

現在は病院に入院して治療中の身らしいが、殴る相手を間違えてる気がしないでもない。

「だいたいてめぇがもっと早く此処に来てりゃ妹が大怪我する必要なんぞなかったんや!!」

 

 まぁまぁ。と相田ケンスケが彼を宥めているがシンジだってここに呼ばれるまでは

あのエヴァンゲリオンとやらに乗る羽目になるなんて知らなかったし、困惑するしかない。

教室の隅では包帯で片手を吊り、片目を眼帯で覆った綾波レイが我関せずと窓の外を見ていた。

 

「そんな事言われても…」エヴァンゲリオンの事を何処からどう説明したらいいのかも判らず

シンジが困っていると学級委員長の洞木ヒカリが見かねたのか助け舟を出してくれた。

「トウジ君ったらねぇ。シンジ君に当るのはお門違いって奴でしょうが。悪いのはあの『怪物』よ」

 

 怪物。界震によって出現する怪獣と区別する為に付けられた一般人向けの借称である。

使徒、と呼んでるのはネルフの関係者位であり、シンジも釘を指されてるのであえて訂正しない。

ていうか、何故あの怪獣モドキの事を使徒と呼ぶのかすら教えて貰えてないのはどうかと思う。

 

 怪獣と怪物は非常に似通ってる性質を持つ。まず通常兵器の類いがほぼ無意味な事。

一定方向に向けて侵攻するという癖を持っている事等から類型ではないかと推測する科学者も居る。

一体毎に違った性質や特異な技を持つという意味では異次元からの闖入者と同類だと思われても仕方ない。

 

 ネルフやその上位組織であるゼーレからすれば怪獣の発現や魔物然としたドラゴン達の出没等、

彼らが秘する「死海文書」の強烈な裏付けの一つでしかない。

さしずめ「神使」や「式神」の類いの発現、もしくは代弁者位としてしか彼らは視ては居なかった。

 

 彼らにしてみればそんな些細な事などよりも、その先に確実に訪れる『補完』こそが彼らの真の狙い。

その為ならば、ネルフやゲンドウの抗い等、些細な微風でしかない事を彼ら以外が知る由も無い筈、だった。

 

あの神を気取るエンブリオ以外には。

 

 

 船舶の容姿を持つゾンダリアンは、次なる素体の選考に悩んでいた。

「ウィィィィ。コノマエノゾンダーハ、スコシシッパイダッタ……」攻撃力は十分、再生力も及第点。

人質を取る悪辣さもあった。だが、それだけだ。

 

 ゾンダーメタルの悪癖――素体の「怨恨の解消」を優先する性質が裏目に出た。

あのEI-02は、鼻先のニンジンに釣られる馬のように都庁へ突進しただけ。

これでは、標的の周辺へ「ストレス値を拡散する」という目的において落第だ。

 

 あろうことか、TV中継を観て溜飲を下げる人間まで現れる始末だった。

「ヤハリ、ソタイハ、チカラヅヨイモノノホウガヨサソウダ……」

ペンチノンが見つめるモニターには、激しいプロレスの試合が映っている。

 

 スター選手はストレスも高そうだが、興行先が遠く、接触のハードルが高い。

今回は見送るしかない。いずれ、後任の誰かがやる仕事だ。

ならば、と彼が目を付けたのは、画面の隅で暴れる悪役レスラーだった。

 

 鉄条網デスマッチ中の悪役レスラーを素体にしたEI-03はそのステージを取込みつつ街を破壊し始める。

サイボーグ・凱は身体の不調を押しながらも現場に急行する事に。

また、護もまた生まれもった能力に押される形で家から飛び出すのだった。




うっかりしててEI-03に別のゾンダーの要素が入ってしまってたので該当部分を急遽書き直しました。
ユ「うっかりのせいでロードローラ―にぺっちゃんこにされる所じゃったのじゃ…」
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定