スーパーロボット大戦 Re:Boot 作:戯龍
アンジュからの問いかけに、甲児は少し考え込みながらも言葉を返した。
「どうだろうな。少なくとも、四六時中仲良しこよしってわけじゃなかったぜ?」
脳裏を過るのは、戦いに明け暮れていたあの頃の情景だ。
「俺の親父はサイボーグだし、義理の兄貴は元孤児だしな」
現在は行方不明となっている父・兜剣造の横顔。
そして、かつて共に戦い、グレートマジンガーを駆った義兄・剣鉄也の姿を思い起こす。
「確かに普通の家庭とは違ってるかもしれねぇ。
…けどさ、それでも俺たちはお互い切磋琢磨しながら、今日までやってきたんだ」
「あの義兄貴だって、今や結婚してもうすぐ一児の父親になるんだぜ?」
甲児の口元に、どこか誇らしげな笑みが浮かぶ。
「今だってお互い思うところはあるだろう。けど、一つだけ確かなことがある。
俺たちが今こうして生きていられるのは、決して自分一人の力じゃないってことだ」
世界を救った『勇者』としてではなく、酸いも甘いも噛み分けてきた
『一個人の男』としての重みのある言葉。
その迫力に押され、さしものアンジュも思わずしゅんとなって黙り込んでしまう。
彼女の様子を見て、甲児はここでようやく、ジル指令が自分たちを合わせた冷徹な思惑に気がついた。
苦々しげに顔を顰める。(…やっぱ、あのジルって人は苦手だ。やってることが親父そっくりじゃねぇか)
立場やら環境は違えど、アンジュと鉄也が置かれた過酷な境遇は、驚くほど似通っていた。
(勘弁してくれよ。俺はカウンセラーじゃねぇんだぞ…っ!)
心の中で頭を抱えながら、甲児は内心で盛大なため息を漏らすのだった。
甲児は隣の牢で、すました顔をしている流竜馬を睨みつけた。
(てめぇ…こうなるって判ってて、俺に話を振りやがったな!?)
無言の怒りをぶつけてみるものの、竜馬の態度はどこ吹く風だった。
甲児が次なる言葉を発しようとした、その時、アルゼナルの警戒警報が鳴り響いた
「っち。どうやら敵さんのお出ましだぜ。この警報は対ドラゴン用だな」
内情を知らないだろうアンジュに竜馬があえて状況を説明する。
界震という自然現象に対して人間は余りにも無力だ。
ジル指令が慌ただしい様子で義手に書類の束を抱えて取って返して来た。
もう片方の手には布切れのような『何か』を掴んでいる。
「アンジュ。悪いけど、さっそく仕事よ。今は貴女の手も借りたいの」
EI-03とのガオガイガーの戦いは直ぐに決着した。前回の戦いで手負いの獅子と化した凱が
低くなってしまった合体成功率を無理やり上書きし、過電流をぶち当てられても立ち上がって
必殺技で相手を粉砕する。だが、たけり狂った彼はもはや止められそうにない。
えぐり取ったゾンダー核を握りつぶそうをした彼の手を止めたのはあの緑の少年であった。
「浄解」を終えた彼は宙に舞い、急いで家路に就く。天海護も又、目覚めた己の能力に戸惑っていたからだ。
だが、そんな彼を家の前で出迎えたのは暖かい両親ではなく、重武装したGGGの諜報部の隊員達であった。
「きたぞ!今度こそ保護するんだ!!」いつの間にか空には宇宙開発公団所有のヘリが複数機飛び、
厳戒態勢が敷かれている事が彼に現実を突き付ける。パニックになった護は制服姿の彼らの手から逃げ惑う。
彼の脳裏に思い浮かぶのはTVで観た昔の特撮物の宇宙人に対する対応そのものでしかない。
(もうイヤだ、解体されたくない。僕は、人間なんだ。誰か、・・・助けて!!)
―GAOOOON!! その悲鳴に呼応するかの様に、
強制フュージョンアウト作業で自由になったギャレオンが護の元へと駆け付けたのであった。
この世界のジルさんはある意味ラッキーだったかも。剣造博士にも出番ありそうだし。
ユ「おぃこらまて物凄く嫌な予感がするんじゃけれどもっ!?」