スーパーロボット大戦 Re:Boot   作:戯龍

61 / 62
突き刺す繋がりという訳でもありませんよ。


そこに潜む悪意と切り込む刃

 マクレーンとせいあの対話の結果、ガワン共同護送作戦は

「ブレイブ・ポリスが軍に随伴する」という形で決着した。

勇太が形式や警視庁のメンツに固執しなかったことが、交渉妥結の大きな要因だった。

 

 「お前のところのボスは変わっているな。てっきり、形式や体裁ばかりを気にする少年だと思っていたぞ」

せいあの言葉に嫌味はなく、少々の呆れを含みつつも、

軍の面目が保たれたことへの彼女なりの感謝の表明だった。

 

 あえて首都高を避け、湾岸沿いの一般道を征く車列は、順調に東京へと向かって進んでいく。

「そうでしょうか。確かに大雑把というか、規律に対して寛容な部分はありますが……」

規律に雁字搦めの軍隊と、勇太との『友達感覚』を絆とするブレイブ・ポリス。

両者が守るべきものの本質は異なる。

 

 ブレイブポリスという組織しか知らないマクレーンにとっても、

勇太の柔軟さは、未だ完全に理解しきれない領域であるのも確かだった。

「いつか、お前を軍にスカウトしてみたいものだな。一応、頭の片隅にでも留めておいてくれ」

 

 冗談めかした口調ではあったが、せいあの声の響きは真剣そのものだった。

この時点では彼女自身も自覚していなかったが、

その胸中では既に、マクレーンを一人の『人間』として認めていたのだ。

 

―同じ時刻。車列のなかで最も厳重に警戒されているはずの、護送カーゴの内。

走行中の鈍い振動が響く暗がりのなか、ガワンのカプセルへと近づく一つの影があった。

見張りの兵士たちの死角を鮮やかにすり抜けたその者が手にしていたのは、小ぶりのジュラルミンケース。

 

 「まったく。姉さんも甘いよ。あんな連中に気を許すなんてさ」

ケースを開け、彼が取り出したのは特殊な針を備えた空の注射器だった。

「まぁ、おかげで隙ができたのは有り難いけどね。とっとと任務を終わらせないと」

 

 声の主は、せいあの弟――真琴であった。

彼は周囲の気配をいなすと、迷うことなくその鋭利な針をカプセルへと突き刺した。

ピストンを引き、カプセルを満たすガワンの未知なる成分を、慎重にシリンジの中へと抽出していく。

 

 「悪く思わないでくれよ。上層部の連中が全員、コイツの平和的な処理を望んでいるわけじゃないんだ」

うそぶきながらも、彼は己に下された秘密指令を疑うことなく実行していく。

それが、引き返せない悲劇の始まりになるとは知る由もなかった。

 

 

 護の協力のもと、GGGで実施された彼の精密検査。

しかし、その結果は完全な『白』を示していた。

すなわち彼が「ただの人間」という、動かしがたい事実である。

 

 「んな馬鹿な! ただの人間が羽を生やして空を飛んだり、

あの『浄解』って特殊能力が使えるわけねぇだろうが!」

火麻参謀が不満を露わに喰ってかかるが、データは覆らない。

 

 「魔法を使った隠蔽作用も、一応は疑ってみたんじゃがな。

残念ながら、そっちの可能性も完全に空振りじゃったわい」

麗雄博士が科学者としての目線で分析し、お手上げと笑う。

 

「むぅ…『ベターマン』の新種というわけでもないのだな?

なれば、彼の持つあの奇跡の力は一体何なのだ……」

大河長官が腕を組み、未だ見えぬ真実に深く首を捻る。

 

地球が産んだ『抗体』の一種とも推測できたが、謎は多い。

「今は対ゾンダー用の切り札、そう割り切るしかあるまい」

麗雄博士が現実を見据えて告げ、この場の議論は結ばれた。

 

 かくして護には、GGG特別隊員の証が支給される。

それは組織の紋章を模した、特殊な通信ポケベルだった。

 

 「―それはそうと、大河、ようやくアレの本体が組み上がったぞ。

空間湾曲ツール『ディバイディング・ドライバー』じゃ!

あとは現場でのフィールドテストと、最終の微調整だけじゃな」

 

 麗雄博士が嬉しそうに差し示したそのモニターには

マイナスドライバーにも似たブレードを持つ

ガオガイガー用特殊装備が映し出されていた。




装着する腕によって効果が異なるという特殊装備。地面にぶっ差す所は別な話にて。
ユ「ベターマン繋がりでラミアちゃんも出す心算かの?」
それは考え中・・・
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定