スーパーロボット大戦 Re:Boot 作:戯龍
機械化帝国の歯車王に付き従う従者ロボ、ギーグ。
シルクハットを被った小男のような姿をした彼の任務は、地球の「壊れた道具」を探し出すことだ。
だが、折角見つけ出した洗濯機や置時計の機械化獣ではゴウザウラーには到底敵わなかった。
どこかに都合よく手頃な廃品が落ちていないかと、ギーグは目を皿のようにして探すが空振りばかり。
人間側も学習し最近は廃品の管理を徹底し始めていた。ギーグはその事実にまだ気付いていなかった。
そんなギーグの横を、一台の市バスが定刻通り、通り過ぎていく。
「ん? あの乗り物……。どうやら壊れかけている匂いがしますでゲスね」
誘われるように付いていくと、バスが停留所に停まった。そこへ3人の少女たちが乗り込んでいく。
ギーグも何食わぬ顔をして、そのバスへの乗車に成功した。
ザウラーズの「泣き虫三人組」こと、春枝、クーコ、結花の3人は、
そんな不審者の存在にはつゆ知らず、最後尾の席に仲良く座っておしゃべりを始めた。
そのすぐ横に、澄ました顔のギーグが腰掛ける。お互いに正体を知らないため、特に気にする様子もない。
やがて市バスは一般道から高速道路へと入った。彼女たちの目的地は渋谷である。
「また渋滞? ほんと、よく混雑するわね、この路線」
春枝がため息をついた。その隣で、ギーグがひょいとシルクハットを外して挨拶をする。
露わになった機械剥き出しの頭頂部を見て、結花が小さく悲鳴をあげて怯えた。
その時―『ドガーーーン!』と、凄まじい破壊音がバスの進行方向から派手に鳴り響いた。
「きゃーっ!?」「いやーっ!」「ふえーん!」3人が悲鳴を上げお互い抱き合う。
激しい衝撃とともに、破壊された車の部品が雨のようにバスへと降り注ぐ。
さしものギーグも予期せぬ事態に目を白黒させたが、その視線は遠方でうごめく
「巨大な機械の塊」を素早く捉えていた。
日常的な渋滞に強烈なストレスを溜め込み、ゾンダーメタルを植え付けられた運転手。
それを素体としたゾンダーロボ『EI-06』が、みるみるうちに巨体を生成していく。
上半身は不気味な人型、しかし両脚に当たる部分は巨大なロードローラー。
それが周囲の車を巻き込みながら、こちらへ向けて暴走を開始した。
「うわぁ、駄目だ!バスが故障して動けない!!このままじゃ巻き込まれる!」
市バスの運転手が悲鳴を上げる。それを見たギーグの目が怪しく光った。
「それは僥倖…! 代わりに私がこのバスを直して上げるでゲス。
ただし 機械化獣として、でゲスけどな!」悲鳴を上げる乗客たちを乗せたまま、
バスから鋼鉄の手足が生え、禍々しい機械化獣へと変貌していく。
その、わずか数十台前方の車列。
破壊された陸橋の上で、天海護や学友たちを乗せた観光バスが立ち往生していた。
EI-06が移動しながら周囲の車両を取り込み、重量を増した煽りを受けて、
道路が崩落し移動不可能に陥っていたのだ。
(僕のせいだ…。僕が遊びに夢中になっていたから!)
バスから避難し、崩れた道路を前に愕然とする護。 先日のEI-05迎撃作戦の際、
GGGの作戦から置いてけぼりにされたことを、護は少し恨めしく思っていた。
(どうせ気のせいだ。誰もとりあってくれない)
その思いから、EI-06の予兆(ゾンダーの気配)に気づいていながら、
報告を怠ってしまったのだ。今更ながら激しい後悔を護を襲う。
持っていたGGGポケベルも見当たらない。
「どうしよう…このままじゃ、みんなやられちゃうよ…!」
困り果て、絶望しかけた護の耳に、空を切り裂き迫り来る猛烈な駆動音が聞こえてきた。
『ザウラー・フォーメーション!!』
混沌とする戦場へ、3体の恐竜メカが今、力強く舞い降りてくる。
バスの機械化獣とEI-06の発生場所がほぼ隣接してるというクロスオーバーならではのある意味恐怖の公演となりました。
ユ「のう、主よ。下手するとゴウザウラー取り込まれんかの?」
踏み潰されなければ多分大丈夫…かも?(ぉ