スーパーロボット大戦 Re:Boot 作:戯龍
ボルフォッグから齎されたその映像をメインモニターで見たGGG基地の職員達が息を飲んだ。
「な…。あれが、人造巨獣ガワンの能力だと言うのか。銃の類いが効かなくなるだなんて」
保護カーゴを突き破り成長を続けるガワンの恐るべき能力に大河長官が啞然とする。
「ちっ。大河、こいつは間違いなくバイオネット絡みだぜ!」
思い当たる節があり過ぎる火麻が警告を発する。
大河長官もかつて自分も所属していた秘匿組織『ID5』の経験値に照らし合わせて考える。
「よりによってこんな時に…いや、こんな時だからこそか!」
短期間で爆発的に成長し、尚且つ環境に合わせて自己進化する。
もしもそんなバケモノがゾンダーや機械化獣と戦ったらどうなるかは火を見るよりも明らかだ。
「冗談ではない。例えこれが偶発的な事故であったとしても絶対にそれだけは阻止しなければ」
唯一の救いは物理的な距離だけだという紙一重な状況に大河は感謝するしかない。
「恐らく連中の事だ。市民に紛れてこっちの戦闘を監視してると思うぜ?」
「・・・だろうな。場合によってはゾンダーの試料も手に入れる心算だろう」
千鳥足の機械化獣の様子を客観的に見る限りでは連中の優先度は一番低いだろう事は察するものの、
あれだけ単体の兵器として完成されたガワンの事を放っておく連中だとは思えない。
「多分、もうガワンの細胞片を手に入れたんだと思います。あの騒ぎは陽動でしょう」
と猿頭寺が冷ややかにガワンの事件の推移を分析する。呑まれた隊員は可哀想だが恐らく裏事情を知るまい。
「しかし特殊鋼弾か。…逆に言えばもうそこまで手に負えなくなっている状態と言う訳だな」
くしくも表向きはスペースプレーンの打ち上げに失敗したばかりの宇宙開発公団だからこそ
特殊鋼弾という宇宙用救命ツールを持ち出しやすい状況が揃っているともいえなくもない。
偶然が重なっただけ。と言われればそこまでだが何者かの作為を感じ大河長官の背筋に汗が流れた。
その頃、現場では炎竜と氷竜の精神に変化が齎されていた。
例え自分が傷付いても手と手を取り合って救命活動に参加する者、
あるいは巨大機械化獣の中に囚われていても尚、それに抗い抵抗を続ける無為の人々の行為に対して。
今しがたもギーグなる機械化帝国の手先がバッドバーストの中に突入していったが、
それを逆手に取った乗客達が内部での攻撃を誘発して一部を破壊し脱出して来たばかりである。
「大丈夫か!君達!!」ラダーで脱出をサポートする炎竜が最後に出て来た3人組の少女に声を掛ける。
「大丈夫よ!皆で協力しあったし、これ位のかすり傷、へっちゃらよ!」3人組の表情も明るかった。
「少し君達に質問なんだが…。あんな目に遭ったのに良く戦えるな。君達のその想いは一体…」
氷竜の素朴な疑問に対して、春枝が「勇気よ。」と静かに、だが核心をもって答えた。
「勇気…」「我々にも勇気があれば…」サポートビークル達の心にその言葉が深く刻まれる。
「助けてくれて有難う!私達はこれで避難させて貰うわ!!」3人組は慌てた様子でその場を去っていく。
彼らは他の避難者達をも適当に誤魔化しつつ、ゴウザウラーへと乗り込んで行くのであった。
言葉を反芻しつつ、炎竜と氷竜はEI-06に苦戦するガイガーの方へと向き直って走り始めた。
自分達の役目を果たすにはどうすればいいのか。もうその答えは彼らにも判っていた。
華を連れて物陰に避難していた護にも彼らの搭載するGストーンの同調波が届く。
「お願い。皆を護って!」彼が彼らに願ったのと同時刻。
GGG基地で観測されていたサポートビークル達のプログラムの画面の内容が書き換わっていく。
『『システム・チェーーンジ!!』』今、赤と青の勇者がその真の雄姿を現す――!
バッドバーストの回で春枝ちゃんの台詞に勇気発言があったので炎竜と氷竜に聞かせてみたりとかしました。使ってる場面とかは違いますが、言ってるのであればクロスオーバー要素に取り込めると思ってw;
ユ「他にもクロス要素があるようじゃが?」
それはまだ言わないでー