スーパーロボット大戦 Re:Boot   作:戯龍

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ガワン事件そのものは収束したけれど?


煙に巻く者

 東京湾を震わせた爆発の閃光が、ゆっくりと海に溶けて消えていく。

EI-06と巨大機械化獣バッドバースト―二つの脅威の残骸に挟まれる形で、

人の歪んだ欲望が生み出した人造巨獣ガワンは、その悲しき短い生涯を閉じた。

 

 湾岸沿いにそびえ立つタワーマンションの屋上。

苦々しげにその光景を見下ろしていたのは、

ゾンダリアン・プリマーダであった。

 

 偶然とはいえ、機械化帝国の作戦とタイミングが被った事で、

人々のストレス値は彼らの想定する理想値近くまで跳ね上がっていた。

タンクローリーという「車」の選択も悪くなかったはずだ。

 

 爆発のラグさえなければ、ガオガイガーを完全にハメ殺せてただろうに。

「あの緑の光の必殺技の致命的な弱点…。人間共は

未だ対処できぬままの様だが、真に惜しいことをした。」

 

 まさかガオガイガーと、ブレイブポリスなる警察組織、

さらにはゴウザウラーなる太古の戦士の代弁者達が手を取り合い、

互いの標的を同時に一掃する共同戦線を張るなど、想定の範疇外だ。

 

 「…ふん、まあいい。私に課せられた最低限の役目は果たせたと思うことにしよう」

プリマーダはクルリと身を翻すと、夜風に溶けるように姿を消した。

 その背中を、同胞であるペンチノンが物陰からじっと見つめていたことにも気づかずに。

 

「ウィィィ…実ニ惜シイ作戦ダッタ。ナラバ、私モアノ作戦ヲ真似スルトシヨウ…!」

 

 夕日をバックに帰途に就くザウラージェットを見送り、

ブレイブポリスと防衛軍は現地での戦後処理に移っていた。

最初、ガワンは穿孔発破法を採用し体内で炸裂弾を炸裂させて処分する予定だった。

 

 それが急遽、三つの組織による奇跡的な連携が実現したことで、

大きな被害を出すことなく「滅却処分」を終えることができたのだ。

今回の事件の発端となった、尾上せいあの弟・真琴。彼が犯した罪の責任は重い。

 

 だが、彼もまた上層部の身勝手な命令でガワンに近づけられた被害者の一人だ。

それを考慮すれば、極刑や重罪に問われる事はないだろう。

「しかし…まさか『爆風消火』の理論で湾岸の被害を最小限に抑え込むとはな」

 

 移動指揮車の中で、せいあは深く息を吐きながら呟いた。

思い返されるのは、先ほど見たばかりの光景だった。

最後の決め技は、ゴウザウラーの『マグマフィニッシュ』だった。

 

 その両脚部にガソリンを満載したロードローラー型のEI-06を、青と赤の勇者ロボが

海上のガワンへと力任せに叩き込んだ直後、巨大機械化獣バッドバーストごと、

地球のマグマの火力を宿した一撃でゴウザウラーが一刀両断にする―。

 

 言葉にするのは容易いが、EI-06の大爆発のエネルギーを、

それを上回る圧倒的熱量で強引にねじ伏せ、消火してみせたのだ。

文字通りの綱渡り。

 

 せいあが当初提案していた滅却方法よりも過激な処理方法ではあったが、

炸裂弾で爆散させた場合、ばら撒かれた細胞片から複数のガワンが復活するという最悪の可能性

を考えたらあの共同作戦は結果的には最善の選択だったのかもしれない。

 

 そんな危険極まりない作戦を、まさか小学生たちが動かすロボットで成し遂げてみせたなど、

彼女は知らない。もし事前にその事を知っていれば、彼女は防衛軍の権限をすべて使ってでも

絶対に止めさせていただろう。

 

 一方、東京都内の某所に於いてある裏取引が完了していた。

取引内容はガワンの細胞片が封じられた特殊針を装着した注射器の入ったジェラルミンケースの受け渡し。

真琴がガワンの保護カーゴの中で取り落とした筈のソレを壊れた状態の偽物とすり替えた挙句、何者かが回収していたのだ。

 

 己の欲する物なら上司だろうが仲間だろうが平気で利用するバイオネットの狂気は未だ止まらない。




ジェイデッカー、ゴウザウラー、そしてガオガイガーの五話繋がりというクロスオーバーをやってみましたが、結構長丁場になった気がw;今後も同時進行出来そうな話はクロスオーバーさせる予定ですが何と何を混ぜ混ぜするかは未定です
ユ「なるべく短く纏められる様になればいいんじゃがのぅ…」
今回は最後の攻撃シーン端折っちゃいましたしね。反省。尚歯車王とギーグにはしっかり逃げられてます。
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