スーパーロボット大戦 Re:Boot   作:戯龍

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蠢き出した者達が居る様です


潜伏の刻を越え

ドラゴンの接近を告げる警報が鳴り響く、アルゼナルの独房。

ジル指令が扉を開け、中に放り投げたのは血に塗れた水着じみたパイロットスーツだった。

「それを着たら出撃よ。今回は特別に、それの持ち主が使っていた機体を使わせてあげるわ」

 

 「おい! まさかアンジュにパラメイルで戦えってのか!? 何の訓練もしてねぇってのに!」

かつてマジンガーZの制御にどれだけ苦戦したか、身をもって知っている甲児が抗議の声を上げる。

流石にそれは無茶だろうと、ジルの前に立ちはだかった。

 

 「安心しろ。腐ってもミツルギ帝国の元皇女だ。

バイクという名の鉄のじゃじゃ馬に乗った経験はなくとも、

代わりとなり得る教養は培われている筈だ。アンジュなら楽に乗りこなせるわ」

 

 ジルの言葉に、甲児は「んな無茶苦茶な……」と呆れる。

「てか、じゃじゃ馬扱いなのかよ、パラメイルって奴はよ」

ツッコミの方向性はズレていたが、甲児はジルもまたパラメイルの経験者であることを察した。

 

「……もし、私がドラゴンと戦わず、そのまま逃げ出したらどうするつもりよ?」

血の匂いに顔をしかめながらも渋々スーツに着替えたアンジュが睨みつける。

「というか、念のために聞いとくけど、このスーツの持ち主はどうなったの?」

 

「…死んだわ。仲間を助けようとした結果で、だけどね」

ジルは平然と言い放った。

(…ほう? 今、一瞬答えに迷ったな。てことは、そういうことにしたい裏事情があるってわけか)

 

 アンジュの隣の房で聞き耳を立てていた流竜馬が、密かにニヤリと笑う。

「それに、別に逃げようとしたところで私は構わんぞ? お前に還れる場所があるというのであればな」

ジルがわざと皮肉っぽく煽っていることに、アンジュは気が付かない。

 

 「ならそうさせて貰うわ。こんな所で野垂れ死んでたまるもんですか!」

開け放たれた扉をくぐり抜けると、彼女は後ろも振り返らずに階段を駆け上がっていった。

「おいおい、放っておいていいのかよ? あの調子じゃ本当に逃げられるぜ?」

 

 竜馬がこれからアンジュの身に起こる展開を察したのか、意地の悪い笑顔でジルを見る。

「あぁ、何の問題もない。パラメイルには、一回分の戦闘に必要な燃料しか積んでいないからな。

せいぜいこの島の周辺でガス欠を起こして墜落するか、ギリギリ帰ってくるかの二択しかないわ」

 

 まるで悪代官と悪徳商人のように不敵に笑い合う二人に、流石の甲児もドン引きである。

(そういやこいつも元々は荒くれ者だったな。あのじいさんも、ジル指令や親父と同類だって事忘れてたぜ)「あぁ、そういえば忘れるところだったぞ。喜べ、流竜馬。……お前の無罪が先程証明された」

 

 ひとしきり笑い終えたジルが、真面目な顔になって竜馬に書類の束を差し出す。

「何だと?」「死んだはずの早乙女博士が生きていた。

それどころではない、世界に対して宣戦布告を下したのだ」

 

 「現時点をもって流竜馬、お前をここから解き放つ。

そして、なるべく早く浅間山の仲間のところに向かってやれ」

書類を読み進めるにつれて、竜馬の顔がみるみると引き締まっていく。

 

 「早乙女のジジイ……やっぱり生きてやがったのか!!」

「良かったな」とはとても言えない最悪の状況に、甲児の表情も硬くなる。

「それと、兜甲児……。お前にも伝えねばならんことがある」

 

 「へ?俺?」ジルからの思わぬ流れ玉に目をパチクリする甲児。

 

「あのDr.ヘルという世紀の犯罪者が復活し、富士山の遺跡を占拠してお前を出せと喚いているらしいわ」

流石のジルも、立て続けに発生する世界の危機に辟易とした顔で、甲児に急を告げるのだった。




 逃亡防止用とはいえかつかつで飛ばされるパラメイルのお値段は如何ほどの物なのか…
ユ「一応量産されとる様じゃしマジでバイク位の値段なのかも知れんのぅ…」
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