スーパーロボット大戦 Re:Boot   作:戯龍

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ようやくハガネが基地に辿り着いたみたいです


ジレンマを抱えし者

 伊豆半島最南端。科学要塞研究所に程近い極東方面軍支部のドックでは、

宇宙から帰還したばかりの、深く傷付いた『ハガネ』の迎え入れが佳境を迎えていた。

艦装の大半が使い物にならないほどの凄惨な損傷具合に、整備班からは悲鳴に近い声が上がっている。

 

 「……ようやく帰ってこられたか。しかし、状況は芳しくないようだな」

タラップを降りたダイテツ・ミナミ艦長が嘆くのも無理はなかった。

伊豆大島のアルゼナルも近く、この基地の戦力は大半が出払っていると聞く。

 

 今しがたも、アルゼナル付近の界震に伴って現れたとされるドラゴンの群れに対応するため、

数機の大型機動兵器が中型の随伴機を伴って編隊離陸していったばかりだ。

おまけに富士山麓では、Dr.ヘル率いる機械獣が大量に出現したとの報も入っていた。

 

 他方では、浅間山のゲッター線研究所で行方不明だった早乙女博士が

復帰早々に世界に向けて宣戦布告をし、きな臭い噂も漂っている。

だが、そちらは世界各国のゲッター軍団に出動要請が出たことから、一先ずは静観するしかないだろう。

 

 「よく無事に帰ってこられたものだな」司令部に向かうダイテツに皮肉げな声で声をかけてきたのは、

ハガネの同型艦『シロガネ』を受領したばかりのリー・リンジュンであった。

「一年近くも行方不明だったのだ。もし貴官の艦が無傷のままであったなら、唯では済まさぬ所だったぞ」

 

 フンと鼻を鳴らし、相変わらず人を見下すような言動ではあるが、

一人の軍人として憂色を滲ませるあたり、彼も現状の深刻さは理解しているらしかった。

「すまんな。よもやシュウ・シラカワが、己の命と引き換えにあのような真似を仕出かすとは思わなんだ」

 

 単機での『クロスゲート』展開。結果としてそれは「自爆」という形でしか能力を発揮し得なかったが、

鋼龍戦隊を時空の彼方へ吹き飛ばすには十分だった。壮大な自殺とも取れる彼の行動には今なお謎が残る。

しかし、彼らが未来で見てきた情報そのものは、現在の世界にとっては「過ぎたる遺産」でもあった。

 

 もっとも、ダイテツ以下鋼龍戦隊の全員は、未来で見てきた事実のすべてを語るつもりはなかった。

あれはあくまでも、自分たちが過去にいなかった結果として生まれた『IFの世界』である。

そう思わなければやっていられないほどの衝撃を受けたのも、また事実だった。

 

(現在ならば、あの『事象』を止めることさえ出来るやもしれぬ。だが…)

過去を無闇に変えた結果どうなるかなど、誰も試したことがないだけに、その反動もまた未知数だ。

未来が変わるだけならばまだいいのだが、最悪の結末を呼び込む引き金になりかねない。

 

 (『百鬼夜行』…か。今となれば、その言葉の真意も嫌というほど分かる)

未来で言う所の『黒歴史』。まさか、多発するこれらの事件がすべての始まりだったとは。

古代から「それ」に備えて製造されたと言われる龍虎王をはじめとする四神の存在。

 

 そればかりか、残る二神を操る『バラルの民』の暗躍や、

彼らが崇めるという疑似神『ガンエデン』の覚醒までもが、この先の未来に待ち受けている筈だ。

自分たちが到達したあの滅びの未来を回避できるというのは、実に魅力的な話ではある。

 

 だが、あの未来では幸いにもガンエデンの完全覚醒にまでは至らなかったではないか。

今度はそうならないとは限らないが、未来で知り得た過去の情報はあえて改竄された物だった可能性もある。

それを差し引いたとしてもよもや自分達がそれに関わる事はないだろうとダイテツは未だ楽観視していた。




 パルマーの脅威はほぼ収まった状況とはいえ、シャドウ・ミラー周りの事象が起ってないので、むしろこれからが本番?な鋼龍戦隊でした。
ユ「大地の揺り籠とかの地雷処理じゃな…面倒な」
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