スーパーロボット大戦 Re:Boot 作:戯龍
ブレイブポリスはその成り立ちの性質上、ロボット等の機動兵器を使った犯罪に関わる事が多い。
だが、犯罪者によっては様々な手口で事件を起こそうとするものである。
例えばトレンドという一見捉え処の無さそうな流行り物でさえコントロールしようとする者が居る。
「すいません、すいません。大変申し訳ない!今までの事はこの私しめがやりました!!」
傍目から観たら「何アレ。」と言われかねない程に捕らえた警官達に平謝りしているのは、
元・闇のバイオ科学者「ドインク」である。
彼は強力な洗脳薬を散布して、まず真っ先に勇太を怠け者にしてしまった所まではいいのだが、
ブレイブポリス達には当然効く訳もなく、薬品タンクを背負ったロボを大破させられてしまったのだ。
その薬品タンクの中身が「即効性良い子ちゃんの原液」だったせいでああなったらしい。
様子のおかしい皆を心配したダンプソンと共に事件現場を駆け回っていた、
ルポライターの綾子も呆れていたが、何でそんな物を後生大事に最後まで取っておいたのかが判らない。
「最初から皆善人にしちゃうとかいう発想は彼には無かったんだね」と勇太が残念そうに呟いた。
そういう愉快犯的な犯罪者もいれば、石膏像に偽装したナノマシンタイプのクレイ・ゴーレムを使って
美術品の窃盗を企む美術品強奪犯の手がかりを追って勇太が初の単独での潜入捜査を行ったり、
ダイ・ガードのヘテロダイン侵攻を見物しようと街に繰り出す人々を誘導したりとそこそこ忙しい毎日だ。
そんな折、街中の喋るタイプの「AI搭載機」が立て続けに破壊されるという怪事件が起きる。
シャドウ丸はその報告にジェイデッカールームに度々現れる様になったのだが、
大概彼の言う所の紫狼形態であったが故に、勇太が勧めたのがよりによって犬小屋だったりする。
拗ねてしまったシャドウ丸は何故か友永家の庭先へと逃げ込み、勇太の姉、友永あずきに介抱される事に。
「警察犬の何処が嫌なのさ。そりゃ確かに犬小屋を提案したのは僕が悪かったかも知れないけどさ」
連絡を受け、駆け付けた勇太に背を向け丸まったままのシャドウ丸は彼の問いかけにも答えようともしなかった。
「…勇太、あなたちょっと署に戻ってなさい。私が少しこの紫色の狼さんと話してみるから」
あずきに背中を押され、勇太は釈然としない顔のまま、しぶしぶその場を後にした。
静かになった庭先で、あずきはシャドウ丸の脇に置いたビニールプールの傍らにそっとしゃがみ込む。
「ねえ、狼さん、でいいのかしら?あの子、決して悪気があって犬小屋なんて提案したんじゃないのよ」
あずきが優しく語りかけると、頑なに丸まっていた紫狼の尖った耳がピクリと動いた。
「勇太はね、毎日事件の調査で忙しくしているあなたのことを、本当に心配していたの」
「いつもその姿で現れるから、あなたにとって一番居心地のいい寝床をあげたかっただけだと思うな」
姉だからこそ分かる、不器用な弟の精一杯の気遣い。
その穏やかな声は、シャドウ丸の意固地になっていた回路を少しずつ解きほぐしていく。
そんな折、シャドウ丸の内部通信に、新たな「AI搭載機」の被害報告が飛び込んできた。
目撃情報によれば、犯人はまるで「忍者」のような姿をしていたという。
自分以外の忍者ロボット―それは、彼にとって決して見過ごすことのできない存在だった。
「…すまない、友永あずき。己の器の小ささを恥じる。それと…感謝する」
シャドウ丸は短く礼を告げると、プールの中に注がれていた燃料を、一滴残さず一気に飲み干した。
紫の狼は疾風のごとく塀を飛び越え、事件現場へと急行するのであった。
任務上、ボルフォッグとは既に遭遇してそうですが隠密回路使ってるだろうし、向こうは唯のパトカー装っててそうですれ違ってばかりかも知れない・・・
ユ「その内ごっつんこしそうではあるがの」