スーパーロボット大戦 Re:Boot   作:戯龍

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目覚めを待つ者が居たみたいです


受け継がれし機体

 喧騒が飛び交うアルゼナルの片隅に、あらゆるゴミが集積する廃棄場がある。

異星由来の技術が導入されて以降、リサイクルの在り方は大きく変わっていた。

だが、ドラゴンと戦う最前線の様相は、かつての時代とそう変わらぬ泥臭さを残している。

 

 ジルに新機体の調達を断られたアンジュは、酒保『ジャスミン・モール』

の店主・ジャスミンの元へジャンク漁りの許可を貰い棄場へと足を踏み入れた彼女。

その山積む鉄屑の奥で、アンジュは思わず目を剥く光景に出くわすことになる。

 

 「何でこんな所に、パラメイルがほぼ完品状態で転がってるのよ……!?」

全体的に錆び付いてはいるものの、致命的な部品の欠落は見当たらない。

よくよく観察すれば、誰かが周囲の目を盗んで、こっそり整備を続けていた形跡があった。

 

 「そりゃそうでしょ。この私が直々に、その子を直してあげてるんだから」

山積みの廃品からひょっこり顔を出したのは、年下のメカニックの少女、メイだった。

「その子はね、あのジル指令が昔乗ってた機体を、私が譲り受けて復元修復したものなのよ」

 

 「復元?……ドラゴンと戦って空中で爆散でもしたっていうの? だからあの人、義手なわけね…」

バラバラになった航空機を組み立て直す原因調査の事例から、アンジュはジルの過去に思考を巡らせる。

「んー。実際にはもっと悲惨な事故っていうか、事件に巻き込まれた結果んだろうけどね……」

 

 メイは言葉を濁しながらも、まるで愛おしい我が子に触れるように、そっと機体の装甲を撫でた。

「ようやくここまで形にできたんだけど、この子、まだ――」

「へぇ。だったらもう動かせるんでしょ!? ジル指令が乗らないんなら、私に貸しなさいよ!」

 

 「ちょっと、人の話は最後まで聞きなさいってば! その子は特別仕様なんだから、あんたじゃ無理よ!!」 忠告を無視してバイク型コクピットへ強引に跨るアンジュと、それを必死に止めようとするメイ。二人がぎゃんぎゃんと掴み合っているところへ、廃棄場の静寂を破る冷徹な足音が響いた。

 

 「メイ。すまんが、その機体をアンジュに貸してやってくれないか。後でちゃんと埋め合わせはする」

「でも……!」と納得のいかないメイを視線で制し、遅れてやってきたジルがアンジュに向き直る。

「アンジュ。その機体を起動させるには特殊なキーがいる。私にはもう、その資格すらないが……受け取れ」

 

 ジルの義手が、鈍い金属音を立ててアンジュに向かって何かを放り投げた。

「今のお前なら、そいつを再起動させられるはずだ。それ以降の保証はできんがな」

「……私の指輪じゃない。これを私が嵌めればこの機体が動くって事?……どういうカラクリよ」

 

「その機体の名は『ヴィルキス』。パラメイルの基本となったオリジナルの一機だ」

受け止めた己の指輪を凝視するアンジュを、ジルはどこか試すような瞳で見つめる。

「故に、それをまともに動かせるのは本来、限られた者のみ。……お前は相当、運が良いということだ」

 

 ジルがかつて己の右腕とともに失くしたであろう「モノ」を察し、アンジュの顔が引き締まる。

「ジルって言ったかしら。あんたまさか……どっかの国の皇女様だったとか言わないでしょうね?」

ジルはその問いに対して、ただ肩を竦めてみせた。

 

 「……さぁな。そんな事はもはやどうでもいい事だ。そうだ、今のうちに一つだけ忠告をしておこう」

ジルの冷徹な瞳が、まっすぐにアンジュを射抜く。

「敵前逃亡だけはするなよ、アンジュ。さすればお前は、遠慮なく後ろから撃たれる事になるだろう」

 

 改めて死と隣り合わせの現実をジルから突き付けられたアンジュだった。




 皇族なら誰でも乗れたのかどうかは判らないけど、少なくとも2国を跨り受け継がれた機体って事なんですよね・・・アンジュの家系とジルの家系は元は同じだった可能性もあるのかな???
ユ「鍵が指輪なだけって可能性もない訳ではないがのぅ」
どっかの時計塔みたいに対だったら面白かったかも知れない(ぇ
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