スーパーロボット大戦 Re:Boot   作:戯龍

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悲喜こもごも。


揺らぎ揺らぐモノ

 エヴァを降りたトウジとケイスケへの扱いは、表面上は穏やかだった様には思う。

彼らが避難勧告を聞き逃したという方便を信じるか否かは別として、

それ以降の彼らへの処分内容すら、僕には一切教えられないだなんて事は思わなかったけど。

 

 その徹底した情報統制が、シンジには酷く不気味だった。

ミサトさんの部屋に「辞めます」とだけ書き置きを残して家出する程には彼は動揺する。

向かった先は、あの日二人と遭遇した山の中だ。決して狙って行ったわけじゃない。

 

 行くあてもなく歩いていたら、サバイバル生活をしていたケイスケが僕を見つけただけの事。

「お母さんが、心配するんじゃ…?」という問いに「俺も君と同じさ」と答えるケイスケ。

「え?」「あの学校にいる連中はさ…みんな、それぞれに『事情』を抱えてるってこと」

 

 彼は手早く荷物をまとめ、最低限の道具だけを残して僕に向き直る。

「悪い。俺が今言えるのはそれくらいさ。それに明日には『連中』がここに来るだろうしな」

まるで、誰がいつ僕を迎えにくるか知っているような口ぶりで告げると翌朝までにその姿を消した。

 

 翌日、本部に連れ戻された僕を迎えたのは、ミサトさんの矛盾に満ちた説教だった。

突き放すような冷たい声。父親の台詞とそっくりな事まで言い切ると、彼女はシンジに背を向ける。

結局、ミサトさんも『連中』の仲間なんだとシンジは半ば諦め、エヴァに乗り続ける道を選ぶ。

 

そんなある日、僕は指令所内で、思いがけない「父の姿」を目撃する。

もう一人のパイロット候補生、綾波レイ。 彼女に向けて父が見せた笑顔は、

かつて僕がどこかで見た、優しかった頃の記憶と同じものだった。

 

 

 報道番組の画面に映し出された、見覚えのある景色。

それは、かつて父との大切な思い出が刻まれた公園だった。

画面を見た桃井いぶきは、突き動かされるようにその場所へ向かう。

 

 そこで出会ったのは、小雨の中、寂しげに自分の父親を待つ一人の少女だった。

その姿に、いぶきはかつての頼りなかった自分を重ね合わせる。

しかし、その平穏な日常を引き裂くように突如ヘテロダインが出現した。

 

 敵は、触れたものを原子レベルで分解する超振動の外殻を持つ。

避難が遅れる中、少女の父親が必死に娘を庇おうと立ち塞がった。

その姿を見た瞬間、いぶきの心に激しい熱い火が灯る。

 

 「あの人を……誰も、私みたいにさせない!」

ダイ・ガードに乗り込んだいぶきは、新装備の投入を決断する。

フィンガーネットアームを用い、搦め手で敵の動きを封じる作戦だ。

 

「赤木くん、そのネットでそのままそいつを押さえつけて!

そいつ自身に、自分を分解させてしまえばいいのよ!」

外殻自体が凶器だというのなら、そのエネルギーを自身に跳ね返せばいい。

 

「了解! その手があったか!!」耐久力への不安を吹き飛ばし、赤木がダイ・ガードを突き動かす。

機体の全質量をかけ、ヘテロダインを地面へと押さえ付けた。

ネットの緊縛と、行き場を失った自らの超振動の拒絶反応。

 

 ヘテロダインは自らの身体を内側から原子分解する羽目となる。

程なくしてヘテロダインは跡形もなく消滅した。

その激闘の模様を、GGG基地のモニターで見つめる眼光があった。

 

 「超振動による原子分解…か。よもや、我々が研究しているイレイザー・ヘッドと同じ様な能力とはな」

麗雄博士の脳裏に、双子の勇者ロボの姿が浮かぶ。

未だシンメトリカル・ドッキングを果たせぬ、炎竜と氷竜。

 

 その合体形態「超竜神」だけが扱えるはずの、超ツール。

大自然が天然に再現してみせたその破滅の力を前に、麗雄の目が鋭く光る。

だが同時に、ダイ・ガードの勝利はその懸念を彼らの希望へと変えた。




 フィンガーネットがある程度持った理由づけとして雨の要素があったみたいですが、今回は描写省きました。
ユ「超振動恐るべして事だけでも伝われば御の字ではなぃかのぅ?」
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