スーパーロボット大戦 Re:Boot 作:戯龍
そもそもウォルフガングがあの「物語」から解き放たれたのは単なる偶然だった。
デザルグ軍とやらの最初の接触は穏やかな物だったらしいが、
バハムートが彼らからの提案に対して拒否の判定を下したのが大きいらしい。
結果として放たれた宇宙艦艇の砲撃によって彼ら用の冷凍睡眠兼洗脳用装置の安全装置が作動。
本来ならば目覚める筈のないインターバルの期間に放り出されてしまったらしいのだ。
「ま、そのお陰でバハムートの奴の馬鹿げた政策の犠牲にはならなかったんじゃがな」
「待って下さい。それじゃあなた達が目覚めたのってごく最近って事になりませんか?」
彼の説明が正しいのなら、メガロード船団が地球に取って返し始めたのは比較的最近の筈だ。
「その通り。儂らは奴の定義で言えば『メインキャラクター』扱いじゃからな」
ある意味ブラックノワールに大事にされていたからこその後回し。
クローンではなく『オリジナル』である事とその知能の消失を防ぐ保全機能が彼らの身を守っていた。
「恐らくじゃが、儂らまで洗脳した場合のリスク回避を天秤に掛けた結果、じゃろうて」
「…じゃぁ、本物の旋風寺舞人さんも目覚めてるか、洗脳されずにこの艦の何処かで眠ってるって事?」
と智美が聞くとウォルフガングは悲し気に首を振った。
「いいや。奴はサリーちゃんと一緒に『旅行』に行ったままの状態じゃよ」
以前、智美にウォルフガングが説明した通り、この世界での『旅行』の意味する所は唯一つ。
他艦への渡航…すなわち一種の『追放』をかつて彼らがされてしまった事に等しい状況だと彼は言った。
「儂らがたまたま今回の「シーズン」中に間に合う形で目覚める事が出来たのも奇跡に等しい事じゃからのぅ」
主役無き物語なぞ、バハムートにとっては蓋をしてしまった所で痛くも痒くもない。
それよりもバハムートにとってより管理しやすい『昭和』固定政策の方が都合が良かったのだ。
「それに、お主も知っての通り、儂らの主電源はお主らと違い、電気一択じゃったからのぅ」
宇宙船ならではの電源問題を逆手に取られてしまえばそれこそ首根っこを掴まれたに等しい。
「まぁ兎も角、皮肉にもかつて儂に降りかかった問題と今の儂らの置かれた状況はほぼ同じと言う事じゃな」
かつて電力確保で苦労した身としては苦笑いするしかない現状にウォルフガングの悲哀が漂っていた。
ネルフ本部では迫りくる緊急事態に蜂の巣を蜂の巣をつついたような様相を呈していた。
「初号機のダメージはどう?」ミサトがマヤに確認を取る。
「右腕が消し飛びましたが、幸い胴体の方は何とか持ちました。シンジ君の回避行動が間に合ってくれました」
今度の使徒はかつてダイ・ガードが粉砕したお椀状のヘテロダインの強化版とも言える存在だった。
見た目的には2つの四角錐の底面を張り付けただけに見えるが、その実態は凶悪な長距離ビーム砲である。
撃つ為にわざわざ幾何学的造形に変形する悪癖とチャージしないといけない仕様でなければ危なかった。
モニターの中で防衛軍の無人戦車が射程距離を探る為に目立つ的を掲げて近付くが、
一定距離に近付くと問答無用で撃墜される様子が映し出されている。
「あの調子じゃOE兵器も相手に着弾する前に蒸発しちゃうんじゃない?正に攻防一体の兵器ね」
リツコが感心するが、真下には撃てないであろうその仕様は人類をおちょくってるとしか思えない。
「奴を撃破するとしたら超ロングレンジ射撃による核の一点破壊のみって事ね。参ったわね」
自力での解決を求められたネルフは妥協案として日本全土の電力の使用許可を取り付ける事に成功する。
前半はマイトガインの世界設定はほぼそのまんま宇宙船の中に落とし込めるからこそのクロスオーバーだったりするという・・・
ユ「初期の方の世代じゃそら電気一択にもなるわなぁ・・・怖」