スーパーロボット大戦 Re:Boot   作:戯龍

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逸脱

 …これは何の冗談なのだろうか。夢じゃないんだよな?

 軍のやり方に納得がいかず、都庁で暴れる軍の機動兵器群をガーランドで蹴散らしたはずが、

B.D.の駆る、ガーランドによく似た蒼い機動兵器にボロ負けしたばかりだった。

 

 「お前のおかげで手数が省けて助かったよ」

手脚のパーツを捥(も)がれ、ダルマ状になったガーランドから省吾を引っ張り出したB.D.は、

周囲の目から憚(はばか)るように彼をガレキの隙間へ放り投げると、ガーランドを手土産に去っていった。

 

 またもや見逃された形になった省吾だったが、もはや自分の居室に戻ることは不可能だった。

いつの間にか、自分が智美を殺した犯人に仕立て上げられた報道が街頭TVで流されていたからだ。

B.D.と軍が一体何をしたいのかも分からなくなった彼は、都市の隙間を縫うように彷徨うしかなかった。

 

 「お、居た居た。よーやく見つけたよ。安心しな、俺らはアンタの味方だ」

行き場を失った彼を見つけたのは、街の愚連隊『TRASH(トラッシュ)』を名乗る暴走族の連中だった。

軍の警戒態勢の隙を突き、地下の大都市空間へと辿り着いた省吾。

 

 しかし、傷付いた彼の目に飛び込んできたのは、さらなる衝撃の光景だった。

「そんな馬鹿な……生きてたのか、智美!?」

「おっそーい! んもう、彼女の方が気になるのは分かるけどさ!」

 

 最初に抱きついてきた由唯の影から、ひょっこりと姿を現したのは、死んだはずの智美だった。

金髪に赤の差し色を施した、ライトニングと名乗る暴走族のトップが、見慣れぬ老科学者と共に微笑んでいる。

いわゆるツッパリと呼ばれる連中ではあるが、彼らはウォルフガングに恩があるらしかった。

 

だが、彼女と共に居る筈の舞の姿だけはこの隠れ家的な地下施設の何処にも見当たらなかった。

「舞はね、自分から囮を買って出てくれたの。自分のせいで私達を危険に晒したからだって言って」

舞の正体。それはメガロードの軍事産業を司る夢叶財閥の総帥・夢叶影弦の娘だったのだ。

 

彼女はそんな軍事一辺倒な父に反発する形で家出同然の身で由唯達と共同生活をしていたのだった。

引っ越し業者を装ったウォルフガングの手下の駆るトラックで彼女の家まで送った後、

追っ手を巧みに巻いてここに辿り着いたのだと由唯は教えてくれた。

 

 

 アルゼナルの廃棄場から飛び上がるヴィルキス。流石に弾薬の補給はされていなかったものの、

実体剣や掌に内蔵された特殊装備だけは今も使える筈だとジルに注意を受けたアンジュだったが、

いきなり格闘戦前提なのは少々機体に負荷を掛け過ぎなのでは?とメイがジルに問いただす。

 

 「いや、あの機体なら錆びや埃程度ならエンジンを全開にすれば自力で振り落とせる筈だ」

あの機体だけでも特別対応だと突っ込まれる可能性は無くはないが復元機体である事も動かせない事実。

甘やかしている心算は無いが期待値が高い事だけは否めなかった。

 

 「燃料は一応一回の戦闘で使う分しか入れてないけど…後でちゃんと見てあげないと」

外見は何とかなるかも知れないが、内部機構の往年劣化だけはま逃れないだろうと不安がるメイ。

「あの指輪があの子の駆動キーだって事知ってたんですか?」未だ不服そうにジルに聞く。

 

 「いいや。私としても一種の賭けだった事は否めないがな。…使える物は何でも使わぬと」

彼女は首を巡らせ、廃棄場の隅に鎮座するもう一機の埃塗れの赤い機体を乗せた移動発射台に目を留める。

「よもや、この機体も再び空を舞う事になるとは流石の私も予想外だったわ」

 

 それは流竜馬がアルゼナルの監獄に放り込まれるのと同時に早乙女研究所から送り付けられた、

彼がかつて使っていたゲットマシン、イーグル号だった。




 イーグル号を持ってくるのがちと面倒な局面だったので、予めアルゼナルに保管されてる事にしました。運が悪かったら竜馬が市場で買う羽目になってかも知れませんが、幾ら模範囚でもドラゴンと戦え言うのはアルゼナルの役目考えたら無理っぽそうなので没。
ユ「まぁアルゼナルは軍事要塞言うても女子刑務所みたいなモンじゃろうしな…」
イチナナ式部隊はジルの管轄外でしょうしねぇ…
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