スーパーロボット大戦 Re:Boot 作:戯龍
パルは一人、悩んでいた。
どう考えても普通のNPCとは挙動の違う、エルドラの民。
カザミの態度は相変わらずだが、ヒロトは真剣に彼らのことを気にし始めていた。
それに、気になることがもう一つある。
ヒロトは初戦の際、強制終了(ログアウト)したから知らなかっただろうが――
あのデスアーミーのやられ方は、自分たちの知っているゲームの演出とは違っていた。
ポリゴン状に爆散するいつもの消え方ではない。
明らかに質量を持った衝撃波を伴う、生々しい爆発の仕方。
戦闘後の地形がえぐれたまま復元しないのは、処理ミスだとは思えない現実味があった。
そして、村人たちから聞いた世界設定もまた、リアルさに満ち満ちていた。
犬や猫の種類の名をもじった様な幾多の国名など、確かに突っ込み所はあるのだけど。
だが何よりもおかしいのは、フレディが『ビルドダイバーズ』の名を予め知っていたことだ。
単なる未実装のクエストにしては、あまりにも造り込まれすぎてはいないか。
もし、一度破壊された物が元に戻らない仕様が、彼らにも適用されているとしたら……。
そう思いつつも、パルはそれ以上に、自分の戦い方に悩み続けていた。
目の前の地割れには、呼び出した赤いガンドラゴンの金色の顔があった。
ちょうど彼を覗き込むような位置のまま、主の苦悩を静かに見守っている――はずだった。
パルヴィーズの心を縛るトラウマの元凶は、幼い身に降りかかった凄惨な『事故』にある。
人を疑うことも知らず、勧められるがままに乗り込んだ一人乗りのグライダー。
一命を取り留めはしたものの、引き換えに下半身の自由を失った。
その過酷な現実が、幼いパルの心を深く、鋭く抉る。
企んだであろう者達にどれほど厳格な処罰が下されても、奪われた足も、
他者への信頼も二度と戻らない。拒絶するように人見知りを拗らせていく彼を見かねて、
兄がそっと手を差し伸べた。それが、仮想空間であるGBNの世界だった。
「いずれ本格的に治療ができる歳になるまで、リハビリも兼ねてGBNで遊んでおいで」
異星の技術の恩恵により、現代では半身不随になろうとも容易に社会復帰ができる。
最先端の義肢を選ぶか、生身の肉体を再構成するか―その選択の自由すらある時代だ。
中にはファッション感覚で義体や義肢を入れ替える者さえいるという。
しかし、パルの心は未だにそこまで割り切れずにいた。
「ねぇ、モルジアーナ。本当に…このままでいいのかな?」
訪れた村の防衛ミッションを前に、パルは呼び出した愛機にそっと語りかける。
自分の臆病さに付き合わせ、大空を飛べるはずの翼を地に縛り付けている情けない自問自答。
だが、愛機は主の迷いを拒絶することなく、ただ静かに、優しく見つめ返していた。
そして、本来ならばプログラムでしかないはずの機体が、確かに身じろぎをした。
まるで主を労わるかのように、そっと頬を寄せてみせたのだ。
気のせいかもしれないが、感極まったパルが抱き着くには、十分すぎるほどリアルな温もりだった。
そして迎えたミッションにおいて。遂にその赤き竜のベールが解き放たれる。
竜からヒト型へ。くしくもそれはエルドラの地に伝わる伝説の竜戦士の如き気高き女騎士への変貌。
その胸に輝くは神秘的な緑の光を湛えた一基の宝珠。その名は、『GNドライヴ』。
本来ならば、この世界には実在しない筈のそのシステムが
刻と空間を超え、アイドリング状態からその輝きを増しつつ正常稼働しているという『事実』に
パイロットたるパル自身はまだ気が付いていなかった。
じゃぁもしかしたら他の機体の核融合炉とかも再現されとんの?とか言われそうですがそこはガンプラ愛のお陰です。としか…
ユ「成る程。イージスナイトが電池駆動だったりする可能性もある言う事じゃな…」
電池切れ描写まで書く予定ありませんが、その可能性もあるかも