透き通る世界観で贈る異端児   作:鯖美

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沢山見てくれてありがとうございます(´;ω;`)コメント嬉しいよぉぉ!!


またね……ですっ!!

 

"レ、レイ?大丈夫?"

 

「しばらくこっち見ないでください!」

 

"はいっ!"

 

今現在、先生と背中合わせの状態で体育座りをしている。

数刻前にボクが恥ずかしいことながら、涙を流してしまったのだが、ずっと背中をさすってくれた先生に感謝しながら、心は大人なために羞恥心を抱いてしまい、今に至る。

 

とんでもない醜態を晒してしまった。

恥ずかしすぎて今にでも死にそうだ。身体の年齢に合わせて精神までも子供になっている所があることを自覚してたけど、ここまでとは…

 

でも、なんだかとても晴れやかな気分だ。

なるほど、これが先生か。皆が惚れる理由が分かる、少し無理やりだけど、自分に向き合える時間を作ってくれた。

 

いつか向き合わなければいけなかったのだ、ボクはこの世界に生きている、物語に干渉しないなど到底ありえない話だった。

 

だけど、ボクは見て見ぬふりをしていた、ただ怖かったのだボクのせいで人が不幸になるのではないかって、それだけでは無い、大切な人を友達を作ってしまったら、また失うのが怖くなってしまう。

 

「先生…ありがとうございます」

 

"ん?なんか言った?"

 

「……はぁ」

 

"んえ?"

 

全く、これからこの人に恋をする生徒は大変である。一体どれだけ先生ハーレムを広げるのだろうか。今から考えるだけで頭痛がしてくる。

 

"ねぇ、レイ"

 

「…はい?」

 

"私の護衛続けてみない?"

 

護衛を続ける選択肢をとったら、もういよいよ逃げられなくなる。

けど、先生のせいです、ボクを救い出してしまった先生の責任です。

だから、貴方は居なくならないでくださいね?先生…

 

「はい…任せてください」

 

もうきっとボクは逃げられない、この世界から逃げることをさせてはくれないだろう。それでもいいのだ、この甘くて優しい果実をまた、知ってしまった。

もう一人では居られないのだから。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

おはようございます。

現在昨晩のことを考えて悶え苦しんでいます。

う、うぎやぁぁぁ!!恥ずかしい恥ずかしいっ!!絶対涙とか色々な液体で顔ぐちゃぐちゃなってたもん!!わぁぁぁ!!

 

"レイ?いるかい?"

 

「あっ!はいっ!今開けます!」

 

コンコンとノックをされたので駆け足で扉を開ける。

今日で先生はやっと本当の先生になるみたいで、すごくキッチリとした白いコートに身を包んでいる。殺人級な胸部を目立たせてるそのパツパツなシャツはなんなのだろうか。

 

「先生、生徒たちに悪影響です」

 

"なにが!?"

 

今回先生は、普段膝下まで届く綺麗な黒髪を後ろで結んでいるみたいだ、髪を結ぶだけでかなり印象が変わるものだなぁっと思った。

ボクもやって見ようかな?毎回くせっ毛が強くていくら溶かしてもどこかしら跳ねてるし結べば少しは誤魔化せるのではないだろうか。

 

"それじゃあ行こうか"

 

「え?どこに?」

 

"え?サンクトュムタワー"

 

「……すぅ…行かないとダメですか?」

 

"護衛…でしょ?"

 

「……はい」

 

憑き物は取れたとは思うが、まだどこか抵抗感が拭いきれないのはきっと、物語に干渉しないようにして来たせいなのだろう。

まだ少し迷いがあるようだ。だが、もう逃げないと決めたのだ、ボクはこのブルーアーカイブで生きる一人の生徒だと思えるように進みたいのだ。

 

"覚悟は決めた?"

 

「…はいっ!」

 

先生が手を差し伸べてきたので、手を繋ぎながら、改めて覚悟を決め先生と共に歩き始めた。ヘルメットを被っていこうかと思ったが、今日はやめとこうと思う。

 

少しもしないうちに、小走りでこちらの方へ近寄ってくるネル先輩達が見える、どうやらボク達のことを探していたらしい

 

「よぉ!シロ」

 

「やっほー!シロちゃん!」

 

「あれ?ネル先輩とアスナ先輩?今日登校だったんじゃ?」

 

「うんっ!今日からなんだけど、挨拶でもしてから行こうかなって!」

 

時間もそんなに無いはずだと言うのに、わざわざ挨拶をしに来てくれたようだ。ただそれだけのはずなのに、心を満たすこれは一体何なのだろう。すごく悪くない気分だ。

 

「なんか水を得た魚みたいな顔してるよ?シロちゃん」

 

「普段から表情豊かだが、今日が1番いい顔してるな」

 

「きっと気のせいですよ」

 

「はっ、そういう事にしといてやる」

 

「それじゃあ!私たちもう時間だから!まったねぇ!」

 

本当に時間がないみたいで走りながら別れを伝えてゆく。ボクたちにも、別れの言葉ぐらい言わせて欲しいものだ。

すると先生が変な顔をしてこちらをみつめてくる。恥ずかしいからやめて欲しい

 

「な、なんですか?」

 

"んー?すんごく嬉しそうだったからさ"

 

「気のせいですっ!」

 

そんな変な顔になっていないと思う。顔に触れて確認してみたのだが、ものすごく緩んでるのを確認できてさらに恥ずかしくなった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

サンクトュムタワー、今その門の前にいる。改めて真近で見るととんでもなく高い塔だ。どうやって建てられたのだろう、スカイツリーみたい感じなのだろうか。

どうでもいいことを考えていると、七神リンことリンちゃんが出迎えてくれた。

 

「時間通りですね先生、お待ちしておりました」

 

"初日から遅刻はできないよ!"

 

「いい心がけです。ではご案内致しますので、どうぞお入りください」

 

言葉通りにサンクトュムタワーの中に入るとその少し先にあるソファにへと案内される。

 

「すみません先生。少し手続きが滞っておりまして、少しばかりここで待っていてください。」

 

"大変そうだねリンちゃん"

 

「待たせてしまうような形になって申し訳ございません。」

 

顔を顰めた表情を浮かべながら頭を下げ、早々にその場から立ち去ってしまう。この頃は確か連邦生徒会長が行方不明になって間もない頃の筈、さぞかし忙しいのだろう。すると先生が少し眠そうな表情を見せる。

 

「先生?大丈夫ですか?」

 

"ごめんね、レイ。すこしだけ、ねむ…らせ…て"

 

そのまま眠りについてしまった先生。昨日すこし遅くまで起きてしまった反動だろうか。

 

……あっ、違うこれ今連邦生徒会長と会ってるやつだ。もうスチルとかは色褪せて覚えていないがシュチュエーションだけは覚えている。案外記憶力がいいのかもしれない。

 

たしか、私のミスでしたから始まったような気もしなくもない。あとは、たしか……ダメだそこしか思い出せない、やっぱり記憶力悪いのかもしれない。

 

今は何もすることはないし、なんだかボクも眠くなってきてしまった、リンちゃんに迷惑をかけてはいけないというのに、意思に反して瞼が閉じてゆく。すこしだけ、眠ることにしよう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

目が覚める。ここは、電車?レイは?どうやってここに来たんだっけ。ここを知らないはずなのに知っているような気もする。とても不思議な空間だ。

壮観でどこか安らぎを感じるような地平線。いつまでも見ていられるまるで奇跡のような光景に息を飲む。

 

「…私のミスでした。」

 

先程までいなかったはずの少女が座席に座っていた。私はその少女をどこかで知ってるような気がする。記憶が掠れている。

 

「私の選択、それによって招かれたこの全ての状況」

 

っ!!今の映像はなんだ?白髪の狼耳を生やした女性の大人?が滅びた街でこちらに拳銃を向けている映像。

そして大人になったレイが真っ暗な部屋でただ一人で泣いている映像が木霊する。

 

「結局、この結果に辿り着いて初めて、あなたの方が正しかったことを悟るなんて」

 

"…"

 

声が出せない。どういうことだ?その状況を不思議に思えないことも、なにも動揺すらしていないことも、何もかもがよく分からない。だが、この少女の言うことは絶対に忘れてはならないことだけは、よく分かる。

 

「……今更図々しいですが、お願いします。?⃞?⃞?⃞先生」

 

どうやら、この少女は私のことを知っているようだ。少しつつ思い出してきた、私はこの少女を知っている。

 

「きっと私の話は忘れてしまうでしょうが、それでも構いません。何も思い出せなくても、おそらくあなたは同じ状況で、同じ選択をされるでしょうから…」

 

意識がぼやけてきた。ダメだ…忘れては…いけないというのに、意思に反し、思い出した度に忘れて行ってしまう。

 

「あなたにしか出来ない選択の数々。」

 

見たこともないはずの少女たちが場面転換しながら映像として流れては消えを繰り返す。

私はこの子たちのことを導かなければならないことを直感で理解する。まだ、耐えろ。意識を保たせろ。

 

「責任を負うものについて、話したことがありましたね。あの時の私には分かりませんでしたが……。今なら理解できます。」

 

そうだ、あの時に話した。大人としての責任の話を。昔だったような気もするし、最近のような気もする。

 

「大人としての、責務と義務。そして、その延長線上にあった、あなたの選択、それが意味する心延えも。……ですから先生、私が信じられる大人である、あなたになら、この捻れて歪んだ先の終着点とは、また別の結果を……そこへ繋がる選択肢は…きっと見つかるはずです。」

 

ダメだ。もう限界だ、記憶がまた霞んでゆく、保とうとするほどに霧が濃くなるような。

記憶が意識がぼやけて溶けて行くような感覚がどこか心地よくて、そして…

 

 

 

 

 

 

 

 

「……先生、レイさん、起きてください………起きてください!!」

 

体をびくつかせながら、身体を起こす。夢を見ていたような気がするが、何も思い出せない。レイはまだ眠っているようだ、きっとまだ疲れが溜まっているのだろう。

 

自分と改めて向き合うと言うものは、苦痛が伴うと同時に見たくないものを見てしまうこともある。今は眠らせてあげたい。

 

「少々待ってくださいと言いましたのに、お二人ともお疲れだったみたいですね。片方は目が覚めていないようですし」

 

"あはは…"

 

「夢でも見られていたのですか?目をしっかりと覚まして、集中してください、初日なんですよ?」

 

"返す言葉もありません…"

 

「全くもう…」と言った形で呆れられたが、すぐにキリッとしたリンちゃんに戻る。

 

「とりあえずついてきてください。先生にやってもらわなければいけない事があるのです。レイさんは、このままでよろしいんですね?」

 

"うん、今はこのまま…"

 

レイを抱き上げる。その身体はとても軽かった、平均体重より軽いその身体の温かさを感じる。

レイを泣かせる訳にはいかない、これは大人としての責任であり、友達としての友愛だ。

 

…なんで今私は、レイを泣かせてはいけないと思ったのだろう。

 

「先生?」

 

"ごめん、今すぐ行くよ"

 

リンちゃんが促すままに私は歩を進めた。私は先生となる、皆を導く存在であらねばならない。生徒たちの未来が先が見えぬほどの光り輝く物にしなければならない、その覚悟はとうの昔にできている。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『返してよっ!』

 

叫び声が聞こえる、誰だ?

姿は見えないが、この声も、この喋り方もどこか既視感を覚える。

 

『なんで私から全部奪うの?今も未来も元々私にあったはずの人生も!!全部全部全部!!!』

 

う……ぐあっ、頭が痛いっ!誰なんだっ!君はいったい……っ!!

 

『ははっ、呆れてものも言えない、はぁーあ、本当に最低な選択をしたね……本当に良かったと思ってる?あそこにあんたの居場所はないよ?』

 

うる……さいっ!!

 

『ねぇ、私の事忘れないでよ、ずっと一緒にいるじゃん。』

 

何……を?

 

『なにって、産まれた時からずっと、私と一緒に過ごしてきたじゃない』

 

産まれてから、ずっと?ダメだ、分かりたくない。分かってしまったら先生とネル先輩とアスナ先輩に顔向けが出来ない。

 

『酷いね、まぁでも、君らしいね。だってそうでしょう?偽るのが得意だもんね』

 

っ……その人の姿が少しずつ見えてきて、ボクの呼吸もそれに伴って荒くなっていく、胸が苦しい、思い出したくない、思い出さないでくれ、どうか……ボクに忘却を……ください。

 

『あんたは先生に諭されて、向き合えたつもりでいる。本当に自分に向き合えたと思ってる?そんなに簡単に拭えるもんじゃないでしょう?ただ思い込んでるだけ。いつまで経っても優柔不断で自分のことが大嫌いなはずなのにね……先生と一緒にいるのはそんなに楽しかったの?』

 

違う!!あの時先生にボクは確かに救われたっ!!ボクの寂しさに蓋をしてくれた!!

 

『その蓋の容器に穴が空いてちゃあ意味がないって言ってんのよ。どうせまた、あんたは一人になる。そうなってしまう……だからずっと一人でいればよかったのよ、そうすれば傷を負うことはないのに』

 

あぁ、ダメだその姿がはっきりと見えてきて、それの正体が完璧にわかってしまって、あれは、ボクだ……

髪の色と瞳の色が光を通さぬほどの完全なる黒色になっているが、紛れもなくあれはボク自身だ。

 

「う…あぁ……あぁぁ」

 

『やっと気づいたの?臆病者……そう、あんたは私で私はあんた、何度も説明してるのに覚えてもくれないのね。でもいいわ、だって私はそのために生まれてきたんだもの。いくらでも、突きつけてあげる。』

 

なに……を?

 

『結局また忘れてしまうのでしょうねこの事も……あんたが望んでなくとも、心を守るために身体が忘れてしまうのだから。まぁ最後に一つだけ言っておくわ、確かにあんたは先生に救われた。だけどそれは、ほんの一部のあんただけ……それは私が証拠してるのだから。それじゃあまた今度……ね』

 

直後、先程よりもはるかに酷い頭痛に襲われ意識を刈り取られる。尋常ではない痛みのはずだと言うのに、意識を手放すことに安堵感を感じてしまう。

 

その安堵をしてる事への引き裂かれるような罪悪感が身体を埋め尽くす。忘れたいのに、忘れてはいけないという矛盾に嫌気が指す。本当に最低だ、ボクへの嫌悪感が留まることを知らずに、深い海底の底へとボクを誘ってゆく。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あぁ……誰か、助けて

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

"……レイっ!!"

 

「……っ!……先生?」

 

酷く歪んだ表情でこちらをみつめてくる先生がそこに居た。なにか、不祥事でも起きたのだろうか?なら、仕事を……しなければ

 

"レイ?"

 

「え?なにか、良くない出来事が起こったんですよね?すっごく変な顔してますし」

 

"気づいて……ないの?"

 

「なに……がっ?」

 

急に視界がぼやける、慌てて目を抑えると涙が溢れていた。あぁ、またこれか。

いつからか、唐突に涙を流す時がある、その時は決まって意識を失っていたあとに起きるのだが、原因は分からない。

 

「大丈夫ですよ、よくある事です。多分……体質?なんじゃないんですか?」

 

悲しい感情と苦しい感情が混ざったような顔をされた。なんで、そんなに苦しそうなんですか?そんな顔は見たくないですよ?先生は笑顔がいちばん似合っていますから、もしかしてボクの……せいなんですか?

 

「えっと、その、ご、ごめんなさい」

 

"っ……レイっ!"

 

力いっぱい抱きしめられた。ここに来てから、何かと抱きしめられていると感じる。

困惑しながら、その暖かさにはどうしても逆らえず、先生に身を預ける。

 

"……レイ、いつかきっと、本当の意味で笑顔にさせてあげる"

 

「……は、はい?」

 

ずっとハテナマークが出続けているが、先生がボクを離してくれなかったので、しばらくの間抱き合っていた。

夢を見ていたような気がした、普段は夢なんて一切見ないというか、この世界に産まれてこの方見たこともなかったというのに、今回はほんの少しだけ覚えている。

 

詳細な内容は覚えていないが、ボクはこの夢を思い出すべきだと言う心とダメだと言う心が相反している、たかだか夢だと言うのに大袈裟なのだろうか、まぁ今は少しだけこの温もりを享受したい。

 

"レイ、一つ提案があるんだけどいいかい?"

 

「はい?もちろんです」

 

"私は今日からシャーレって言うところで、先生をすることになったんだけどね。そこの部員にならないかい?"

 

「へ?部員?」

 

てか、ボクってどんだけ寝てたんだ!?ソファで座って寝てたはずなのにベットで寝てるし!?え?もしかしてプロローグ終わったあとなんですか!?

 

あっ……!!シッテム箱置いてある!!だ、だらしない生徒だと思われてしまっただろうか?てか部員?あっそっか。たしかシャーレって所属問わず誰でも入部可能だったと思う。

 

"ごめんね、いきなりこんな事聞かれても迷ちゃうよね?いつ答えを出してもらっても構わないから、考えてみてくれないかな?"

 

「……そう、ですね。」

 

部員になると言うことは、プレイアブルキャラになるのだろうか。

ボクが元々居た世界じゃないパラレルワールドで、今いる世界線の話を主軸としたブルーアーカイブを色んな人がやってくれてる可能性はあるのかな?だとしたら少し恥ずかしい気もするなぁ。

って、そう言う話じゃないわ。ボクがシャーレに入るか入らないかの話しやったわ。

 

「ボクは貴方の護衛です。それ以上でもそれ以下でもありません。部員にならずとも、呼ばれれば何時でも馳せ参じることができます。だから、その、申し訳ないのですが、断ります」

 

部員になっても不都合はないのだが、線引きはしっかりするべきだと思った。このままでは先生にばかり依存して、先生に迷惑をかけてしまう、それだけはしたくはない。

 

ボクはこの世界で産まれてきてしまって、少なからずその時点で世界に歪みができてしまった、なぜならばボクはこの世界を断片的でも識ってしまっているからだ。

 

ブルーアーカイブは先生が主人公だ、みんなの先生であり、先生はそんなみんなを愛さなければならないそれに、先生が選択しなければならないのだこの世界の行く末を……ボクの知識はそれの邪魔になる。

 

だから、一緒にいすぎてはいけないのだ、ボクはきっと重大なミスをする。最低限でいいのだ、先生が危なくなってしまったらすこしだけ風通しを良くするだけでボクは満足なのだ。

 

"そっか……"

 

「そんな悲しそうな顔をしないでください。別に先生のことが嫌いだとかそういう訳では無いですから」

 

"…じゃあなんで?"

 

「あなたは今や名実共に立派な先生だからですよ」

 

"どういう……こと?"

 

「まぁいいじゃないですか。それよりもボクの電話番号って知ってます?知らないなら、はい、どうぞ。」

 

ボクは懐から一枚の名刺を出す。作ったはいいが、あまりに使われることがなかったために、先生に渡しそびれてしまった一枚だ。

 

「ここにかけてくれさえすれば、すぐに飛んできてあげます。」

 

"どこかいくの?"

 

「はい。お金は無いですが、バイトでもしてここら辺でぶらぶらしようかなと思いまして」

 

"そっか、それがレイが決めたことなら止めはしないよ。元気でね"

 

これが一番いい。先生との接点をなるべく少なくできるし、先生の元へなるべく早く駆けつけることができる。

貴方が本当にボクを必要としてくれた時にまた会うことにしよう。

 

ボクはベットから立ち上がり、少ない荷物をまとめ身だしなみを少しだけ整える。先生はどこか言いたげだったけれど、また今度それを聞いてあげますから。

 

"またね、レイ"

 

「はい、またね……です!」

 

そしてボクはその部屋を後にした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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