これで、良かったのだろうか、私はレイに助けを求めた。
どうしても私一人では解決できないと思ったからだ、だがレイは少なからず私に恩義を感じているような素振りを見せているため、そこにつけ込んでしまったのでは無いのだろうか?
「先生?どうしたの?」
"ううん、なんでもないよ……ホシノを助けにいこうか"
「ええ!ホシノ先輩のことを叱ってあげなくちゃいけないからねっ!」
「……!前方に敵兵!!距離は二km、接敵します!」
数えなくともわかるぐらいの大軍が見える。私はすぐにシッテムの箱を起動し、迎撃体制を整えた次の瞬間、爆発音が鳴り響く。
「これは……トリニティの牽引式榴弾砲ですっ!一体どうして?」
「あ、うぅ、わ、私です。」
「あっ!ひふ!」
「違います!私はファウストですっ!!」
買い物袋を被った、少女が映る。
アビドスの子達と交流を深めてくれたヒフミと言う生徒だ、どうやらトリニティに協力要請をしてくれたようだ。
「と、トリニティ総合学園とは一切関係がありません!射撃を担当してる方にもそう伝えておきましたので……す、すみませんこれくらいしかお役に立てず。」
「ううん、すごく助かった」
「はいっ!ありがとうございます!ファウストちゃん!」
「あはは……えっと、みなさん、が、頑張ってください!」
"本当に、ありがとう。ヒフミ"
そう言い終わると同時に通話を閉じる。
これで、かなり有利な状況になった、感謝してもしきれない。この戦いが終わったらモモフレンズのグッズを何種類かプレゼントしに行くことを胸に誓う。
「先生っ!」
"うんっ!みんな!いくよ!"
改めてシッテムの箱を操作する。瞬く間にアビドスの生徒達のヘイローが光り輝く。
私はホシノを救わなければいけない、私は先生なのだから、生徒を助けしっかりと叱ってあげ、暖かく迎え入れなければならないのだから。
"シロコ!五m先の敵がリロードに入った瞬間前方の遮蔽物に移動!セリナはそれを見た瞬間援護射撃を開始した後にリロードを!ノノミはシロコが移動確認して三秒後に掃射!"
「「「はいっ!!」」」
私の指示と寸分違わずに的確に動いてくれている、やはりアビドスの子たちは強い。
だが胡座をかいてはいけない、改めて気合いを入れ直し指示を飛ばす。
"シロコは準備ができ次第ミサイルを!ノノミは……っ!!まずいっ!"
障壁と障壁の隙間にいる完全に死角となる場所にいるスナイパーが私の方に照準を合わせに来ていた。
このままでは行動不能、最悪死に至る……!全力で別の遮蔽に身を隠そうとするがもう遅かった。
「先生っ!!」
それに気づいたセリナが身を呈して守ろうとしてくれたが、到底間に合わない。覚悟を決めた次の刹那。
「っがぁ!!」
そのスナイパーが誰かによって撃ち抜かれていた。
辺りを見渡しても姿が見えない為、かなり遠くから撃ち抜いて助けてくれた?誰が……?
"……レイ?"
「せ、先生!!次々と敵が正体不明の援軍によって、撃ち抜かれています!」
「これは……?」
"ははっ、私の信頼できる護衛だよ"
「護衛……?」
"みんなっ!まだ敵は残ってるよ!気を引き締めてっ!"
本当に信頼できる友達だ。姿も声も何もないというのに、きっとレイがやってくれたに違いないと思える。
ありがとうレイ……無理を言ってしまったけど、君はこうして助けてくれる。
今度また、前みたいに遊びにでも行きたいな……
「良かった……当たった!」
現在アビドス砂漠の戦地にいる。
戦地とは言ったが、およそ2000ヤードぐらいは離れているため、ボク自信には危険などはないが、危うく先生を死なせるかとおもった。
自身の本来の武器は魔改造中なので、アビドスに来る前にウタハさんから代わりの武器にと大口径のスナイパーライフルを貸してもらったのだ。
これで原作への干渉も少なく、バットエンドになりそうな事柄から先生を守ることもできて一石二鳥だ。
弾はさほどない、と言うかあまり撃ちすぎると干渉しすぎてしまうので、ある程度で留めておこうと思う。
原作への介入をあんなにも嫌っていたというのに、今ではこうしてアビドス砂漠にいるとは……人生何があるか分からないものである。
「先生……ボクにできることはこれぐらいです。頑張ってくださいっ!」
スコープを覗き、先生に危険がありそうな敵がいないか索敵をする。スナイパーライフルなどほとんど使ったことがなかったし距離もかなり離れているが、神秘のおかげなのだろうか、外す気があまりしないのだ。
おっ、どうやら戦闘終了したらしい、アビドスの生徒と先生は全員無事みたいで良かった。これでボクの仕事も終了ですね。
その後、大きすぎるスナイパーライフルを分解してケースに入れようとする次の瞬間。
「ククク、初めてですね、レイさん」
「……っ!?」
「すみません、驚かすつもり無かったのですが」
声をかけられ、すぐさま後ろに振り向き姿を確認する。
その見てくれは、ゆらゆらとした黒い面妖と黒いスーツを着こなした大人のような風貌。ボクはこいつを知っている。
黒服……なんでここに……っ!すぐさまスナイパーライフルを構え標準を合わせる。
それに驚いた様子もなく淡々と話し出す。
「こうして話すのは初めてですね。」
「まるで前からボクのことを知っているかのような言い回しですね」
「えぇ、そう受け取って貰って構いません。なにせ貴方が産まれた時から見ていますから。」
「……は?」
「まさか、本当にこのような事象が起きるとは……ククク、面白い」
「なにを……言っている?」
「いえいえ、お気になさらず、今回は挨拶にと思ってきた次第です。」
「……」
「随分と嫌われたものですねぇ、まぁ想定通りではありますがね。創成者が消失した後、存在が確認されていませんでしたが、まさか帰ってきていたとは。」
創成者と言うのはボクの親のことか?まるで実験体を見ているかのような言い回しに気分が悪くなってくる。
ボクに嫌われていることが初めからわかっていたのは何故だ。産まれた時からと言っていたが……
「おや、顔色が悪いですよ?大丈夫ですか?」
「誰のせいだと思ってる?」
「挨拶に来ただけなんですけどねぇ」
おどけるようにしてじっとこちらを見据えている、いや観察している。
まさか……ボクがこの世界にきたのは偶然では……ない?
「本当にたまたま近くにいらしていただげですので、そろそろ失礼致します。またお会いしましょう……」
「ちょっとまっっ!」
すると忽然と姿を消した黒服、聞きたいことが山ほどあるというのに、勝手に現れては勝手に帰っていきやがった。
確かゲマトリアという場所に属する、悪い大人集団だったことを覚えているため、最初から警戒してしまったが友好的な振りをして情報を聞き出すべきだったか?
「……いつか聞かせてもらいますよ、黒服」
歯ぎしりをしながら佇むが、ボクの生まれた意味や理由が分かるかもしれない、いやきっとボクの知りたいことがアイツには分かるはずだ。
確証のないことかもしれないけれど、これだけは確実に言える。
またアイツに会わなければいけない、そう直感が呼びかけてくるのだ。
思案しているとスマホにメールの通知音が鳴る。スマホを取りだし相手を確認する。今回も先生だったみたいだ。
「ふふ……今度遊びに行こう……か」
肯定のメッセージを送り、この砂しかない地平線を歩きながら、ミレミアム自治区に向かって足を進める。
ボクはきっとまともに生まれてなんかいないんだろうと思う。
本当にボクという存在はなんなのだろうか、ボクの親は本当に今も存在しているのだろうか。
その終わりのない思考をぐるぐると巡らせながら、ミレミアム行きの電車が来るのを待った。
「ねぇ先生、気になったんだけどさ、さっきのスナイパーの子昔からの知り合いなの?」
ホシノを連れ戻し、アビドス高等学校に戻った矢先にセリカからレイの話をされる。
その様子はかなり興奮しているような感じなので、レイのファンにでもなったのかな?と邪推してしまう。
"いや、つい最近知り合ったばかりだよ、でも心から信頼してる"
心からの言葉だ。最初の頃はいち生徒と思っていたが、今は友達という関係性を保っている。
護衛として初めて守ってもらった時から、いや初めて出会った時からあの子のことはどうしてもただの子供だとは思えないのだ。
たしかに子供っぽいところが多いけれど同じ大人、いや少し歳が下の後輩見たく思ってしまう。
教師が十五の少女に思っては行けない事だとは思うのだが、一度思ってしまったからには仕方がないだろう。
「ん、会ってみたい」
「私も会いたいです!私のドローンからでも姿が確認できないぐらい遠くにいましたから、追ってお礼もできませんでしたし……」
「へぇ、そんな子がいたんだぁ、おじさんはじめてしったよぉ」
先程までノノミの膝枕で寝ていたホシノがいきなり目を覚まし会話に参加する。
レイの事が気になっているのだろうか?……多分だけれど、ホシノは少し警戒しているのかな?
するとセリカが待ってましたと言わんばかりに興奮気味に語り始める。
「そりゃあもう!凄かったんだからっ!私たちが危ないと思った敵が尽く撃ち抜かれてって戦いやすくってしょうがなかったわ!全部自分で倒せばいいのにって思ったくらい」
「セリカちゃんは相当その人のことが好きになったみたいですね」
「ん、私も好き」
「ち、違うわよ!!助けてくれたからってだけ!」
「え〜おじさん嫉妬しちゃうなぁ」
「茶化さないでよ!もうっ!」
「でもそんなにすごいならおじさん一回会ってみたいなぁ」
"レイはとてもいい子だよ。でも、向こうはあまり会いたがらないんじゃないかな?"
レイはなぜか自ら関わりを持とうとしない、いつも成り行きや彼女の善性が悪さをして関係を持っているような感じだ。
でも、レイには沢山の友達を作って欲しい、私やネル達以外とも大勢の友達を。
だって、私と会った時はあんなにも寂しそうな瞳をしていたというのに、ネル達と関わりを持った時から見違えるように光り輝き始めたのだから。
"でも、そうだね。私からも会えないか言ってみるよ"
「え!本当?ならなにかお礼しなくちゃねっ!」
「柴関ラーメンはどう?」
「いいアイディアです!」
正直私も久しぶりに会いたいのだ。
今度遊びに行く約束をしているから、それを理由にこの子達にも会ってもらおう。
きっといい経験にもなるだろうし、その瞳に映る光も増すだろうから。
「うへぇ、なんだかまた一段と騒がしくなりそうだねぇ」
"でも、悪くないよね"
「おじさんはついていけないよぉ〜」
「ねぇ!先生!レイって子アビドスに来れたりするの?」
"んー、聞いてみよっか?"
「お願いっ!」
私はタブレットを取りだし再びメッセージを送るとすぐさま返信が返ってきた。
恐らく、レイは電車に乗っているからなのか早いレスポンスだった。
レイはアビドスに来たがりたくなさそうな雰囲気がするメッセージを送ってきたが、約束のことを持ち出して無理にでも来させる。
レイ以外の生徒には絶対にそんなことはしないが、レイとは友達であるが為に少しは許されるだろう。
"三日後に来るって"
「ほんと!?」
「ん、楽しみ」
少し無理を言ったのはわかっているが、これがレイにとって幸福な時間になると思っている。
ネルやアスナの時もそうだったのだ、そうなってくれることを切に思うよレイ。
「……あ、アビドスかぁ…」
先生から連絡が来て早三日が経った。
先生はきっと、ボクをアビドスの子達に会わせようとしている。
とっくのとおにメインストーリーの第一章は終わったと思うので、少しは関わりを持ってもいいのかもしれないが、懸念点が多すぎる。
だが約束を持ち出されてしまったら行くしかないではないか。
無下にはできないし、てか曲がりなりにも先生がしていい遊びの誘い方か?これ?
「はぁ、原作干渉云々言ってるけど……こんなんじゃあなぁ……」
自分の甘さと優柔不断さに辟易しながら、肩を落とす。
もういっその事吹っ切れてしまえば楽なのだろうか、いやダメだ。最低限でいいのだ最低限で……
「随分と悩んでいるみたいだね」
「あっウタハさん!お疲れ様です。いや、まぁ、少し個人的なことで色々と……」
「分かるよ、私もその年齢だった時は悩みの一つや二つ持っていたからね。」
「あはは……それよりも、出来たんですか?」
「あぁ、君専用武器の最終チェックが先程終わった。」
「やっぱりあの機能は付いてるんですか?」
「浪漫は大事だからね……」
「……確かに言いはしましたけど、あれば恥ずかしいですって!」
「いいではないか、なにせ浪漫に勝るものはないからね。さて、そろそろ実物を見てみないかい?」
「……わかりました。」
ミレミアムの正面玄関のすぐ前にあった座席から立ち上がり、エンジニア部の部室へと足を運ぶ。
一体どんな姿になったのだろうか、今からでもワクワクが止まらないと同時にすごく不安な気持ちが募っていくが、ウタハさんのことは信頼してるため、きっと大惨事にはなってはいないはずだ。
「少し待っていてくれ、すぐに持ってくる」
「はいっ!」
部室に入って少し奥に行ったところにある、性能テスト用のフロアにある、椅子に座らせられている。
なんというか、歯医者や病院の待ち時間みたいな感じでソワソワしてしまう。
程なくしてウタハさんが大きめなアタッシュケースを両手に少し重そうにしながら持ってきてくれた。
「少しばかり重く作りすぎてしまったかな?これは」
「だ、大丈夫ですか?」
「あぁ、問題ないとも……それよりもほら開けてみてくれ」
言われるままにアタッシュケースを横にし、割れ物を扱うかのように丁寧に開ける。
そこにあったのは、ものすっごく禍々しい一振の長剣のような物が入れられていた。
以前のように二股に裂けた刀身は今も尚健在ではあったがその他が尽く作り替えられたようだ。
「なんか、すっごい禍々しいですね……」
「悪魔をモチーフにしたからね」
その形状はメカメカしく、所々隙間が空いていて刃のようなものが存在しないように思える。
一見剣のように見えるそれは、厳密には剣ではないかのように思えたのだ。
長さはと言うと、取手の部分と合わせて凡そ百四十cmほどある長剣であり、ギリギリボクの身長を抜かさないぐらいの長さだ。
その色合いは黒のペイントと所々紫の差し色が入れられてあって、禍々しさに拍車をかけている。
「えっと、刃らしきものが見受けられないのですが……」
「あ〜、それはね。例の合言葉で起動して見たらわかるんじゃないかな」
「……本気ですか?」
「大真面目だとも」
やはり言わなければいけないらしい、浪漫は好きだし追求することが出来る人は凄いと思っているが、恥ずかしいものは恥ずかしいっ!
深呼吸をして覚悟を決める。
「……スゥ…顕現せよ、ノクティルカ」
『生体認証を確認します。……確認しました。個体名ノクティルカの主人である白宮レイであることを認めます。』
機械的な音声が流れたと同時、突如として刀身から紫色の光が煌めき、刃のような形へと変貌する。
より禍々しくなった長剣は魔王の剣のように思えた。
ノクティルカという名前はウタハさんがつけてくれた。
本来はボクが名前をつけようと思ったのだが、もうすでに名前が付けられてあったので断念したのだ。
「これ……毎回言わないといけないんですか?」
「うん」
「…………そうですか……」
その長剣……ノクティルカを持ち上げてみる。
以前と比べてかなり重量が増しているように思えた。恐らく五kgほどだろうか?以前は二kg程度だったので二倍ほど重くなっていた。
「色々改良は加えてみたのだけれど、詰め込みすぎてしまってそれ以上軽くはならなかったんだ。まぁでも君になら簡単に持てるだろう?」
「そうですね。しばらく片手で持っていたら重さも感じなくなってきたので多分大丈夫だと思います。」
「…………本当に化け物だね……」
「なんか言いました?」
「いやなんでもないよ。説明をしてもいいかい?」
「はいっ!もちろんです!」
「最初私が取り組んだのは以前の武器に在った燃費の悪さの解消、詰まるところ弾数が圧倒的に増えた。だが、その命中精度はさほど変えることが叶わなかったのと、撃ち続けたらオーバーヒートを起こしてしまうしバッテリーの交換も逐一しなくてはイケない。そしてチャージして放つモード、そうだねぇ……光雷(こうらい)とでも呼ぼうか。その威力は絶大だが、しばらくの間機能不全に陥るから気おつけることだ。」
「じょ、情報量が凄いですね……」
「そして右隣にあるアタッシュケースはその長剣の小型バージョンだ。威力は少し落ちるが、使い勝手がいいのはそちらの方だろう。」
片方のアタッシュケースを開けてみたが、見てくれは同じだが、確かに一回り小さい剣がそこに入っていた。
これならば取り回しもよく、長剣の相棒としては申し分ないだろうと思う。
「……思ったんですがこれ持ち運びどうするんですか?」
「問題ないよ、ノクティルカに向かって収束せよって言ってごらん」
「………………しゅ、収束せよ」
すると形を保っていたノクティルカが次々と崩れ始め、最終的にはルービックキューブのような形になり、少しメカっぽいストラップのようなものが付いていた。
まだ少しばかり大きいが、コートなどに付けて持ち運べるようなので、持ち運びに不便することはないだろうと思う。掛け声は恥ずかしいが、たしかに便利だ。
「ちなみにだが、その合言葉はレイの音声でしか反応しないのと、指紋認証も完備してるしワイヤレスでの起動もレイ自身が行わなければ起動しない仕組みになっているため、今日から私も含め、他のものが使うことは不可能になっている」
「無駄に高性能……っ!!てか今ワイヤレス…!?」
「あぁ、それに自爆機能も抜かりなく付けている」
「いつ使うんですかそれ……」
「でも気に入っただろう?」
「……まぁそうですね。気に入りました」
掛け声は恥ずかしいし、変な機能が盛り沢山だと言うのに、心のどこかでクソかっこいいとか思っちゃってるボクがいるのが悔しいっ!!
心はやはり男の子、憧れは止められない。だいぶ厨二病寄りの男の子であるのは認める。
「ならよかったよ、それとはいこれ」
「ん?なんですかこれ……」
ウタハさんが取り出した物はリボンとチョーカーそれとイヤリングと丸メガネと言った装飾品の数々。
「ノクティルカを使っている間はこれらを身につけてくれないか?」
「……理由を伺っても?」
「全ての装飾品にカメラが取り付けられていてね、エンジニア部に訪れた際にノクティルカを用いた戦闘風景を完全再現するためにだよ。」
「もっと……こう、なんかなかったんですか?」
「戦闘用ドローンでも良かったのだが、できる限り君の視点のままの戦闘データの収集がしたかったのと、レイは普段から同じような服しか着ないからね。」
「……あのやっぱ、ドローンでも……」
「その武器の料金の話でもするかい?」
「……わあ、可愛い装飾品だなぁ!」
そこに付け込まれてしまえば何も言い返せないことをウタハさんに知れてしまっているので、言い返すことも出来ないのだ。
はぁ、どうせボクは万年貧乏ですよーだ。
「それじゃぁ…ボクは行かないと行けないところがあるので、失礼します」
「その前に、リボン結んであげるからこっちにおいで」
「……はい」
ウタハさんの太ももと太ももの間に座り髪を結ってもらう。その間は感情は無に等しかったが、自分のことを思ってやってくれているので大人しく座り続けるのであった。