アプリみたいな魔法使ってる後輩の魔法少女に懐かれた、先輩の私   作:いくらシック

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なんかわかりにくかったのでタイトル変えました


#5 後輩の成長?、と私

 スタフティは基本的に魔法少女の魔法以外の攻撃は通用しない。でもそれは、攻撃魔法しか通用しないってわけじゃない。

 

 例えば、剣を生成する魔法を使った場合はその攻撃でダメージは与えられるんだよね。

 

 ……つまりは、生成したメモ帳もぶん投げたらダメージが入るってことは理屈的には正しいなって。でもね、メモ帳なんだよね。そんなにダメージはいるわけないってこと。

 

 実際、カレイドスコープの投げたメモ帳は、スタフティにちょっとダメージは与えてるんだけど……ちょっと痛そうなだけだな。

 

「メモ帳を投げる魔法少女か!新しいな!」

「新しいとかじゃなくて、頭おかしいでしょ」

「後輩に辛辣すぎないか!?」

「そもそも、あれは魔法がおかしいの」

 

 攻撃性能がないのに戦わされてるってちょっと危ないよね。

 

 バチバチ、とカレイドスコープの拳に火花が散っている。それが徐々に激しくなって、まだ怯んだ状態のスタフティに、拳を振るった。

 

「やぁっ!」

 

 直撃した瞬間、火花が散って……激しく弾けて爆発する。揺らいで、スタフティが倒れる。

 

 この子、殴るときに爆発するのは強いよね。

 

 魔力の特性ってやつだね。魔力って人によってちょっとだけ性質が違うんだけど、この子のは殴るときに軽い爆発を起こせるのかな。

 

 ……身体能力も見る限り、ちょっと高めだし。魔法以外はスペックが高そうに見えるね。

 

 強そうではあるけれども、それだけだとスタフティを倒せないのだけ難点かな。

 

 実際、スタフティにダメージは入ってるけど倒せてない。

 

「……やっぱり、あれだけだとダメですか。でもっ」

 

 それでも、諦めてないその瞳はやっぱり主役っぽい。

 

 ゆっくりと、スタフティが起き上がる。

 

 そして、スタフティが反撃しようとしたそのときに――急に紙が舞い上がった。

 

 ペラペラ、と周囲に紙吹雪のようにばら蒔かれている。

 

「おー!メモ帳を操作したのか!」

「ふうん」

 

 魔法で生成されるものは、ある程度操作できる。

 だから、こうやってメモ帳を勝手にばら蒔くこともできるってこと。

 

 その後ろの方で、カレイドスコープが強く握りしめて、その拳に火花が散ってる。

 あれ、溜めが必要なのかな。チャージして殴るみたいな。

 

 そして、メモ帳の紙片で見失ってるスタフティに一気に詰めよって、その顔面に拳が襲いかかる。

 

「だぁっ!」

 

 掛け声と共に今までで一番大きな爆発が起きた。

 それでも、攻撃の追撃は終わらない。

 

 右足で胴体を蹴りあげて、少し後ろに下がってからまたもう一度顔面に拳が炸裂する。

 

 それと共に、また小さな爆発が起きた。

 

「ふーっ」

 

 カレイドスコープが息を吐き出すと、ばたりっ、とスタフティがその場に倒れた。

 

 そして、顔面から少しずつ崩れていく。

 

「やるじゃん」

 

 後輩、外れ魔法の割にはやっていけそうだね。また、困ってそうなら助けてあげよっかな。

 

 赤い髪を揺らして、その場から去っていく後輩を見つめてから、私は学校に向かった。

 

 

 

 ……はずなんだけど。

 

「椎名先輩っ」

 

 なーんかすぐに見つかってしまった。

 

「後輩、おはよ」

「はいっ、おはようございます!」

 

 ぱぁっ、と花を咲かせたみたいに笑顔を振り撒いてくるもんだから、どうしたらいいかわからない。

 

「元気だね」

「先輩と会ったのでっ!」

「……私たちって知り合って数日じゃない?」

「いやその。だって、それは先輩が悪いです」

「……どういうこと?」

「先輩、かっこよかったんですもんっ」

 

 恥ずかしそうにプイッと顔を背ける。

 

 柔らかそうな頬を見て、なんとなくつついた。

 やっぱり、想像通り柔らかい。

 

「せっ、先輩っ!?」

「やわらかっ」

「なんですか急にっ!?」

「なんでもないよ」

 

 きゃんきゃん吠えてくる涼花が面白い。

 

「で、かっこよかったって何?はじめての変身の時だったりする?」

「……先輩、そういうことさらっと言うのずるいですっ」

「いや、それぐらいしか思い浮かばなくて」

 

 そっか。あの助けたときがそんなに劇的なものとして見られてるの?

 

 やっぱりさ、私って師匠枠になってないかな。助けた結果、そのまま憧れてるもんなあ。

 

 ……結末が、私犠牲エンド以外がいいな。

 

「……先輩、もしかしてからかってます?」

「いや別に?」

「普通にタチ悪い人だ!」

「えっ、そうなの。なんか、ごめんね?」

 

 ……そんなこと、たまに言われてるせいでちょっとびっくりする。私の態度が、変に期待させることがあるとかで、ちょっとトラブるんだよね。

 

「もういいですっ。……そういえば、先輩ってここら辺に住んでるんですよね?」

「そうだよ。気になるの?どこに住んでるのか」

「いや、その、えっと……」

 

 目が左右に泳いでいる。そんなに知りたいものなんだ。

 

 わからないけれど、それぐらいいのにね。 

 

 でも。

 

「なんで知りたいの?」

「……」

 

 認めたくはないんだ。よくわからない感情。

 

 観念したように、涼花は話し始める。

 

「その、お礼がしたいとかがまずあってですねっ?」

「あー、なるほど?」

 

 そういうものあるものなんだ。

 

「持ちつ持たれつだからいいよ」

「うぅ、いやその。私なんかが後輩とか言ってずけずけと近づいていくのもおこがましいと思うんですけど」

「急に自己評価低いね?」

「でも、助けてくれてこうして急に話しかけても付き合ってくれるので、そのあんまり悪くは思われてないんだろうなーと、自惚れてるんですけど」

「自惚れかな、それ」

「……もし、内心嫌がられてたらお礼もしにくいな、なんて思ってまして」

「君は考えがぐるぐる回りすぎだよね」

「だから、住んでる場所がわかったら、たまにこうして朝挨拶とかしやすくてちょっとハッピーみたいな」

「おお、ようやく元の場所に戻ってきた」

 

 なるほど。要は憧れの先輩にちょっとだけ近づきたいってことなんだ。

 

 かわいいじゃん。

 

「かわいいね」

「かわっ……先輩、そんなこと普段からさらっと言ってるんですか?」

「思ったことは言ってるかもしれないけれど」

「……魔性」

「えっ、悪口言われてる?」

「なんか、惚れられて告白とかよくされないですか?」

「たまにあるけれど」

 

 断るのってちょっと怖いんだよね。だからあんまりしないでほしい。

 

 にしても、思ったよりも重めの感情を向けられてる気がする。気のせいかな。

 

 ちょっと怖いので話題を反らしちゃおうかな。

 

「それよりも、メモ帳の魔法とかは大丈夫そうなの?」

「試してみたら、文字が書けるようになりました」

「……そ、そうなんだ?」

 

 さっきぶん投げてたけれども。ちゃんとした用途でも使えるんだね。何書くんだよって感じだけど。

 

「それから派生魔法も、一応」

「……早いね?どういう魔法?」

 

 派生魔法って、本来はもうちょっと魔法使い込まないと使えないんだけどね。この子、成長早いのかも。

 

「見た文章とかを、メモ帳に貼り付けられます」

「……」

 

 あの、一つだけ言っていい?

 

 コピペやないかい。

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