TYPE-X99 建御名方 ― 約束を継ぐ者 ― 作:自己読み
帝国斯衛軍衛士訓練校
シミュレーション訓練課程 修了評価
評価教官:板垣
---
第三班 総合評価
評価項目| 評価
基本操縦| ○
機体制御| ○
機動戦術| ○
班連携| ◎
状況判断| ○
任務遂行| ○
生存性| ○
総合評価| ○
総評
第三班は課程開始当初、各員の能力は一定水準に達していたものの、個々の判断に依存する傾向が強く、班としての統一した行動には課題が見られた。
しかし、剣術訓練を通じて「護る」という考え方を学び、機動訓練では互いの役割を理解し、夜間・雨天・障害地形など各種課目を経て、班として連携する意識が大きく向上した。
実戦戦術シミュレーターでは一度全滅という結果に終わったが、その敗因を個人ではなく班全体の課題として受け止め、再訓練では課題であった「五分間生存」を達成したことは高く評価できる。
ただし現段階は「生き残る術」を身につけ始めた段階であり、「勝つための部隊」には至っていない。
今後は、各員が培った能力をさらに高い次元で融合させ、班として主導権を握る戦い方を修得することを期待する。
---
個人評価
武田 迅
評価項目| 評価
基本操縦| ○
機体制御| ○
機動操作| ○
状況判断| ○
班行動| ○
任務遂行| ○
総合評価| ○
所見
責任感が強く、仲間を守ろうとする意志も強い。しかし、その思いが判断を鈍らせる場面も見られた。課程終盤では班全体を見る視野を身につけ始めており、今後の成長が期待できる。
---
九条
評価項目| 評価
基本操縦| ◎
機体制御| ◎
機動操作| ◎
状況判断| ◎
班行動| ◎
任務遂行| ◎
総合評価| ◎
所見
操縦技量、判断力ともに優秀。当初は責任を一人で抱え込む傾向が見られたが、課程後半では班員へ役割を委ね、班全体を活かす指揮ができるようになった。班長として十分な資質を有している。
---
朝倉
評価項目| 評価
基本操縦| ○
機体制御| ○
機動操作| △
状況判断| △
班行動| ○
任務遂行| ○
総合評価| ○
所見
積極性と行動力は班内随一。反面、状況判断より先に身体が動く傾向が見られる。しかし、班を信頼し、自身の役割を理解することで大きく成長した。冷静さを身につければ、更なる伸びが期待できる。
---
真壁
評価項目| 評価
基本操縦| ◎
機体制御| ◎
機動操作| ○
状況判断| ◎
班行動| ◎
任務遂行| ◎
総合評価| ◎
所見
地形・環境・戦況の変化を読む能力に優れる。観察力は班内でも突出しており、冷静な判断で班を支えた。今後は自ら情報を発信し、班を導く役割にも期待する。
---
結城
評価項目| 評価
基本操縦| ○
機体制御| ○
機動操作| ○
状況判断| ○
班行動| ◎
任務遂行| ○
総合評価| ○
所見
索敵能力および情報伝達能力に優れる。夜間訓練や実戦戦術シミュレーターでは、その能力が班全体の生存率向上へ大きく貢献した。今後も班の「目」として、更なる成長を期待する。
---
総括
板垣は最後のページを静かに閉じた。
第三班。
その文字へ、しばらく視線を落とす。
課程の初日、ただ機体を動かすことしか考えられなかった五人。
立つことを学び、歩くことを学び、剣を学び、班を学び、そして初めて「生き残る」という戦いを知った。
まだ未熟だ。
まだ甘い。
だが、もう一人では戦っていない。
板垣は小さく息を吐いた。
「……次だ。」
その一言だけを残し、評価票を閉じる。
窓の外では、第三班の五人が演習場へ向かって歩いていた。
その背中は、課程の初日よりも少しだけ頼もしく見えた。