異世界の石   作:井ノ中蛙

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第48話 ポ〇ョ

 

 

 

 エルフのおじさんは、さも少し歩けば草原は終わるような事を言っていたけど、まあまあ広かった。

 チビリベラの足では、日が落ちてしまうかもしれない距離だ。

 神聖国騎士か怖くて雲の上まで上昇している。

 眼下の景色はちょっと異常なものだった。

 神聖国は、某アニメの町のように周りをぐるりと、塀と堀で囲み、何箇所かの橋を通らないと中に入れないようだ。

 城塞都市ならぬ城塞国家だ。

 地形が半島なので、陸の部分だけ仕切るように塀が。建てられていて、海岸線は、自然のままに見える。

 港もあるようだから、出入りするのは海からの方が簡単そうだ。

 船を使うと監視の目も行き届いて都合が良いのが想像出来る。

 それなりに、考えられてるようだ。

 もっとすっと下には他の鳥も飛んでいるのが見える。

 もう少し高度を下げても大丈夫だろう。

 海岸沿いには、魚を捕る漁師のちいさな船が小さな港に幾つもの係留されている。

 海鳥も沢山飛んでいる。 のどかな漁村のような風景に見とれていたときだ。

 

ーーーヒュン!

 

 目の前、30cmも離れていない所を矢が通り過ぎて行った。

 慌てて急旋回する。

 狙われてる。

 けど、そんなに低くまで降りてるつもりは無いのだけど。

 

「あ、いでっ!」

 

 鶏の嘴てはあったが、人の言葉を発してしまった。

 腹に矢が刺さった。

 ちきしょう、誰の仕業だ。

 上昇してにげようとするも、体はその逆を行く。

 みるみる体が動かなくなる。

 翼を中途半端に、畳んだ姿のまま、俺はボチャンと海に堕ちた。

 ヤバい、ヤバい、ヤバい、体が動かない。

 溺れる、死んでしまう。

 慌てて何をしたら良いか分からない。

 どうしよう、どうしようと、気が焦るだけだ。

 と、気がついた。

 淫獣の姿の時、息してただろうか。

 別にそれほど、苦しい訳ではない。

 皮膚呼吸とか、そもそも呼吸自体必要ないのかもしれない。

 とは言え、エラがある訳じゃないから、早く上がった方が良いのだろうけど。

 体が動かないのはなぜだ?

 まるで石のように、固くて重くなってしまった。

 何をすると良いだろうか。 

 といっても体が動かないのだから、出来る事は限られる。

 魔法くらいか。

 試しに治癒魔法をかけてみた。

 何度もかけると、体の自由が戻ってきた。

 見ると矢も石になっている。

 こんな矢を良く飛ばせるものだ。

 いや、飛んでる時は普通の矢で、何かにか当たると石になる魔道具とかかもしれない。

 矢の刺さったまわりだけ元に戻らない部分があった。

 鳥の姿では無理だ。

 人の体になってから、矢を手で掴んで引き抜いた。

 

「んぐぐぐ……」

 

 凄く痛い。

 体の一部も一緒に取れてしまった。

 矢の先に250ml缶がくっついたような形の石が抜けた。

 ただでさえ、体が小さくて困っていたのに、更に減ってしまったじゃないか。

 海底の砂に石の矢を捨てる。

 月面を歩くように、フワリ、フワリと一歩進むごとに浮かびそうになりながら、砂浜に上陸した。

 酷い目にあった。

 神聖国は油断ならない所だ。

 少し先に大きな岩があったのて、その影に腰を下ろして、一休みしよう。

 

 

 いつの間にか眠っていたらしい。

 揺すられて目が覚めた。

 横に寝かされて、ずっと揺すられている。

 それに何だかとても、気持ち良いのだけど。

 

「あ…… ああ…… 」

 

 思わず声が、漏れてしまうほどに。

 

「気がついたか、 もう少しでイクからな…… 」

 

 男の声だった。

 そうか、この男に何をされてるのか、理解出来た。

 若そうな顔をしている。

 今、難しい顔から恍惚の表情になった。

 どうやら終わったらしい。

 

 

 酷く疲れていた。

 覚醒してはまどろんで、また覚醒しては、ぼうとしていた。

 カチャカチャと金属音がして、男は、下を見て何かをしていた。

 本当なら、キャーとか叫んで抵抗するのだろうけど、今は疲れてて、そんな元気はない。

 それに気持ち良かったし。

 もっとして欲しいくらい。

 あれは癒しだ、疲れた体に染み渡る快感と若い男の精だ。

 もっともっと、癒しが必要だ。

 

 バチバチと部屋の中央にある囲炉裏のような所で火が燃えていた。

 男は、一旦何処かへ行ったと思ったらすぐに戻ってきた。

 手に持っているのは何だろう。

 

「なあ、食べるか? 」

 

 男は、横に腰を下ろすと、あぐらをかいた。 

 何をくれるのかと思ったら、伸ばしてきた手は胸を触りはじめた。

 

「お前、どうして、あんなところで寝てたんだ? 変な奴等に拾われたら、大変な事になるぞ? 」

 

 いや、もう、十分大変な目にあってるから、ご心配には及ばないと思うのですがね。

 

「あん…… 」

 

 先っぽを摘むな、先っぽを。

 声を出すと、すぐに手が引っ込んだ。

 もっと丁寧に扱え。

 この下手くそめ。

 

「何か着るか? それとも食べるか? 」

 

「食べる…… 」

 

 "じゃ、手伝ってやる" と言うと、男は抱き起こしてくれ、口に熱いドロドロした粥のような物を木のスプーンで運んでくれた。

 ちゃんと、フーフーしてくれる気の遣いよう。

 

「ちょっと、抱きしめていいか? 」

 

 する事しておきながら、なぜそれを今さら聞くんだ?

 頷くと、ぎゅっと抱きしめられた。

 

「柔らかくていい匂いがする……」

 

 フェリオみたいな事を言う奴だ。

 散々味わった後だろうに。

 

 男は、アザンと名乗った。

 漁師とは言わず、漁師の手伝いと言ったから、まだ見習いとかなのだろう。

 俺は男に拾われて、気に入られて、飼われてるような状態だ。

 毎日、朝早く出かけると、帰ってくるのは夕方だ。

 食事は朝、夕の2回。

 さっさと逃げ出すべきだと思うが、体が言う事を聞いてくれない。

 かなり無理をしたらしい。

 毎日抱かれるのも、この体には良い事らしい。

 気持ち良くて、されるのを待ってる自分がいるのに気づいた。

 まあ、淫獣なんだし、当たり前と言われれば、その通りなのだけど。

 人の倫理を淫獣に当て嵌めるのは、どうかと思うのは俺だけか?

 男も、朝も夕方も寝たきりの俺の事を心配して、精のつく物を用意してくれたりする。

 フェリオではないが、俺に夢中なのが伝わってくる。

 粗末な湯浴み場では、彼に支えられながら、体を洗われた。

 そのままプレイに流れ込むと言うお約束の展開も忘れない。

 貧しくも慎ましい、若い2人に訪れた悲劇、それは俺の復帰である。

 "俺様、完全復活!" なんて宣言して高笑いなんかしない。

 助けて貰ったお礼に鶴になって、機織りなんかもナシだ。

 玉手箱を置いて竜宮城へ帰るのも却下する。

 

「海に帰るね……」

 

 そうだ。

 選んだのはポ〇ョルート。

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