第23刻 束の間のプール開き
夏の日差しを受けたプールの底は、水がないぶん余計に白く眩しかった。
まだ午前中なのに、少し身体を動かすだけで額に汗が浮かぶ。私は体操服の袖でそれを拭い、手にしたデッキブラシを床へ押し当てた。
プールの中には、同じように清掃用具を持ったオカルト研究部の皆が散らばっている。
「それでは、始める前にもう一度説明しておくわね」
プールサイドに立ったリアスが、私たちを見渡した。
「本来、今日のプール清掃は生徒会の仕事だったのだけれど、今回は私たちが代わりに引き受けたわ」
「どうしてですか?」
アーシアさんが尋ねる。
「先日のコカビエルの件では、ソーナたちにもかなりの負担をかけたもの。そのお礼よ」
リアスは当然のことを話すように答えた。誰かに頼まれたのではない。生徒会へ礼をするために、リアスが自分から引き受けたらしい。
「その代わり、清掃が終わったあとは、私たちが一足先にプールを使ってよいことになっているわ」
その言葉を聞いた瞬間、一誠が勢いよく顔を上げた。
「よし! 全員、気合いを入れていくぞ!」
「なぜ一誠が仕切るのですか?」
「一秒でも早く終わらせるためだ!」
「理由は聞いていません」
「掃除が終わればプール開きだぞ! 水着だぞ!」
「聞いていない理由まで話さなくて結構です」
「仕事への意欲を表明しただけだ!」
「欲望の間違いです」
小猫さんが一誠の横を通り過ぎる。
「先輩。顔がうるさいです」
「顔は喋ってないだろ、小猫ちゃん!」
「喋らなくても分かります」
リアスが咳払いを一つした。
「一誠」
「はい」
「皆の邪魔をしたら、泳ぐ時間はなしよ」
一誠の背筋が伸びる。
「全力で掃除します!」
返事だけは立派だった。
「それでは、始めましょう」
リアスの合図で、私たちはそれぞれの持ち場へ散った。
◇
私はアーシアさん、小猫さんと一緒に、浅い側の床を担当した。ブラシを前後へ動かすたび、洗剤を含んだ白い泡が広がっていく。
「ミライさん」
少し離れたところから、アーシアさんが声をかけてきた。
「そちらは、もう十分きれいなのではないでしょうか?」
「まだ端に残っています」
床と壁の境目に、細い黒ずみが残っている。ブラシの角度を変え、毛先を隙間へ押し込んだ。
「そこ、先ほどから何度も磨いていますよね?」
「今ので四度目です」
「それなら、もう落ちているのでは……」
「まだです」
横から小猫さんが覗き込む。
「ミライ先輩」
「何ですか?」
「たぶん、誰も気づきません」
「私が気づいています」
「そうですか」
小猫さんはそれだけ言うと、自分の担当へ戻っていった。
アーシアさんが困ったように笑う。
「ミライさんは、お掃除でも妥協しないのですね」
「途中まできれいにしたのなら、最後まで落とした方がよいと思います」
「時計の修理と同じでしょうか?」
「時計とは違います」
答えたあと、私は手を止めた。見えやすいところだけを整えても、奥に汚れが残っていれば、そこからまた広がる。
「……少し似ているかもしれません」
「やはり、ミライさんらしいですね」
「どういう意味ですか?」
「よい意味です」
「それなら構いません」
再びブラシを動かす。黒ずみがようやく薄くなったところで、突然、背中へ冷たい水がかかった。
「きゃっ!」
アーシアさんが声を上げる。振り返ると、ホースを手にしたゼノヴィアさんが立っていた。水はまだ勢いよく噴き出している。
「すまない」
「謝る前に、水を止めてください」
「ああ」
ゼノヴィアさんがホースを折り曲げた。ようやく水が止まる。
「床の泡を流そうとしたのだが、思ったより勢いが強かった」
「蛇口を最後まで開きましたね?」
「中途半端に開ける理由があるのか?」
「調整するためです」
ゼノヴィアさんの足元には、毛先の大きく広がったブラシが転がっていた。
「そちらも、力を入れすぎです」
「汚れを落とすには力が必要だろう?」
「床を倒す必要はありません」
「倒すつもりはない」
「そうは見えませんでした」
ゼノヴィアさんはブラシを拾い、しばらく見つめる。
「掃除とは難しいものだな」
「ゼノヴィアさんが戦いにしようとするからです」
「汚れは敵ではないのか?」
「ただの汚れです」
「なるほど」
本当に納得したのかは分からない。それでも今度は、先ほどより少しだけ弱い力でブラシを動かし始めた。
「ゼノヴィア、そのホースをこっちへくれ!」
反対側から一誠の声がした。
「分かった」
ゼノヴィアさんがホースを一誠の方へ向ける。折り曲げていた部分を戻した瞬間、水がまっすぐ飛んでいった。
「ぶっ!」
一誠が正面から水を浴び、その場へ尻もちをつく。
「ゼノヴィア!」
「何だ?」
「俺にかけてどうするんだよ!」
「貸してほしいと言ったから、そちらへ向けた」
「水を止めてから渡せ!」
「先ほど、途中で止める必要があると教わった」
「今がそのときだ!」
祐斗が笑いながら、一誠へ手を差し出していた。
「大丈夫かい?」
「祐斗、笑ってるだろ」
「少しだけね」
一誠を起こした祐斗は、そのまま壁際の清掃へ戻った。
私はブラシを立てかけ、祐斗のそばまで歩いていく。
「祐斗」
「うん?」
「身体はもう大丈夫ですか?」
祐斗の表情が、ほんの少しだけ変わる。けれど、すぐにいつもの柔らかな笑顔へ戻った。
「もう問題ないよ。アーシアさんにも治してもらったからね」
「無理はしていませんか?」
「しているように見える?」
片足を庇っている様子はない。腕の動きにも不自然なところはなかった。
「見えません」
「それなら、ミライの検査は合格かな」
「私は医者ではありません」
「でも、細かい違いにはよく気づくだろう?」
「時計と人間は違います」
「そうだね」
祐斗は穏やかに笑った。
「心配してくれてありがとう」
「……はい」
それ以上、確かめる必要はなさそうだった。祐斗はここにいる。皆と同じようにブラシを持ち、一誠の失敗を見て笑っている。私はそれだけ確認すると、自分の持ち場へ戻った。
◇
清掃が終わるころには、日差しはさらに強くなっていた。最後に床と壁へ残った泡を流し、清掃用具をすべてプールサイドへ運ぶ。
「これで終わりね」
リアスはプール全体を確認すると、側面に設置された操作盤へ向かった。事前に生徒会から使い方を聞いていたらしい。リアスが操作盤へ魔力を流すと、プールの底に刻まれていた魔法陣が淡く輝いた。複数の給水口が開き、勢いよく水が流れ始める。
「便利ですね」
私は、水が少しずつ床を覆っていく様子を眺めた。
「普通の学校でも、このような術式を使うのですか?」
「使えるわけないだろ」
頭からタオルをかぶった一誠が答えた。
「ここが特殊なんだよ」
「一般の生徒には、どのように説明するのですか?」
「設備がいい学校だから、で通るんじゃないか?」
「通るでしょうか」
「駒王学園の生徒は、細かいことを気にしないからな」
それはそれで心配だった。
水面が少しずつ広がっていく。先ほどまで私たちが磨いていた白い床が、揺れる水の下へ沈んでいった。戦うためでもない。誰かを助けるためでもない。ただ皆で汚れを落とし、使えるようにした。こういう時間も、私は嫌いではなかった。
「それじゃあ、着替えましょうか」
リアスが更衣室へ向かう。一誠の顔が明るくなった。
「来た……!」
「一誠」
リアスが振り返る。
「男子更衣室は反対側よ。間違えないようにね」
「間違えません!」
答えるのが早すぎた。
◇
私が用意していたのは、学校指定のスクール水着だった。濃紺の生地に、白い名札。そこには自分で書いた名前がある。アーシアさんと小猫さんも、私と同じものへ着替えていた。
「三人でお揃いですね」
アーシアさんが嬉しそうに言う。
「はい」
「一緒の水着だと、少し安心します」
「学校指定なのですから、ほかにも同じ人は多いと思います」
「そういう意味ではなくて……」
アーシアさんが苦笑した。小猫さんが胸元の名札を整える。
「ミライ先輩らしい返事です」
「何かおかしかったですか?」
「いいえ」
二人とも笑っている。理由はよく分からなかった。
一方で、リアスと朱乃さん、ゼノヴィアさんは私物の水着へ着替えていた。どれも学校指定のものより布の面積が少ない。特にゼノヴィアさんの水着は、動けば外れてしまいそうに見えた。
「ゼノヴィアさん」
「何だ?」
「それは、泳いでいる途中で外れませんか?」
「問題ない」
「実際に泳いだことは?」
「ない」
「では、問題がないとは言い切れません」
「水着として売られていたのだから、泳げるように作られているはずだ」
「すべての水着が、実用性だけを重視しているとは限りません」
朱乃さんが口元へ手を添える。
「あらあら。ミライちゃんは心配性ね」
「外れてからでは遅いと思います」
「そのときは、そのときだ」
「困るのはゼノヴィアさんだけではありません」
「一誠は喜ぶだろう」
「それが最も問題です」
ゼノヴィアさんは納得したように頷いた。けれど、着替え直すつもりはないらしい。
「ミライちゃんも、もう少し可愛い水着を選べばよかったのに」
朱乃さんが私を見る。
「これは学校指定です。泳ぐためには十分だと思います」
「やっぱり機能で選んだのね」
「はい」
「ミライちゃんらしいわ」
アーシアさんが私の隣へ並ぶ。
「私は、この水着でよかったと思います。ミライさんと小猫ちゃんとお揃いですから」
小猫さんも小さく頷いた。
「私もです」
「では、これで問題ありません」
私は予備のタオルを手に取り、更衣室を出た。
◇
プールサイドへ出ると、一誠が固まった。黙ったまま、こちらを見ている。
「一誠」
「な、何だ?」
「顔に出ています」
「何が?」
「だいたい全部です」
「俺は何も言ってないだろ!」
「言葉にしていないだけです」
小猫さんが一誠を見上げる。
「変態です」
「まだ何もしてない!」
「まだ」
「そこを強調するな!」
祐斗が困ったように笑っていた。リアスは一誠の耳をつまみ、女子組から引き離す。
「今日は皆で楽しむために来たの。分かっているわね?」
「はい、部長。健全に楽しみます!」
「その返事が一番信用できないわね」
リアスが手を離すと、一誠は耳を押さえながら祐斗の隣へ逃げていった。
順番にシャワーを浴び、プールへ入る。水は冷たかったが、日差しが強いため、すぐに心地よく感じるようになった。
「気持ちいいですね!」
アーシアさんが両手で水をすくう。
「はい」
私は肩まで水へ浸かった。泳ぐだけなら、学校のプールでなくてもよい。けれど、皆と同じ水着へ着替え、同じ場所で過ごすことは新鮮だった。
「ミライさん、見ていてください」
アーシアさんが、水面へ背中を預けようとしている。隣では、小猫さんが静かに仰向けで浮いていた。
「小猫ちゃんのようにしたいのですが……」
「身体の力を抜いてください」
「はい」
アーシアさんが一気に力を抜く。
「急に全部抜いては――」
「きゃっ!」
身体が水へ沈んだ。すぐに腕を伸ばし、背中を支える。アーシアさんは少し水を飲んだらしく、咳き込んでいた。
「大丈夫ですか?」
「はい……すみません」
「謝らなくてもよいです」
「難しいですね」
「慣れればできます」
片手を背中へ添え、もう一方で後頭部を支える。
「今度は、ゆっくり力を抜いてください」
「ミライさんが支えてくださるなら、安心です」
「急に離したりはしません」
アーシアさんが目を閉じる。肩から力が抜け、先ほどより身体が水面へ浮かんだ。
「浮きました!」
「まだ私が支えています」
「でも、先ほどより浮いています!」
「そうですね」
小猫さんが、浮いたままこちらへ流れてくる。
「アーシア先輩。肩に力が入っています」
「こうでしょうか?」
「もう少しです」
三人で練習していると、反対側から大きな水音が聞こえた。ゼノヴィアさんが、プールの端から端まで勢いよく泳いでいる。まっすぐ進んではいるが、水しぶきが大きい。
「速いですね」
「水泳も鍛錬になる」
反対側へ着いたゼノヴィアさんが、壁へ手をついた。
「誰か勝負しないか?」
「よし、俺がやる!」
一誠が手を上げる。
「勝てるのですか?」
「やる前から負けることを考えるな!」
「なら、僕も参加しようかな」
祐斗が一誠の隣へ並んだ。
「祐斗まで?」
「せっかくの機会だからね」
三人がスタート位置へ並ぶ。リアスの合図とともに、一斉に壁を蹴った。最初から前へ出たのはゼノヴィアさんだった。一誠も必死に追っている。祐斗は二人ほど激しく水をかかず、無駄のない動きで進んでいた。
「どなたが勝つでしょうか?」
アーシアさんが水面から顔を上げる。
「ゼノヴィアさんだと思います」
「早いですね」
「最初の加速が違いました」
予想どおり、最初に反対側へ着いたのはゼノヴィアさんだった。少し遅れて祐斗。最後に一誠が壁へ手をつく。
「何でだ……俺だって鍛えてるのに……」
「水泳の鍛錬はしていないだろう?」
「泳ぐのに必要なのは気合いじゃないのか?」
「違うと思います」
「ミライ、即答するなよ!」
一誠がプールの縁へ突っ伏した。ゼノヴィアさんが手で水をすくい、その背中へかける。
「もう一度やるか?」
「何するんだ!」
「起こそうと思った」
「普通に声をかけろ!」
一誠が水を返す。ゼノヴィアさんが避ける。その後ろにいた朱乃さんへ、水がまともにかかった。
「あら」
一誠の動きが止まる。
「朱乃さん、今のは事故で――」
「ええ、分かっています」
朱乃さんは笑顔のまま水をすくった。
「ですから、これも事故です」
大きな水しぶきが一誠を襲う。
「うわっ!」
逃げた一誠が、今度はリアスへ水を飛ばした。リアスが反撃し、祐斗とゼノヴィアさんまで加わる。いつの間にか、誰が始めたのか分からない水の掛け合いになっていた。
「楽しそうですね」
アーシアさんが笑う。
「そうですね」
「ミライさんも参加しませんか?」
「今は練習中です」
「私はもう大丈夫です」
「まだ一人では――」
顔へ水がかかった。見ると、一誠が片手を上げたまま固まっている。
「あ」
「一誠」
「悪い! 今のは狙ってない!」
「そうですか」
「本当だぞ!」
「分かりました」
私はアーシアさんを小猫さんへ預けた。
「小猫さん。少しお願いします」
「はい」
両手を水へ入れる。
「待て。何でそんなにすくってるんだ?」
「先ほどの分です」
「明らかに量が違うだろ!」
両腕を前へ振った。水がまとめて一誠へ飛んでいく。
「ぶはっ!」
「これで同じです」
「どこがだ!」
横から、祐斗の放った水が飛んできた。腕で顔を守る。
「祐斗まで何をするのですか?」
「一誠だけが相手では不公平だからね」
「どういう公平ですか?」
「こういうものだ」
今度はゼノヴィアさんが正面から水をかけてくる。
「ゼノヴィアさん」
「水遊びとは、相手へ水をかけるものなのだろう?」
「間違ってはいません」
「なら、問題ない」
「分かりました」
私は再び両手を水へ沈めた。気づけば、私も皆と同じように水を掛け合っていた。
◇
夕方、部室へ戻ったころには、全員が少し疲れていた。一誠はソファへ仰向けに倒れ、動こうとしない。祐斗は濡れた髪をタオルで拭きながら、テーブルへ飲み物を並べていた。アーシアさんは、初めて水面へ浮けたことを嬉しそうにリアスへ報告している。
「ミライさんと小猫ちゃんが教えてくださったんです」
「よかったわね、アーシア」
「はい!」
「次は正式な距離を決めて勝負しよう」
ゼノヴィアさんが飲み物を手に言った。
「もう勘弁してくれ……」
一誠がソファから答える。
「次は勝つと言っていたではないか」
「今日はもう無理だ」
「では、明日か?」
「授業があるだろ!」
「放課後なら空いている」
「毎日泳ぐつもりかよ!」
「その前に、今日プールを使えたのは、清掃のご褒美だったことを忘れていませんか?」
私が言うと、ゼノヴィアさんは少し考えた。
「次も清掃をすればよい」
「毎回、プールを汚すつもりですか?」
「汚れる前に掃除をすればよいのでは?」
「掃除をするために泳ぐ必要はありません」
朱乃さんが紅茶を注ぎながら笑う。
「あらあら。ゼノヴィアはすっかり気に入ったみたいね」
「全身を使える。よい鍛錬だった」
「お前、何でも鍛錬にするよな」
「悪いことか?」
「悪くないけど、今日は普通に遊んでもよかっただろ」
「普通に遊んだつもりだ」
「競争で負けた一誠が言っても、説得力がありません」
「ミライはどっちの味方なんだよ!」
「事実を言っただけです」
「最近、祐斗に似てきてないか?」
「僕は何も言っていないよ」
祐斗が穏やかに笑う。
あの夜の出来事が、なかったことになったわけではない。祐斗が抱えていたものも、戦いの中で起きたことも、消えたわけではなかった。それでも今は、皆がここにいる。飲み物を飲み、水遊びの話をして、一誠の言葉へ誰かが突っ込んでいる。そのことを、私は少しだけ嬉しく思った。
「ところで、一誠」
リアスがソファを見る。
「何ですか?」
「いつまで寝ているの?」
「あと五分だけ……」
「グレイフィアが見たら叱られるわよ」
「どうしてグレイフィアさんが――」
部室の中央へ、赤い光が広がった。一誠が飛び起きる。床に巨大な魔法陣が浮かび上がり、複雑な紋様がゆっくりと回転した。
「噂をすれば、ね」
リアスが姿勢を正す。赤い光の中から、二人の人影が現れた。鮮やかな赤い髪を持つ男性と、長い銀髪の女性。サーゼクス様とグレイフィアさんだった。
「お兄様」
「やあ、リアス」
サーゼクス様は穏やかな笑顔で部室を見回した。
「突然すまないね。随分と楽しそうだったようだ」
「聞こえていたのですか?」
「少しだけね」
サーゼクス様の視線が一誠へ向く。
「水泳で負けたそうだね、兵藤一誠君」
「どこから聞いていたんですか!?」
「お兄様」
リアスの声が低くなる。
「今日は何のご用ですか?」
「そうだった。遊びに来たわけではないんだ」
「今のやり取りを見るかぎり、半分ほどは私用ではありませんか?」
サーゼクス様は笑顔のまま答えなかった。代わりに、グレイフィアさんが一歩前へ出る。
「本日は、皆様へお伝えすることがあり参りました」
部室の空気が変わった。一誠もソファから立ち上がる。アーシアさんと小猫さんも話を止め、サーゼクス様たちへ向き直った。
「伝えること?」
リアスが尋ねる。
「近いうち、この学園では公開授業が行われるそうだね」
「はい。保護者を招き、授業を見学していただく予定です」
「その時期に合わせて、駒王町へ何人かの重要な客人が来る」
「重要な客人、ですか?」
「ああ」
サーゼクス様が頷いた。
「先日のコカビエルの一件も含め、三つの勢力は、これまでの関係について一度話し合わなければならなくなった」
先ほどまでの騒がしさは、もうなかった。
「一度、それぞれの代表が顔を合わせる必要がある」
リアスの表情が引き締まる。
「まさか……」
「そのまさかだよ」
サーゼクス様は、私たち全員を見渡した。
「悪魔、堕天使、天使。それぞれの代表が集まり、今後の関係について話し合う」
誰も言葉を挟まなかった。サーゼクス様は穏やかな声のまま、告げた。
「三大勢力の首脳会談を、ここ駒王学園で行う」
ゼノヴィアの水着がゼロノスにしか見えない
今後の更新について、最も近い希望を教えてください
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このまま続けてほしい
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短く休んでから再開してほしい
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不定期でも続けてほしい
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今回で一区切りでもよい
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作者の判断に任せたい