どうも、半人半妖です 作:覚め
A.はい
なんだかわからない。わからないが、わからないうちに紅魔館とやらにたどり着いたようだ。何これ。目に悪い色をしている。簀巻きから解放された後でこれとは、何とも悲しいことだ。来た道を通ってたつもりだったんだけどな。無理だったか。門番もいるけど、妹紅はがっつり無視するようだ。門番立ってるのに。そのまま妹紅は門を通って行った。…俺も通ろうとしたら手出して来るかな。門前で待ってても別に問題はないんだよな。妹紅の連れ添いで来てるだけだし。よし、俺は門前で待つことにした。後ろから着いてきた妖精が少しうざったいけど。
「うるさいですね…あれ、人…ではない、ですよね?」
「今は人なはずだけど」
「あれ?」
「あたいは最強の妖精、チルノ!」
「最悪な気分の人間、平」
「…待ってくださいね、もしかして誰か通りました?」
「うん」
門番は膝を着き、四つん這いになって頭を抱えた。よかったな。俺の場合不用意に草にも触れないからさ。羨ましい限りだ。頭を掻いて気分をなんとか持ち上げた様子。起きたことは仕方ない、お前らを通さないだけだと。開き直っただけかもしれないし、そもそも俺はこの門を通るつもりは全くない。だって面倒だし。俺の仕事はそもそも冬が長引いたことによる影響の調査の連れ添いだ。妹紅の私用に着いて歩いてきただけなんだぞ。何でわざわざ死ぬような真似をしなきゃならん。
「…そう、ですね。貴方はどうやら毒持ちのようですし」
「は?」
「毒持ちではいくら人とはいえ、食べれないですからね。」
「だってよチルノ」
「あたいは毒使い…!?」
何言ってんだかね。そう思っていたところに、俺がいかに毒物に見えるかを熱演し始めた門番の横から謎の人間が。片手には妹紅を持ちながら現れた。妹紅本人は何やら気絶している様子。全く面倒なことをしてくれた。妹紅を受け取りさっさと地面に落とす。この間、ずっと門番は俺の有毒性について語っていた。暇かこいつ。さて受け取ったは良いが老いたくないのでポイ捨て。起きてくれないとそもそも妖怪に襲われる可能性があるため、ここで待つしかない。本当に面倒だ。まあ仕方ないことだと割り切っているつもり。
「はぁ…」
「何だか大変そうね」
「そりゃあね。他人の付き添いのはずだったのに、こんなことになってるんだから。」
「へぇ。で、美鈴はいつから喋ってたの?」
「門番のこと?起きてからだから、まあついさっきから?」
「へぇ。」
妹紅を連れてきたよくわからない人間は十六夜咲夜と言うらしい。たまに人里に来てるんだとか。俺の有毒性について語っていた門番こと美鈴にナイフを刺し、今の話を経てまたナイフを刺した。成る程そう言う感じの館か。恐らく主人は気分で暴力を振るっているのだろう。聞いてみたところ、そんなことはないらしい。わがままではあるが暴力はないんだとか。じゃあアンタの暴力は?と聞いたらお仕置きだから暴力ではないとのこと。そんなトンチがあったのか。今後妹紅に対して使うことがあるかもな。
「ところで、その侵入者は何がしたかったの?」
「知らん…妖精もどっか行ったからな、本当にわからん。俺のこと燃やしたり水没させたりしてたし」
「…本当に付き添い?」
「多分…?」
不安になってきたな。妹紅に仕事任せちゃダメじゃないか?と思い、異変の影響がこの辺りに出てきていないかを聞いてみた。普通にあったようだ。木の数が減った、元気が消え失せたような妖精が出た、などが挙げられるようだ。妖精の元気が消え失せるのはよくわからないな。これも異変の後遺症かもしれない。ちなみに、十六夜は美鈴が起きるまでここから退くつもりはないようだ。なんか面倒なことになってる気がするぞ、何か間違えたか?…間違えたのは妹紅か。この辺の調査は終わったので起きて欲しいのだが全然起きない。ので殺す。
「っし…」
「っぁ、あ、ぁあ…あれ、私死んだか?」
「便利だろこれ」
「あら、平も同じなの?」
「俺は死んだらそこまでね。それじゃ」
「…平?あの、死んだの?」
死んだ死んだ。それはもう爆発したよ。じゃあ帰るぞ、と妹紅の後ろを歩いていく。悪いがこれ以上紅魔館の前にいたらあの従者?に何されるか分かったもんじゃない。去り際にナイフの刺さる音が聞こえたしな。本当にこれは。ため息しか出ないと言うのが現実だ。妹紅に対するため息。人里に戻って慧音に言っておくか。なんて言ってやろうかなと思っていたらいつの間にか横に十六夜が出現した。どうやらちょうど買い物する時間だったらしく、どうせならと交友も広めようと来たようだ。
「変なの」
「そうでしょうか」
「だって、明らかに俺たち人外じゃん」
「…平も人外なの?」
「あれ、違ったっけ」
「少なくとも平の見た目は人間だぞ」
らしい。人里の中に入り、それじゃあねと解散出来ず。自分の家が知られているんだからお前の家を教えろ、と言うのが十六夜の言い分らしい。仕方ない。適当な嘘を言って尋ねられて嘘を言ったなと刺されたくないので寺子屋を紹介する。だいたいここにいるし、実際冬の間はずっとここにいたし。妹紅の家は別ね。そう言って今度こそ解散したかったがならなかった。妹紅が家の中を見たのだから、付き添いであるお前の家を見せろとのことらしい。妹紅に言え、妹紅に。妹紅が面白そうな家に住んでいる想像ができない?…確かに。
「だからと言って私に断りもなく上げるか?」
「ぅおっ、慧音」
「言っておくが上げないからな。人里のことについて聞きたいなら表を訪ねて欲しい。」
「成る程、わかりました。では早速…彼は人外ですか?人ですか?」
「今は人だ。」
Q.何故咲夜は寺子屋に入ろうとしたのか
A.博物館で実際の寺子屋を再現した展示場があったら入る人だと作者が思っているから。