どうも、半人半妖です 作:覚め
???「落とせ」
「誰が…」
羽衣に揺られてかなり経った。途中まで豊姫が説得をして来たが、どう言うことだろうか。羽衣を使うと触れなくなるとか?いやそれはないか。よく考えろ。よく考えた上でわからん。と、ここで羽衣が急加速。体を叩く風が怖い。そのままの勢いで墜落。まだ妖怪だから助かったものの、それでも死ぬほど痛い。背中の針も落ちた衝撃でどこかへ行ったようだ。痛い。そしてここはどこだ。背中に走る熱と痛みで体が死にそうだ。が、それでも帰りたいから立ち上がる。頭も打ったから本当に、わからん。何言おうとした?
「…っ」
誰かがいる気がする。誰かが喋っている気がする。誰かに喋りかけられている気がする?全部、全部気がするだけだ。が、立ち上がったところで倒れた。目が覚めた時、見覚えのある部屋だった。月で見た景色。白く何もない部屋。いや、それよりは何か物があるが…と、思っていたところに玉兎。鳥肌が立つ。俺の知っている玉兎より姿が少し違うが、あの耳は確かに玉兎だった。退くつもりで落ちる。高台の布団にでも置かれていたのだろうか?いまだにはっきりと周りが見えない気がする。
「大丈夫ですか!?」
「逃げたと思ったんだけどな…?」
「何からですか!?」
「玉兎」
そう発すると、目の前の玉兎が目を丸める。互いに少し距離をとって睨み合う。…なんだこの空気感?と思っていたところに謎の女出現。赤と青の変な服を着た白髪の女。何故かはわからないが、苛立ちが止まらない。誰かも知らないのに、誰かもわからないのに、何故かずっと苛立ちが止まらない。だが背中の針はないし、俺の記憶が正しくここが月なら挑んだって勝てない。…が、疑問が残る。おかしい。妖怪になってない。月なら妖怪になってるはず。針がなくてもわかる。四足歩行じゃない。
「…?」
「あら、目が覚めてたのね。問診を始めるから座ってくれる?…聞こえてる?」
「ここ、どこ」
「…まあ、気になるか…そうね。ここは病院。突然空から降って来たから看病してたのよ。そこの鈴仙なんか月からの使者だなんて叫んで…ああ、貴方にはわからない?」
「…名前は?」
「そこの助手は鈴仙・優曇華院・イナバ。…私?八意━━」
合点が入った。それと同時に手が伸びる。その先は八意の首元。掴んでどうするのか?知らない。現に掴む前にその手を掴まれた。横にいた鈴仙とか言う玉兎に。余程俺の顔を見たくなかったのか、目を背けられる。八意。豊姫から聞いた、俺の体を最初に改造した月の偉人。最初に招かれた部屋に、この女の格好があった。間違いなく八意当人。足で蹴飛ばそうにも、足を上げた途端に鈴仙に軸足を蹴られて転げてしまった。そのまま取り押さえられ、組み敷かれた。
「…貴方が何故私を襲うのかは知らないけど、落ち着いてもらえる?体調は?」
「お前がっ……藤原妹紅は、会ったか」
「?…ああ、あの子ね。輝夜と喧嘩し始めた時は困ったけど…私としても多少申し訳ないから何も言えないのよね。」
「…お前が人外にした、人間とは会ったか」
「…」
考える素振り。フリだろう。所詮は月、俺のことなど憶えているはずもない。が、どうやらそうでもないらしい。汗をかき始め、手が震え始め、うわ言を呟き始めた。その様子に驚いたのか、鈴仙も八意に駆け寄った。解放された俺はと言えば、溜まった穢れを出し続けていた。長いこと触れた、老いた。老いると動きが苦しくなる。そんな俺の姿を見て八意は完全に思い出したようだ。思い出した八意の姿は、まるでこちらが悪人かのような目つきをしていた。なんてやつだ。
「ごめんなさい。輝夜の脱走のための実験の巻き込んでしまって、本当に…後悔してる」
「妹紅は輝夜とか言うやつを許したのか?」
「…ええ。これで無しとか。やるべきことがあるみたいな感じだったけど…ごめんなさい、私も詳しくは」
「あっそ。じゃあ良いよ。」
「!?」
「謝られたらそれ以上責められないし」
嘘だ。責めるつもりが起きないだけだ。きっと、自然現象だと考えていた。慧音が後天的に妖怪になったように、俺もたまたまなったと。八意の下げた頭を見て、居た堪れなくなった。気に食わない。が、だからと言って何かをする訳にもいかない。頭がまとまらない。帰り道を探し続け、なんとなく知った道を通る。違う、知ってる道だ。妹紅がこの辺りにいたはずだ。どこだ?酷い気分だ。考えがまとまらず、気持ちも纏まらない。それだけですごく気持ち悪い。長時間ゆらゆらしてたら当然か。
「…っ」
「なぁ慧音、落ち着け?もう二ヶ月も見つかってないんだ。多分、平は…」
「妹紅!!私たちが探さなかったら平は誰に探されるんだ!?」
「そうだぞ妹紅…あと慧音、少しうるさい…」
「ほら!平も…平?平!?」
慧音に両肩を掴まれ強く揺さぶられる。左肩だけは滑ったようだが。そのまま壁にぶつけられたが、今の会話をもう一度よく思い出す。二ヶ月とか言ってなかった?つまり俺は二ヶ月ほど月にいたと言うことか。なんと。そこまで長い間いたつもりはなかったし、実感もなかったんだけどな。そう考えていたら床に倒れてしまった。でも帰って来れてよかった。月にいるのは死ぬほど退屈だからな。何故かずっとあたふたしている妹紅を見て、何やってんだと聞いてみた。なんか怒った。
「今までどこにいたんだ」
「月」
「月!?」
「月って…慧音…」
「…平が消えた後、異変が起きたんだ。その、月が異常になる異変でな…その首謀者たちが月から来た宇宙人だったんだ」
「…慧音、お前何言ってんだ?」
異変の概要が大体夜が長引いてる!って感じだけどおそらく慧音には筒抜けてそうな感じがする
しろ。