どうも、半人半妖です 作:覚め
平「なんあれ怖…」
が近い未来あり得ない
「…明日ってなんかあったっけ」
「ん?あー…いや、何もないはずだぞ?」
「…だよな」
嘘である。実は明日、俺が慧音と出会った日なのだ。とは言え正確に覚えているわけじゃない。実際より覚えているのは妹紅だし、俺も妹紅に言われてようやく時期を思い出したほどである。慧音も、毎年毎年言われてもうそんな時期かと呟くほどだ。最近は忙しさも消えてきたから覚えていることもあったが、そんなものだろう。寺子屋も人里に増えてきたし、これから段々と今まで以上に時間が空いていくだろうな。…まあ、教科書が変わった場合、慧音がかなり忙しくなるのはまだあるんだが。
「…いや、慧音が覚えてないなんてことないだろ」
「忙しさで失念してるんだろ。」
「ま、毎年団子で祝われてもか」
「これでも小遣いはないからな。妹紅はタケノコだっけ」
「うん。平も収入源身に付けたら?」
「片腕で出来る仕事ってどこにあると思う」
少し悩んで里の外とか言われた時は殴ってやろうかとも思ったが、まあ実際片腕となると厳しいのはその通り。しかし団子以上となると、それこそ…なんだろうか。外の世界から入って来たものがあるだろうか?西洋とか。そう悩んでいたら十六夜とかなり久しぶりに出会った。外でもそんな目立つ格好をしていたのか。妹紅が気まずそうにしているが無視。祝いの日に似合う何かを知らないかと聞いてみたら、ケーキをお勧めされた。…これ、一日でなんとかなるか…?
「十六夜クッキングの時間です」
「なんか古い気がする」
「いつの間にこの館へ」
「今回は同棲相手と出会った記念日を他の女に作らせたレシピを用いて祝うと言うことですね」
「なあやっぱやめないか。」
「付け足しで他の女と共に学んだを付けてくれ。」
「では、同棲相手と出会った記念日を他の女に作らせたレシピを他の女と共に学んで祝うと言うことですね」
言い方ってものがあると思う。まるで俺が女を侍らせているような…絵面だけ見れば割と正しいのでは…?と、そこからはケーキの作り方を学ぶ。なんか途中十六夜の能力使わなかったか。なんか皿が大きいな。…ちょくちょく使われる十六夜の能力によって、俺と妹紅では作れないことが判明。何ならたまに用意したものを出してくる。まあ多分作れないわけではないが、その、少し早めるとかはどう言うことなのか。本来は30分とか言ってたが、どれだけ早めれば30秒で終わるのか。
「まあクリームは適当に。完成です」
「妹紅理解できた?」
「…手順だけは」
「さ、他の女に作らせた女との記念日ケーキを」
「もしかしなくても怒ってる?」
「いえ。反応が面白いので」
「えぇ…」
ちなみに今作られたケーキはここのお嬢様に贈られるらしい。そして俺たちが作って失敗したものも贈られるらしい。さて何回失敗出来るか。ちなみに成功したと判断出来たら持ち帰れるように梱包してくれるらしい。やったぁ。と言うわけで初回作成。妹紅が火加減間違えたり、俺が泡立てられなかったり、妹紅がオーブンに物を入れるときに転んで危うく台無しにしかけたり。まあ二回台無しにしたけど。そんなこんなで作れたケーキは、なんか…酷いな…。魔法で無限のように湧くから平気とは言われたが、これ人里で作ろうとしたら無理な話なんじゃないか?
「初回はこのような物ですね。私も同じようにやらかしてその都度お嬢様に押し付けましたから。」
「可哀想だなここのお嬢様」
「ん、でも味は悪くないぞ。後は見た目だけだな」
「焦げ目とクリームの不揃いですね。最悪クリームは私がやりましょう」
「十六夜先生は頼りになるなぁ」
「ええ。このケーキを構成する他の女の一人ですから」
「言い方!!」
再び制作を開始する。泡立てを間違えずに、火加減を間違えずに、すでに作っていたものは出さずに。…今更だが、今作ってる丸いやつだと味の確認をした瞬間食いかけのように見えるのが良くないと思うが、そこはどうなのだろうか。気になって聞いたら切って分ければバレないと言う話だった。なるほどそう言う手段か。そうして出来た四作目のケーキは、見た目も良かった。クリームは十六夜がやってくれた。まあ、良かったとは言えボコボコしてたり。十六夜が初回に作った奴の方が格段に出来は良い。
「それでは梱包しますね」
「…今、夜?」
「夕方だな」
「慧音に何て言い訳すれば…」
「まあ、怒られてる間に私が隠しておくから」
「泣くぞ」
「それでは、明日の夜は盛大にお祝いください。一日程度なら保ちますから」
「ありがて〜」
「じゃ、帰るか」
「ちなみに火の近くとかは厳禁ですからね。クリームが溶けますから。」
「…」
つまり、この距離をか。歩きか。夜も近いのにか。妹紅が明かりを付けるついでに護身用に持っていた博麗印の札を掲げながら帰る。さて、慧音になんて言い訳しようかな。そう考えながら帰宅。妹紅と共に。妹紅にケーキの入った箱を手渡し、先に家の中へ。慧音が寝ていることを確認。妹紅を手招きし、振り返るとそこには慧音が。…あ、と声を上げるよりも先に頬を叩かれ、まあ当然かと思いきや抱きしめられる。その隙に妹紅が入り込み、梱包ごとケーキを隠す。明日は休日なので、まあ朝から出しても問題はないか。
「…心配したんだぞ」
「うん」
「妹紅と一緒だから安心だとは思ったけど、夜になっても帰ってこないなんて…」
「うん」
「一度に二人を失ったら、私は…!」
まずい事をしたか。慧音を宥め、再び眠るように誘導する。俺も疲労があるので寝させてもらう。慧音よりも早く起きる。そうは言っても中々に寝入ったようで、妹紅の方がかなり早そうだったが。足の激痛と戦いながらもはや昼飯(妹紅談)を用意する。まさかこうなるとは。慧音を起こして居間に連れてくる。初めて見るケーキに戸惑っているようだ。そこで今日が何の日か、そして昨日遅れた理由も合わせて説明し、食わせる。
「美味しい…」
「良しっ」
「あの夜道を歩いただけのことはあるな」
「じゃあ後は全部食べるだけだな」
「なんか多くないか?」
「まあ紅魔館の大きさだろうしな」
「だとしても多いと思うぞ二人とも」
十六夜が教えたケーキの大きさ、だいたい6号
6〜8人分ですわ。