どうも、半人半妖です   作:覚め

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その船を漕いでゆけ


空船

「何で上見てんの?」

 

「いや、最近船が空を飛んでる噂が流れてな…」

 

「慧音…多分集団幻覚って奴だ。八意が言っていた気がする」

 

「あそこに人里全員入ったかな」

 

「すまん嘘」

 

そう言って前言を撤回する。ちなみに俺が聞いた話では空飛ぶ船ではなく空飛ぶ靴だったり空飛ぶ天狗だったり、空飛ぶパンツだったりしたらしい。情報源は勿論射命丸。射命丸が見えたのは空飛ぶ博麗の巫女だったらしい。出会った直後に弾幕が飛んできたので本物だったかもしれないとか。博麗の巫女って野蛮だなぁと、まあ確かにそんな気配はあるなと納得しつつ。前回の異変を思い出す。もしや力のある怨霊とか。でも霧雨のお嬢さんはそんなこと言ってなかったな

 

「あの娘も起きたらすぐに行ってしまったからなぁ…」

 

「意外と慧音が怖かったんじゃないか?」

 

「そうか…?」

 

「後は妹紅とか」

 

「目が覚めたらすぐ側に片腕の男がいたのもあるんじゃないか?怖いだろ?」

 

「つっても生えてくるわけじゃないし…」

 

そんな話は程々に。俺も慧音と同じように空を見上げると、なんかバッタリ見えた。空飛ぶ物体。と言うよりも、なんかこっちに飛んできてる気がする。慧音も気づいたのか、身構えつつ何かを見極めようとする。俺にはなんか、慧音が妖怪になった時のツノに見えたのだが、慧音にはどう見えたのか。やはり、これまた別のものに見えたのだろうか?うーん、全員が同じものを見たとも限らない。本当に空飛ぶパンツがあったのかもしれない。それは風で飛ばされただけな気もするが。ただの布と勘違いしそうなものだけどな…

 

「…なん、なんだこれ」

 

「さあな…とりあえず、これは隠しておく。この穴も…まあ、平が転んだとかで」

 

「俺の体重どうなってんの」

 

「最悪埋めればいい。頼んだぞ、平。」

 

「はいよ」

 

と、言うわけで埋めていく。面倒だし面倒だし面倒だ。つまりとても面倒。つまりとても手間。元に戻ったわけではないが、なんか凹んでるなーくらいには埋めた。しかし空飛ぶ物体が急に落ちて来た理由がわからない。何だろう。妹紅の火で上がってたのかな?と、思っていたら今度は別の空飛ぶ物体。…おそらくだが、さっき落ちて来たような空飛ぶ物体とは全然別物だ。俺も空を飛べれば…と思っていたが、そもそも慧音が飛べるんだから俺も飛べて当然では?という考えが。…とはいえ飛ぶ感覚を知らないので飛べるわけもなく。

 

「気になるから追いかけてえよな」

 

「でもそれすると慧音が心配するよな」

 

「うわ妹紅」

 

「平も好奇心はあるよな」

 

「妹紅があの船まで連れて行って、妹紅が慧音に説明すれば全部解決するよ」

 

「お前、私に死ねって言ってる?お前が関わると慧音が必死になるんだぞ?」

 

「妹紅…お前死んでも死なないんだから頼む」

 

頬を叩かれた。事実だけども軽く言うのはやめろと。でもお前老いてはいるよな、と言うとそれとこれは話が違う!と言われた。お前の白髪黒髪に戻してやっても良いけど、と言うと少し揺れたそぶりを見せたままもう一回叩かれた。何なんだ、一体。不貞腐れようとしたところで慧音が出て来た。何やら音が聞こえたのでまさか近所とトラブルでも起こしたんじゃないかと思って出て来たそうだ。それにしては少し遅いと思うが。と言うわけで空飛ぶ物体の話はどこかへ消えた。うーん、結局何かはわからん。

 

「最近は守矢が里で大きくなって来ていてな。」

 

「そうなるとなんかあるの?」

 

「妹紅の言うとおり、何もないといえばない。だが博麗神社がある以上、あまり宜しくないと思っていてな…」

 

「あそこなら昔から有権者が金だったりを出してるから潰れねえだろ」

 

「博麗の巫女に次代がないと博麗大結界に問題が出る気がしてな…」

 

「博麗大結界?」

 

この土地には大体数百年いるからわかるけど、何それ知らない。つい最近の出来事だったりする?俺が慧音と出会って間もなかったりする?違う?俺が聞いてないだけ?ああ、そう。幻想郷と外の世界との区切りらしい。へぇ〜。区切られてるのは聞いていたが、なにで区切られているかは知らなかった。その維持やら何やらに博麗の巫女が必要なんだ。と、そこで博麗の巫女本人が出て来た。今日は唐突に人が来る日なのか?…いや、元々巫女は唐突に来るし妹紅は起きたら居たこともあったな。

 

「で。私の心配をしてた?」

 

「まあ、そう言ったところです」

 

「なんで今日来たんだ?」

 

「空飛ぶ何かの噂。何か知らない?」

 

「あー…パンツだったり靴だったりのアレ。」

 

「待て、パンツ?」

 

「射命丸から聞いたから詳しくは知らん。」

 

と言うわけで。射命丸の新聞を引っ張り出してきて説明する。すると巫女は納得したついでに新聞に小さく載っていた『野蛮巫女、記者を蹂躙』の見出しを見て少し機嫌を悪くしていた。この部分については、射命丸が言うには報道の自由とか何とか。尚、俺の聞いた話の限りで言えばここに載っている巫女とは恐らく東風谷早苗だと思われる。と言うか本人はそう言っていたし。なのに射命丸の奴、どっちかわからないような書き方してるぞ。あいつの人格は何個あるんだ?

 

「よし…潰す」

 

「札で殴れば早いんじゃない」

 

「針で翼取ってやるのよ。人里に入る手間が省けるでしょうね」

 

「妹紅、私たち側でも探しておくか。」

 

「わかった、たけのこ売りながら聞いてみるよ」

 

「俺は?」

 

「平は変に関わるとそのまま消えそうだしなぁ」




博麗の巫女→妖怪…里の外で見かけたら潰す。里の中で変装してたら潰さない。変装してなかったら潰す。
守矢の巫女→妖怪…悪いことしてたら潰します(後に見かけたら善悪問わず潰すようになる)
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