どうも、半人半妖です 作:覚め
だぁーーーーーー!!!
「人の肌って思ったより硬えよな」
「すまんわからない」
「慧音は触れ合わないからなぁ」
「なんだと?」
握手くらいはするぞと威張られた。まあその握手もしないのが俺だが、だからと言ってそんな幼稚な威張り方はないだろう。恋愛初心者がどこまで行ったかを聞かれてキスしたと答えるようなものだ。俺は恋愛したことないからわからないけど。ま、しゃーないわな。俺だって老けたくて老けてるわけじゃないんだからな。いつの間にか晴れた空を見て、やっぱりいつも通りの一日が一番であることを確認。今更来た妹紅に慧音が呆れながら応対をする。妹紅はいらない。
「お、平。久しぶり〜…なんか老けた?」
「妹紅と同じくらい老けた」
「じゃあ老けてないか。で、異変なんだけど」
「俺じゃなくて慧音に言え。」
「そうだぞ妹紅。平は今若返ったばかりだからな」
「さっきまで寝てたのか」
寝て起きてから見たら晴れてたから驚きだ。なんなら寝る前から晴れてた気さえする。巫女の仕事の速さにかなり驚きを隠せない。そんなこんなで謎に妹紅が居座り慧音がその相手をし、それと同じ部屋で俺が寝転ぶ謎の部屋の出来上がりだ。妹紅から逃げるために立ち上がるか。というか、妹紅が謎に触りに来るんだよな。何がしたいかわからないが、俺の老けた姿でも見たいのだろう。見るな、えっち。老人の裸で興奮する奴なんかいるわけないか。自意識過剰すぎたな…
「で、異変が終わってから来たのは何でだ?」
「恥ずかしい話、外歩いてたら末端が痺れて来てさ…流石になぁって」
「雑魚妹紅」
「平、そう言うな。同世代の人間だろう?」
「だけどねぇ」
「え、そうだったの!?」
「何で妹紅が驚くんだ?」
というかほぼ同じ地域生まれだ。妹紅のことは人間だった時から知ってた。藤原の娘で、その父親が何かにのめり込んだとかなんとか。一目見たこともあるが、その時の印象ではここまではっちゃけた人間ではなかったと思う。少なくとも箱入り娘の雰囲気はような。まあ何せ一千年以上昔の話、詳しく覚えてないし、本人の気性も変わったからあんまり関係のない話なんじゃないかな。そう思ったから俺は妹紅に対してそう言うことを喋ってないし、もちろん喋る気もなかった。慧音には話した。懐かしいなぁ〜とか言って。
「ぇ〜…知らなかった」
「平民と貴族の娘だもんねぇ」
「そう言う感じでいうのはやめてくれ、平。私は色々とあの家が嫌いなんだ。」
「…何があったのか知らないが、そろそろお腹が空いて来ないか?」
ご飯となった。今日は妹紅がいるので謎の肉も追加だ。正体を聞いてもはぐらかされるので辞めた。謎の肉、汁、白米。その三つ。慧音も食費が浮くと喜んでいた。…だが、俺が出て行くとなれば中々に怒った顔で止めるのは何故なのか。食費も何もかも、一人の方が安く済むだろうに。俺の食事なんてものはほとんどいらないんだぞ。妹紅の肉でももらってようかな。ありもしない一人暮らしを考えながら飯を食べる。異変が解決したとはいえ、まだやることがある。気が滅入る。
「次の満月は私もいてやろうか?」
「いや、良い。異変一つならそこまでだ。人里の中の様子だけなら今からでも記録はできるさ」
「異変とは無縁で生きたいんだけどなぁ」
「幻想郷で生きるならほとんど無理じゃないか?」
「慧音に言われちゃおしまいか」
ため息ひとつ。慧音が人里の中で老いずに居ながらも迫害を受けないのは信頼があるからだ。妹紅と俺は大して。いや信頼で言えば俺は全くない。寺子屋から出ることなんか一切ないからな。関わらなくて、信頼なんか芽生えず。何せ触れたら老けるんだ。人と触れ合うのを無視しても人混みの中で生きていける体質じゃない。少なくとも、俺は里の外で暮らした方が生きやすい人間のはずだ。俺がここにいるのも、住んでるのも慧音に無理やりここへと連れられたのが理由だからな。それがなければ外で寝てる。
「…何だ、妹紅」
「何も。平も元気そうだったし、帰るよ」
「そうかぁ。…じゃあまた、お前が死んだ後で」
「慧音、平が私と会いたくないとかいうんだけど」
「それくらいのことを妹紅はしているからなんとも」
「毒でチャラのはずだろ!?」
「アレは故意ではない」
さよならした。ちなみにこの後稗田家に行く用事が慧音にはあったため、ここで帰らないととても居心地の悪い場に居座ることになっていた。妹紅は運が良い。俺も寺子屋関連の物事を纏めなければならないので、重い腰を上げて落とし物を集める。異変で聞けなかったとは言え、今日落とし主を聞こうとした物だ。見つけた教室ごとに分けていたものをぐちゃぐちゃに混ぜて曜日別の落とし物入れの箱へ。週を跨ぐと子供も覚えていないことが多い。よほど大切なものなら寺子屋に一度は来ているだろうからなぁ。
「よしっ、こんなもんか」
「すまない平、客人だ。私が応対したいが、知っての通り予定がある。お願いできないか?」
「…はぁ」
聞けば割とデカい人物だとか。デカいってなんだよ…体?と思って応対室に出る。失礼します、と言って目に入ったのは赤と白の服。人里ではまず見ない配色だ。そしてこの色の配色は博麗の巫女だったはず。…博麗の巫女が何故ここにいるのかはわからないが、慧音が応対したいとか言った理由がこれか。俺が何かやらかした覚えはないんだけど。ムスッとした顔なのかもよくわからない表情と向き合うのは嫌なので茶を出す。客人用と札が貼られている茶葉だ。悪くはないと思うが。
「…本日は、何のご用で」
「異変も解決したから、久しぶりに生活費をと思ってね。賽銭箱も結構入るけど、臨時収入よ」
「…多分その件で慧音と稗田家が話してる筈。早いな…?」
「今回の異変で服が破れたのよ。だから早めに欲しいなって」
本作の紅霧異変の流れ
レミリア「はぁ…はぁ…!やった、服とは言え掠めたぞ!」
霊夢「夢想封印」
レミリア「」
という流れ。