どうも、半人半妖です   作:覚め

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寺子屋が里中に乱立するとどうなる?
そうだね。慧音の暇が増えるね。良かったぁ〜


夏場

「何やってんの」

 

「打ち水だ。雨が欲しい」

 

「なんで?」

 

「暑い…」

 

「そう?」

 

確かに暑くはあるが、正直に言って雨を欲しがるほどではない。宗教も暑さにはどうもできないようで、最近は布教活動も控えめになった。白蓮から聞いたが、星が汗かくと少し臭うから、と言う理由があるらしい。元は虎とか言ってたし、多分そう言うことだろう。でもあいつ梅雨時とか普通に来てたよな?梅雨の方が湿気で汗出るだろうに、一体何故。…個人の好みとか、そういうものだろうか。そんなことを思いながら打ち水を眺めていると、妹紅が来た。…熱い。

 

「帰れ〜」

 

「うわっ!?水!?」

 

「暑いんだよ」

 

「そうだぞ妹紅、今日は無理だ」

 

「流石に傷つくぞ」

 

でも実際暑いしな。そんなわけで汗だくの妹紅、汗で服が重そうな慧音、冷室みたいなところにいたせいで汗を全くかかない俺の3人が寺子屋に集まった。男衆に見られたらこいつらどうするつもりなんだろうな。と、そこにスイカが出てきた。どうやら妹紅が自分で種を蒔いて作ったらしい。暇人か。暇人だったな。妹紅が汗だくだった理由にこのスイカがあるらしい。スイカ…萃香…。嫌なことを思い出したな、やめておこう。そのスイカを割って食べようと言う話だ。妹紅はそれがしたいらしい。

 

「芋で良くない?」

 

「良いわけないだろ何言ってんだ」

 

「まあこれも風情ではあるか…」

 

「…で、誰が割るんだ?」

 

「勿論慧音」

 

「えっ」

 

言っておくが寺子屋に木刀はない。長い棒もなければ何かを叩くようなものもない。精々がトンカチだろう。寺子屋の修繕用だからあまり使いたくはない。…まさか、慧音の腕力で?それはもっと無理だろう。正しく無理難題。俺と慧音が揃って無理だと言うと、妹紅は少しムッとした顔をして何かを探し始めた。迷うことなく向かった先は、慧音がよく貰ってくる酒瓶の置き場所。俺と慧音が顔を見合わせる。…酒瓶はもっと無理じゃないか?かぼちゃとか、そっちじゃないか?そう思ったのも束の間、酒瓶が慧音に差し出された。

 

「割れなくても何も言うなよ?」

 

「慧音で無理なら…」

 

「俺は片腕、もっと無理」

 

「私も腕力はそこまでだしなぁ」

 

と、言うわけで。割れた。割れたスイカを食べながらこの後何をするかについて話し合う。寺子屋が増えて態々里のはずれまで来る子供もいなくなった今、暇だ。と言うわけで、紅魔館の前ほどではないが水が溜まっている場所に来た。たまにここから畑の水をもらっている時があるような関わりしかしていないが、何故ここに来たのか。妹紅曰く風流だとかなんとか言ってたが、果たして本当にそうなのか。涼むためといってもこの溜め池は普通にぬるい。逆に暑さを感じそうな温度だぞ。

 

「外の世界だと、水辺でスイカを割って食べるらしいぞ」

 

「もう食ったぞ」

 

「そうだな」

 

妹紅が何をしたいのかいまいち分からないな。まあ、風情だなんだって言うなら風鈴とか…だめだ、寺子屋にあるやつは割れてたな。と、水辺で考え事をしていたらため池に突き落とされた。突然のことすぎて何やら分からず顔を上げたところ、どうやら妹紅が落としたらしい。妹紅の足を掴んで引き摺り落とす。俺の気持ちがわかったか箱入り面倒娘。ちなみにこの溜め池は浅く、泳ぐことは出来ない。寝転がったらだめだけど。あとさっきから慧音の視線が怖い。恐らくこの後洗濯する際の手間を考えているのだろう。

 

「やったな!?」

 

「お前からだろ」

 

「せいっ」

 

「あぶねっ」

 

「慧音もやるか?」

 

「洗濯する手間を増やせと?」

 

「…」

 

「ダンマリしてんじゃねえぞ泥かぶっとけ」

 

水底を手で掬って頭に乗せる。おお、団子頭だ。妹紅としては、最近遊べてないから思い切り遊びたい気分なのだろうが。残念俺と慧音では妹紅の相手は務まらない。慧音はそこまで活発に動くタイプじゃないし、俺は動けても片腕がない。そのおかげで誰かと触れ合えると思えばまだ我慢できるが、まあ我慢できるわけがないと言う話だ。くたばれ。流石に。左肩に付いているよく分からない変な物を背中につけることは出来なかったのか?全く酷い話だ。やっぱ八意にやらせようかな。

 

「なんだよぉ…」

 

「慧音、妹紅を背負うのはきつい」

 

「重くないだろ?」

 

「重くないんだけどね。体幹がさ」

 

「男だろ、平。弱音を吐くんじゃない」

 

「こちとらカタワだぞ」

 

「平、今の言葉は二度と使うな」

 

そう言われて黙る。妹紅からも同じことを追加で言われた。なんだか納得がいかないが、まあそう言うことはよくある。そう思って納得しておく。なんだかんだ慧音が強めの口調で言う時は従った方がいい。里のことだったり人外のウンタラが関係することもあるからな。ちなみにカタワは最近知った言葉。慧音の本を読んでたら出てきたヤツ。身体の欠陥があるやつを指すから俺のことだと思ったんだが違ったか。そもそも人外は対象外だったりするのだろうか?

 

「泥は落としたな?」

 

「まだ妹紅が着替えてるって」

 

「はぁ…」

 

「面倒だなぁ」

 

「まあ、平は巻き込まれたような物だからまだ許すとして。妹紅…」

 

「俺と同じように寺子屋に入れてやればいいのに」

 

「いや、里の外を知る人間が欲しいからな。最初は平にやらせたかったんだが」

 

「私の話どこ行った?」

 

「うわ妹紅」

 

「早く着替えろ」




特に何もないけれどもね、の回に近い、意味のない日常回
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