どうも、半人半妖です 作:覚め
慧音が面倒
若いとここが不便!
妹紅が面倒
「…うわ、何これ」
「何これはないだろう」
「で、何これ」
「いやだから…、まあ…なんだ。妹紅が拗ねたんだ…」
「何故?」
聞けば最近、というより異変の後か。おそらく報酬をもらった帰りの巫女に揚々と話しかけて不満を買い、瞬く間にボコボコにされたとか。妹紅にとっては不意打ちに等しく、私はどうせ人外ですよと拗ねているんだと。子供か。少なくとも千年は生きてるだろ。確か。まあ、退治した巫女の気持ちも分かる。気分がいい時に妹紅に茶々入れられたら俺もキレる。だって妹紅、ムカつくし。なんかな、こう、ムカつくんだよな。理由は多分ないんだけど。うん、ムカつく。
「慧音、それは多分妹紅が悪い」
「平!?」
「どうせ私はムカつく人外だよ…」
「どうせデカい声で話しかけたんだろ。俺も嫌だし」
そう言ったら妹紅は驚いたような顔を見せてきた。何驚いてんだ事実だろ。俺はデカい音が苦手なんだよ。火薬の音とか、竹が割れる音とか。言わせてもらうが、貴族の娘の方がでかい音は苦手だろう。作法を習わなかったのか?…いやでも妹紅の父親狂ったらしいからな…何で狂ったんだっけか。分からん。まあ狂った親の下では作法は学べないか。学べたらそいつはとんでもない才人だもんな。そう思って口にはせず、部屋を出た。でたとたんにバタバタ音が聞こえたが、俺は関係ないと良いな。
「あれま、妖怪」
「あやや、妖怪」
「新聞いつもありがとね。読んでないけど」
「発刊者の前で言います?」
「良い感じに乾いてるんだよね。何物も使い道はあるから」
「私の前で言うんですね??」
「子供たちの字を読む練習にもなる」
偶然目の前にいたこいつは射命丸ウンタラ。新聞を格安でくれる良い奴だ。3部セットだが。字を読む練習に使えるし、一年経てば秋の火起こしに役立つ。態々木の枝を集めなくて済む。子供達に選ばせると湿ってる奴持ってきたりするんだよな。焼き芋も作れるし、慧音の集めてくる秋の味覚も焼ける。新聞って良いな…。が、そんな使い方が気に食わないらしい。なんともである。購入したのだ、そこから先は個人の自由という奴だろう。慧音ならこう言ってたし、実際焼く時に言ったし。
「七夕の時は役立つ」
「いや、はぁ…まぁ…良いんですけどね!」
「で、今日は何の用事?新聞はないだろ?」
「いやぁ、異変の影響について調べてまして」
被害に遭ったのは妹紅くらいのものだろう。だがその妹紅は荒れている。里全体なら稗田家の奴等だ。まああとは慧音…慧音目当てか、こいつ。だが荒れている妹紅を慧音が抑えているため、どの道応対できない。帰れ。俺はそもそも外にあまり出ていないため違いがわからない。店閉まってたな、くらいだ。つまり記者が求めている情報は出ない。何をメモしてるかは知らないが、慧音を尋ねたいなら時間をずらせ。ていうか聞きにくるにしては遅いだろ。何やってたんだ?
「…あの異変のおかげで、私の現像していた写真が全て台無しに…」
「へぇ」
「翌日、泣く泣く休肝のお知らせを配りましたよね…」
「…あ、三日後くらいに再開か」
「やる気がなくて昼の部だけを配ってましたが、まあ…なんとか…はい…」
「お前も面倒くさいな」
妹紅と同じように落ち込まないで欲しい。俺に触れようとしないで欲しい。老けたくないから。後、他にも昼の部だけだった理由がちゃんとあるらしい。異変の後なので妖怪に対する検問が厳しくなっていたとか。慧音の指示か、稗田家の指示か。妹紅はよくすんなりと…まあ、慧音の口添えもあるのだろうが。はて、真意は俺には分からない。どの道俺は知らないのだから。慧音と妹紅には後で伝えておくのでどっかで聞きにこいと言うとすんなり帰って行った。購読者に対する感謝とかないのか、あいつ。
「…とは言え、寺子屋には妹紅がいるしなぁ」
「私がいると何かあるのか?」
「もう立ち直ったのか。」
「一度死んでリセットした。はぁ…」
「慧音は?」
「私が死んだの見て気絶しちゃった」
試しに見に行ってみると、確かに気絶していた。触れることは出来るが、まあ…それを妹紅に見せると面倒。慧音以外には、人に触れると老いると説明している。慧音に触れても老けないわけじゃないんだけどな。妹紅が確認して、気絶していることを確認。畳に血の染みがついていることを確認。…人前に出すような場じゃないからって、これがあり得て良いわけじゃないからな。分かってんのか。この場を見た誰かに誤解を得られないよう、畳を変えることに。
「はいはい、私は血を撒き散らすだけの人外ですよ」
「拗ねるな。ジジイになってしがみつくぞ」
「…はぁ。ひっくり返しとけば応急処置にはなるだろ?」
「この前妹紅が俺の毒を受けて血反吐を吐いた畳だからな。」
「あっ…ごめん」
妹紅が畳を買いに行ったので慧音を起こすとする。頬を何回か強めに叩く。慧音は有名人なので、跡が残らないように叩く。五回目くらいの往復で目が覚めた。起きた慧音が錯乱していたが、現状を説明して落ち着いてもらう。いや、いくら何でも落ち着きが無さすぎる。ちゃんとしろ。妹紅の出血を思い出して再び気絶しそうになったが、何とか堪えたようだ。畳を剥がして放置。最悪妹紅に処理してもらう。というかさせる。珈琲を溢した、とか言えばそれっぽくなるだろうか?
「買ってきたぞ〜」
「妹紅!」
「言うことあるなら言え。俺じゃなくて慧音に。」
「…畳汚してごめん」
「そうじゃないだろう!なぁ平!?」
「えっ違うの?」
平は老いますが、老衰で死ぬことはないです。が、即死攻撃で死にます。再生はしません。