どうも、半人半妖です 作:覚め
妹紅が焼けてる!!!
何だ妹紅か
「疲れた」
「雪かきはなぁ」
「慧音が全部やれば良いんじゃないかな」
「じゃあ平は寺子屋の管理を頼む」
「しゃーねえ雪かきするか」
慧音の言う管理とは、家事全般である。追加で雪かき。つまり、雪かきからは逃れられないのだ。はぁー、とため息。今日、妹紅は来ないらしい。慧音がウキウキと話してきた。何がそんなに嬉しいのか。まあ三日間連続で来てたからなぁ。雪かきは楽だったんだけど。人手の数だけ楽になる。三人いれば雪かきがすぐに終わる。屋根の雪を落とすのも楽で良い。下にいるのは死んでも良い人間だからな。死なない人間とも言うか。雪を退かし続けてもまだ雪は積もるし。
「屋根だけ落として終わりで良くない?」
「明日の新聞は届かないな」
「冬休み中の新聞は子供も見ないからなぁ…」
「あとはそうだな…純白の景色が見れるぞ」
「遠回しに言うなよ。雪が積もって出れないって言ってくれ」
「な、嫌だろ?じゃあ雪かきだ」
言いくるめられた。のでさっさと続きをする。除雪を生業にしている人間も一応いるので、寺子屋に面している道にぺっと出すだけ。これを回収してくれる。ありがたい。慧音が上から雪を落とす。…これも掻き出さないといけない。慧音曰く、雪の上に落としたら下の雪が固くなるからある程度雪を出してから落とすんだと。実際に固くなるかは知らないが、とにかくこれも出さないといけない。落ちてきた雪も硬いんだけどなぁ。屋根に雪降るなよ。流石にこれは無理か。
「よしっ。朝の雪かき終わりだな」
「キッツイ…」
「今夜はどれくらい降るか分からないからなぁ…」
「朝だけでも妹紅連れてこようぜ」
「そんなに嫌か?」
ジッと見られても関係ない。雪かきが嫌すぎるんだ。せめて三人でやりたい。向かいの婆さんも大変だったろ。一緒にやらせようぜ。慧音が言うには向かいの婆さんは俺が嫌いらしい。向かいの婆さんに雪投げ入れようぜ。雪かきが終わり、新聞が投げ入れられ、去年の冬の分を燃やす。数だけは多いので、小分けにして焼かないと大変なことになるのだ。面倒な、誰が新聞を…と思ったが俺だった。毎年同じこと考えてんな。寺子屋に火がつかないように庭のど真ん中。たまに近所の人からこれも燃やしてくれと言われる。
「芋って…秋かよ」
「今年の分らしい。やり忘れたんだってな。腐ってないし、時期じゃないからってくれたんだ」
「残飯処理みたいに扱われてるぞ俺たち」
「ちゃんと食べてやらないとな。勿体無いだろう?」
「…はぁ。」
腐ってないとは言っていたが、果たして秋のいつに採れたものなのか。知りたくないし、知るつもりもない。知らぬがなんとやらだ。芋を棒で刺し、適当に焼く。新聞紙多すぎたかな。火力が少し強い気がする。慧音も同じようにして焼いている。楽な一日だ。半人半妖が集まってこんなことをしている、更には人里の中で。かなりの笑い話になる。まあ、人里の大半は俺たちを半人半妖と思ってすらいないはずなんだけどな。ここに来た時が満月じゃなかったら俺も慧音を半人半妖と思わなかっただろうし。
「…そろそろか」
「寺子屋のみんながいれば、もう少し騒いで食べられたんだけどなぁ」
「宴会じゃないんだから別に良いだろ。何をそこまで拘ってんだ。」
「ん…悪い、食べてて聞いてなかった」
「口に物入れたまま喋るな」
芋を食べる。熱いので新聞で包む。めっちゃ熱い。誰だこんなに熱くしたのは。慧音だ。火力高めやがって。息で冷まし、ある程度舌で触れるようになったらようやく食べる。いや普通に熱いわこれ。焼き過ぎたな、とか思って慧音を見ると何とも感じてなさそうに食べていた。口の中を焼かれたことでもあるのか、それとも熱さに強いのか。何とも分からないやつである。それはそうと芋は腐ってなかったし何処かが妙に固かったりもしてなかった。もしかしたら慧音に芋を渡したつもりだったのかも。男に人気あるしな。
「…?どうした?」
「いや、なんでも。妹紅がいれば妹紅に食わせたんだが」
「そんなに嫌なのか?拗ねるぞ、そろそろ」
「元から拗ねてるようなもんだろ。」
「私はそんなに子供か?」
妹紅に聞いてみてくれ。妹紅が子供って言うなら子供だ。妹紅と同年代だからね。なんなら妹紅相手でも少し年上だったりするんじゃないか?俺が妖怪になったのが…えーと、夏だったかな?今よりは涼しかったような…まあ良いな。それよりも前に妹紅が不死身になってれば俺の方が確実に年上だろう。妹紅が年取るのかは知らないけど。まあ多分年取るだろ。精神的には。芋を食べ終わって包んだ新聞も燃やす。慧音は直で掴んでいたので新聞紙は要らないようだ。どうなってんの?手の皮分厚そう。触られてもくすぐったく感じないんじゃないか?
「あれ、来たんだ。妹紅」
「…?何言ってるんだ?私は今日来るって慧音に言ったぞ?」
「…慧音からは来ないって聞いたけど」
「あれ、今日だったのか?」
慧音の記憶違いだったようだな。妹紅が可哀想だなとは思っても特に何かをするわけでもないが。そして今日一日に俺が言った妹紅関連の話を聞いた妹紅が気分よくしてきた。何だこいつら面倒だな。そうは思っても口には出さない。と思って妹紅に慧音は子供かどうかを聞いてみた。少しの考える素振りを見せてから子供ではないと思うと答えられた。うーん、正常な判断。ま、そう言うもんだよねと納得した。精神面では大人だろうし、まあ姿形は…どうだ。分からん…女の発達は知らないからな。
「なんだ、平は女との関わりがなかったのか。珍しい」
「じゃあ今の状況にどきどきしてるわけか?」
「…何で二人にどきどきするんだ?あー、でも動悸動悸はするぞ」
「どう思う慧音」
「動悸の原因はスキンシップの激しい妹紅だと思う」
出会った頃の平と慧音は、寝ない平に対して布団を敷いてどうぞ寝てくれと言う慧音が存在した