どうも、半人半妖です 作:覚め
近年頭角を表そうとして博麗の巫女に陰陽玉を落とされた集団だな。見てて笑えるから見ろ。目を逸らすな。
何をしているのかと聞かれれば、おそらく今の俺は何もできていないと言うべきだろう。何故か俺は今、簀巻きで妹紅に連れ出されている。慧音に言われて、とのことらしいがよくわからない。さて季節はもう春と言っても良い頃。ふきのとうなんてものを見る機会はめっきり減ったと言える。妹紅が言うには、長引いた冬で地形が変わっていないかの確認をさせたいんじゃないかとか言ってた。納得だ。妹紅1人でやらせたら襲われた時に火事起きそうだもんな。火事防止に俺か。ふざけやがって。
「ま、それとは別に気になることがあるんだよな」
「何?」
「霧の湖に何か建物があるらしい。前の…ほら、霧が濃かった異変の原因かもって」
「妹紅が変になってた異変か」
「恥ずかしいからやめてくれるか?」
「俺も恥ずかしいからやめてほしいなー」
「簀巻きか?良いだろ、私に運ばれるんだから」
顔が良いことを言ってるのならかなりお門違いだ。そう言うことじゃない。恥ずかしさは嘘だから。普通に降ろして欲しかったのに。適当な理由なんてつけるものじゃなかったな。そう思いながら移動が終わった。霧の湖にある濃厚な霧が変化したかどうかの調査。というか、多少山とか森とかを見て終わりなのだろう。確かに妹紅が炎を使うと危険な場所、環境が変わりかねない場所だ。俺がいなければそれで終わっただろうに。面倒なことに巻き込まれたのか、人里にいたらもっと面倒だったのか。
「いやー!蒸すな!ここは!」
「肌にまとわりつく感じがな。で、何を調査するんだ?」
「池の周りを歩いて、大きさがどれくらいか…だな。霧の大きさも。平にはその間簀巻きで移動させてもらう」
「降ろしてはくれないのね」
「当たり前だ。怪我したり襲われたりしたらどうするんだ」
「俺は今日寺子屋で教鞭振るってたのに」
「そこは知らない」
慧音が俺を連れて行かせたのだから、まあ当たり前か。人里の外に出るのも久しぶりだし、なんなら寺子屋の外も秋にあった豊穣祭とか言うやつ以来だろう。結局冬は外に出なかった。クソみたいに寒かったし、最後の方は断食で外なんか出られなかったし。外部との会話も、精々新聞屋と話した程度だろうか。妹紅は外部ではないだろ。何言ってんだ。そうなると、今目の前に出てきた妖精との会話になれば、それこそ久しぶりにちゃんとした外部との会話になるだろう。
「よう」
「アンタたち誰!?デートスポットにここを選ぶとは良い度胸ね!」
「だってよ妹紅」
「照れるなぁ、平」
「勝手に照れてろ。妖精、ここ最近変わったことあった?」
「知らない!」
なんだこいつ、ここを住処にしてるんじゃないのか?それともここの湖から出てきた妖精じゃないのか?そうだと考えても、妖精にしてはナワバリが広いな。普通三体くらいで集まってるはずなんだけど。調子に乗った妖精なのか、それとも最近出てきた妖精なのか。妖精については本当に知らないからな、妹紅もあんまりわかってなさそうだし。妖精の様子からして面倒なことになりそうなので逃げたいが、簀巻きで逃げられない。心なしか肌寒く感じる。妹紅の手が触れてる部分がかなりわかりやすいくらいには。
「…寒い」
「ん?あぁ、ちょっと待ってな」
「うわ、燃えた!ばっちぃ!」
「私はばっちくない!」
「妹紅?火加減変だぞ妹紅??」
「あっ」
全身が炎に包まれる予感がしてもがき始めたが、この簀巻きガッチガチで動けない。俺の人生もここまでかと思ったら突然放り投げられ、水没。この場で取れる行動としては正しいけど、お前これ誰が引き上げるんだ?俺服着てるぞ?どの道俺の人生はここまでのようだった。少ない楽しかった記憶を振り返り、全然良くない人生だなとか思ってたら急に引き上げられた。痛えし、酔う。水を幾らか吸ってしまったので吐き出す。あ、朝食の野菜だ。どうやら消化があまり進んでいなさそうだ。
「全く!こんな状態で放り投げられても食べられないわよ!」
「うわっ!?」
「なんだこいつ!?」
「俺に対する謝罪は?」
「あ、ごめん平」
こいつ…と、簀巻きからようやく解放。俺を地上に押し出したのは人魚だった。ここに人魚がいると聞いた覚えはないんだけどな?まあ、あれか。ここの湖も広いしな。見たことがない妖怪もいるだろう。湖の中で引き上げられた際、少し老いた。頭掴まれたからかな。妹紅に布がないか聞きたところ、ハンカチがあると言って差し出してきた。これで拭けと。まあ頭だけ拭ければ良い。拭って拭って、ようやく水気が取れた。なんだかどっと疲れた。妹紅、もう帰ろう。紅魔館とか別に良いだろ。
「コウマカン?」
「そっちの妖精は知らないのね。あっちにある大きな館のことでしょ?」
「そそ。なんか変わったこととか、ある?」
「こんな濃い霧の中じゃわかりませーん」
「だってよ妹紅」
「本当にごめん平」
「あたいに土下座!?」
そうして、それならばもう紅魔館に行くしかないのかと妹紅が覚悟を決めた。俺は帰りたかったし、今すぐ帰るつもりだったのだが、実際問題俺が歩いてここまで来てないので道がわからない。霧の中を動き回って妖怪と出会えば死ぬ。つまり俺は妹紅がいなければ死ぬのだ。おのれ妹紅、許さん。仕方なく今朝ぶりに地面を踏み歩く。妹紅がなんの負い目を感じているのか知らないが、少し歩く速度が遅い。チラチラとコチラを見ている。慧音と比べてにはなるが、俺はそこまで怖くないはずだ。よほど酷く怒ったように見えたのだろうか?
「…何?」
「い、いやぁ…」
妹紅がチラチラと見る理由→平を担いでる時は見なくても良かったが、歩くならば安全のために視界に納めないといけない。が、つい先程に怪我をさせたので隣は嫌だろう。前を歩かせても道がわからないだろうし…
って感じ