前話でふっ飛ばされたコンが一勇の所に本当に行けたお話。
次回からは週に一回、土日のどちらかに一話投稿を予定してます。
「痛っててて。一護のヤツかなり本気でぶっ飛ばしたな。てか、あの白髪、アレで男かよ。もったいねぇな〜」
「やあ、コン。久しぶり」
「!?一勇!!ってことはここ霊王宮かよ。一護のヤツ本当容赦しなかったな」
そうここは霊王宮のすぐ下に位置する零番離宮『獄奏殿』。主はコンの目の前にいる零番隊第五官・下方神将。"王代"黒崎一勇である。
「下が騒がしかったから気になって途中から見てたよ。本当、コンは相変わらずだね」
ガシッ
「へ?」
一勇が笑顔のままコンに近づき、そのまま頭を鷲掴みにする。
「記憶が無かったとはいえ、苺花ちゃんを誂うのはダメだよ」
一勇がコンを持った手に力を込める。するとコンからミシミシッとぬいぐるみからは絶対聞こえないような音が響く。
「あ、やめて!出ちゃう、綿が出ちゃう!俺様のプリティーフェイスがB級スプラッタになっちゃう!?」
そんなコンの悲鳴を聞いてか聞かずか、一勇はコンの頭から手を離す。一勇は終始笑顔のままである。
「はぁ、はぁ。お前、相変わらずだな。いつも落ち着いて優しそうなのに、大切なモノに手を出したヤツには本当容赦しねぇ」
「え〜、ひどいな。父さんだって似たようなものじゃない」
「アイツの場合は人相が極悪だからまだましだよ。お前は優しそうな見た目で中身が一護並だから怖え〜んだよ!」
「ひどいな〜」
一勇はコンの胸に付いたバッチを見つめる。
「……ソレが僕の、厳密に言うと姉さんの子孫が作ったバッチだね」
「おう、お前が結婚してないから直血の子孫は遊子になるのに根本は一護やお前そっくりだよ」
「そりゃあ、遊子姉さんも夏梨姉さん(厳密には一護の妹なので叔母になる)もおじいちゃんの子供なんだし、当たり前だよ」
「………なぁ、お前が結婚しなかったのってやっぱり苺花のためか?」
「………ん〜、秘密♪」
一勇は口に人差し指を当てて優しそうに微笑む。
「…へっ、そうかよ」
「うん。…と言うかコンって偶に父さんみたいになるよね?」
「はぁ!?あんなヤツと似ているわけねぇだろ!!」
「いやいや、似てるって」
「似〜て〜ね〜ぇ〜!!」
コンの言葉に一勇は微笑みながら訊ねる。
「そう言えば、三つ子ちゃんの能力ってなんなの?」
「ん?確か、凛護が『複数の力をまとめる能力』で姫愛が『物から記憶・記録を読み解く能力』、頼一が『物質の成長・進化・変化を促す能力』だったかな?」
「………それはまた。うん、このバッチが暴走する訳だ」
「まあなぁ。あ、そう言やよう、一護のヤツがコレかなりヤバい材料使ってるとか言ってたけどどうなんだ?」
「ん?ん〜、破面由来のモノなのは確かだね。あ、ちょっと白亜さんの霊圧が感じられる」
「白亜?」
「ほら、コンをメジャーボールにしたあの白髪の人」
「あ〜、あの女みたいなヤツか。……アイツ破面かよ!?」
「うん。しかも元第1十刃だって」
「はぁ!?…おい、そのバッチ大丈夫か?」
「ん〜、コンなら大丈夫だと思うよ」
「いや、俺様じゃなくて凛護達の方だよ。そんなヤバい材料だと霊障とか起こすんじゃ…」
「ははっ。黒崎家の人がこのくらいの霊圧でどうこうなるなんて無いよ。虚の霊圧が入っていてもジョーおじさんとも面識あるし、黒崎家自体、殆どの人が虚の霊圧を少なからず持ってるわけだしね」
「まあ、確かにそうか。てかアイツらどうやってこんなヤバい材料手に入れたんだ」
「多分だけどジョーおじさん経由じゃない」
「…あ〜、あの青髪ツンデレヤンキーか。凛護達にお願いでもされたか」
「そうだね。ジョーおじさんなら最初は『知るか』って突っぱねるけど、なんやかんや言いながら用意してくれるだろうし。それに、おじさんならこの材料も只々強そうだからで渡してくると思う」
「容易に想像出来るわ」
「ね?」
一通り一勇と話したコンは瀞霊廷へと帰ることにする。
「じゃあな、一勇!またお盆になったら来るわ!」
そんなコンに一勇が笑顔で返事をする。
「うん、待ってるよ。」
「……てか、どう帰ればーー」
ガシッ
「あっ(察し)」
そのまま一勇はコンの頭を掴んで勢いよく投げ飛ばした。
「またこのパターンかよぉぉぉぉぉぉ!!」
小さくなっていくコンを見送りながら、一勇が小さく呟く
「またね、コン。……帰れる場所があるって、いいよね」