今回は白亜の情報開示回です。
次話は明日投稿予定です。
『BLEACH』と『ぐらんぶる』のクロスオーバー小説も別に投稿しています。後書きにリンク貼ってますので良かったらどうぞ。
お昼時、六番隊副隊長・間街白亜が昼食を取るため瀞霊廷のある店を目指している時だった。
「あ!女みたいな破面の男!」
傍から見たらかなり失礼なことを言っている声が聞こえた。そして、白亜がその声のするほうを向くと、そこには歩くライオンのぬいぐるみという珍獣がいた。
「……確か、黒崎隊長の……野球ボール?」
「誰がWBCの名シーンのホームランになったラストボールだ!!」
「…それは、掛詞副隊長に汚物呼ばわりされたぬいぐるみにはあり得ないほどの名誉なのでは?」
「何処が名誉だよ!?てか、ツッコミがズレてるよ!?」
「芸人を目指してないから、コンビは組めない。ごめん」
「謝んな!!」
コンが騒ぎながら白亜にさらにツッコむ。
「つーか野球ボールじゃねぇ!コン様だ!コン!」
「……ああ」
「思い出したか?」
「改造魂魄」
「そっち!?名前言っただろ!?」
「……でも、『コン』より『改造魂魄』の方が情報量が多い」
「名前って情報量で決めるもんじゃねぇよ!!」
「じゃあ……改造魂魄のコン」
「フルネームみたいに言うな!そもそも人の名前くらい覚えとけよ!」
「……そっちも」
「あ?」
「…私の名前、間街白亜」
「…………」
「…女みたいな破面の男じゃない」
「…………」
「…お互い様」
「ぐっ……!」
「……和解?」
「してねぇよ!!」
「……じゃあ、お詫びに昼食奢る」
「マジ!?」
「うん」
「お前、意外と良い奴じゃねぇか!」
「……ぬいぐるみって何食べるの?」
「普通に食えるわ!」
「綿?」
「何を食わせる気だ!?」
漫才を繰り返しながら一人と一匹はとある食堂へと足を運んだ。
瀞霊廷の一角にある筑前煮が美味しい定食屋にコンと白亜が入る。
「いらっしゃいませ〜」
店に入ると前掛けを着た虎徹清音に入店の挨拶をされる。
「……二人?」
「空いてる席へどうぞ〜」
「……ん」
「いや、店員が隊長なことにツッコめよ!?」
普通に流そうとしている白亜にコンが大声を上げる。すると、奥からオレンジ髪がひょっこり現れた。
「ん?白亜にコン?珍しい組み合わせだな」
「一護!?」
「…黒崎隊長も昼食?」
「おう、他にも居るけどな」
そう言って一護が自分の居る座敷席に白亜達を手招きする。座敷席には他に石田、恋次、矢胴丸リサがいた。
「……石田副隊長と阿散井副隊長は分かるけど、なんで矢胴丸元隊長も居る?」
「清音と織姫が働いとる食堂やで?来ないほうがありえへんやろ」
「……そう?」
「せや。それにしても白亜は相変わらずエロい顔をしてんなぁ」
「……どういう意味?」
「魔性って意味や」
「…ありがとう?」
「なんでお礼言ってんだよ。……取り敢えず、何か注文しようぜ?」
コンはそう言って席に付き白亜も続いて座り、変わった組み合わせの5人と一匹で昼食を取ることになった。
「そういやよ、お前破面なら孔何処に開いてんだ?」
昼食を取りながらコンがふと白亜に質問する。
「……卍解を習得した辺りで孔は塞がった」
「「「はあ!?」」」
「孔が塞がった?」
白亜の答えに一護、恋次、コンが驚き、石田がどういう事かと問い返してきた。
「……終焉美学の名前を聞いた辺りから孔が小さくなって行って、卍解習得辺りには無くなってた」
「おい待て!俺はそんな話聞いてねぇぞ!?」
白亜に恋次が詰め寄る。
「……聞かれてなかったし、あと、知られたくなかった」
「いやお前、破面ってバレた時に処刑騒ぎに成っただろうが!なんで破面ってバレるのは良くて孔が無くなった事は隠したかったんだよ!!」
「…勘違い。皆に知られたくなかったんじゃない」
「あ?じゃあ、誰に?」
「………涅隊長」
「「「「あ〜」」」」
「…分かるけど。コレ、総隊長にどう報告すりゃ良いんだよ」
話を聞いていた全員が納得している中で恋次が頭を抱える。そんな中、リサが白亜に質問する。
「因みに、何処に有ったん?」
「…丹田」
「……丹田って確か、ヘソとち◯ちんの真ん中くらいの所やな?」
「「「「ぶっ!?」」」」
「…そう」
「…ドエロいやん」
「……孔の位置に性的な意味はないと思う」
「そういう意味ちゃうねん」
「……じゃあどういう意味?」
「見せ方の話や」
「?」
「掘り下げんな!てか白亜!!他に報告してないことはねぇよな!?」
恋次が白亜とリサの危ない会話を打ち切り、問い詰める。
「……無い。……と思う」
「思うじゃねぇ!!」
「阿散井くん落ち着いて。一つ一つ聞いていけば良い。間街くん、破面時代の名前は?」
「リーラ・バンクシー」
「当時の斬魄刀は?」
「露命藝術」
「見た目の変化は?」
「スマートタイプの全身鎧を付けた姿になる」
「能力は?」
「鎧が砕けるとその破片が自身と同じ身長の頭の無い白い女性体のマネキンになる。…マネキンは破片の部位によって別の性能を持つ。腕なら腕力強化体、脚なら脚力強化体」
「間街白亜と言う名前は自分で付けたのかい?」
「違う。間街が市丸ギンから。白亜が東仙要から」
「新情報ぉぉぉぉぉぉぉ!?」
石田と白亜の尋問のような会話の途中で恋次が叫ぶ。
「間街白亜の名付け親、あの人達かよ!?」
「…お前、俺に茶屋で言ってたこと、報告してなかったのかよ」
「一護!知ってたなら報告しろ!!」
「お前らが知らなかったことを俺は知らなかったんだから無理言うなよ!?」
「……リーラ?」
そんな会話をしているとお盆を持った織姫がリーラの名前に引っ掛かったような態度を取る。そんな織姫に一護が問いかける。
「ん?織姫、どうした?」
「……え〜と、白亜くんの昔の名前ってリーラなの?」
「…そう」
「虚夜宮に居た?」
「…居た」
「ロカさんやリリネットちゃんと一緒に?」
「……そう」
「………」
「………」
「ええ!?もしかして、あの時のメイドさん!?」
「「「「「メイドさんって何!?」」」」」
「…そう」
「「「「「いや、メイドさんって何だよ(やねん)!?」」」」」
「なんで、黒崎夫婦は報告を上げねぇんだよ!?報連相は社会人の基本だろうが!!」
「ふざけんな!恋次!!俺も知らねぇぞ、その話!?」
「……そうなのか?」
「そうだよ!」
「……よっしゃ一護!こっち来い!」
「何が!?」
「知らない側へようこそ!!」
「なんで嬉しそうなんだよ!?」
恋次と一護が漫才をやっている隣で石田が織姫に聞く。
「織姫さん、取り敢えず、なんで今まで気付かなかったんだい?」
「え?ああ、髪型も違うし、服装も違うし、なんてったって、リーラさん女の人だったし」
「……違う」
「え?」
「…当時から男」
「…………ええぇぇぇぇ!?そうだったの!?」
「「「「そこからかよ!?」」」」
コンを含む男性陣4人がツッコむ。そんな中、リサが白亜に質問を投げかける。
「髪型違うってどんなんやったの?」
「…黒いカチューシャで額を出したオールバックのミディアムボブ」
「んで、メイドさんってのは?」
「正確にはメイド服に似た破面衣装を着ていた。あと、ロカ・パラミアと一緒に当時の黒崎副隊長……井上織姫のお世話係をしてた」
「……破面衣装って事は、肌の露出度高い感じなん?バニースーツにミニスカメイドみたいな」
「ううん、違うよリサさん。リーラさんの服は長袖ロングスカートの所謂、クラシックメイドみたいな服だったよ。あ、あと、手袋もしてたよね?」
「……そう」
「……ドエロいやん」
「何処がだよ!?」
リサの台詞に一護がツッコむ。すると何故かそのツッコミにリサがキレる。
「クラシックメイドみたいな男の娘やで!肌の露出が一切無いなんて、ドエロいやろ!!チラリズムと同じくらいにドエロいやろ!寧ろ恥じらいの無い全裸よりドエロいやん!!」
「百年以上経っても変わんねぇな!このスケベ女!!」
「百年前にも言うたが、スケベやない!興味津々なだけや!!」
「百年前にも拳西に言われただろうが!それを世間一般でスケベつうんだよ!!」
「……話を戻そう」
そんな中で石田が話の軌道修正を試みる。
「間街くん。ロカ・パラミアと共に織姫さんのお世話係をしていたと言ったね」
「……うん」
「何故、元第一十刃だった君がその役目を?」
「…藍染惣右介に頼まれた」
「「「「「藍染かよ!?」」」」」
『リーラ。ロカと一緒に井上織姫の世話を頼んだよ』
『……了解』
「「「「「…………」」」」」
話を聞いた全員が黙る中で恋次がポツンと溢す。
「……藍染って、昔からこういう意味分かんねぇことするよな」
「……なんでだよ」
「いや黒崎。待て。おそらく何らかの意図はあったはずだ」
「どんな意図だよ!?」
「趣味なんちゃう?」
「「「それは嫌だ!!」」」
「……違うと思う」
「お前は何か聞いてねぇのか?」
「……聞いてない」
「なんで聞かねぇんだよ!?」
「……仕事だったから」
「真面目か!!」
石田が織姫に聞く。
「……実際、世話係としてはどうだったんだい?」
「すっごく優しかったよ!」
「…………」
「ご飯も運んでくれたし、お話もしてくれたし」
「……食事は東仙要が用意した。話もロカとの話を振られたから答えただけ」
「フフ。でも、東仙さんに私の服を変えるように言ってくれたでしょ?」
「……黒崎副隊長が気もそぞろだったから」
「あはは、流石にハリベルさんやリリネットちゃんみたいな服は恥ずかしかったから」
「……私は、自分の服を基準に用意してくれるように頼んだだけ」
『……東仙統括官、井上織姫の服を私のような服に変えて』
『何故だ』
『…井上織姫が困ってる』
『ふむ』
「……なあ、東仙って奴は雑用係かなんかだったのか?」
「…違う。破面達の最高統括官」
「…なんでそんな奴が織姫の服用意してんだよ」
「……大抵の服は彼が用意してた。元々虚だった私達破面には服を着る文化は無かったし、着慣れてなかったから皆露出が多かった」
「……適材適所と言うことなんだろうが、あの彼がそんな使いっ走りをされていたとは、あまり想像できないね」
百年前に瀞霊廷で東仙要と実際に会ったことのある石田が戸惑いの声を上げる。
「でも、東仙さん普通に楽しんでたと思うよ?お料理とかも毎日ちゃんと作ってたし、藍染様のお茶とか用意してたもん」
「……檜佐木隊長には言えねぇな」
織姫の話を聞いて恋次が呟いた。
―無間―
「藍染」
「何かな、黒崎一護」
藍染の前には一護、石田、恋次、白亜、リサの5人とコンの一匹が立っていた。
「なんで昔、リーラを織姫の世話係にした?」
「…………」
「…………」
「君達はわざわざ無間まで、それを聞きに来たのかい?」
「気になんだよ!!」
一護の叫びに藍染が涼しい顔で言い放つ。
「特に不思議なことではないよ。井上織姫は当時の私にとって重要な客人だった。ロカ・パラミアは気遣いに長け、リーラは戦闘能力に優れている。それに彼は他の十刃と比較して穏やかだった。護衛と世話役を兼任させるなら適任だろう?」
「…………」
藍染の話を聞いた石田がポツリと呟いた。
「……合理的ではあるね」
「それが一番腹立つ」
今度はリサが藍染に質問を投げかける。
「ちなみに藍染。白亜……リーラのメイドっぽい服装については?」
「…………彼の趣味だよ」
「……うん」
「「「本人の趣味だったのかよ!!」」」
「……それより、当時のリーラの容姿が気になるなら、涅マユリを訪ねると良い」
「……え?」
藍染の言葉を聞いた白亜が素っ頓狂な声を出す。そんな白亜に御構い無しに藍染は続ける。
「ザエルアポロがリーラのデータを集めていたからね。彼は十刃や破面の情報収集に熱心だった。涅マユリは虚圏でザエルアポロの研究資料を回収している。当然、君のものも残っている筈さ」
「………………」
「白亜?」
「…………」
「おい?」
ゴ……
「………あの変態」
「落ち着け白亜!!」
白亜の声音は変わっていないのに霊圧だけが上がりブチギレていることが分かる。そんな白亜に藍染が声をかける。
「どうしたんだい?」
「……知ってた?」
「ザエルアポロが君のデータを収集していたことかい?」
「……うん」
「もちろん」
「…………」
ゴゴゴゴゴ……
白亜の霊圧がさらに高まり、恋次が藍染に確認する。
「藍染!!今それ言う必要あったか!?」
「聞かれたからね」
「白亜と同じ様なこと言ってんじゃねぇぇ!!」
無間にブチギレた白亜の霊圧と恋次の叫びが流れていった。