なんかBLEACHの新しいソシャゲが出るそうで、イズルとか清音ちゃんとか射場さんの卍解が出てきたらどうしよう。オリジナル卍解考えてたんだけどなぁ。なんならオリジナル設定のタグ付けなきゃいけなくなるかもしれませんね。
タイトルのイメージは「その身に宿る心を信じる」
今週は九番隊副隊長、掛詞解那の真・卍解習得エピソードです。
犯人の名前は決めてません。なんなら「梅定」でも良かったんだけど、流石にねぇ。
後書きに死神図鑑ゴールデン風の小話があります。
プロローグ
九番隊舎・執務室
九番隊隊長、檜佐木修兵は自身の副官である掛詞解那を問い詰めていた。
「どこ行ってた?」
「取材です」
「敵地じゃねぇか!しかも解決してるし!?」
「一人の方が楽ですので」
修兵は解那の答えに苦い顔をしながら頭を掻く。
「解那、お前が俺を含めて人を信用してないのは知っている。だが、頼むからもう少し周りに目を向けてくれ」
「…………仕事はしっかり熟しています。…他に無いのでしたら、他の取材がありますので失礼します」
修兵の言葉に眉根を寄せた解那は、早足で執務室を後にする。
「……東仙隊長、六車隊長。隊長って難しいです」
そんな中、一人執務室に残された修兵のやるせない台詞だけが物悲しく響いていた。
やっとの思いで妹を殺した真犯人を見つけた解那。
しかし、追い詰めたはずの犯人に自身の卍解を破られ逆にとどめを刺されそうなってしまう。
「狩れ 風死」
「檜佐木隊長!?」
そんな解那と犯人の間に割って入る人影があった。九番隊隊長、檜佐木修兵である。
「これはこれは、檜佐木隊長」
「◯◯、まさかお前が犯人だとはな......」
そう連続死神殺害事件の犯人は六車拳西が隊長を務めていた時代から九番隊にいた隊士だった。
「お前が結那やアイツらを………」
『卍解 風死絞縄』
その瞬間、鎖が大量に寄せ付けあい、漆黒の太陽と思わせる球体を形成する。その球体から鎖が伸びて真犯人と修兵の身体に絡みつく。
「卍解『風死絞縄』。知ってますよ。この鎖が付いている者は死ぬ事はなくなる。あの鎖の球を通して溜め込まれている私とあなたの霊圧が無くなるまではね」
「.........」
余裕の態度を崩さない犯人。
修兵は無言のまま、手に持った風死で犯人の首をきり飛ばす。
その後、瞬きすらしない間に真犯人の首から上が再生される。
「ヒヒッ、死を停滞させる斬魄刀とは良く言ったものだ。だが、再生に使われる霊圧は私とあなた、均等に使われるのだろう?ヒヒッ、相手にとどめを刺せず、共倒れしか狙えない卍解が護廷十三隊の隊長の卍解とはな!」
「.........確かに、俺の卍解は信頼できる第三者がいて初めて成立する卍解だ」
修兵はボロボロで立っているのもやっとな解那を横目で見る。
「ヒャヒャヒャッ、まさか、そこの馬鹿を当てにしているのか?無駄だ。私の斬魄刀は攻撃を吸収して私自身を回復させる。あんたの卍解とは相性が悪いが、その女の卍解程度の攻撃では回復するだけさ」
「知ってるさ。お前が俺の卍解を知っているのと同じで、俺もお前の能力を知っている。その能力に許容限界があることもな」
「ヒャヒャヒャッ!確かに許容限界はあるがさっきも言った通りその女の卍解程度では限界は来ない」
解那は下を向いて歯を食いしばる。犯人の言う通り、自身の卍解ではヤツを倒せない。修兵が間に合っていなかったら殺されていただろう事実が、ヤツの言っていることが本当のことであると告げている。
「......解那、俺は戦いが怖い」
「!?」
そんな暗い顔をしている解那に修兵は話す。自身の心境を。
「そんな俺だからこそ、信頼できる人ってのは作り甲斐がある。......解那、俺の背中はお前に預ける」
解那は、修兵の言葉を聞いてもなお踏ん切りが付かない自分が嫌になってくる。
「お姉ちゃん」
その時、背中から声が聞こえた。振り向くとそこには自分と瓜二つの顔で優しそうな緑色の瞳をした妹、結那が立っていた。
「……結那」
気づいたら周囲に修兵と犯人がいない。ここは解那の精神世界。なら目の前に居るのは本物の結那ではなく自身が作り出したげn「うりゃっ!」
「ぐぺっ!?」
結那の肘が解那の脳天に振り下ろされた。
「あっ、う、うぉぉぉ〜っ。ちょっと結那!?なんでイキナリ姉の頭に肘鉄落としてんのよ!」
「いや、だって私のこと、自身が作り出した幻影だと思ってそうなんだもん」
「だからって肘鉄は無いでしょ!肘鉄は!」
「そこはほら、私と言う生きた存在を印象付けようと思って」
結那の言葉を聞いて解那は目の前の結那が本物であることを悟る。それと同時に記憶って美化されるんだなぁとも思った。だって今の肘鉄で妹がハチャメチャなヤツだって事を思い出したのだから。
「ねぇ、お姉ちゃん。私を助けられなかった自分をまだ信じれない?」
「!?………当たり前でしょ。姉なのに、私にとって大切な人だったのに、守れなかったんだから!」
結那の問いかけに、解那の瞳から止めどなく涙が溢れる。溢れても溢れても止まらないその涙は、まるで自責の念で傷付けた傷から流れ出る血のように痛々しい。
「………お姉ちゃん。私は、お姉ちゃんを信じてる」
「…結那」
そんな姉の手を優しく握って結那は微笑みながらゆっくり口を開く。
「私の仇を取ってくれて、そしてこの事件を解決して、『瀞霊廷通信』のトップページに記事が載るのを」
「……『瀞霊廷通信』?」
解那の涙が一瞬にして引っ込んだ。
「だって檜佐木隊長が信頼してるって言ってたんだよ?それはもう『瀞霊廷通信』でトップ記事を書けってことじゃん!」
解那は痛くなってきた頭に手を当てる。この痛みは結那のどうしようもない言動に対してか、それとも最初に受けた肘鉄の傷が痛み始めたからなのか、悩ましい限りである。
一頻りはっちゃけた結那は真剣な眼差しで解那を見つめながら言葉を紡ぐ。
「行くんだね」
「うん。まだ、自分を心の底から信じれるとは思えないけど、結那と檜佐木隊長が信じてくれた私を信じようと思う」
「……うん。お姉ちゃん、いってらっしゃい!」
「行ってきます」
現実世界では『風死絞縄』が解かれ修兵と犯人が膝をついていた。
「ヒッ、ヒヒッ、ヒャヒャッ。さて、この後どうするのさ、檜佐木隊長?私を倒す算段は整ったのか?」
「はぁ、はぁ」
修兵は後ろの解那を一瞬見る。そして、犯人を見据えて、不敵に笑う。
「……そうだな、取り敢えず、俺の役目はここまでだ。……あとは任せた、解那。」
修兵がそう言い終わると同時に解那から膨大な霊圧が放たれる。
『卍解 双極名君嵐神』
彼女の手には暴君嵐神の時と同じ一本の西洋剣が握られていた。
「?」
犯人が解那の身に何が起こったのかを理解しようと凝視した次の瞬間には解那は真犯人の目の前にいて剣を振り下ろしていた。
「!?」
犯人は寸前のところで解那の攻撃を防ぐ。
「な!?バカな!?威力が上がっている!?だ、だが、まだ許容限界には……」
解那の卍解の威力が上がっていることに驚愕する犯人だが、許容限界を超える程ではないことを悟り、余裕を取り戻していく。
「まだよ、結那!」
解那の言葉で彼女の隣には彼女と瞳の色が対象になっている彼女と顔が瓜二つで少し優しそうな瞳の黄金に輝く女性が立っている。そして、その手には暴君嵐神とは色合いが逆の黄色の紋様に緑色に淡く輝いている西洋剣が握られていた。
「な!?掛詞結那!?バ、バカな!?お前は死んだはず!?」
黄金の女性が握っている剣から暴風を纏った雷撃が放たれる。
「は、な、許容限界、を、超え……」
解那の新たな卍解『双極名君嵐神』が犯人の斬魄刀の許容限界を超え、結那の一撃を犯人に届かせる。そして
「結那!」
『お姉ちゃん!』
「『行っけぇぇぇぇ!!』」
二人の攻撃が犯人を跡形もなく消し飛ばした。
エピローグ
九番隊舎・執務室
九番隊隊長、檜佐木修兵は自身の副官である掛詞解那を問い詰めていた。
「どこ行ってた?」
「取材です」
「敵地じゃねぇか!しかもまた解決してるし!?」
「安心してください。今回は一番隊の阿散井副隊長と五番隊の雛森副隊長、六番隊の間街副隊長にもご協力とインタビューをして参りましたので」
「俺が言いたいことはそう言うことじゃねぇんだよ!」
修兵は頭を掻きながらため息を一つ吐いた。
「はぁ。……まあ、あれだ。一応、この記事は次回の瀞霊廷通信には載せてやる」
「ありがとうございます」
表情は変わらないが雰囲気が柔らかくなった解那がお礼を言うのを見た修兵は一瞬目を丸くする。
「……今、笑ったか?」
「?」
「……いや、何でもねぇ」
死神図鑑ゴールデン「敏腕記者」
朝。九番隊隊舎・編集室
「風と雷を使用出来る私の嵐神」
何故かカッコいいポーズをしている解那を見た瞬間、修兵は嫌な予感を覚えた。
「風のように全ての情報を聞き取り」
ビュォォ......
突風で紙が飛ぶ。
「雷のように現場へ急行出来る」
バチッ!!
解那が一瞬で部屋の反対側へ移動した。そして、何時もの無表情ながら自慢げな雰囲気を醸し出す。
「私は敏腕記者と言って過言ではありません」
「過言だろ」
「?」
「風で編集室散らかしたし」
「......」
「今ので原稿全部飛んだ」
「......回収します」
雷のような速度で拾い始める。
「速ぇ!」
数秒後。
机の上には綺麗に積まれた原稿があった。
「そこだけは本当に敏腕なんだよなぁ……」