前回投稿していた白亜くんvs一護のエピソードです。
少しだけ加筆しています。
明日も午前、午後に一話ずつ投稿します。
敵の本拠地に乗り込んだ十三番隊隊長、黒崎一護。しかし、そこには何故か、六番隊副隊長の間街白亜が待ち構えていた。
『卍解 死甲斐美術館』
白亜が持っていた杖『終焉美学』が空気に溶けるように消え、白亜の髪が純白から黄金に、瞳の色が真紅から深藍へと変化する。
そして、一護に対して腕を振るうと、一瞬にして出現した巨大な半透明の額縁が5枚合わさり正立方体になって一護を閉じ込める。
「白亜、何のマネだ?」
一護はいつもは優しい眼差しを鋭くして白亜を睨む。
「……此方にも事情がある。汲んでほしい」
いつもの無表情で端的に言い放つ白亜。
そんな白亜に一護はため息を1つ吐き、頭を掻く。
「はぁ、まあ、事情がありますって素直に言う分、昔の白哉や石田よりは良いか。だが、悪ぃがそれで、はいそうですかとは出来ねぇよ。これでも護廷十三隊の十三番隊隊長だからな」
「………そう。でも、その檻からは出てこれない」
そう。この額縁で出来た檻は彼の技の代表格『無題の絵画』。
対象を額縁の中に飾られた絵と認識することで、二次元が三次元に干渉できないように、絵に描かれた剣でケガをする者がいないように、額縁の表と裏を隔てる障壁。
「まあ、それはやってみなきゃ分かんねぇだろ」
そう言って一護は背負っていた自身の二本の斬魄刀「斬月」を両手で構える。そして
「月牙十字衝!」
彼の代名詞とも呼べる圧縮された霊圧の斬撃が白亜へと放たれる。しかし、額縁に阻まれ、白亜に届く前に斬撃は弾かれる。
………はずだった。
「がっ!?」
一護の放った月牙は額縁に阻まれることなく白亜の身体に吸い込まれるように直撃する。
(額縁を突破された!?……いや、身体に斬撃の跡がない。……これは、心を動かされた!?)
彼の『無題の絵画』は対象を絵として認識する。確かに剣の絵でケガをする者はいないが、絵は時として、見た者に感動や恐怖を与える。
彼は一護から放たれた月牙を美しい物と思い、衝撃を受けた。
つまり、物理的にではなく精神的に月牙の直撃を受けたのである。
「よう、どうした?額縁、消えちまったぜ?」
不敵に笑う一護。彼の言う通り彼を囲っていた額縁が消えている。白亜が先の衝撃で技が維持できなくなったからである。
「………隊長格を閉じ込めるには額縁が安物過ぎた。私のミス」
「へっ、そうかよ」
「成長途中だったはずの当時にウルキオラを倒している黒崎隊長相手に足止めと言う考えが甘かった」
「ウルキオラ!?………てめぇ、その首輪、やっぱり破r「チョーカー」k、……は?」
「これはチョーカー。首輪じゃない。首輪だとイメージが可愛すぎて私に合わない。これはチョーカー」
「いや、今はそんなことどうでも……」
「チョーカー。OK?」
「お、おう。……じゃなくて!?こっちは、てめぇが破面かって聞きてぇんだよ!?」
「ん?ああ、そうか。黒崎隊長は知らないんだっけ。うん、そう。破面」
一護の質問に対してことも何気に答える白亜。
「折角だし名乗ろうか。破面No.101 リーラ・バンクシー」
「セロリの煮物!?それって確か元十刃の……」
「センテシーモプリメロね。101って意味。そうか、ドルドーニを知ってるんだもんね。そう、3桁は剥奪の印。黒崎隊長が言う通り、私は元十刃落ち」
「………隠さねぇのか?」
「現隊長の半数以上が知ってる事だし、京楽春水が総隊長の時に沙汰は下ったから」
「……京楽さんが。なら俺から言うことは何も無ぇ」
「…無いんだ」
「あの人は頭が良いからな。あの人が大丈夫だと思ったんなら大丈夫だろ」
一護の言葉に白亜は信頼しているなぁと思いながら、京楽本人が聞いたらこそばゆくておちゃらけるか、苦笑いで返しそうだと想像した。
「お前さ」
「?」
「本当は敵じゃねぇんだろ」
「…………」
白亜の無言を一護は肯定と捉える。
「だったら終わったら全部話せ」
「断ったら?」
「その時はぶん殴る」
「理不尽」
「知るか」
「………取り敢えず。悪いけど、此方にも事情がある。………だから、本気で行く」
その言葉と同時に白亜の背後に緑色の縁に金色の瞳が特徴的な蝙蝠を模したステンドグラスが出現する。
「!?この霊圧は……!?」
「そう。ウルキオラの雷霆の槍」
「な!なんでてめぇがそれを持っていやがる!?」
雷霆の槍はウルキオラが刀剣解放第二階層した状態で使用する技である。そして、ウルキオラは刀剣解放第二階層をする際、愛染にも見せたことがないと言っていた。なら何故、白亜がこの技を持っているのかと一護は疑問を投げかける。
「………スピードタイプの黒崎隊長に威力はあるけど扱いが難しい技を使うとか、アイツが一番虚圏を破壊していたと思う」
「は?」
「最初の一発に被弾していたら気付かないまま私は芸術として完成してしまっていたかもしれない」
「それ、あん時の流れ弾かよ!?てか、お前いたのかよ!?」
ウルキオラ戦の時、虚圏に白亜が居た事実に驚愕する一護。
「構えないと死ぬよ?」
『公開・雷霆の槍』
白亜の言葉が終わると同時に翡翠に輝く雷撃の様な霊圧が一護に向かって放たれた。
「!くっ!」
一護は咄嗟に斬月を前に出し雷霆の槍を受け止める。
「うぉぉぉおぉぉっ!」
力を込め一護は斬月で雷霆の槍をはじき飛ばす。
「……劣化してるとは言え雷霆の槍を始解状態で跳ね除けるのか」
「はん、こちとら護廷十三隊の隊長だせ?これくらい出来て当然だ」
そう言って不敵に笑いながら大剣の方の斬月の剣先を白亜に向ける。
「本当に護廷の隊長達は美術館に展示したいくらい、どいつもこいつも美しい。…護廷十三隊隊長・黒崎一護。君なら見る資格がある」
『追憶の死想』
そう言うな否や白亜の背後に『狼』『骸骨』『鮫』『蟷螂』『豹』『蓮の花』『血塗られた聖母』『蛸』『巨人』が描かれたステンドグラスが新たに出現する。
「マジかよ」
現れた計10枚のステンドグラスに笑いながら、一護は斬月二本を重ねる様にして前へ剣先を向ける。
「ならこっちも全力で行くぜ」
言葉と同時に膨大な霊圧が一護から溢れ出す。
『卍 解!』
『天鎖斬月』
二本の斬月が折り重なり一本の大剣に変化する。そして
『公開・追憶の死想』
『月牙天衝』
2つの膨大な霊圧がぶつかり合う
間街白亜の斬魄刀。
・斬魄刀名:『終焉美学』
・解号:『受け入れろ、終焉美学」
・見た目:赤い宝石が先端に組み込まれた芸術品としても価値がありそうな杖に変化
・変化の仕方:解放時に柄から刃の方に持ち替えて自身の手を切って、滴り出た血が鍔の部分で膨張したらそのまま凝固して宝石に変化。その後、斬魄刀全体が杖の形に変形する感じ
・能力:力のベクトル操作。運動エネルギーや重力・引力、霊圧や呪術的な物まであらゆる力の方向性・指向性を操れる
・卍解:『死甲斐美術館』
・見た目:白亜自身が金髪碧眼に変化。後ろに彫像や宙に浮いた額縁に入った絵画等が存在している
・能力:相手の鬼道や霊圧、斬魄刀の能力(炎や氷等の現象)を圧縮し絵画や彫刻といった芸術品に変え美術館らしくストックでき、自由にリリースも出来る。鬼道→油絵、虚閃→ステンドグラスみたいな感じ。また、向こう側が見える額縁を相手と自身の間に生成し、対象を絵と認識することで攻撃を無効にする。剣の絵でケガを負う人は居ないから
・具象化した姿:顔は白亜本人と瓜二つなのだが性別は女性。金髪碧眼の美少女。純真無垢な性格。勝手に具象化して瀞霊廷内を歩き回っているらしい。