死神代行と血を継ぐ者(凍結中)   作:焔月

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作者は文才がありません。
それでもいいという方、この作品をよろしくお願いします。

初めての作品ですし、更新も亀ですが読んでいただけば嬉しいです。


零章
プロローグ


ある山奥で…

 

少年side

 

「お母さん!!お婆ちゃん!!」

燃え盛る炎の中、少年は叫んだ自分の家族を探して

 

「逃げなさい!ここは私がなんとかするから!」

「グオオオオォォォォォ!!!!」

その叫びに答えるのは少年の祖母である女性

彼女が答えたその直後、身の毛のよだつような叫び声が辺りに響き渡る

 

「でも、お婆ちゃんは!?お婆ちゃんはどうするの!?」

少年はその叫び声に負けぬよう声を張り上げた

 

「私なら大丈夫、あなたは自分の心配をしなさい」

女性は目の前にいる化物から少年を護る為、残り戦う事を決め少年が化物を見ない様に立ち答えた

そして、女性は自身と契約を交わしている獣を呼び出した

 

「来てちょうだい!!リエク!!!」

「グオオオオォォォォォ!!!!」

女性の指笛に応え、一頭の巨大な獣が咆哮をあげながら二人の側に舞い降りる

 

「リエク、この子を安全な場所へ連れて行っておくれ」

『お前はいいのか?弥優(みゆ)

獣《リエク》は前方にいる化物を警戒しながらも、女性・弥優にたずねる

 

「ええ、この子をお願い

それと、一度だけこの子の頼みを聞いてあげてちょうだい

それが私からのあなたへの最後の頼みよ」

化物から少年を庇った際に負った傷で血に濡れながらも優しく微笑む弥優

 

『わかった』

リエクは分かってしまった、弥優の命はもう残り僅かなのだと

だからこそ哀しげに鳴きながら答え、少年の服をくわえ飛び立った

 

「放せ!!お婆ちゃん!お婆ちゃん!!」

少年は弥優を助けようと、リエクから逃れようともがく

だがリエクはしっかりと少年の服をくわえているため、逃れることはかなわなかった

 

炎が鎮火した数日後、リエクと共に自分の住んでいた家へ戻った少年は家のあった場所を見て愕然とした

地面はいたる所に穴があき、周囲の木々は薙ぎ倒され、焼け落ちた事で荒れ果てていたのだ

 

しばらく茫然としていた少年だったが、我に返ると自らの家族を探し始めた

 

「お母さーん!お婆ちゃーん!」

呼び掛けながら、少年は荒れ果て焼け崩れた家の周辺を探し始める

 

「!!」

 

しばらくすると、もっとも信じたくない光景が少年の眼に飛び込んで来た

それは、変わり果てた姿で倒れている母と祖母の姿だった

二人は全身傷だらけで、着ていた服は血で赤黒く染まっていた

 

「あ、あぁ…ああ…ッ!!」

少年は二人の姿を認めると、その場で崩れ落ちた

 

「うわぁぁぁぁーーーー!!!!」

少年の心は絶望に染まる

声が枯れ涙が出なくなっても、それでも叫び続けた

 

『少しは落ち着いたか?』

リエクは優しく問いかけた

しかし、少年は虚ろになった眼を向けるだけで答えない

それでもリエクは少年が答えるまでじっと待つ

少しして少年は口を開いた

 

「死んじゃった…

お母さんも、お婆ちゃんも…ッ!!」

そう言いって少年はまた涙を流す

リエクは何も言わず、泣き続ける少年を自らの翼で包み込んだ

 

数十分後、少年が泣き止んだのを感じたリエクは翼を戻し、再び少年に問いかけた

 

『落ち着いたか?』

「うん、ありがとうリエク」

少年の赤くなった目にはまだ涙が溜まっていたが、落ち着いたようで微笑み答えた

 

『そうか』

リエクもまた穏やかな声と柔らかい表情でほっとした様に言った

 

「ねぇリエク」

『ん?』

突然、少年が俯きリエクに問いかけた

 

「リエクはこれからどうするの?」

『何がだ?』

「俺はリエクに頼みごとをした

もうリエクは俺と一緒にいなくてもいい、だから」

少年は不思議そうに、不安そうにリエクを見上げる。

 

『弥優との契約のことを、お前は知っているか?』

リエクは少年に尋ねると、少年は知らないと黙って首を振った

リエクはそれを確認すると一つ頷き話し始めた

 

『俺と弥優の契約は、俺の命と主の命の共有

俺が死んでも主に影響はないが、主が死んだとき、主が俺に命を遺していた場合は、その命を果たしたあと俺も死ぬ

俺に命を遺していなければ主と共に死ぬ

それが、弥優との間に交わしていた契約だ』

「え?」

『理解出来ないか?

つまり俺の命はもうすぐ尽きるということだ

弥優と初めて出会ったとき俺は既に死にかけていた、弥優が契約という方法で俺の命を救ってくれた

だから弥優が死んだとき俺の命も尽きるのだ』

理解できない、いやしたくないと少年は無意識に感じていた

理解してしまえばもうリエクにも会えなくなってしまう、それがわかっていたからだ

 

少年はまた無意識に涙を流し始める

それを見てリエクは哀しげに、すまなそうに眼を伏せた

すると突然、少年が何かを思い付いたように顔を上げた

そして

 

「リエク!」

『!どうした?』

「俺と契約して!」

リウの目には強い光が宿り、何かの決意を固めた様で、それはリエクと契約したいという申し出だった

 

『何?』

「俺と契約してほしいんだ

契約すればリエクとずっと一緒にいられる、それにリエクも生きられるでしょ!!

俺は、俺はもう大切なものを失いたくないんだ!!」

リウの心は既に限界だった

リウにとってリエクは家族であり、彼を失ってしまえばもう自分は立ち直ることが出来なくなる、それをリウは無意識の内に理解していたのだ

 

『…』

リエクは少年の言葉に驚き眼を見開くが、黙って次の言葉を促した

 

「だから…だからお願い!!俺と契約して!!」

リウそれはもう、悲鳴に近い叫びであり懇願だった

 

少年の言葉をリエクは心の中で反芻する

『俺はもう大切なものを失いたくないんだ!!』

リエクは眼を閉じ、フッと息を吐いた

 

『良いだろう、弥優の忘れ形見を見守るのも悪くない

それにお前のことも気に入っているからな…契約しよう』

リエクはそう言って笑い、それを聞き少年も嬉しそうな笑みを浮かべた

そして、リエクと少年は契約を交わした

 

「これからよろしくね、リエク!」

『ああ、これからよろしくな、リウ』

 

 

 

 

少年が戦いの渦に巻き込まれるまで、あと少し

 




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