死神代行と血を継ぐ者(凍結中)   作:焔月

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内なる虚との邂逅とその名

 

虚との戦いが終わり、一護とルキアはその場に座り込み休んでいた

リウはいまだ目を覚まさず、覇竜に抱えられていた

 

一護side

 

くそっ、動けねえ

 

「ルキア、お前動けるか?」

「たわけ、動けるわけないだろう

…こうして会話をすることすら辛いのだ」

「だよな…悪い少し…休むわ」

一護はルキアと少し言葉を交わすと倒れ込み、目を閉じた

 

『大丈夫か?』

リウを抱えたままの覇竜は、重傷を負っている二人を気遣う

 

「ああ、傷は深いが大丈夫だ

それより、リウはどうなのだ?」

『霊圧を使いすぎただけだ、直に気が付く

…それよりもリエクの方が心配だ』

ルキアの問いに答え、覇竜はリエクを見る

リエクの傷はそれほど深くはないが数が多かった

しかしリエクは

 

『心配は無用だ、その二人よりは軽い

しばらく休めば大丈夫だ』

 

「黒崎くーん、朽木さーん!」

「一護!朽木!」

「黒崎!大丈夫か!!」

 

ん…?この声

 

一護は重い体を起こし声のした方を見る

すると、友人であり仲間でもある、織姫、雨竜、茶渡の三人が駆け寄ってきた

 

「井上、石田、チャド」

「どうしてここに?」

二人は疑問を浮かべる

 

「あんなに大きい霊圧を感じて、放っておけるわけ無いだろう」

「ム…」

「待ってて二人とも、今治療するから

『双天帰盾』(そうてんきしゅん)!私は、拒絶する!!」

雨竜は疑問に答え、チャドはそれに同意する

織姫は二人を自身の能力で治療し始めた

 

 

 

 

龍side

 

ん…声?…知らない声だ

 

「ん…」

『気が付いたか、龍』

「覇、竜?…俺」

『力を使いすぎて倒れたのだ、もう良いのか?』

「うん、ありがとう覇竜」

リウが覇竜に礼をいうと、覇竜は頷いてから空間に溶けるようにリウの精神世界へ戻っていった

 

「龍、気が付いたんだな」

「うん、一護さん、ルキアさん、助けてくれてありがとう」

「気にするな」

「ところで、その人達は?」

リウは自分が眠っている間に来た三人に気付き、警戒する

 

「心配はいらんぞ、この者達は私達の仲間だ

一護の級友でもある」

「ああ、大きいのはチャド、眼鏡を掛けてんのは石田、今俺達を治療してくれてるのは井上だ」

警戒を緩めないリウに、二人は三人のことを紹介する

 

「…茶渡泰虎だ、よろしく」

「石田雨竜、滅却師(クインシー)だ、よろしく」

「井上織姫だよ、よろしくね」

三人はそれぞれ名乗り、挨拶する

 

「…龍……よろしく」

リウは警戒を少しだけ緩めて名乗った

 

一護とルキアは三人を信頼してるんだ

 

リウは一護達の表情を見て、警戒しなくても良いと判断し、警戒を解いた

 

「黒崎、派手にやられたな」

「うるせえよ

…アイツ、卍解した俺のスピードに普通に付いてきたんだ」

「…本当か?」

「ああ、虚は卍解し、速力の上がっていた一護の攻撃を全て凌いでいたからな」

「そう……はい!終わったよ!」

「すまぬ」

「ありがとな井上」

三人に戦いのことを説明し、その間に治療が終わったため、二人は井上に礼を言った

 

「傷はもう良いの?」

「ああ、もう平気だ」

「心配かけたな、井上のおかげで傷はもう癒えたぞ」

二人は傷の心配するリウに優しく声を掛ける

 

「そっか…良かった……!!」

リウは言い終わった瞬間に目を見開き、空を見上げる

 

この感覚…虚!

 

-覇竜

『虚だな、もうすぐで現れるぞ』

-うん、わかってる…力を貸して、片付ける

『ああ、もちろんだ

…だが平気か?まだ力は回復しきっていないのだぞ』

-構わない、二人よりはましだ…それに俺のせいでもある

『…わかった、だが無理はするな』

-うん

 

「龍?…どうかしたのか」

「…」

一護は急に空を見上げ、険しい表情をしているリウに声を掛ける

しかし、リウは答えず空を睨むだけだった

 

「来る…」

リウが呟いた直後、五人にたくさんの虚の霊圧が届く

 

「「「「「?!」」」」」

『また虚か?』

「ああ…リエク、みんなを頼むよ

…アイツらは、俺が片付ける」

驚く五人とは違いリエクはリウに問う

リウはリエクの問いに肯定し、一護達のことを頼んだ

 

「待て龍!これだけの数を相手に、一人で戦う気なのか!?」

「な…!無茶だ!リウ、私達も戦うぞ!」

リウの一人で戦うと言う言葉に一護とルキアは加勢しようとする

雨竜達も何も言わないが、既に戦闘態勢に入っている

 

「いいよ、二人は霊力が回復しきってないでしょ

…それにこうなったのは俺のせいだから、俺が片を付ける」

「…龍」

リウの強い意志に一護達は何も言えなくなっていた

 

 

 

 

一護side

 

くそっ、龍のやつなんのつもりだ…

 

「どうするんだ、黒崎」

「加勢するに決まってるだろ」

「ああ、リウ一人にやらせぬ

あやつとて霊力が回復しきっておるわけではないだろうからな」

一護達はリウに加勢しようと立ち上がる

だが

 

『行くなよ、お前達』

「!?リエク!何でだよ!!」

『今の龍に近付けば、巻き込まれるぞ』

「!?…どういうことだ?」

リエクの『巻き込まれる』という言葉に一護は理由をたずねた

 

『今の龍は、冷静に見えるがかなり怒っているからな

その証拠に、無表情になっているだろう?』

リエクはそう言い、五人にリウを見ろと促す

五人がリウを見ると、表情がなく、冷たい雰囲気と霊圧を纏っていた

 

何だ、この威圧感…まるで、隊長格と対峙した時みてえな

 

一護達はリウの放つ冷たい霊圧に呑まれ、冷や汗をかいていた

 

 

 

 

龍side

 

さあ、始めるか…だけど、あまり時間は掛けられない

俺の霊力だって二人ほど消耗しているわけではないけど、長期戦になれば俺が不利になる…

 

『力を貸してやろうか?…王』

-!?…誰?

『名など無い…だが今はそんなことはどうでもいい

俺の力を貸してやろうか?』

-……君は誰だ?

『強いて言えば、奴等の同族だ

だが、俺と奴等と一緒にするなよ?

奴等と俺では実力が違う』

-…

『どうする?奴等と同じ虚の力…貸してやろうか?』

-ああ、貸してほしい、君の力を

 …それと、この戦闘が終わったら君に名を付けてもいい?

『!?…良いだろう

だが気に入らなければお前の身体は俺が支配するぞ…それでもか?』

-うん、構わない

『おかしなやつだ

自分の身体を奪うと言っているというのに、構わんとは』

-だって、君は俺だろ?

 …力が違ったとしても、その力のある場所は同じ

 俺は君を受け入れる

『(…まさか虚である俺を受け入れるとは

ふっ、面白い…俺の力を使いこなせるか見せてもらうぞ、王)』

リウに話しかけた男…リウの内なる虚は、自分を受け入れると、名を付けたいと言ったリウに興味を抱き、すでに自らの王として認めつつあった

 

一撃で決められれば一番いい、でもさすがにそこまでの実力は俺には無い…

 

グオオオオォォォォォ!!

 

リウが考えていると、それを隙だらけだと思ったのか、虚の群れが襲い掛かる

しかし、それは虚達の思い込みであり、彼に隙は全く無い

リウは襲いかかってきた虚達を冷静に、最小限の動きでかわし仮面を斬っていく

その姿はまるで踊っているようにも見えた

 

「す、すごい…

あれだけの数の虚を、たった一人で倒してる…」

「ああ、確かにすごい

だが、リウとて霊力を消耗しているのだ、長くは持たぬぞ…!」

織姫は驚いているが、ルキアはリウの霊力が消耗し、長くは持たないだろうと考え心配していた

 

「はああぁぁぁっ!!!」

リウは虚の攻撃をかわし、そのままの勢いで頭を斬り倒していたが、数が多くリウの動きも少しずつ鈍くなっていった

 

はぁはぁ…っ、このままじゃやられる

竜王破は、撃てたとしても一発か二発が限度…迂闊には使えない

 

『…王』

-?…何?何か用?

『力を貸してやる

だがお前の仲間がお前の事を受け入れるか、それとも拒絶し攻撃してくるか…それはわからん

それでも、俺の力を求めるか?』

-言ったろ、俺は君を受け入れるって

 俺を彼等が拒絶したら、また一人になるだけだ、元の一人の生活にね

 だから君は気にしなくていい

『…良いだろう

俺の力、使いこなせるかどうかはお前次第だ』

リウは虚との対話を終える、すると…

 

『龍、良いか?』

-覇竜?どうしたの?

『虚の事…受け入れたのだな』

-うん、まあね

 …それだけじゃないんでしょ?

『ああ、伝える事があってな

龍、今のお前は死神と同じように、霊子を足場に空中で立つことも出来るぞ』

-空中に?

『ああ、やってみろ、コツは教える』

 

リウは覇竜に霊子を使い空中に立つやり方を教え、リウはそれを聞くと、まだ空にいる虚に向かって跳躍する

虚達と同じ高さになるまで何度か空中を蹴り、同じ高さに着くと、自身の周りに普通の人間には見えなくなる結界を張る

 

なるほどね、覚えた

やり方さえわかれば、あとは簡単に出来る

 

 

 

 

ルキアside

 

な…!?まさか、人間であるリウが我々死神のように霊子で足場を…!?

斬魄刀を持っているとはいえ、簡単にはできぬはず

 

「まさか、霊子で足場を作るなんてな、驚きだぜ」

「ああ、私も驚いている」

一護は驚きと感心を示し、ルキアは驚きのみを表していた

 

リウは空中でも身軽に動きながら覇竜を振るい、虚をたおしていく

しかし虚は次々と現世に現れ、それに伴いリウの動きも少しずつ鈍くなる

 

不味い、このままでは…

 

「行くぞ一護!」

「!…ああ!」

ルキアは一護に声をかけ、リウに加勢しようとする

しかし…

 

「来るな!一護、ルキア!!」

「「!?」」

リウは二人が加勢しようとするのを拒む

 

「何故だ!このままでは、お前が持たぬぞ!!」

「一人で背負い込むんじゃねえ!俺達は仲間だろ!!」

二人はリウを説得しようとする

 

「…仲間だからだ!

俺はもう、二人に傷付いてほしくないんだよ!!

これは…俺の戦いだ!!」

「な…!」

「リウ…」

二人はリウの威圧するような霊圧を受け、動けなくなってしまった

 

リウ、何故…なのだ?

 

 

 

龍side

 

ごめん、一護、ルキア…

でも、コイツらは俺が倒さなきゃいけないんだ…

 

「ああは言ったけど、少しキツいか…」

リウの息は既に上がっており、虚の攻撃を少なからず受けて、傷を負っていた

 

-覇竜、これで決める…だから、力を貸して

『ああ、行くぞ…!』

『俺の力も使え!』

リウは残っている虚を一掃するために、今自分が込められるだけの霊圧を覇竜に注ぐ

すると覇竜は白銀に輝き、そこに虚が自らの霊圧を覇竜…そしてリウに渡した

 

力が流れ込んでくる…これで、いける!!

 

リウが覇竜に霊圧を注ぎ終わると、同時にリウ自身の霊圧も跳ね上がる

 

-いくよ、覇竜、莉鷹(リオウ)

『ああ、往くぞ』

『莉鷹…それが俺の名か

…フッ、良いだろう気に入った、お前と共に生き、従おう

よろしく頼むぞ、龍…我が王よ』

-よろしくね、莉鷹

 

「『『竜王破!!!』』」

リウが技を放つ際、覇竜、莉鷹はリウの手に己の手を添えて、共に撃ち放った

 

グオオオオォォォォォ!!!

 

リウ達が放った竜王破は、まるで意志を持っているかのように動き、虚を喰らっていく

竜王破が消えるとそこには、霊子を足場に空中に立つリウがいるだけだった

 

終わった…もう虚は来ないだろう

 

『終わったな…龍』

『ああ…龍、下に降りたらどうだ

やつらも待っているぞ』

-うん、そうだね降りよう

 でも君の事、みんなは受け入れてくれるだろうか…

『龍…』

『あの者達が受け入れずとも、お前には私達がいる

…それにリエクもいるだろう?』

-…そうだね、今の俺にはみんながいる

 拒絶されようと、みんながいるなら一人でも大丈夫だ

 

少し…寂しくなるだろうけど…俺は莉鷹を失いたくないんだ





内なる虚、莉鷹の容姿は

髪 漆黒、闇のように深い色で腰まである長髪

瞳 深紅、血の色のような緋

イメージ的には一護の最後の月牙天衝・無月

虚という存在故か黒系の服を好んで身に纏う
上下共に黒い服で漆黒のロングコートを羽織っている

たまに、白一護のような白い死覇装を纏うこともあるが、普段は上記に書いてある服装をしている
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