死神代行と血を継ぐ者(凍結中)   作:焔月

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今回は双破が一護達と対面します。

龍の紹介で一護は二度目、ルキアは初めて双破と対面します。

最後にはある人達が出てきますが、BLEACHを知っている人達なら解る筈です。




では、どうぞ


虚との和解と近付く戦いの時

リウ達が虚との戦いを終えた次の日は休日のため、三人はのんびりと戦いでの疲れを癒していた

 

一護side

今日が休みで良かったぜ、さすがに今日学校はキツかったしな

 

「一護、大丈夫?」

「ん?ああ、体のことか?」

「うん、ルキアもだけど…」

リウは昨日の戦闘でのダメージや疲れなどを心配していた

 

「平気だぜ、傷は昨日井上が治してくれたし、疲れは今日一日休めば問題ねえ」

「一護の言う通りだ、私達は問題ない

それよりも、お前は大丈夫なのか?かなり霊力を消耗したのだろう?」

「俺は、覇竜と莉鷹が回復してくれたから大丈夫」

互いに心配し、確認し合う三人

 

「ねえ一護、少し話があるんだけど…」

「話?」

「それは、私が聞いても構わぬ話か?」

真剣な表情で一護に話掛けるリウにルキアは自分が聞いても構わないのかをたずねる

 

「構わないよ、これは一護の虚の力の事だから」

「「!?」」

リウは言った『虚の力』という言葉に二人は驚く

 

「大丈夫?」

「ああ、続けてくれ」

一護は先を促し、ルキアも無言で頷く

 

「一護は昨日、自分の内なる虚には名前が無いって言ってたよね?」

「ああ」

リウの確認に一護は頷き、答える

リウは一護の返事に頷くと話し始めた

 

「実は昨日、眠っている時に不思議な出来事にあったんだ

気が付くと縦横デタラメな場所に立っていて、ビルの側面に俺は立ってた

そしてそこで会ったのは、斬月と一護の内なる虚だった」

「!!待て!龍、お前…俺の精神世界に行ったってのか!?」

「馬鹿な!他の者の精神世界に入ることなど不可能なはずだ!」

リウの発した言葉に、一護とルキアは驚きの声をあげる

リウは二人の言葉に頷き同意を示す

 

「確かに普通、他者の精神世界に入ることは不可能だよ

でも俺は確かに二人と出会い、話をした

それに…勝手になんだけど『彼』に名前を渡したんだ…ね、『双破』」

『ククッ…ああ、名の意味までしっかりとな』

「「!!?」」

リウの呼び掛けに応じ、一護の内なる虚である双破が、リウの隣に姿を現す

 

「なっ!何で、お前が…!!」

『呼ばれたからに決まってんだろ、王』

「だからって!お前は、あん時!」

 

あの時、俺は確かにこいつを…

 

 

 

 

龍side

 

やっぱり、ダメ…だったかな

 

『気にすんな、お前は悪くねえだろうが』

『ああ、双破の言う通りだ

お前が気に病む必要はない』

「双破…莉鷹…」

莉鷹は姿を現しながら言い、落ち込むリウの頭をそれぞれの内なる虚である二人が撫でる

少し涙目になっていたリウは、自分よりも身長の高い二人を見上げた

 

「……双破、だったな

…ホントに龍がそう付けたのか?」

『ああ、龍がそう名付けた

『双』は王の魂の片割れという意味を

『破』は王の《護る》という言葉の対となる《破壊》という意味を籠めて…だそうだ』

一護の問いに、双破は自らの名の意味まで答える

答える時にリウの頭を撫で見つめる双破の目は、一護の知っているあの好戦的な目とはかけ離れており、とても優しげな目をしていた

 

「(こいつが…双破がこんな目をするなんてな…)龍」

「何?」

「ありがとな、こいつに名前を付けてくれて

俺はそういうのは苦手だし、名前を付けようなんて考えもしなかった

…だけど、これからは俺もこいつを…双破のことを受け入れられるようにする

こいつは、俺の力であり同じ存在だからな」

そうリウに言った一護の表情は嬉しそうで、晴々としていた

 

「っ…!ううん、でもよかった

よかったね、双破」

『あ、ああ…ありがとな龍、相棒』

涙を流しながら言うリウに双破は、戸惑いながらも自分を受け入れてくれた二人に礼を言った

 

本当に…本当に良かった

 

 

しばらくリウは双破にしがみついて泣いていたが、やがて泣き疲れてしまったのか、双破の死覇装の袖を掴んだまま眠ってしまった

 

 

 

 

一護side

 

龍、疲れちまったんだな…よく眠ってる

 

『なあ、一護…』

「ん?どうした、双破」

『いや、戻れねえんだが…』

双破は困惑した様子で一護に言う

 

「仕方ねえから、龍の目が覚めるまでそのままだな」

『マジかよ…』

一護は苦笑しながら双破に言うと、双破は肩を落とし、仕方ないといった表情で、リウを起こさぬようにゆっくりと抱え直した

 

「なんかあったら言ってくれ、俺達は下に居るからよ」

『…わかった』

『俺はここにいる、龍は俺の王だからな』

一護とルキアは下に降りていき、一護の部屋にはそれぞれの内なる虚と、安心しきった表情ですやすやと眠るリウだけが残った

 

 

 

双破side

 

まさか、虚である俺にしがみついて安心するとはな…

普通ありえねえだろ

 

※《》内の会話はすべて小声です

 

『《はあ~、なんだかな》』

『《どうした、双破》』

声を漏らした双破に莉鷹はたずねる

 

『《いや、何で虚である俺に抱かれて安心した顔で眠れるかと思ってな》』

『《龍は殺意や殺気、敵意や害意といった悪意に酷く敏感だ

そういうものを少しでも感じれば、龍が眠る事はほとんどない

例え眠ったとしても、ほんの数分程度だ》』

双破の疑問に、覇竜が姿を現しながら答える

 

『《そりゃあ、どういうことだ?》』

『《双破、お前も黒崎と共に聞いていたのではないのか?》』

『《!!あの虚のせいか…》』

双破は莉鷹の言葉に、リウを狙っていた虚の事を思い出す

その表情は、怒りに満ちておりとても恐ろしいものだった

 

「う、ぅん」

『『『!!』』』

「すぅ…すぅ…」

双破からは僅かだが殺気が漏れ、それを感じ取ったのかリウは身動ぎをした

 

『《ふう~、ヤバかったぜ》』

『《殺気を出すからだ、バカが》』

『《んだと、やるかゴラ》』

『《落ち着け、また龍を起こすつもりか?》』

『『《スミマセン…》』』

戦闘になりそうになっている虚二人を、覇竜は半目で睨む

その表情を見て二人は、自らの本能で不味いと感じ取り、咄嗟に謝った

 

こいつ、龍の事になるととんでもねえな

 

「ん…は、りゅう…りおう…そう…は…」

『『『…』』』

リウは三人の夢でも見ているのか、嬉しそうな表情をしながら三人の名前を言う

それを聞いた覇竜達は顔を見合わせてから、リウに優しげな眼差しを向けた

 

 

 

一護side

 

龍が寝ちまってから、もう一時間か

そういや、龍の寝顔ってあまり見たこと無かったな

 

「どうしたのだ一護?」

「ん?ああ、龍の寝顔ってあまり見たことねえなと思ってよ」

「…確かに無いな

あやつは私達よりも眠るのは遅いにも関わらず、起きるのは私達よりも早いからな」

ルキアは少し考えてから一護の話しに同意をする

 

「少し様子を見てくる」

「私も行こう、そろそろ昼食だ」

二人はそう話し、一護の部屋にいる双破達の元へと向かった

 

「双破、良いか?」

『良いぜ、だが静かにな』

「りょーかい」

一護とルキアは部屋に入る前に中にいる双破達にたずね、静かに部屋へと入っていった

 

「まだ寝てるのか」

『仕方あるまい、龍は先の戦いでの疲れがほとんど取れていないからな

…だが、これほど安心しきった寝顔は久し振りだ』

一護の言葉に覇竜は話し、リウを見る

 

「…言いにくいんだけどよ、そろそろ昼飯だから龍を起こしてくれねえか?」

『もうそんな時間か…』

『龍…龍起きろ、そろそろ昼食の時間だそうだ』

覇竜は呟き、莉鷹はリウを優しく起こす

 

「ぅ~ん……何?」

『『「(か、可愛い!)」』』

寝ぼけ顔で目を擦りながら起きたリウに、一護と双破を除く全員が同じ事を思った

ちなみに、一護と双破は雑談をしている

 

『ん?起きたか、龍』

「はよ、龍…ずいぶん長く寝てたな、一時間は寝てたぜ」

「い、一時間!?…そんなに長く(一度も目を覚まさないなんて…こんなこと一度もなかったのに)」

リウは眠っている間、一度も目を覚まさなかった自分に驚いていた

 

「なあ龍、そろそろ双破の死覇装を袖を離してやってくれ、双破が困ってる」

「?…双破、何で俺を抱えてるの?」

『お前が俺の死覇装を掴んで離さねえから、俺も戻れねえんだよ』

「死覇装?……あ、ごめん」

リウは一護と双破の二人に言われ、握っていた双破の死覇装の袖を離して、膝を降りた

 

『俺は戻るぜ、相棒』

「わかった、またなんかあったら呼ぶからな」

『あいよ』

双破は一護に言うと、精神世界へと戻っていった

 

『俺達も戻る』

『ああ、また呼んでくれ

呼ばれれば直ぐに応え、お前の隣に現れる』

莉鷹と覇竜もそう言って戻っていった

 

「…龍、そろそろ昼飯の時間だからよ

下に降りようぜ」

「そうだったな、いこうリウ」

二人はリウと共に一階へ降り、黒崎家+αで昼食を食べるのだった

 

 

 

リウside

 

家族…か…俺にはもう、家族と呼べる人達はいない…

あの時に、みんな死んでしまったから

 

「リウ君、どうかしたの?」

「リウ、なんかあった?」

遊子と夏梨が、突然箸を止め俯いてしまったリウを見て、心配そうな声でたずねる

 

「なんでもない…ごちそうさまでした」

「…龍、本当に平気か?」

「うん、先に部屋に戻ってるね」

あまり食べていないにもかかわらず、リウは食事を終えて一護の部屋に戻っていってしまった

一護の部屋に戻ったリウは、自らの周りに結界を張り屋根に登る

 

心配、掛けたよな

でも、俺があの場所に居るのは不釣り合いなんだ

…俺は、血に…死に染まり過ぎている……俺は…

 

「またここに居たのか」

「…一護」

「…どうかしたのか?遊子達、心配してたぜ」

突然食事を終え、部屋に戻っていってしまったリウを黒崎家の人達は心配していた

 

「俺は…彼等には不釣り合いだと…そう、思ったんだ

…彼女等と違って俺は…俺は血に染まり過ぎている

沢山の人達が俺のせいでアイツに…虚に殺されてしまった

…血の穢れを、死の穢れを俺は浴びすぎている

…そう考えたら、あの場所から逃げ出してた」

「…龍」

辛そうに話すリウに、一護はただ名を呼ぶことしか出来なかった

 

「…なあ龍」

一護の呼び掛けにリウは目を向けるだけで応える

 

「前に俺、お袋は虚に殺された、って言ったよな」

リウはただ無言で頷いた

 

「当時、俺は生きた人間と死んだ人間…つまり人間と幽霊との区別がつかなかった

…それぐらい、俺は幽霊がはっきり見えていたんだ

六年前の六月十七日、当時の俺は幼馴染みの親がやってる空手の道場に通っててさ、あの日もお袋と一緒に帰ってたんだ

その日は、前日まで雨が降ってて川の水も結構増水してた

お袋と一緒に河川敷の土手を歩いていたら、川のすぐ側に女の子が立ってて、その子が川に落ちそうだった…

俺はその子を助けようとその子の方へ走ったんだ

それからのことは覚えてない、気が付いたらお袋が俺に覆い被さるように倒れてて、背から血を流してた

俺はその時、お袋が死んでるって解らなくて…いや、理解したくなくて、親父達が来るまでお袋を起こそうとしてた

俺がルキアに死神の力を貰ってしばらくたった時、今年の六月十七日、お袋の命日に虚に遭遇したんだ

…ソイツはグランドフィッシャーって奴で、ソイツは疑似餌を使って、その疑似餌が見えるくらい霊力が高い人間を喰らって、尸魂界の死神を五十年以上もの間退けてきた奴だった

七年前に俺が助けようとした女の子は、その疑似餌だった…

それをアイツから聞いたとき、俺は頭が真っ白になって、気が付いたらグランドフィッシャーに斬りかかってた

でも俺は、アイツに傷を負わせたけど倒せてねえ…俺は…「もういい!!」龍…」

「もういい…もう何も言わなくていい

そんな…そんな辛そうな顔しないで…!」

リウは一護を抱き締めて泣きながら言う

一護は泣いているリウに驚いていた

 

「泣いてるのか…?龍」

「一護だって泣いてるだろ?」

「…泣いてねえよ」

リウの言葉に一護は否定する

 

「表面では泣いてない、でも…」

リウは一護の胸の中心を指差し

 

「心は…魂では泣いているよ

表面では偽れても、魂は偽れない…そうでしょ『斬月』『双破』」

リウは一護の心の内を見透かすように言い、一護の魂の内に住まう二人を呼んだ

 

 

 

 

一護side

 

泣いている…?俺が?

 

「心は…魂では泣いているよ

表面では偽れても、魂は偽れない…そうでしょ『斬月』『双破』」

リウの、己の心を見透かしているような言葉に、一護はただ驚いていた

 

『ああ、降ってるぜ…どしゃ降りでな』

『一護、己を偽るな

お前が心乱せば空は曇り、悲しめばいとも容易く雨が降る、そう言った筈だ…

一護、この者…龍は他者の霊圧の変化や乱れに敏感のようだ

…感情に出さずとも、龍はお前の霊圧の乱れを感じ取り、止めたのだ…お前の心を護るためにな』

一護は、自らの内に住まう二人の言葉に俯いてしまった

リウはそんな一護をただ抱き締める

 

「一護…心を偽るなよ

俺にもその悲しみを分けて欲しい

…俺ももう、一護の仲間なんだからさ」

「龍………わりぃ、少しこのままでいさせてくれ」

一護は自分を抱き締めているリウに身体を預け、リウは自らに寄りかかる一護を、ただ優しく抱き締めた

 

こんな顔、他人に見せらんねえ…

 

 

数分程、一護はリウに寄りかかっていたが、やがて離れリウを見つめていた

 

 

リウside

 

何時もの一護に戻った、優しい…でも強い意志の宿った眼に

 

「改めて見ると、一護の目って琥珀みたいな色なんだね、透き通ったブラウンの色だ」

「お前だって、よく見ればそうだろ

普段は夜空みてえな黒なのに、光の当たりかたでなんて言うか…緑ではねえんだよな…んー」

「エメラルド?」

「おう!それだ!!そんな感じに輝くだろ?」

互いの目の色を例えを交えて言い合う二人の元へルキアがやって来る

 

「何を話しておるのだ?」

「ルキア」

「お互いの目の色のことを言い合ってたんだ」

「目の色を?」

ルキアは二人の言葉に疑問符を浮かべる

リウは今度はルキアの目をじっ、と見詰めた

 

「な、なんだ?」

「……ルキアの目の色って、菫色なんだね」

「菫色?」

「少し薄い紫色の事を菫色って言うんだ

菫の花が咲いているのを見たこと無い?」

「ねえな」

「私はあるにはあるぞ、確かに美しい色だとおもう

しかし、私の目の色は違うとおもうが…」

ルキアは自分の目の色について、菫色は違うと否定する

 

「他にもアメジストにも見えるかな」

「アメジスト?」

「あー…なるほどな

それなら俺もなんとなく分かる」

聞き慣れない『アメジスト』と言う単語に、首を傾げるルキア

 

「ルキアには『紫水晶』って言えば判るかな?」

「ああ、こちらではアメジストと言うのだな

確かに綺麗なものだが…見えるか?」

紫水晶と言われ納得し、たずねると

 

「見えるよ、透き通った綺麗な紫だ」

「私の眼は透き通ってはおらぬ」

「でも、綺麗なのは違いないよ」

「そ、そうか…ありがとう」

ルキアはリウの言葉に照れながらも礼を言った

一護は笑い合うリウとルキアを、ただ優しげな目で見詰めていた

 

 

 

 

???side

 

ったく、隊長も人使い荒いぜ

『現世で確認された正体不明の霊圧を調査してこい』って、仮にも俺副隊長だぜ…まあいい、一護とルキアにも聞いてみるか

あいつらなら何か知ってるだろうしな

 

「早くしろ!」

「すいません!」

「あんた、一護達に会えるからって浮かれてるんじゃないの?」

「松本、お前も人の事言えねーだろうが…」

「たいちょぉ、良いじゃないですかー」

金髪の女性を、銀髪の白羽織を着た少年が冷たい霊圧を放ちながら睨む

それに、金髪の女性は自らの上官をなだめていた

しばらくして…

 

「行くぞ、お前ら」

「「はい!」」

赤髪の男は銀髪の十の数字を背負う少年と、金髪の女性と共に、現世へ向かうために穿界門をくぐった

 

 

 

???side

 

ふふ、どうやら現世でかなりの大きさの霊圧が発生したようだね…面白い

 

「どうかしはったんですか?…えらく嬉しそうですけど?」

「ん?ああ、現世で大きな霊圧が発生したようでね

面白くなりそうだと…そう思ったんだ」

「どうなさるのですか?」

「今は様子見にしよう、どう成長するのか楽しみだ」

静寂と闇が支配する世界で、玉座に座る男と、その側に立つ二人の男はそう会話を交わす

その会話が終わるとその場は、再び静寂と闇に支配された




どうでしたか?


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