一護side
龍のやつ恋次と模擬戦なんて大丈夫なのか?
「龍、大丈夫なのか?
恋次は強えぞ、卍解も会得してるからな」
「一護!何で教えるんだよ!?」
一護はリウを心配し、恋次が卍解を会得していることを教え、恋次は自分の事を教えた一護に怒鳴った
しかし、リウは二人の話しを聞いておらず冬獅朗を見つめていた
「日番谷隊長殿」
「何だ?」
「名前でお呼びしても構いませんか?」
「…良いだろう」
リウは冬獅朗を名前で呼んで良いかをたずね、冬獅朗はしばらく迷っていたが、やがて了承した
「冬獅朗が名前呼びを許すなんてな」
「うるせえぞ黒崎」
俺には日番谷隊長だっていうのにな、と一護が呟くと、自分を睨んでくる冬獅朗に一護は肩を竦めた
「冬獅朗、一つ言い忘れていたんだけど…」
リウはそう言うが、次になんと言えばいいのか迷っているようだった
「俺の過去は、ルキアからある程度聞いているんだよね?」
「ああ」
リウの質問に冬獅朗は答え、リウはそれを確認すると頷き話す
「俺は…俺が生きているのに死神の力に目覚めたのは、婆ちゃんが死神だったからなんだ」
突然のリウの告白、それを聞いて三人の目を見開く
「まさか、身内に死神が居たとはな…お前の祖母の名は?」
「
でも、お婆ちゃんが死神として尸魂界に居たのはかなり昔の話しらしいから
…でも、尸魂界で昔から隊長を務めている人なら解るはず
…確か、山本元柳斎重國総隊長さん、卯ノ花烈四番隊長さん、京楽春水八番隊長さん、浮竹十四郎十三番隊長さん
今言った四人は多分、お婆ちゃんが死神だった時から隊長だったと思うから」
「何故、教えていない隊長格の名を言える」
「私が教えたのです
斬魄刀についてと、いまの護廷十三隊の隊長格について教えてほしいと言われたので」
冬獅朗の疑問にルキアが答え、冬獅朗が一護の方を向くと一護も頷き、そうだと返す
「報告することが増えたな…阿散井」
「はい」
「まとめて報告する事にする
何処か戦っても平気な場所に心当たりはないか?」
冬獅朗はそう言うと全員を見渡す、すると
「あるぜ、良いところがある
恋次は知ってるだろ?」
一護の言葉に恋次は首を傾げるが、次に一護が言った場所に恋次もそうかと頷いた
龍side
「浦原商店?
そこに戦う場所があるの?」
リウは先程、一護の部屋で聞いた場所の事をたずねていた
「ああ、まあな
そこの店長は元死神で、十二番隊隊長だったんだ」
元隊長か…でも何で現世にいるんだろう?
「着いたぜ、ここが浦原商店だ」
一護達六人は浦原商店に着いていた
普通の人間には冬獅朗達三人は霊体の為、一護、ルキア、リウの三人しか見えないが…
「駄菓子屋?」
リウは店を見て首を傾げる
一護はリウの反応に苦笑し、店に向かい声を上げた
「浦原さーん、いるかー?」
少しすると、店から帽子を被り、羽織を着て、下駄を履いている男…浦原喜助が現れた
「こんにちは、黒崎サン
今日は何の御用で?」
「ああ、勉強部屋借りたくてよ…いいか?」
「構いませんが…何のためっスか?」
浦原は、突然勉強部屋を借りたいと言った一護に理由をたずねる
「こいつと恋次が模擬戦するんだ
それで、おもいっきり戦える場所がここしか思い付かなくてよ、だからだ」
「成る程、その方は?
初めてお会いしますね」
浦原はリウを見て一護に聞くと、一護は自分の後ろに隠れるようにいるリウに、名前を言うよう促す
「…龍と言います
よろしくお願い、します」
リウは顔だけ出して浦原に名を名乗ると、すぐに一護の後ろに隠れてしまった
「アタシ嫌われてるんスか?」
「すまぬ浦原、この子は少し訳ありでな
人と関わる事を恐れておるのだ」
苦笑しながら、リウに関して軽く説明するルキア
浦原はそれを聞くと納得したようで、深く追及してはこなかった
「そういう事っスか
分かりました、こちらへ」
浦原は皆を店の中に招き入れる、と畳を一畳裏返した
梯子?何で梯子があるんだろう?
地下室でもあるのかな
「一護、この下なの?」
「ん?ああ、そうだ、この下に馬鹿デケェ空間があって、そこなら思い切りやれるからな」
一護はそう答えると、死神化して穴を飛び降りていく
ルキア達も続き下に降りていった
この下に地下室が…俺も飛び降りて平気かな?
『平気だろう
もしもの時は霊子で足場を作ればいい』
-なるほど、それもそうか
ありがとう覇竜
『気を付けろよ』
内なる二人と会話しながら、地下へいくために入口に近づくと、浦原がリウに話しかけた
「リウサンでしたね
貴方は何者なんスか?」
「…死神の力に目覚めた人間
これでは納得していただけませんか?」
突然話し掛けてきた浦原に驚いたが、それを表には出さず、リウはチラッと浦原を見て答えると地下へと飛び降りていった
浦原はそれを聞くと帽子を深く被り直し、奥へと戻っていった
一護side
相変わらず馬鹿デケェ空間だぜ
一護達は地面に着くと、梯子を使い降りてくるであろうリウを待っていた
「一護、あいつ本当に戦えるのか?」
「ああ、俺達が苦戦したあの虚を倒してたからな
龍が力に目覚めなかったら、俺達は虚を倒すどころか逆にやられてた」
「そうだったのか」
恋次との会話を終えると、一護は再び梯子の方を見る
しかし梯子を降りてくると思っていた五人は、梯子を使ってではなく飛び降りてきたリウに驚愕する
馬鹿か!?あれじゃあいつ怪我じゃすまねえぞ!!
しかしリウは器用に霊子を使ってふわりと着地し、自分達のもとへ駆けてくる
「馬鹿かてめぇは!危ねえだろ!!」
恋次は、一護と違い肉体のままで飛び降りてきたリウに怒鳴る
「俺は死神化は出来ない
でも肉体のままでも斬魄刀を使えるし、霊子を使って空中に立ったり出来るから」
「鬼道は使えるの?」
リウは乱菊の言った『鬼道』という言葉に首を傾げる
「ルキア、鬼道って何?」
「ん、鬼道?何故鬼道の事を知りたいのだ?」
ルキアは突然鬼道について聞いてきたリウにたずね返すと、松本副隊長さんが言ってたと言う
「鬼道とは死神が使う呪術の事だ
主に攻撃する時に使う『破道』
相手の動きを封じたり、破道を補助したり、伝令する時などに使う『縛道』
この二つとは別に自身の霊圧を用いて相手の傷を癒す時に使う『回道』
これらの総称を鬼道という
あの虚との戦いの時に、一度だけ使ったぞ」
「確か…蒼火墜だったよね?」
ルキアが使っていた鬼道の名前を思い出したずねると、ルキアはそうだと言って肯定した
「鬼道には一つ一つに、必ず詠唱が存在する
回道だけは無いが、破道と縛道にはそれぞれ一番から九十九番まであり、そのすべてに詠唱がある
あの時は詠唱して蒼火墜を撃ったが、詠唱破棄という詠唱をせずに名前だけを言い、放つこともできる
しかし、詠唱破棄をして鬼道を使うと詠唱して放つよりも威力は弱くなる
…その為、詠唱破棄で放った鬼道に後から詠唱を唱えて、威力を高めたりする方法を後述詠唱という」
ルキアの鬼道についての説明を、リウは頷きながら聞く
相変わらず、死神の力の事になると夢中になるなぁリウのやつ
まあ、ルキアもまんざらでも無さそうだしな
龍side
鬼道か…俺も使えるのかな?
「まだ聞きたそうだが、後で教えてやろう
恋次のやつがそろそろ、我慢の限界だろうからな」
ルキアはそう言うと、説明を終える
「一度試しても良いかな?」
リウはそう言い、全員を見渡す
五人は肯定を示すため頷いた
-えっとどこが良いかな?
『あの岩が良いんじゃないか?』
-そうだね
莉鷹の示した岩を見て、リウはルキアが使った鬼道『蒼火墜』の詠唱を思い出し、唱える
「君臨者よ
血肉の仮面・万象・羽搏き・ヒトの名を冠す者よ
真理と節制
罪知らぬ夢の壁に僅かに爪を立てよ
破道の三十三!蒼火墜!!」
リウは言い終わると同時に岩に掌を向ける
すると、リウの掌から蒼い炎が放たれ岩を砕いた
「マジかよ…」
しばらくの間、驚きで誰も声を発せず無言が支配していた勉強部屋だったが、一護が感想を述べたため一気にリウの側に全員が駆け寄る
「お前鬼道使えるのかよ!?」
「凄い威力じゃない!」
恋次と乱菊に迫られ、怯えてしまったリウは一番近くにいたルキアの背中に隠れる
「まさか一度で成功するとはな…よくやったぞリウ」
ルキアは自分の所に避難してきたリウを誉め、頭を撫でる
そこに一護も来て、ルキアと同様にリウを誉めた
浦原side
ズウゥゥーン
おや?地下で何かあったんスかねぇ
ここまで衝撃が届くなんて、余りないんスけど
「店長」
「様子を見てきます
店番頼みますね、鉄裁」
浦原は店番を握菱鉄裁に任せると、自身は先の衝撃の原因を探るために梯子を降りていった
一護side
すげえ威力だったな、龍の蒼火墜
…他の鬼道も教えれば出来んじゃねえか?
「皆さん、何かありました?
上にまで衝撃が届いてきたので、心配したんスよ」
浦原は梯子を降りきると、瞬歩で一護達のもとへ来て声をかける
「マジか浦原さん、上まで衝撃が届いてたのかよ…」
一護は浦原の言葉を聞き、リウを見る
それは他の全員も同じだった様で、浦原以外の全員に見詰められたリウは動揺してしまい、浦原の背に隠れてしまった
「もしかして、この子ッスか?さっきの衝撃の原因は」
「ああ、鬼道の事を教えて、試しに先日の戦闘で使った蒼火墜を試してみたら、あの威力だ」
浦原の疑問にルキアはそう言うと、リウが蒼火墜を放った岩があった場所を指す
その岩があった場所は、岩は粉々に砕かれており、大きなクレーターができていた
「詠唱で放ったせいでもあるだろうな
だが、慣れていない状態で詠唱破棄をすれば暴発の危険もある
詠唱して撃ったのは正解だったな」
冬獅朗は冷静に分析していた
リウは自分の掌を見詰め、そして自分が放った蒼火墜によりできたクレーターを見詰めている
龍side
詠唱するとあれだけの威力なんだ…
詠唱破棄だとどれくらいの威力になるんだろう?
『試してみるか?
霊圧は今回私達が制御する、次からは自分の意思で制御できるな?』
-うん、ありがとう二人共
『『気にするな』』
リウは瞑目して内なる二人と対話していたが、終わると目を開けて、今度は先程よりは小さいが、それでもかなりの大きさの岩を見付けるとその前に立った
「龍、何するつもりだ?」
岩の前に再び立ったリウに一護が声をかける
リウはそれに答えずに掌を岩に向け、言霊を唱える
「破道の三十三、蒼火墜!」
リウの放った鬼道は先程よりは威力が弱いものの、岩を砕くには充分過ぎる威力だった
『感覚は解ったか?』
-何となくだけど掴めたよ
これからは自分で制御できると思う
『そうか、良かった』
皆が呆然としている中、リウは全員の方を向いた
「ごめんなさい、もう大丈夫です
阿散井副隊長さん、やりましょう」
リウは鬼道の確認を終えると、恋次の方を向き模擬戦を始めようと言う
恋次はそれを聞くと、好戦的な笑みを浮かべ了承した
「一応、時間を決めておきますか?」
浦原は距離を置き、向き合って対峙している二人にたずねる
「いや、いいッス
相手が降参するまでで」
「俺も構いません
鬼道、卍解もありで良いですよね」
リウは恋次に確認する
「ああ、手加減しねえぞ」
恋次は笑みを浮かべながら斬魄刀を抜く
リウはそれを見ると目を閉じ、覇竜を出現させる
そして目を開いた時、リウの瞳は鋭い光を宿していた
「(すげえな、人が変わったみてえ)」
恋次はリウから意識的に放たれている攻撃的な霊圧を受け、自身も霊圧を解放する
「では……始め!!」
浦原の合図の直後、二人の姿が掻き消える
次の瞬間には、二人の斬魄刀が交差し火花が散っていた
冬獅朗side
本当にあいつは人間か?
今のは間違い無く瞬歩だ…あいつは、リウは一体…?
「相変わらずだな、龍のやつ」
「そうだな、まさか瞬歩に追い付くとは」
どういうことだあれは瞬歩じゃねえのか?
「黒崎、あいつのアレは瞬歩じゃねえのか?」
「いや、違うぜ
あいつは育った環境が自然の中で、遊び相手が野生の動物達だったらしいんだ
だからなのか、あいつの…龍の身体能力はかなり高い
今のも、瞬歩じゃなくてただ思い切り踏み込んだだけだと思うぜ
…まあ霊子操作で空中に立ったり出来るんだから、瞬歩ができても不思議じゃねえけどな」
冬獅朗の問いに、一護は笑みを浮かべ説明を交えながら答えた
身体能力が高い?それだけで死神の瞬歩に追い付くってのか
それに、見る限りあいつは本気を出していないように見える
…あいつの力はそれだけ強いってことか
高速で交わされる剣激を、皆はただ黙って目で追っていた
龍side
やっぱり、強い!
とにかく少しでも動きを封じないとこっちが持たない
リウは恋次の次々に繰り出される攻撃に、防戦一方で自分から攻めることが出来ないでいた
「おらおら!どうした!てめぇの力はそんなもんなのか!」
「うるさい!
破道の三十三!蒼火墜!!」
「うおっ!」
恋次の挑発に、苛立ちを感じたリウは恋次の刀を弾き、鬼道を使って動きを封じる
「おもしれえ!卍・解!!狒狒王蛇尾丸!」
霊圧の渦から現れた恋次は狒狒の皮を纏い、斬魄刀は巨大な骨でできた蛇のような形状になっていた
!!…あれが…卍解
凄い霊圧だ…霊圧だけで恐怖を感じてしまう
…でも、負けられない!!
「そっちがそう来るなら、良いよね覇竜」
『ああ、見せてやれ、お前の力を…白銀の神龍の力を受け継ぐ者よ』
-!?…やっぱり気付いてるよね何時から…いや最初からかな
『ああ、私はお前に宿る龍の力の具現だ
お前が私を見て懐かしいと感じたのはそのせいだろう
…そして、私は斬魄刀ではない
斬魄刀の姿を取ってはいるが、私自身は斬魄刀ではない
いつか、お前が死神となった時は、お前自身の斬魄刀を目覚めさせろ』
-そっか、ありがとう
斬魄刀ではなくても、力を得られた…それだけで充分だよ
…ねえ莉鷹
『何だ?』
-虚化って卍解したままでも使える?
それとも卍解は卍解、虚化は虚化って個々で独立しているの?
『独立している、だが…いや、まだ早いか
時が来れば教えてやる』
-…気になるけど、いつか教えてね
『分かっている
…さあ見せてやれ、お前の実力を
俺も楽しみにしている、存分にやれ』
「卍解!!」
リウの解号で覇竜が白銀に輝くと、霊圧の嵐が巻き起こりリウの姿を隠す
しばらくして霊圧が収まるとリウの姿が現れ、リウの姿を見て、その場にいた全員が驚愕する
リウは髪の色が白銀になり、長さも少しだけだが伸びていて、瞳の色は鮮やかな緑色で瞳孔が爬虫類のように細長くなっていた
両腕も白銀の鱗に覆われているが、最も目立っているのはその背中で、ドラゴンのような翼が生えている
服装は一護の卍解した死覇装に酷似しているが、斬魄刀は始解の状態と変わらなかった
「
リウは卍解の名を言うと、鋭い眼光を放つ眼で恋次を見据える
鋭い眼光を放っているリウを見て、恋次は冷や汗をかく
「(おもしれえじゃねえか)行くぜ!リウ!!」
「来い!!阿散井恋次!!」
恋次の声にリウは迎え撃つ形で応える
恋次は狒狒王蛇尾丸を奮い、リウは覇竜を眼前に構え受け止める
ぐっ!なんて力だ…!堪えきれない!
「ぐあぁっ!」
リウは咄嗟に覇竜で衝撃を受け流すも、流しきれずに吹き飛ばされる
「まだだ!狒骨大砲!!」
恋次が狒狒王蛇尾丸に霊圧を籠めると、蛇の口腔内が赤く輝く
「!?…くっ、竜王破!!」
リウは蛇尾丸から放たれた狒骨大砲を相殺するために、咄嗟に竜王破を放つ
しかし、充分に霊圧を籠められなかったらしく威力を多少弱める程度にしかならなかったため、狒骨大砲はリウを呑み込んでいった
一護side
「龍!!」
威力を弱めていたとしても、狒骨大砲をまともに受けてしまったリウを見て、全員が恋次の元へ駆ける
「恋次貴様!リウを殺す気か!!」
ルキアは恋次の胸ぐらを掴み詰め寄る
「そんなに霊圧は籠めてねえけど…
とにかくあいつの所に……!?」
恋次はリウの元へ行こうと全員に言うが、それを言い終わる前に何かの気配を感じ取る
何だこの霊圧…これは、虚!?
『みてえだな』
-双破、龍が虚化したってのか?
『ああ、だがこの感じだと、意識は莉鷹のもんだろうな』
-龍は意識を失ってるってのか?
『恐らくな…で、龍の意識が戻るまでの間、あいつが阿散井…だっけか?
そいつと戦うつもりなんだろ』
-なるほどな
つまりまとめると恋次の攻撃で龍が気を失っちまったから、目覚めるまでの間、莉鷹が代わりに恋次とやり合うってことか
『ああ、そういうこった
もう一つ言うなら、莉鷹はあいつの攻撃を防ぎはするが、莉鷹から攻撃することはねえだろうけどな』
-この戦いが、龍と恋次の戦いだからか?
『そういうこった』
-なるほどな
サンキュー、双破
『別にたいしたことじゃねえよ』
双破との会話を終えた一護は、自分達の元へと向かってくる歩いてくる人影を見詰める
砂煙が晴れその姿が現れると、一護とルキア以外の者達は驚愕の表情をしていた
現れた人物にはもはやリウの面影は無く、全くの別人だったからだ
「よう、莉鷹」
「「「「リオウ?」」」」
恋次、冬獅朗、乱菊、浦原の四人は一護の言った言葉に疑問を持ち、説明を求めるために一護とルキアを見る
「な、何だよ?」
「黒崎、アイツは何者だ?
何故虚の霊圧を放っている」
疑問を浮かべている四人の代表として、冬獅朗が一護にたずねる
「あいつは…莉鷹は、龍の内なる虚だ」
「まさか、虚に名を与えたというのか?」
「ああ、龍は俺の内なる虚にも名を付けたんだぜ
な、『双破』」
『ああ、突然俺達の世界、つまり一護の精神世界に現れたと思ったら、俺に名を付けたんだ
名の意味まで考えてやがった』
冬獅朗の質問に答え、自らの内に住まう者の名を呼ぶ
その声に答え、説明をしながら白黒反転した金色の瞳に獣のような獰猛な光を宿している、一護から色を無くしたような、一護と瓜二つの少年が彼の傍らに現れた
『初めましてだな死神共
俺の名は双破、王の…一護の内に住まう者だ』
双破は一護と莉鷹以外の全員に殺気を放ちながら、威圧的に名を名乗った
『続けるぞ、阿散井恋次
我が王の意識が戻るまでの間、俺が貴様の相手をしよう』
「上等だぜ」
莉鷹の威圧的な霊圧を受け、恋次は気を引き締め直す
恋次side
莉鷹は恋次の攻撃を自らの斬魄刀で受けながら、リウの意識が戻るまで時間を稼ぐ
「どうした!手も足も出ねえのか?」
恋次は全く攻めて来ない莉鷹に苛立ちを感じ、挑発する
『あくまで俺は王の代理だ
言ったはずだ『我が王の意識が戻るまでの間、俺が貴様の相手をしよう』とな
これは王…龍と貴様の戦い、俺が戦っては意味がないだろう?』
「なるほどな…だが関係ねえ!
吼えろ!蛇尾丸!!」
莉鷹の言葉に納得する恋次だったが、それでもいいと言うように蛇尾丸を奮う
『愚かな』
莉鷹は恋次の攻撃に目を細め、斬魄刀を眼前に構えると鋒を恋次に向ける
するとその刀身が、闇よりも深く暗い輝きを放ち始めた
『
莉鷹が一言そう言うと、斬魄刀の鋒から高密度の霊圧が放たれる
「なっ?!くそっ!狒骨大砲!!」
恋次は蛇尾丸に更に霊圧を込めて虚閃を相殺していく
やがて二つの閃光は爆発を起こし、発生した煙が全員の視界を遮った
くそっ、あいつはどうなった?
これじゃ何も見えねえ!
莉鷹side
砂煙で何も見えんか…
だがそれは向こうも同じはず
『…!(気が付いたのか?龍)』
-うん
体、任せてごめん
『(気にするな、もう大丈夫なのか?)』
-大丈夫だよ、交代してくれる?
『(ああ、俺はお前の代理のようなものだったからな、奴と戦うのは俺ではない、お前だ
見ているぞ、お前がどのような戦いをするのかをな)』
-わかった、任せて
退屈はさせないから
『楽しみにしている』
莉鷹はリウに身体の主導権を返し、精神世界に戻ると楽しげな声で言った
龍side
気を引き締めないとな
もうあれは食らわない、必ず勝つ!!
「お待たせしました阿散井さん
もう負けません、俺は…貴方を倒す」
リウは意識的に霊圧を発しながら恋次を見据える
その目には、強い光と覚悟の炎が宿っていた
「上等だ、こっちも本気でやらせてもらうぜ」
「ええ」
短いやり取りを終えると、二人の姿が掻き消える
刹那、両者の剣が激しくぶつかり合った