死神代行と血を継ぐ者(凍結中)   作:焔月

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すみませんでしたぁ!!

全く持って執筆が進まず、部活の大会や試合等があり、書く時間がありませんでした。

忘れてしまっている方もいるかもしれませんので、少しだけおさらいです。

謎の霊圧の調査に来た冬獅朗、乱菊、恋次の三人
その霊圧の正体が龍だと知り、色々話す内に龍の実力がどれ程のものなのかを知るため、恋次と模擬戦をすることに…


暴走

龍side

 

高速で動き、刃を交えては離れ、交えては離れを繰り返し、何度か刃を交えると二人は互いに距離を取った

 

『お前が求めるならいくらでも力を貸す

私の力はお前のものなのだからな』

-覇竜、ありがとう

 でも一度、俺の力がどれだけあの人に通じるか知りたい

『そうか、なら必要になったら呼べ、力を貸す』

-うん、ごめんね

『気にするな』

覇竜との会話を終え、会話のために向けていた意識も全て恋次へと集中する

 

両者の間にに流れる空気は張り詰めており、二人の戦いを五人もまた沈黙し見届けていた

 

「君臨者よ

血肉の仮面・万象・羽搏き・ヒトの名を冠す者よ

真理と節制

罪知らぬ夢の壁に僅かに爪を立てよ」

リウは恋次に聞こえぬように、小さく詠唱する

詠唱が終わると同時に恋次を見据えると掌をむける

 

「破道の三十三!蒼火墜!!」

「!?おわっ!!」

突然リウから放たれた蒼火墜を恋次は瞬歩で避ける

 

「あぶねえ、あぶねえ」

冷や汗を流し蒼火墜により出来たクレーターを見る恋次は、少しだが息を切らしていた

 

「流石に、正面からじゃ避けられるか…」

「悪くはねえぜ、不意を突かれたからな」

リウが小さく呟いた言葉に恋次は答える

 

「行くぞ、リウ!!」

「!?くっ……!」

恋次が蛇尾丸を振るうとリウに向けて迫ってくる

咄嗟に覇竜と自らの翼で防御し、衝撃を和らげる

 

「ガアアアァァッ!!」

リウは人とは思えぬ雄叫びを上げ、蛇尾丸を弾く

恋次は蛇尾丸を振るうと自らの元へ戻した

 

 

『ククク…ヤットダ

待ッテイタゾ、コノ時ヲ!!

サア、オ前ノ躯ヲ貰ウゾ!小僧!』

 

 

「グ…ガアァ…アァ…ガアアアアアァァァァッ!!」

突如、頭を押さえながら苦しげな雄叫びを上げるリウ

それを見た一護達は、ただ見詰めることしか出来なかった

 

「グルルル」

しばらくして、だらりと腕を下げたリウは獣のような唸り声を上げ、恋次を睨む

恋次を睨み付けるリウの目にはもはや理性は無く、本能のままに動く獣も同然だった

 

 

 

 

一護side

 

リウ…!

一体どうしたってんだ、まるで…

 

「ルキア、龍のやつ一体どうしたってんだ?」

「わからぬ、だが、まるで獣のようだ

理性を感じられぬ」

ルキアも一護の問いに答える事が出来ず、戸惑っていた

 

『相棒!今すぐ龍を止めろ!!』

-!どういうことだ、双破!?

『今のあいつは暴走仕掛けてる

このままだと危険だ!』

-なっ…!本当なのか!?

『こんな時に嘘なんかつくか!急げ!!』

一護は双破の慌てぶりに本当なのだと悟る

次の瞬間、一護は瞬歩で掻き消えリウと恋次の間に割って入った

 

「!一護!?」

恋次は突然目の前に現れた一護に驚き声を上げる

 

「恋次!今の龍の様子がおかしいのに気付いてるだろ!?

龍を止めるぞ!!」

「解った!」

恋次もリウの様子がおかしい事に気付いていたため、一護の言葉に同意した

 

「グルルル」

「龍!正気に戻れ!!」

「ガアアアアアッ!!」

リウは一護の呼び掛けにも反応せず、無造作に右腕を振るい竜王破を放つ

 

「!?月牙天衝!!」

「狒骨大砲!!」

二人は自分達に放たれた竜王破を相殺するため、技を放つ

一護の月牙天衝と恋次の狒骨大砲が、リウの竜王破とぶつかり合う

三人の霊圧がぶつかり相殺し合い、やがて爆発した

 

どうなった?龍は…

 

『後ろだ!一護!!』

「!!」

「ガアアアッ!!」

双破の声で反射的に振り向くと、すでにリウが覇竜を振るっていた

 

「ぐあぁっ!…かはっ…!」

咄嗟に斬月で防御するが防ぎきれず、吹き飛ばされた一護は岩に激突し、意識を失ってしまった

 

 

 

 

恋次side

 

「一護!?ぐうっ!!」

「ガアッ!」

意識を失った一護に興味を無くしたのか、リウは今度は恋次に襲いかかる

 

「縛道の六十三!鎖条鎖縛!!」

「雷鳴の馬車、糸車の間隙

光もて此を六に分かつ

縛道の六十一!六杖光牢!!」

リウに冬獅朗が詠唱破棄で『鎖条鎖縛(さじょうさばく)』を、ルキアが『六杖光牢(りくじょうこうろう)』を詠唱で放つ

 

「ガアアアアァァァッ!!」

六十番台の鬼道を二つ同時に掛けられ、リウは絶叫を上げる

 

「一護!!」

ルキアはリウに鬼道を掛け終わると、気を失っている一護の元へ駆け寄る

一護の顔色は悪く、さらに額から血を流していた

 

「一護!しっかりしろ!一護!!」

一護を傷に障らない程度で身体を揺すり、呼び掛けるルキア

しかし、一護は岩に激突した際に脳震盪を起こしたのか、目覚める気配は無かった

 

「グガア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ァッ!!」

拘束を破ろうと、痛みに絶叫しながら身体に力を込めるリウ

その際に溢れ出る霊圧で光の帯が砕けていき、鎖に罅が入る

 

「ガアアアァァァァッ!!!!」

リウが一際大きな咆哮を上げたとき、リウを縛っていた縛道は、硝子が割れるような儚い音をたて砕け散った

 

「グルルル」

縛道を力ずくで破ったリウは、自分を拘束した冬獅朗とルキアを睨み付ける

その目は、獲物を狩ろうとする獣のものだった

 

 

 

 

龍side

 

ここは、一体…?

何も…何も見えない

!…意識が、遠退く…!

一護…ルキア…

 

 

 

 

ルキアside

 

「一護!目を覚ませ、一護!!」

ルキアは意識を無くしている一護に必死に呼び掛けるが、そんな二人にリウが襲いかかろうとしていた

 

「逃げろ!ルキア!!」

「!?」

「ガアアアッ!!」

恋次の声に振り向くが、ルキアが気が付いたときにはもう、リウは目前まで迫っていた

ルキアは咄嗟に、一護を護るように抱きしめた

 

このままでは…一護…!

 

ドクンッ!!

 

突如ルキアの耳に、何かが脈打つような音が届く

次の瞬間、霊圧の嵐が吹き荒れ一護と共にルキアの姿が隠れた

 

『ったく、だらしねえなぁ』

霊圧の嵐が収まると、ルキアを脇に抱えリウの刃を斬月で受け止める一護の姿があった

しかしその姿は一護と似て非なるもので、一護から色を無くし、そして金色の瞳には獣のような獰猛な光を宿している

 

「双破!?」

『よぅ死神、さっき振りだな』

「ああ、そうだな…ではなく!!

なぜお前が出てきておるのだ!一護はどうした!」

呑気な双破に、脇に抱えられた状態で怒鳴るルキア

双破は覇竜を弾きリウを腹を蹴って距離を取ると、一護の斬月とは色が反転している斬月を持っている右手で、耳を塞ぎながら言う

 

『デケェ声出すな、一護になら斬月が付いてる

さっきのでかなりダメージを受けたみてぇでな

暫くは目を覚まさねえよ』

「そうか…だが無事なのだな?」

『ああ』

短い、だが無事なのだと肯定され、ルキアは安堵の息を漏らす

 

一護、早く目を覚ませ…双破だけではリウを目覚めさせる事はできぬ

リウを呼び戻すのに一番適しているのは、お前なのだぞ…!

 

 

 

 

一護side

 

『…ご……ちご…い…ご』

 

うっ…なん、だ…声が聴こえる

 

『いちご…一護』

「ううっ……ざん、げつ?」

『ああ、私だ』

目覚めたばかりでまだ意識がはっきりしていない一護に、斬月は優しく応える

 

「ここは…?俺の心の中じゃねえよな」

辺りを見回し、自身の精神世界とは真逆で深い森の様な場所について斬月にたずねる

 

『ここは、龍の精神世界だ』

「龍の…?ぐっ!」

『急に動くな、傷が開く』

リウの精神世界と聞き起き上がろうとするが、頭を押さえて倒れ込んでしまい斬月に支えられる

 

「そうだ…俺、龍に…」

気を失う前の事を思い出し、一護は強く拳を握る

 

『黒崎一護』

「!…覇竜」

突然、覇竜が一護と斬月の目の前に現れ、一護は驚き目を見開く

一方斬月は、覇竜が現れるのが判っていたらしく冷静だった

 

『驚かせてしまったか?だが、事は一刻を争う

詳しく説明している時間はない

龍が今、我を無くし暴走しているのは知っているな?』

覇竜はそう言うと一護を見る

一護は何も言わずに頷き、覇竜はそれを確認すると話し始めた

 

『今龍が我を無くしているのは、急激な霊圧の上昇にあの子の身体が耐えきれなくなったからだ

龍の意識は、暴走した霊圧によって完全に押さえられてしまっている

その為に獣も同然の状態になってしまっているのだ…』

「じゃあ、龍を止める方法は無いのか?」

『いや、龍を倒せば暴走も止まる

例え倒せなかったとしても、動けなく出来れば良い

私と莉鷹とで幾らかは霊圧を抑えられるが、殆ど効果はない

黒崎一護、龍を止められるのはお前だけだ

どうか…どうか龍を……あの子を助けて欲しい、頼む』

覇竜は一護に頭を下げて懇願する

それを見て一護は

 

「当たり前だ、龍を助けたい気持ちはみんな同じなんだからな」

覇竜に頭を上げてもらい、微笑んで答えた

 

『済まない……そろそろ送ろう

今、お前の身体は双破が護っている、龍と戦いながらだが…

斬月殿、黒崎の中に戻ってくれ、その方が送りやすい』

『承知した』

覇竜の言葉に頷き、斬月は一護の中に戻る

斬月が戻ると覇竜は手を一護に向ける、覇竜は辛そうな表情をしていた

 

「覇竜、龍は必ず俺達が止める、だから心配すんな」

辛そうな表情をしていた覇竜に、一護は安心して欲しいと、必ず元に戻すからと誓うように言う

それを聞いて覇竜は僅かに目を見開くが、やがて任せると言って一護を現実へと帰した

一護は精神世界から消える直前に

『信じているぞ、一護』

と言う覇竜の声を聞いた

 

 

 

「ん…戻ってきたのか?俺」

一護が目を開くと、そこは見慣れたビル群だった

 

『一護』

「斬月…戻って来たんだな、俺

…そういや、双破は?双破のやつ向こうで出てこなかったけど…?」

『あやつなら、今表に出ている

お前の身体を戦いながら護っているぞ』

一護の質問に斬月は空を見上げながら答える

 

「そうだったな、なら…双破ー!」

一護は斬月と同じように空を見上げると、双破の名を呼んだ

 

 

 

 

覇竜side

 

頼む、一護

龍を…闇から解き放ってくれ

 

『莉鷹、さっさと片を着けよう

少しでも多くこの闇を祓わねばならん』

『当たり前だ……とっとと消え失せろ!!』

一護と斬月が去った後、二人を取り囲むように黒い靄が現れる

覇竜と莉鷹は背中合わせになり、自分達を取り囲む靄を祓う為迎え撃った

 

何故、今になって奴が…

あの時、()の中に入り込んだとでもいうのか

ずっと…甦る時を待っていたというのか!影狐(ようこ)

 

 

 

 

双破side

 

ルキアを下ろし、全員から距離を取ってリウと戦っている双破

リウを傷付けぬよう手加減しながら戦っているのだが、元々手加減するのが苦手な為、攻めきれずにいた

 

やりにくいったらありゃしねぇ

力の加減を間違えちまったら、俺の力じゃ龍を殺しちまう

…まだか、一護

 

―双破ー!

『(ん?相棒か?戻ってきたのか)』

―ああ、わりいけど交代してくれねえか?龍を止める

『(そうしてえんだがな、少し待ってくれ

その龍と、交戦中だから、よ!)』

双破はリウと刀を交わしながら、一護と話す

少ししてリウから距離を取ると、双破から霊圧が溢れ姿を隠す

霊圧が収まり姿が現れると、オレンジ色の髪に、ブラウンの瞳である普段の一護に戻っていた

 

 

 

 

一護side

 

よし、戻ったな

 

一護は数回程手を閉じたり開いたりして、身体を確かめる

それが終わるとリウを真っ直ぐに見据えた

 

「行くぜ、龍

俺が…俺達がお前を止める!!」

「ガアアアアァァァッ!!」

一護の声を聞き、まるで無駄だと言うかのようにリウは雄叫びを上げる

 

「行くぜ、卍・解!!…『天鎖斬月』」

一護は卍解するとリウに瞬歩で迫る

しかし、普段のリウは霊圧探知に長けている

そのリウが、今現在我を無くし獣同然の状態になっているということは…

霊圧探知能力が高まっているだけでなく、本能でも一護の動きを察知しているということだ

リウは一護の動きを読み、剣を避け、弾き、反撃する

一護もまた防がれると分かっていても、攻撃を止めなかった

 

 

 

 

ルキアside

 

一護…

 

「朽木さん、阿散井君!」

「乱菊さーん、冬獅朗くーん」

「浦原さん」

「!石田、井上、茶渡、どうしてここに?」

「アタシが呼んだんスよ」

突然名を呼ばれ、呼ばれた方を向くと雨竜、織姫、チャドの三人がこちらに向かって来ていて、ルキアがたずねると浦原が答えた

 

「事情は浦原さんから全部聞いてるよ、僕達も協力する」

「リウ君は私達の友達だもん!」

「ム…」

「…」

浦原から事情を聞いているといわれ、何も言えなくなってしまったルキアだったが、我に帰ると三人を見渡し…

 

「力を貸してくれ、リウを止める

一護だけに戦わせる訳にはゆかぬ」

「「「ああ(うん)!」」」

三人は当たり前だと言うように返す

 

「行くぞ!!」

「「「はい!」」」

「うん!」

「「ああ」」

冬獅朗が声をかけると、皆返事をして二人の元へ走り出す

 

「アタシらも行きましょうか、夜一サン」

「そうじゃな」

浦原はいつの間にか隣に現れた夜一に声をかけ、共に走り出した

 

 

「舞え『袖白雪』!!」

「唸れ『灰猫』!!」

「霜天に坐せ『氷輪丸』!

卍解!『大紅蓮氷輪丸』!!」

「起きろ『紅姫』!」

それぞれの斬魄刀や能力を解放し、高速で戦う一護とリウの元へ駆け出す

 

「僕達も行こう!」

雨竜の声に二人は頷きルキア達を追った

 

 

 

 

一護side

 

このままじゃ、ただ闇雲に時間が過ぎるだけだ

何か良い方法は無えのかよ…!

 

「ガアッ!」

「!?しまっ!」

思考の海に沈んでしまっていた一護に、リウの刃が迫る

 

「リヒトヴィント!」

「「!!」」

突如、無数の光の矢が二人の間に放たれ、リウは咄嗟に飛び退き距離を取ると、矢が飛んできた方を睨み付ける

 

「石田!」

「一護、無事か?」

「夜一さんまで、どうしてここに?」

自分の周りに瞬歩や、走って駆け寄ってくる仲間達に疑問を抱く一護だったが、「喜助から聞いたのじゃ」と夜一に言われ納得する

 

「グルルル」

「本当にリウ君、なの?」

唸り声を上げているリウを見て、織姫が疑問の声を上げる

 

「ああ、信じられねえかもしんねえけどな

…早く龍を止めるぞ」

一護は返事をすると、皆に声をかける

皆が頷いたのを確認した一護は、瞬歩を使いリウに向かっていく

 

「ガアアアァァッ!!」

咆哮を上げ、リウは全員に向かい竜王破を次々と放つ

先頭を駆ける一護が月牙を撃ち相殺していくが、打ち損じたものもそれぞれで撃ち落としていく

 

「おらぁっ!」

「グウッ…ガアッ!」

一護に斬りかかられたリウだが、すぐに弾き距離を取ろうとする

しかし、追い付いてきた他のメンバーに追撃され、防御に徹するしかなくなる

 

「グウッ…ガアアアアァァァッ!!!!」

『!?』

「くそっ!」

「きゃあああ!」

「井上!…うわあっ!」

しばらくの間攻撃に耐えていたリウだったが、霊圧で全員を吹き飛ばした

 

「ぐっ!!(みんな、やられたのか?)」

しかし、一護は咄嗟に天鎖斬月を地面に突き刺して霊圧による衝撃に耐えていたため、彼だけは無事だった

 

 

 

 

織姫side

 

いたたたた~、やられちゃった

咄嗟に『三天結盾(さんてんけっしゅん)』で衝撃を緩和したけど…皆は大丈夫かな?

 

「井上!」

「!朽木さん、無事だったんだね!」

「ああ、他の皆も無事だぞ

怪我といっても皆、掠り傷程度だ」

ルキアと合流し他のメンバーの安否を聞き、良かったと安堵の息を漏らした織姫

 

「黒崎君も一緒なの?」

「いや、一護はリウと戦っているようだ

『あの時の衝撃を、天鎖斬月を地面に突き刺して耐えていたんでしょう』と、浦原は言っている」

「なら、急がなきゃ!」

ルキアから一護がリウと再び交戦していると聞き、二人の元へ戻ろうと促す

 

「落ち着け井上、先に浦原達と合流するぞ」

「…そうだね、わかったよ朽木さん」

ルキアに諭され落ち着きを取り戻した織姫は、浦原達の元にルキアと走っていった

 

 

 

 

一護side

 

くそっ、早く龍を止めねえと…このままじゃ…!

 

「目を覚ませ、龍!!」

覇竜と天鎖斬月が鍔迫り合った時、一護は光の無い濁ったリウの目を見ながら呼び掛ける

 

「ガアッ!」

「ぐっ!…月牙、天衝!」

しかしリウは反応を示さずに一護を弾き飛ばし、一護は追撃をされぬよう月牙を放つ

月牙は一護を追って来ていたリウに当たり、リウの姿は爆発によっておきた砂煙で見えなくなった

 

「はぁ、はぁ…急がねえと、ぐっ!」

リウがいる方を見ながら、一護は立ち上がろうとするが着地の際に足を痛めたようで、一護の顔が痛みで歪む

 

くそっ!足をやっちまったのか?このままじゃ…!

 

「ガアアアアァァァッ!!」

「!!」

だが、そこにリウが向かって来ていて、足を痛めてしまっている一護は回避することができなかった

 

「破道の三十三!蒼火墜!!」

「!!ルキア!…お前ら無事だったんだな!」

蒼火墜でリウを一護から離れさせ、膝をついたまま立ち上がろうとしない一護の元に全員が集まる

 

「たわけ!何故避けようとしなかった!

あのままでは殺されていたかもしれんのだぞ!!」

「わりいルキア、立てねえんだ

さっき龍と鍔迫り合ってやられたとき、足をやっちまったらしい」

ルキアに説明しながらも、痛みで顔を歪めながら一護は立ち上がろうとする

しかし、足が震えるだけで立ち上がることはできなかった

 

「『双天帰盾』!」

織姫は一護の話が終わってすぐ、自らの能力を使い一護を治療する

一護は痛めた足の他にもリウとの戦いで傷を負っていたが、それらの傷も織姫の能力(チカラ)で治っていった

 

「悪い井上、ありがとな」

「気にしないで」

 

急がねえと…

何でかわかんねえけど嫌な予感がする

 

『一護』

-!…双破、どうかしたのか?

『急げよ、龍の魄動が少しずつだが弱まってやがる』

『もはや一刻の猶予も無い』

-なっ?!…後どれくらいだ、龍に残された時間は

『持って…あと半時(30分)程だろう』

『早く止めねえと龍が死ぬ、急げよ相棒』

ー…分かってる、力を貸してくれ二人共

『ああ、往くぞ一護』

『仰せのままに…ってな』

 

 

双破達との会話の際に閉じていた目を開き、リウを見据える一護

その両脇にルキアと恋次が立ち、他のメンバーも後ろや横に並ぶ

 

「行くぞ!!」

『ああ!(うん!)』

一護の声に全員が応え、走り出す

 

「グルルル…グオオオォォォォッ!!!!」

リウは一護達が散開しながら自分に向かって来るのを見て、天を仰いで大きな咆哮を上げると、卍解していて上昇している霊圧を更に上げる

リウの周辺は、彼の霊圧によって地面が耐えきれず、ひび割れを起こしていた

 

「ガアアアアァァァッ!!!!」

しかし、リウはそれを気にせずに更に霊圧を上げていく

勉強部屋にはリウの霊圧が満ち、他者の動きを鈍らせていく

 

「止めろ龍!!

このままじゃ、お前の身体が持たねえぞ!!」

「ガアアアアァァァッ!!」

「龍!!」

一護の声にも最早微塵も反応を示さず、リウは本能的に一番実力が高いと感じた一護に襲い掛かる

 

「ぐっ!!はああああっ!!」

一護はリウの攻撃を正面から受け止め、あまりの斬撃の重さに顔をしかめながらも、負けぬ様にと声を上げながら鍔迫り合う

 

「縛道の六十三、鎖条鎖縛!」

「縛道の一!(さい)!!」

冬獅朗とルキアが同時に縛道を放ち、リウの動きを封じる

 

「グルルル…ガアアアアァァァッ!!!」

動きを封じられたリウは、大気を震わせるほどの凄まじい咆哮を上げる

咆哮と共に高まっていく霊圧により、リウを縛る縛道が粉々に砕け散った

 

「グルルル…!」

リウは自分に掛けた二人を睨み付ける

 

「止めろぉ!!龍ーー!!!」

「ガアアアァァッ!!」

冬獅朗とルキアに襲い掛かったリウを一護が止めようと叫ぶが、リウは冬獅朗とルキアに覇竜を振るう

冬獅朗は肩を、ルキアは冬獅朗が咄嗟に突き飛ばしたが、右腕を深く切り裂かれてしまった

 

「ぐうっ…!」

「うあぁっ…!」

「朽木さん!冬獅朗君!

『双天帰盾』!私は拒絶する!!」

織姫はすぐに双天帰盾を使い二人を治療する

 

「グルッ!?…グヴヴ」

リウは織姫の双天帰盾を見ると後ろへと跳びずさる

リウの目には僅かではあるが怯えがあった

 

?!何だ…?怯えてる?井上の双天帰盾を見てだよな?

!!まさか…

 

「井上!冬獅朗達の治療が終わったら、手伝ってくれ!」

「黒崎君?」

突然、名前を呼ばれた織姫は困惑しながらも一護の名をを呼ぶ

数分後、 冬獅朗達の治療を終えた織姫と、冬獅朗、ルキアが一護の元へ駆けてきた

他のメンバーもリウを警戒しながら、一護達の会話に耳をすます

 

「さっき井上が、お前らを治療するために双天帰盾を発動したとき、それを見た龍が怯えてた気がするんだ

だから…もしかしたらだけど、井上の能力なら龍を正気に戻せるかもしれねえ」

「確証はあるのか?」

「いや、あるとは言えねえけどよ

少しでも可能性があるのなら、俺はそれに賭ける

だから、力を貸してくれ

…龍の……命が尽きる前に」

『!!』

一護が言ったその一言で、全員の表情が凍り付く

 

「黒崎君」

「わりい、でも本当なんだ

さっき斬月と双破が言ってたんだ

龍の魄動が弱まってきてるって、持ってあと半時位だって」

「半時…現世の時間で30分かかなり厳しいぞ

一護、さっきとはどのくらい前だ」

「感覚的には、十五分位前だ」

「十五分か…一護、全力で懸からねば今のリウの動きを止めるのは難しい

だがやらねば、リウが死んでしまうのだろう?」

ルキアの問いに一護は頷く

 

「井上、お前が今回の作戦の重要な鍵だ

俺達が龍の動きを止める、そうしたら龍に双天帰盾を掛けてくれ」

「…分かったよ黒崎君

みんなも、無茶はしないでね」

真剣な目で織姫に頼み、その目を見た織姫は少し考えてから、答えた

 

「龍を止める!行くぜみんな!!」

『おう(了解)!』

再び、一護の声と共に全員がリウへ向かう

 

「ガアアアアァァァッ!!!」

リウもまた大きな咆哮を上げ、自分に向かって来る者達を迎え撃った




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