死神代行と血を継ぐ者(凍結中)   作:焔月

4 / 20
三話目です



拒絶

部屋へと戻った二人は取り敢えず少年の体を拭き、着替えをさせてからベッドに寝かせた

 

 

一護side

 

とりあえず連れて帰って来たけど、なんなんだこいつは?

霊圧をほとんど感じねぇ…

 

「なあルキア」

「ん?なんだ一護?」

少年を見詰めながら、一護はルキアを呼んだ

 

「こいつ、一体なんなんだ?」

「分からん」

即答するルキアに一護は眉間の皺を深めるが、それ以上何も言わなかった

 

わかんねぇのに連れて帰るって言ったのかよ

 

「だが、虚はおそらくこの子を狙ってきたのだろう」

「そうなのか?」

「確証はないがな」

「…そうか」

ルキアの考察を聞き、一護は複雑な表情を浮かべた

 

虚に狙われてるなら護らなきゃなんねぇな

その虚は絶対に倒す、こいつはぜってぇ死なせねぇ

そのためにも、こいつの目が覚めたら何があったのかを聞かねえとな

 

 

 

 

ルキアside

 

何者なのだこやつは、霊圧をほとんど感じられん

それなのにこやつには、虚の霊圧の痕跡が強く残っている

…調べねばならぬな

 

「なあルキア」

突然自分を呼ぶ一護に、ルキアは僅かに肩を跳ねさせる

 

「!ん?なんだ一護?」

「こいつ一体なんなんだ?」

「分からん」

 

本当に分からん、ただ一つだけ確かなのは

 

「だが、虚はおそらくこの子を狙ってきたのだろう」

「そうなのか?」

「確証はないがな」

淡々と、一護に己の考えを悟られぬよう、ルキアは話す

己が内に最悪の考えも浮かんでいた

 

いや確証はある、虚の霊圧がこれほどまでに残っているのだから…

 

「…そうか」

 

一護はこの子を護ろうとするだろうな

だがもしもの時はこの子を…

ええい!!考えていてもなにも始まらん!

全てはこの子が目覚めてからだ

 

しばらく様子を見ていた二人だが、少年が目覚める様子がないのを見て部屋を出ていった

 

 

 

 

龍side

 

暖かい、何でだろう俺は路地裏で倒れたはずなのに…

 

二人が部屋を出て暫くすると、リウは自分が何かに包まれているのを感じゆっくりと目を開けた

 

「!?」

 

何処なんだここ!一体、俺はどうしてこんなところに?

 

リウは自分の状況を確認するため、ゆっくりと周りを見渡した

 

部屋の中?一体誰の…

 

「?!」

 

誰かが来る、この家の人?

 

リウが自分の状況を確認し終えて少ししたあと、誰かが階段を上って来る音が聞こえ、リウは部屋の入り口の方を見つめた

 

「お!気が付いたか」

部屋の中に入って来てリウに話しかけたのは、オレンジ髪の少年だった

 

この人、町で俺のことをみてた…

 

「大丈夫か?お前、路地裏で倒れてたんだぞ

…まぁいいや、俺は黒崎一護、お前は?」

「…」

一護はリウに名を尋ねるが、リウは一護を見るだけで答えない

 

「一護、どうかしたか?」

すると部屋の外から女性の声が聞こえ、そのまま部屋に入ってきた

 

「ん?その子、気が付いていたのか」

「ルキア」

 

ルキア?この人ルキアっていうのか

 

「戻って来たら起きてたんだよ、んで名前を聞いてたんだ」

「そうだったのか

私は朽木ルキアという、よろしくな

…ところで一護、その子の名は?」

「聞いてねぇよ、答えねぇんだ」

「何?そうなのか?」

「…」

リウはルキアに聞かれても、無表情のまま何も答えようとしない

 

結局、俺は…また…っ!

 

その時、リウは二人が側にいるのを忘れ、自分のことを責めていた

その顔は辛そうで、二人は顔を見合わせるとリウのことを少しの間そっとしておくことにした

 

 

 

 

一護side

 

あいつ、何であんな辛そうな顔してたんだ…?

 

一護は先ほどの少年の表情を思い出していた

 

「一護」

「!…なんだよルキア」

思考に耽っていた一護は、ルキアに呼ばれ現実にかえる

 

「どうするのだ?」

「何がだよ」

「たわけ!あの子のことに決まっておるだろう」

「ああ、わりい…

だけど、しばらくは一人にしておいてやった方が良いだろ」

 

あいつ、なんであんな辛そうなんだ?一体あいつに何があったんだ?

虚のせいなのか?分からねえ、でも今は、一人にしておく方が良いだろ

 

 

 

 

龍side

 

どうすればいい…アイツは、アイツはもうこの事に気付いてるはずだ

もう、誰にも死んでほしくないのに…

分からない、でもあの人達今までの人達より強い霊圧を持ってるみたいだ

特に、あの黒崎という人は…

アイツがあの人達を狙わない筈がない

虚は霊圧の高い人間を狙う、そのせいで今までも…!

もうどうしたらいいんだ…

分からない…分からないよ母さん、婆ちゃん…

 

 

 

その日からリウは一護の部屋で過ごすことになった

(黒崎家の人達はリウのことは知っています)

 

「入るぞー」

一護は返事がないとわかっていても、部屋に戻った時は声を掛けるようにしていた

 

「なぁ、せめて名前だけても教えてくれねえか?」

「…」

しかし、どんなに話し掛けても返事は無く、拒絶を示す冷たい視線だけが返ってくる

一護もまた拒絶されると分かっていても、声を掛け続けた

 

 

 

 

一護side

 

今日も駄目か...

いつになったら応えてくれるんだ?

 

「一護」

「!ルキア」

部屋を出てすぐ、廊下にいたルキアは一護にたずねる

 

「今日も駄目だったのか?」

「ああ、一言も応えてくれなかった」

「そうか…これで三日

あやつはいつ応えてくれるのだろうな」

「…そうだな」

 

本当に…いつになったらお前は、俺達に心を開いてくれるんだ…?

 

部屋の中にいる名も知らぬ少年に、応えは無いと分かっていながらも、一護は心の中で問わずにはいられなかった

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。