死神代行と血を継ぐ者(凍結中)   作:焔月

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七話目です。

今回は護廷の隊長達の説明があります。
復習も兼ねてお楽しみ下さい

では、どうぞ


死神の説明と龍を知る男

一護達がリウを狙っている虚と遭遇したその日

その日からリウは常に何か考えているようだった

 

龍side

 

何だったんだろうあの声…俺はあの声を知ってる

初めて聞くはずなのに、でも、知ってるんだ…懐かしいって、そう感じる

 

「…ウ…リウ!」

「な、何?一護さん」

突然大きな声で名を呼ばれ、思考の海に沈んでいたリウは肩を大きく跳ねさせる

 

「何じゃねえ、何度も呼んでんだぞ?」

「ごめん…」

「何か考え事か?」

俯き申し訳なさそうに謝るリウに、一護は椅子からおりてたずねる

 

「少し気になる事があったから…」

「気になる事?」

「気になる事とは?」

「「うわっ!」」

何時の間にか部屋に入ってきていたルキアの声に、二人は驚き飛び上がった

 

「びっくりさせんな…ルキア」

「お前達が勝手に驚いたのだろう」

「でも、びっくりした…」

「そんなにか?」

「「そんなに」」

「そ、そうか…」

一護とリウの息の合った言葉に、ルキアは少し落ち込んでしまった

 

「ところで、気になる事とは何なのだ?」

「そうだった、何なんだよリウ」

「実は…」

リウは、一護達に先日虚と遭遇した時に聞こえた声の事を説明し、自分はその声を知っているのだと、懐かしく感じるのだということを話した

 

「…それは、もしかしたら斬魄刀の声かもしれんな

リウ、他には何か心当たりは無いか?」

ルキアの問いに、少し考えてからリウは話した

 

「うん、あるにはあるけど…これがそうなのかは解らない」

リウはそう言って、自分が時々見る夢のことを二人に話した

自分が深い森の中に立っていて動きたくても動けないということ、誰かが自分を手招いていること

しばらくすると意識が遠退き、意識がなくなる直前に誰かが耳元で何かを話しているのだが、何を話しているのか解らないということを話した

 

「…やはり斬魄刀としか私は考えられん

一護はどう思う?……一護?」

ルキアは一護を呼んだが彼は何か考え込んでいる様子で、ルキアは再び名を呼んだ

 

「ん?あ、ああ…悪い

俺は斬魄刀なのかどうかはわからねぇ、でも無関係とも言えねぇ」

「そうか…そうだな」

 

斬魄刀…確か死神の持っている刀がそういう名前だったような…

 

「ルキアさん」

「ん?何だリウ?」

「斬魄刀って死神の持ってる刀のことだよね?」

「ああそうだ

斬魄刀は一人一振り必ず持っているもので、それぞれに名がある」

「名前?」

斬魄刀に名前を付けているのかと考えていたリウだが、ルキアが放った次の言葉でその考えは否定された

 

「ああ、斬魄刀の声を聞き名を知ることで、その力を解放することができる」

リウはルキアの言う『解放』という言葉に首を傾げ、たずねる

 

「解放って?」

「斬魄刀には二段階の解放がある

一段階目の解放を始解、二段階目の解放を卍解という」

「始解と卍解はどう違うの?」

「私達が斬魄刀側の世界へ行き、対話と同調

すなわち名を聞くことで始解することができる」

「卍解は始解と違って、限られた一部の死神しかたどり着けねえ領域だ」

ルキアの斬魄刀の説明に続き、一護は卍解のことを話し始める

 

「?どういうこと?」

「卍解の会得には具象化と屈服ってのが必要なんだけどよ、始解は俺達が斬魄刀側の世界に行くのと違って、卍解は斬魄刀の本体をこちら側の世界に呼び出すんだ

だけど、具象化に至るまでには才能がある奴でも十年以上の鍛練が必要なんだってよ」

「卍解を会得するのに必要な条件の一つ、具象化をさせることがとても困難なのだ

だから卍解に至った者は、尸魂界の歴史に例外なくその名を刻まれる」

一護の説明で足りない所をルキアが補足し、その難しさを語った

 

「斬魄刀…始解と卍解」

リウは二人の説明を聞き、言葉を呟いた

 

「そういえば、二人の斬魄刀の名前は?

二人は、もう名前を聞いたの?」

ふと思い付いたように、リウは一護とルキアにたずねる

 

「ああ、俺の斬魄刀の名前は斬月だ」

「私の斬魄刀の名は袖白雪という」

二人は自分の斬魄刀…相棒の名前を言う

 

斬月、袖白雪…それが二人の斬魄刀の名前…

あの人が斬魄刀なら、俺も早く彼の名前を聞きたい

 

夢で会う男のことを思い、リウは笑みを浮かべた

 

 

 

 

一護side

 

リウ、嬉しそうだな

まだ、話に出てきた奴が斬魄刀とは限らねえけど

 

「リウ、嬉しそうだな」

「ああ…そう、だな」

「…何か気になる事でもあるのか?」

一護の歯切れの悪い返事に疑問を持ったルキアは、一護にたずねる

 

「別に何もねえけど…アイツが来たとき、な」

「あの虚か?」

「ああ、アイツの霊圧かなり強かったからな」

「…確かに、上位席官クラスはあった」

「油断は出来ねぇな」

「ああ」

嬉しそうな表情のリウが怯えたものにならないよう、彼に聞こえないように二人は小声で話した

 

アイツに勝つには卍解するしかねえ…

だけど、卍解した俺の霊圧にリウは耐えられるのか?

例え耐えられなかったとしても、それしかアイツを倒せないんなら卍解する覚悟はしねえとな

 

 

 

 

ルキアside

 

一護はおそらく卍解するだろう、それほどにあの虚の霊圧は高い、私も解放せねばなるまい

 

「一護さん、ルキアさん、死神についてもう少し教えて」

「何が知りたいのだ?」

「尸魂界についてとかを知りたい!」 

リウの問いに一護とルキアは交互に話した

 

「尸魂界には瀞霊廷と流魂街の二つの区域がある」

「瀞霊廷は死神達の住んでる場所、流魂街は死神に魂葬された魂魄が住んでるんだ」

「リウ、思ったのだが…お前は弥優殿から、尸魂界のことを聞いていたのではないのか?」

ルキアはリウの祖母・弥優がかつて死神であったことを思い出し、たずねる

 

「うん、聞いてはいたよ

でもそれは、婆ちゃんがまだ死神だった頃の話しだから、今の尸魂界のことを聞きたいんだ」

「なるほどな、分かった話してやる」

 

そういえば、弥優殿が死神だったのはかなり昔の事だと言っておったな

だから今の尸魂界のことを知りたいと言ったのか

 

 

一護とルキアはまず、リウに何を知りたいのかをたずねる

リウはその問いに隊長格について知りたいと答え、二人は話し始めた

 

 

 

 

龍side

 

婆ちゃんが尸魂界で死神をしていたのはかなり昔のことだって言ってたから、隊長・副隊長が変わっていてもおかしくないはず

 

「今の尸魂界の隊長・副隊長は、

一番隊の隊長は、護廷十三隊総隊長も務めていらっしゃる山本元柳斎重國殿

副隊長は雀部長次郎殿

二番隊の隊長は、隠密機動総司令官及び同第一分隊刑軍統括軍団長を務めていらっしゃる蜂砕殿

副隊長は大前田希千代殿

三番隊は現在隊長は空位で、副隊長は吉良イズル殿

四番隊の隊長は卯ノ花烈殿

副隊長は虎撤勇音殿

五番隊の隊長は現在空位で、副隊長は雛森桃殿

六番隊の隊長は、私の義兄である朽木白哉様

副隊長は私の幼馴染みでもある阿散井恋次」

 

幼馴染み?義兄?ルキアさんは朽木家の出身じゃないのかな?

 

「ルキアさん、幼馴染みと義兄って?」

「ん?ああ、私は本当は流魂街の出身だ

私は兄様の義妹(いもうと)として、朽木家に養子として引き取られたのだ」

「どうして?」

「今は亡き、兄様の奥方様が私の姉だったのだ

兄様は、姉様の『妹を探してほしい』という最期の願いを叶えるために、私を探していたのだそうだ」

「そうなんだ」

 

ルキアさんにはお姉さんが居たんだ

 

「ああ、恋次を幼馴染みと言ったのは、あやつは同じ流魂街で共に過ごしていたからなのだ」

「なるほど、ありがとうルキアさん」

ルキアの過去を聞き、リウは謎が解けて納得する

 

 

「続けて良いか?」

「うん」

一護の声にリウは返事を返す

 

「七番隊の隊長は狛村左陣殿

副隊長は射場鉄左衛門殿

八番隊の隊長は京楽春水殿

副隊長は伊勢七緒殿

九番隊の隊長は現在空位で、副隊長は檜佐木修平殿

十番隊の隊長は日番谷冬獅朗殿

副隊長は松本乱菊殿

十一番隊の隊長は更木剣八殿

副隊長は草鹿やちる殿

十二番隊の隊長は、技術開発局の局長も務めていらっしゃる涅マユリ殿

副隊長は涅ネム殿

十三番隊の隊長は浮竹十四郎殿

副隊長は現在空位なのだ

ちなみに、私は浮竹隊長の隊である十三番隊に所属している」

「婆ちゃんが死神だった頃とはだいぶ変わってる」

ルキアの説明を聞き終わると、リウはそう呟いた

 

「だいぶってことは、変わってない隊長格の名前が出たのか?」

一護は不思議そうにたずねる

 

「うん、一番隊の隊長・副隊長と四・八・十三番隊の隊長、今言った人達は婆ちゃんがいた頃と替わってないよ」

リウは弥優から聞いていた名前と、現在の名前の違いを探し答えた

 

その人達に聞けば、婆ちゃんがどんな人だったのか、教えてもらえるかな?

そういえば…俺は家族の、母さんや婆ちゃんのことをほとんど知らない

父さんに関しては、俺が生まれる前に死んだってことしか知らない

父さんの事を聞こうとすると、母さんは必ず悲しい顔をしたから

そして、俺は自身の事すらも…

 

 

 

 

一護side

 

「そういや、リウ」

「ん?何一護さん」

一護は思い付いたようにリウを呼んだ

 

「お前って今いくつだ?」

「確かに気にはなるな」

「俺の歳のこと?」

「ああ」

リウが確認すると一護は肯定した

 

「14」

「何?」

「14だよ」

「本当か?」

「うん」

「14には見えぬが…」

リウの年齢を聞いた二人は、信じられないというようにリウを見る

リウの見た目は小学三・四年程度の身長しかない

 

本当に14歳…なのか?

だけど嘘をついてるようには見えねえし…

 

「はぁ、信じられないのも無理はないよ

小学生にしか見えないんでしょ」

「うっ…あ、ああ」

 

ばれてるし…

 

「意図的なんだ、これ」

「『意図的』?」

「俺は、俺自身に特殊な術をかけて成長を止めてるんだ」

「意図的に、成長を止める…だと」

「何で、そんなこと…」

リウの見た目が小さい理由を聞いた二人は、何故そのような事をするのかを聞く

 

「逃れるため、見つからないため」

「!!」

「悪い」

「いいよ、気にしてないから」

二人の謝罪にリウは苦笑しながらも気にしてないと言う

 

あの虚から逃げるために、そこまで…

お前はどれだけ自分を…自分を犠牲にするんだよ龍

 

 

 

 

龍side

 

今日は見るかな、あの夢

あの夢で話しができるなら会って話してみたい、あの男の人と…

 

深夜…世界そのものが沈黙しているかのように静まりかえっている中

リウは壁に背を預け、毛布にくるまり眠っていた

しばらくして意識が浮上するのを感じたリウが目を開けると、そこは深い森の中だった

 

「ここは、いつものあの森だ…」

そう呟いてから、いつもと違い声を出せることに気付く

 

声は出る、でもやっぱり体は動かないのか

 

自身の状態確認を終えると、リウは森の中を見渡す

そこはいつもリウが立っている、池のほとりだった

 

『いままでと違い、意識を保てているのだな』

「!?」

突然、自分の近くで声が聞こえ、リウは声の聞こえた方を向く

 

「誰…?」

そこにいたのは、白銀の長い髪とエメラルドのような鮮やかな緑色の瞳をもつ、黒色の狩衣を身に纏った男性だった

 

何故だろう?初めて会うはずなのに、懐かしい…俺はこの人を知っている

 

『どうかしたか?』

「い、いや何でもないです」

『何でもないと言っているが、動揺しているな』

男は冷静にリウを見て、袖で口元を隠しながら優雅に笑みを溢す

 

「俺はあなたを知っていると、懐かしいと、そう感じるんです」

『…』

リウの言葉に男は口元を隠したままの状態で僅かに目を見開いた

 

『そうか…覚えていたのか…』

男はリウに聞こえないように小さく呟いた

二人はそのまま黙っていたが、やがて男はリウに言った

 

『時間だな』

「えっ」

男の言葉にリウは聞き返すが、突然意識が遠退き始め、そして意識を失った

 

 

 

 

???side

 

リウが消えた後、男は虚空を見上げ

 

『また会おう龍、我が主よ

そなたが私の名を呼ぶ時が楽しみだ』

嬉しそうに言葉を発した男は、リウのいた場所に背を向け歩き出し、やがて空気に溶けるようにして消えていった

 

 




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