Skybound Ace 【Redux】   作:心ここにあらず

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俺と翔陽がキャプテン達に謝罪?しに行った後、影山も菅原さんに対して思うことがあったらしく話に来ていた。

 

やっぱ影山も変わったのか。

 

 

 

翌日、部活後のミーティングでキャプテンが練習試合でのポジションを発表していく。

 

 

 

「ーーで練習試合なんだけどこれで行こうと思う。」

 

 

 

先ずはRのWSに翔陽、Sに影山、LのWSに俺と言う向こうが取り付けてきた条件通りのスタメン。そこに"MB"として田中さんと月島…それで最後の6人目に"WS"で澤村さん。

 

あれ…これってーー

 

 

 

「キャプテン!!」

 

 

「お、どうした日向」

 

 

「あの…うちってリベロはいないんですか?」

 

 

「「「…」」」

 

 

 

え、なにこの空気。今のはそんなにやばい質問だったのか。翔陽の質問に対してキャプテンや菅原さんに限らず、元気印の田中さんまで険しい表情を浮かべ俯いてしまった。

 

 

「あ、あの!すいません!お、俺なんか変なこといっちゃいましたか!」

 

 

「違う違う!お前のせいじゃない日向!お前の質問はごもっともだ!」

 

 

「え?それじゃあ」

 

 

「…ウチにリベロはいる…いるにはいるんだが…もうそろそろだっけか?」

 

 

「あ、おう。確かもうそろそろ帰ってくると思うんだが」

 

 

「誰のことですか?」

 

 

「いや、まぁこの話は一旦置いておく。どうせ青城との試合には間に合わないからな。そのうち追って説明するから今日は勘弁してくれ」

 

 

 

 

釈然としない終わり方であるがなにやら事情があるらしい。まぁキャプテンがそう言うなら俺たちにはどうする事もできない。

 

 

 

そして練習試合当日…俺たちは会場である青葉城西高校に足を運んでいた。

 

 

「あれ神凪と日向は?」

 

「あ、神凪と日向はトイレに行ってます!」

 

「あら?場所は伝えてある?」

 

「はい!神凪がいるので多分大丈夫だと思います!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◆ 青葉城西高校 第三体育館裏

 

 

 

そこに2人の青葉城西高校バレー部員がいた。

 

 

「今日来る烏野って"アレ"がいるとこだろ?」

 

「はい??」

 

「"コート上の王様"…お前中学同じだろ?金田一」

 

 

 

背の高い少年は金田一勇太郎…元北川第一のエースにして影山とチームメイトでもあった男だった。

 

 

 

「あぁ…影山っすか。確かに個人技は抜けてますけどサーブとか…けどセッターとしてはダメですね」

 

 

「へぇ〜」

 

 

「チームプレイがなってないんですよ。自己中なんで!あ、でも…アイツ」

 

 

「ん?どうした?」

 

 

 

 

 

金田一の脳裏によぎるは金田一達のバレー選手としてのプライドや自尊心、自信という全てを打ち砕かれたおそらく人生で最も辛かった日。あの日俺たちは対戦校が名も無き中学という事で舐めていたのだ。

 

 

 

おそらく"影山以外"

 

 

 

アイツは確かにうざい奴だよ。トスはめちゃくちゃだし口は悪いし自己中なんてもんじゃない。

 

 

 

…でもあの日…

 

 

 

 

 

「おい!なんで今の追わなかった!」

 

「おい!辞めろって!」

 

「うるせぇ!!」

 

 

 

 

雪ヶ丘との2セット目終盤…名門としてのプライドをズタズタにされ既に精神的にも追い込まれていた俺たち

…その中でリベロにいた奴が後方に飛ばされたボールを拾いに行かなかった。

 

それを見た影山が激怒しそいつに詰め寄ったんだ。

 

 

 

「…どうせ追いついたところでもう勝てねぇよ…」

 

「っ…そんなの分かんねぇだろうが!やって見なきゃあーー」

 

「分かるよ!誰もがお前みたく全部全力で出来るわけじゃねぇんだ!!」

 

 

 

体育館に響いたその怒鳴り声に、誰もが息を呑んだ。その時の俺は、『また始まった』としか思っていなかった。

 

影山はいつもそうだった。自分の基準を押し付け、できない奴を切り捨てる。

 

だから”コート上の王様”なんて呼ばれていた。

 

 

 

……だけど。

 

 

 

あの日だけは、違った。

 

 

 

雪ヶ丘に二セット連続で叩きのめされ、俺たちは完全に心が折れかけていた。

 

 

「もう無理だ」

 

「勝てない」

 

そんな空気が、コート全体を支配していた。

 

 

 

そんな中で、最後まで勝負を諦めていなかったのは──影山だけだった。

 

 

 

ボールが落ちるその一瞬まで。一点でも多く取り返そうと。一球でも多く繋ごうと。アイツだけは、本気で最後まで勝てると信じて動いていた。

 

 

 

だからこそ。

 

 

 

『どうせ勝てねぇ』

 

 

その一言だけは、影山にとって絶対に許せなかったんだろう。

 

 

 

……正直、あの時は腹が立った。

 

怒鳴られたチームメイトも可哀想だと思った。

 

でも同時に──間違っていたのは、俺たちだと尊敬する先輩から教えてもらった。

 

 

 

『何アレ。言いたくないけどこの試合、トビオちゃん以外は最低…試合内容云々より一選手として最低だよお前ら』

 

『…っ…でも!』

 

 

 

それは先輩が強すぎるからだと思った

 

 

けど

 

 

『何それ。"ずっとウシワカに負けて2位しか取れない"俺たちへの嫌味?』

 

 

そうだ。…この人達はあの怪物と真っ向からぶつかって…跳ね返されても…一度も勝てなくても…諦めることは無かった…

 

 

負ける前から諦めた。追うことすらやめた。

 

強豪校だなんだとプライドだけは高かったくせに、一番最初に勝負を捨てたのは俺たちだった。

 

 

俺たちは…俺は…技術云々より気持ちの面で雪ヶ丘の連中に…影山にも負けていたのだ。

 

 

あの日からかな、影山に対しても以前ほどイラつかなくなったのは。…勿論、あの態度と王様トスは気に入らねぇ…でも、"それで勝てるなら"…もし勝てていたなら俺も以前と変わらなかったと思う。

 

 

でも負けた…完膚なきまでに叩きのめされた。…自惚れ、傲慢、何度あの日までの俺を殴ってやりたかったことか。

 

 

そういう面でアイツはバレーにおいて何事も妥協しない、全力で取り組む…そういうアイツの面が見えてくるようになっちまったんだ

 

 

 

 

 

「まぁよく分からんけど、あそう言えば烏野と言えばマネがエロいんだよなぁ!あ!ガラの悪い奴もいたなぁ。ボーズの!頭悪そうな顔してたーー」

 

 

「…」

 

 

「「っ!?」」

 

 

 

その時2人の前にゾロゾロと姿を表す全身を黒に染めたジャージを見に纏った集団

 

 

 

「あ、え、えっとーー」

 

 

「おい…」

 

 

「「は、はい!」」

 

 

 

先ほどまで馬鹿にしていた坊主の青年が2人に近づく。

 

 

 

「あんま舐めてっと…喰い散らかすぞ」

 

 

「「ひ、ひぃぃぃ!!」」

 

 

 

坊主の威嚇によってビビる2人…そしてその2人に対して今度は長身で金髪の青年が

 

 

「そんな威嚇しやちゃあダメですよ田中さん。ほらぁ「エリート」の方がびっくりしちゃって可哀想じゃないですか」

 

 

「べ、別にビビってねぇよ!」

 

 

 

金田一はその集団の中に見知った顔がいることに気づいた。

 

 

 

「…久しぶりじゃねぇの…"影山"」

 

 

「…金田一」

 

 

 

影山はこちらを見つめ少し顔を顰めた。はっ、そりゃそうだ。何せアイツからしたら試合を諦めた"弱者"だもんな。

 

でも俺はそれを吹っ切ってお前を認めさせる…いや超えるためにやって来たんだ

 

 

 

 

「…俺はもう逃げねぇぞ」

 

 

「??」

 

 

「あ、おい金田一!」

 

 

 

 

俺の言葉に疑問符を浮かべた影山を無視して、俺は先輩を引き連れ体育館へと戻っていく。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その頃、みんなと離れていたリオと翔陽も"とある人物"と遭遇するハメになっていた。

 

 

 

 

「「あ、」」

 

「ん?」

 

 

 

 

リオと翔陽の前に現れたの現青葉城西高校バレー部キャプテンであり、数ヶ月前にリオと翔陽を熱烈に歓迎していた及川徹、その人である。

 

 

 

「「お、及川さん!?」」

 

「あれ〜これはコレはあんなに熱烈な俺の誘いを断ってくれたリオくんとチビちゃんじゃないですか!」

 

「「う、うぐっ…」」

 

 

 

これは俺らが悪い。あの雰囲気なら普通は来ると思ってしまうだろうからな。まぁ、選択権はあくまでこっちと言う意見もあるが…後翔陽、俺の腰に引っ付くな

 

 

 

「嘘ウソ。冗談だからチビちゃんも」

 

 

「ビビりすぎだろ翔陽」「び、ビビってねぇし!」

 

 

「にしても青葉城西と多分白鳥沢からも来てたでしょ?それを断って烏野に進むとは流石の及川さんもびっくりしちゃったよ」

 

 

 

 

及川さんからすれば昔は兎も角、今の落ち目の烏野に進むのは自殺行為以外の何にでもないのだろう。

 

 

 

「…俺が烏野に進んだ理由は一つですよ」

 

 

「ふーん…なに?」

 

 

「"アンタとウシワカ"を倒す為」

 

 

「へぇ…」

 

 

 

俺の言葉に及川さんが不敵に嗤う。爽やかそうな見た目からは想像も出来ないプレッシャーだ。

 

 

 

 

「じゃあなんで烏野?伊達校とかでも良かったんじゃない?」

 

 

「それは牛島さんの言葉を覆したかったからっていう理由だけです」

 

 

「牛島の言葉?」

 

 

 

 

あの時牛島から言われた言葉…

 

『どれほど優れた種でも、痩せた土では限界が来る』

 

あの言葉に影響されたのも大きいな。確かに環境は大切だ。ただそれだけで決まるほどバレーボールは甘くない。…それを証明するために俺は烏野を選んだ。翔陽がいるのも大きいけどな。

 

 

 

「うっわ言いそう〜。リオくんも嫌な奴に目をつけられたねぇ」

 

 

 

 

嫌な奴その2に言われても困るな。

 

 

 

 

「ま、なんにせよ。リオとチビちゃん。…それに俺の可愛い後輩のトビオも加わったとすれば烏野はもう"落ちたカラス"とは呼ばないかもね」

 

 

「それを証明するために今日は勝ちますよ」

 

 

「ふふっ楽しみにしてるよ」

 

 

 

 

 

 

そう言い及川さんは歩いていく。やっぱ只者じゃないなあの人。高校生にして既にプロ選手のような割り切りと雰囲気を感じる。

ま、何にはよ、これで宣戦布告も完了し逃げも隠れも出来なくなった。後は結果だけだ。俺は俺の出来ることをやり遂げる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ただ今より!烏野高校対青葉城西高校の練習試合を始めます!」

 

 

「「「しゃあぁぁぁす!!!」」」

 

 

 

 

烏野陣営のスターティングオーダーは昨晩に説明した通り、リオと翔陽を左右のスパイカーにしミドルブロッカーとして田中と月島が入る。セッターに影山、3人目のWSに澤村の布陣である。

 

対する青葉城西は3年を中心に"ほぼ"ベストメンバーであるが…

 

 

 

「あれ及川さん入ってない!」「…ほんとだ。」

 

「あぁ。多分あの人怪我で出ないかもよ?」

 

「そうなの?」

 

「ほら俺らスカウトしに来た時もなんか調子悪いとか言ってたしな」

 

 

 

 

青城のオーダーに及川徹の名がないことに気づいた俺たちであるが、たとえあの人がいなくとも油断できる相手でないことは分かっている。

 

そもそも、烏野と青城では世間的には格が違うのだから

 

 

 

 

 

 

ーー今日この日までは

 

 

 

 

 

 

ーードパァァァァァァァァァァァァン!!

 

 

 

 

「「「っ!?」」」

 

 

 

 

審判の笛の音の数秒後ーー

 

 

男から放たれたボールは轟音を鳴らし青城コート…奥深くのライン際に誰にも触れさせず着弾するのであった。

 

 

 

 

「…おいおい…こりゃあマジで及川、ウシワカクラスじゃねぇか」

 

「…あの野郎まで烏野にいたなんて」

 

 

 

間近で体感した岩泉は改めてその存在に驚く。

 

 

 

(監督とあの及川がなんとしてでも対ウシワカとして欲しがるわけだ)

 

 

 

 

この日、青城は知る事となる。"落ちた強豪""飛べない烏"

 

そう呼ばれていたのは過去のこと…すでに新しい雛鳥達が空を舞い獲物を狙おうと虎視眈々としていることに

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

リエーフはどこに進学すべき?

  • 音駒!音駒以外あり得ない!
  • 梟谷!木兎とのダブルエース見てみたい!
  • 井闥山でしょ。
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