Skybound Ace 【Redux】   作:心ここにあらず

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6.

目の前で起きた翔陽の跳躍を見て俺は久しぶりに心踊るものを感じた

 

それは

 

『初めてリエーフとあった時か…』

 

はたまた

 

『佐久早率いる千代田区ジュニアに負かされた時か…』

 

それに匹敵するくらいの衝撃を俺は今感じたのだった…それも自分よりも一回り…いや二回りは小さい素人のコイツに…

 

 

「…はは…おもしれぇ…翔陽!お前なれるかもしれないぞ?その"小さな巨人"に」

 

「え?本当に!?まじのまじ?」

 

「あぁ…お前次第だがな…そらくらいのポテンシャルはあると思う」

 

「ヘェ〜そっか〜俺も小さな巨人か〜」

 

 

 

体をクネクネさせてニヤける顔を隠せていない翔陽だが急に何かを思い出したかのように振り返り

 

 

 

「次!次リオのスパイク見せてよ!」

 

「俺か?あ、でも…」

 

「なに?」

 

「いやなんでも…」

(ここで俺のスパイクを見て自信をなくすのか…それとも…)

 

「とりあえずネットよりは高くあげてくれ。あとはこっで合わせる」

 

「おう!」

 

 

 

ーーダンッ!ーー

 

 

 

翔陽は助走の一歩目から、すでに己とは違うことに気づいた。

床をえぐるように力強い踏み切り――瞬間、コートの全体が震えるかのように響き渡る踏切音

そして跳躍した次の瞬間

 

 

 

「――ッ!!」

 

 

 

ーードゴォォォォン!!!ーー

 

 

轟音のような衝撃音が生まれボールはコートに弾み

一直線に体育館2階まで突き刺さる。

 

 

 

ーードシュゥゥッ!!

 

 

 

 

「……す、す、スゲェぇぇ!!」

 

「…はは」

 

「どうやんの!?ねぇどうやんの!?」

 

「まぁ落ち着けよ翔陽。とりあえず今のお前ではまず無理!てかそんな簡単に出来たら俺の立つ瀬がないって」

(てかぶっちゃけ俺と翔陽じゃあ成長してもスパイカーとしてのベクトルが違う…言うなれば俺は大砲型…その体格とパワー・フィジカルでゴリ押しすることを基礎としているのに対して翔陽はおそらくその技術や選択肢で交わしていくスタイルに変化していくはずだからな)

 

 

 

その後も丸1時間練習してその日は帰るのだった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

●後日俺たちは授業後に職員室に向かった

 

 

 

 

「「失礼しまぁぁす!」」

 

「おう!来たか日向に神凪!こっちこっち!」

 

 

俺たちが歩いていくとコーチは一枚の書類を取り出し話し始めた

 

 

 

「率直に言うがお前たち2人をバレー部に入れることは出来ない」

 

「「え!そんな!」」

 

「まぁ聞け…しかしそれは女子バレー部の話だ。…お前たちにはコレから男子バレー部を創部させて貰う。喜べ第一号だ!」

 

「うぉぉぉ!俺たちが第一号!?なんかかっけぇぇ!」

 

「いや翔陽…そんな良いもんじゃ無いって」

(俺たち一年2人で創部ってそれ上の世代0だし今からメンバー募っても大会には間に合わない…それに他にも…あぁこんなことなら無理言って東京残れば良かったかな〜)

 

「でもぶっちゃけどうしたらいいんですか?俺たちみたいな一年2人じゃ練習もままならないですよ?」

 

「まぁそこについては考えてある。コレから説明する」

 

「「…」」

 

「何もこちらとしても部活だけ作って放っておくわけじゃ無い。とりあえず学校の部活動としては17時まではとりあえずうちの女子メンバーと合同練を週3日は行って欲しい。」

 

「他の日は?」

 

「他の日については…コレから移動しながら説明する」

 

「「??」」

 

 

 

 

 

俺と翔陽はそのままバッグとシューズだけ持ってコーチの車に乗ること20分…

 

 

「ここだ!」

 

 

「「ここって…」」

 

 

そう…そこは昨日俺と翔陽が2人で練習していた市民体育館だった

 

 

 

 

「コーチ、なんでここに?」

 

「まぁ中入ってみろって!」

 

 

 

そう言われたので恐る恐る中を覗く俺と翔陽…

 

 

そこでは…

 

 

「うぉぉらぁ!声出せ声!」

 

「「はい!!」」

 

 

ーーバギャァァァァァァン!!ーー

 

 

「ナイスキー!!」「流石だな!」

 

 

 

俺たちよりふた回りは大きい青年たちがバレーの練習を行なっていた

 

 

「あのーこれは?」

 

「っ…」

 

翔陽はビビって隠れちまったし

 

 

「この人たちはうちの市の近くにある大学のバレー部の皆さんたちだ。ちなみに強豪だぞ?普段は大学の体育館で練習しているらしいんだが練習終わりに週2.3回はここでも練習しているらしいぞ」

 

 

「ヘェ〜大学生…」

 

(通りで…俺も中学生にしちゃでかい方だけど背丈は勿論厚みがもう全然違う…)

 

「ここに連れてきたってことは…」

 

 

「そう!お前たちにはコレから週3回の学校での練習以外ここのバレーの練習にも参加して貰う!ちなみに許可は取ってあるし向こうの大学さんにも快く聞いていただいた!あ、それにうちの学校の練習後も来ていいぞ?」

 

「マジですか…」

 

(ヤッベェ!!正直学校選びミスったとか思ってたけど中学の段階からこんなレベルのたけぇとこでやれるなんて!全国トップの中学でも無理だぞ!ここでやれば間違いなく上手くなれる!)

 

「おい翔陽!いつまでビビってんだ!」

 

「び、ビビってねぇし!ちょっとトイレ行きたかっただけだし!」

 

「うそつけ…てか聞け翔陽!この人たちのバレーみてどう思った?」

 

「…すげー上手い…"小さな巨人"くらい」

 

「いいこと教えてやる翔陽!この人たちはな大学生らしいんだ。それに強豪チームの…お前の憧れであるその小さな巨人が今はどのレベルにいるのかは知らないけどその人は高校生だったんだろ?なら間違いなくこの人たちの方がスゲェぞ?」

 

「!?小さな巨人よりも!?」

 

「あぁ!間違いなく…な!」

 

実際この考察は当たっていたのだった。ここにいる人たちは全国各地で高校生の頃に結果を残したバレーエリートであった。小さな巨人は高校生の頃は宮城では少し有名程度であったが全国で見ればそうでもなかった。

 

そのように話しているうちに

 

 

「すいません!今日から参加させていただく雪ヶ丘中学の者なんですけど!」

 

 

コーチが向こうの担当者たちに話しを通してくれた

 

 

「君たちが今日から参加してくれる神凪リオくんと日向翔陽くんかな?私は大学バレー部”コーチの**神庭(かんば)**だ。」

 

(片方はハーフかな?それにもう1人は年代と比べても小さい方だね)

 

「君は中1にしては破格の体格を有しているねぇ〜そっちの君は元気そうだ!よしお兄さんたちがきっちり指導してあげるから着替えてなさい!」

 

「「はい!よろしくお願いします!」」

 

そう言い残し去っていく中1コンビの2人

 

「金髪の彼…中1の割に体格も良いし同世代と比べても今まで努力していたのが分かるほどのしなやかな筋肉が付いてる。それに…どこかで見たことある顔…ですね」

 

「ふふふ…よくぞ気づいてくれましたね…彼…かのイタリアの英雄…セリアAの絶対エース・レオナルドの御子息なんですよ!」

 

「「「え!レオナルドの!?」」」

 

 

 

 

そこまで練習していた者たちや他のコーチを含め片耳を立てていた人たち全ての人間が驚愕した表情を浮かべる

 

 

 

 

「日本人と結婚したって聞いてましたけどまさかこんな田舎にいるとは…あれ…でもレオって今イタリアにいますよね?」

 

「あぁそれは昨年彼がイタリアチームに契約された際に神凪本人に日本に残るのか両親と共にイタリアに行くのか選ばせたそうなんです。それで日本に残ることになったらしいですよ。ここには母方のご実家もあるそうで…」

 

「あぁ〜なるほど…じゃあもう1人の彼は?」

 

「日向は"小さな巨人"に憧れた少年って感じでまだバレーのルールも詳しく無いそうなんですが神凪曰くですけど跳躍力は桁外れ…ポテンシャルだけなら彼と遜色ないそうですよ」

 

「それは…また…」

 

「ま、おそらく後半のは建前でしょうが…良いものを持っているのは間違いありません」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◆ウォーミングアップ

 

大学選手たちと一緒にアップを始めると、彼らの動きの滑らかさに日向は見惚れる。

 

 

 

 

「翔陽くん!足の使い方がバラバラだ…それじゃあ上手くならないぞ?」

 

 

 

声をかけてきたのは、大学レギュラーの1人である城戸(きど)。

バックアタックもこなす万能型で、身長192cm。

 

 

 

「もっと膝の向きを固定して、『踏む』意識で跳べ。君は、スピードはあるんだけど無駄な動きが多すぎね」

 

「は、はいっ!」

 

 

 

 

リオにはエースの槙島が寄ってきた。

 

 

 

「君、センスもあるし非常に鍛えられてるね中学生とは思えないよ!流石はあのレオナルドさんの息子さんだ!でも!…一つアドバイスするなら次のトス練でトスは“押す”んじゃなくて“浮かせる”。やってみな!スパイクの方は問題なし!」

 

 

 

リオは何度かトスを上げる。

槙島はわずかに表情をゆるめた。

 

 

 

「……へぇ、修正が早いじゃないか。流石だよ」

 

「ありがとうございます!」

 

 

 

日向が横目でそれを見て、思わず唇を尖らせる。

 

 

 

「リオ、なんか褒められてんじゃん!」

 

「うるさい、集中しろよ」

 

 

 

そうしてその後も選手たちやコーチたちにアドバイスを貰いながら練習についていくこと2時間…

 

「今日の練習はここまでだ!各自片付けに入るように!」

 

 

 

 

 

 

 

 

◆練習後:

 

片付けの後、城戸と槙島の2人が翔陽とリオに声をかけた。

 

 

 

「二人とも面白いしセンスあるよ!

またすぐに合同練習があるから今日の復習を忘れずにもっと強くなってきてね!」

 

 

 

リオは力強く頷き、翔陽も短く返す。

 

 

 

「もちろんです!」

 

 

 

体育館を出る頃には、ここに来れば二人はもっと強くなれると確信していたのだった

 

 

 

 

あれから一年…翔陽は身長が160センチ近くなった。まぁまだクラスでも下の方なんだけども…これ言うとキレてくるのがまだまだ子供の証拠だと言うのに

 

それに槙島さんや城戸さんのおかげでレシーブやトス、スパイクなど色んなことが平均的にまで出来るようなったのである。ことスパイクにおいてはその類稀なる跳躍力で310センチオーバーの跳躍を見せボールを打ち切ることが出来るようになった

 

大会には未だ人数不足で出たことないけど中堅クラスなら打ち抜けるくらいの力量はあるだろう

 

 

俺に関して言えば身長が1メートル80オーバーになったしフィジカルが出来上がってきたことで遥かに安定感が増し大学生相手にも点を取れるようになってきた。コーチ曰く俺の武器は父親譲りのパワーとバネ、それに左の強打からくり出されるスパイクサーブらしく、まだ大会に出たことないので実感はないがおそらく中学で止めれる奴はいないレベルらしい。

去年全中に出てた同じ宮城県にいる牛島?とかそれこそ東京都の佐久早なら対抗できるかも知れないとかなんとか…

 

 

雪ヶ丘中学のバレー部にも1人だが後輩が入ってきて今では翔陽も立派に先輩をしているのである。

あ、ちなみにキャプテンは俺で副キャプテンが翔陽ね

本当はキャプテンは翔陽がやりたがってたんだけどそれをみてた女子バレー部の皆さんとコーチ、それに後輩たちの票で俺になってしまったわけである

 

さ、今年も頑張るぞ〜!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

●中学3年生 原作開始

  

 

 

とかなんとか言ったら間にもう中学も残すところあと一年…最高学年になっちまったよ。そう言えば去年のクリスマスに東京まで行ってアリサさんに無事告白して晴れてカップルになりました!ってのは置いといて

 

今年も部員が2人入って今では部員が6人もいる大所帯(笑)のバレー部ですが人数の関係で助っ人をお借りし晴れて初の公式戦に出場出来ることになったのである…

 

 

いざ大会当日

 

 

 

ードタドタドタドター

 

 

 

「翔ちゃん待ってよぉ〜」

 

走る翔陽を追いかけるのはバスケ部から助っ人に来てくれたイズミンこと泉行高くんとサッカー部から助っ人に来てくれたコージこと関向幸治くんである

 

 

 

「うわぁ〜デケェ〜」

 

 

 

体育館に入った翔陽は大きく息を吸い込み

 

 

 

「エアーサロンパスの匂い!」

 

「翔ちゃんちょっと緊張しすぎじゃ無い?」「お上りさんかよ!」

 

「だってちゃんとした大会初めてだから!3年目にしてやっとぉ〜」

 

「本当よく出場までこぎつけたな」

 

「あれ?てかリオは?」

 

「あぁ…リオは例の彼女さんと電話しに行ってるよ」

 

「「「先輩羨ましいっす」」」

 

 

 

 

 

体育館ではあらゆる学校の選手たちがアップを開始していた

 

 

 

 

「イズミンもコージも助っ人に来てくれてありがとう!」

 

「やめろ!」「俺たちひと足先に大会終わっちゃったしね」

 

「一年生も二年生もありがとう〜3人もいるなんて奇跡だよ〜」

 

 

 

泣き喚きながら歓喜する日向の後ろに…

 

 

 

「何泣いてんだ?翔陽?」

 

「っ!?泣いてない!」

 

「でも超涙目だよ!」

 

「あ、あのリオ先輩!そろそろアップとったほうが…」

 

「お、そうだな。とりあえず行くか!うし行くぞ!」

 

「やっぱ翔ちゃんよりリオの方がキャプテンっぽいね」「身長倍くらい違うんじゃないの?」

 

「うるさいやい!」

 

「てかさ相手の北川第一ってどうなの?」

 

「わかんねぇけど…大学生の知り合いの人が言うには…"優勝候補"って奴らしいぞ?」

 

「「「優勝候補!?」」」

 

「おい翔陽後ろ!」

 

 

 

コージが刺した言葉の先には翔陽の後ろの扉から今大会の俺たちの初戦の相手である北川第一の面々が現れたのだった。チームの平均身長1メートル80センチ以上…全員がジュニアクラブチーム上がりのエリート連中であり目下10年間県内ではベスト8以上を毎年のように叩き出してる文句なしの優勝候補である。普通の中学生ならそのオーラと威圧感に萎縮し道を開けてしまうものである

 

 

ーーがーー

 

 

ここにはもう1人その優勝候補と同等…いやそれ以上のフィジカルに才能…さらには度胸まで兼ね備えた選手が存在した

 

 

 

ぞろぞろと歩いてくるメンバー…どいつもこいつも俺の顔ばっか見てきやがって…

 

特に一番後ろの黒マッシュ…

 

 

 

「なに?そんなに人の顔見て」

 

「あ?」

 

「ちょちょちょリオやばいって!?」「おいやめろ!」

 

 

 

やけに目つきの悪いこいつにだけは下手に出る訳にはいかないと考えた俺はこいつより身長が高いことを理由に思いっきり上から見下してやった。

 

 

「てめぇ…」

 

「おい!影山!いくぞ!」「ちょおやめてくれよ!」

 

 

 

向こうもチームメイトに引きずられていったのだった。なんだあいつ…

 

 

 

「どうしたん、リオ…そんなに睨みつけて」

 

「いや、噂の優勝候補って奴がどんなもんか試してただけだ」

 

「にしちゃあ向こうも偉く喧嘩越しだったな」

 

「でもリオ先輩の方がおっきいし強そうでしたね!」

 

「当たり前だろ!リオ先輩が最強なんだから!」

 

「おい!一年たち!もう1人偉大な先輩が居るのを忘れてはいないかい!」

 

「「…いや日向先輩は…」」

 

「「ぶふっ!」」

 

「なんだ!その反応は!」

 

 

 

 

雪ヶ丘と北川第一が揉めているのをみた他のチームの選手たちは

 

 

 

 

「うわ!マジかよあそこの1番北川第一の"コート場の王様"に喧嘩売ってやがるぞ!」

 

「マジかよ。アイツって超うめぇんだろ?」

 

 

 

それを聞いたイズミンとコージは

 

 

 

 

「ちょ!王様ってなんだよ」

 

「大丈夫!どんなに強敵でも撃ち抜いて見せる!

 

「確かに翔ちゃんのジャンプ凄いしウチにはリオがいるもんね!」

 

「任せたぞ!」

 

「うぅぅぅその前に便所…」

 

 

 

意気揚々と息巻いていた翔陽であるが肝心のメンタル面ではこの試合が彼の初公式戦であり、ここまでついてきてくれた仲間や後輩たちの気持ちもあるため無碍にはできず彼の胃が悲鳴を上げることになったのだった。

 

 

 

「てかリオ!ぶっちゃけどうするの?俺たち初心者だし戦力として数えれるのは翔ちゃんとリオしかいないよ?」

 

 

 

 

イズミンが心配そうに聞いてくる

 

 

「ふふ。まぁそうだな。試合のことについてなんだが簡単に説明するとまずおそらく相手は俺を徹底的にマークしてくるだろうな。体格的にも番号的にも。そんでまずセッターは基本的に俺か翔陽がする。サーブについては回ってくるもんだからどうしようもないんだが基本的には俺からスタートしてレシーブについては後ろを4枚にして"佐藤"くんを主軸としてなんとか上げれそうなら体に当てても良いしとりあえず上にさえ上げてくれたらなんとかするから一回やってみて欲しい。攻撃についても俺と翔陽でなんとかするから気にしないでくれ」

 

 

佐藤くん…雪ヶ丘中学二年生であり去年リオと翔陽の勧誘によって何気なくついてきたせいで入ってしまった哀れな子羊…しかしリオと翔陽のアドバイスによってその辺の強豪中学レベルの実力はあり、今大会もリオと翔陽がアタッカーとして存在するならば佐藤くんはレシーバーとしてリベロのポジション登録がなされている

 

 

 

 

 

北川第一サイド

 

 

 

 

ーーピィィィィィィィィィィィィ!!ーー

 

 

「「「お願いします!」」」

 

 

「相手チーム本当小せぇけど1人及川さんくらい怖ぇのいるな」

 

「見た目からしてハーフか?どっかで見たことあるような気するし」

 

 

 

 

 

 

主人公サイド

 

 

ーーピィィィィィィ!!ーー

 

笛が鳴ると同時に放たれた北川第一のサーブは迷わず初心者へ向けられた。

通常ならそのまま得点につながるはずだが――

 

 

 

「リオ先輩!」

 

「ナイスだ!任せろ!」

 

 

 

佐藤くんが横から滑り込むようにレシーブを持っていく。

腕に吸い付いたような完璧なAパスが上がる。

 

そしてそのままリオはトップスピードでネット下へ。

セッターの位置に入ると同時に、北川第一のブロッカー2枚が跳ぶ準備を始めた。

 

(どこに上げる? 真ん中か、小さい奴か……?)

 

ブロックについていた影山は考える

読みが乱れた瞬間、選択したのは…

リオはトスではなく――そのまま"跳躍"

 

 

「はっ!? まさか自分で!?」

 

 

ブロックが遅れた。

その瞬間ーーリオの左腕が振り下ろされる

 

 

 

「「「!?」」」

 

 

ーードパァァァァァァン!ーー

 

 

3枚ブロックの上から床に突き刺さるような轟音。

その瞬間会場全体がどよめきを帯びた大歓声に変わる

 

 

 

 

「「「うぉぉぉぉぉ!」」」「今の見たかよ!」「完全に裏をかいてたとはいえ北川第一の三枚ブロックの上から叩き込んだぞあの一番!」

 

 

「うぉぉぉ!ナイスだリオこのやろう!」「ナイスリオ!」「やっぱ凄いっすリオ先輩!」

 

 

 

チームメイトは称賛の声をあげ敵チームの北側第一はいきなりの先制攻撃に慄く展開となった

 

 

 

「セッター自らのツーアタック!? いきなり!?」

 

「問題はそこじゃねぇだろ…あのジャンプ力にパワー…まともに上がってたらブロックできるか?」

 

「あんな選手がなんでこんなチームに…」

 

 

北川第一の選手たちが互いに顔を見合わせる。

 

 

 

(…っんだ今のスパイクは…セッターがエース級? クソっふざけるなよ……)

 

 

 

サーブ権が雪ヶ丘に移る。

 

サーブ順は――リオに渡る

 

 

リオはボールを胸の前で軽く弾ませ、数回バウンドさせたあと

まるで獲物を見つけた猛獣のような鋭い目になる。

 

 

 

「いくぜ……!」

 

 

数歩の助走、大きく跳躍、そして――

 

 

「まさか!?」

 

相手のセッターが気づくがもう遅い…というより気づいたところでこの男のサーブの前では意味をなさない

 

 

ーーダダンッ!ーー

 

 

ーーバギャァァァァァァン!!ーー

 

 

はたまたこの日2度目の轟音から放たれた弾丸サーブが北川第一のリベロ横に触れることさえ許さず突き刺さったのだった

 

雪ヶ丘中学の2点目。それも連続得点であり、早くもこの日2度目の大声援が会場中に広がる。

 

 

「「「うぉぉぉぉぉ!!!やべぇぇ!!」」」

 

 

「今の中坊ってジャンプサーブ打つのかよ!」「いやいや、全国でも中々いねぇだろ!しかもあのレベルのは確実にアイツだけだろ!」

 

 

 

盛り上がっていたのは選手や観客だけではなかった

 

 

まず西側…そこにいたのは白いユニフォームに紫色のラインが刻まれた宮城県屈指の名門校にして今年の全国三本指の大エースを筆頭に攻撃陣に関しては全国トップを自負する大鷲率いる常勝軍団 白鳥沢学園高校

 

 

 

 

「うっひゃぁ!なんだい今のサーブとスパイク!ワカトシくん見てるみたいだったね!」

 

「…スパイクはともかくサーブに関しては俺よりも洗練されているように見える…」

 

「笑ってるのワカトシくん?」

 

「コーチと監督に伝えよう…奴は敵になれば間違いなくウチにとって最大クラスの障壁となり得る男だ。今のうちに声をかけておいて損はない」

 

「「「…」」」

 

「ワカトシくんが年下…それも二つも下のやつにあそこまで言うのなんて初めて見たね。年下でさえ東京の変な回転のスパイク打ってくるあのチリチリパーマくらいだったのに」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして北側…こちらに居座ってるのは白い純白のユニフォームに水色のラインが入った県内屈指の伝統校にして名門校筆頭…近年2年連続で最強・ウシワカこと牛島若利要する白鳥沢学園高校に敗北するも大鷲以外には土をつけられたことはなく…何よりバレー選手として総合力ではあのウシワカをも凌駕するほどの技量を持つ県内No. 1セッター"及川徹"要する青葉城西高校

 

 

 

 

「あの中坊及川よりイケメンでサーブもえぐいな。及川よりイケメンだし」

 

「岩ちゃん!2回も言わなくて良いし俺のがイケメンだしサーブも上だからね!」

 

「いやでもリアルなとこ威力では確実に負けてんべ。コースとか狙い絞ったら分かんねぇけど」

 

「ぐぐぐ」

 

「にしてもなんであんな奴が弱小校なんかに居んだ?」

 

「ほんとそれね。まぁ良かったんじゃない?早めに見つけておいて。この時期なら普通推薦とか特待とか決まってそうだけど運がいいことに彼は弱小校…まだ決まってないはずだし、何より彼がウチに来てくれるなら白鳥沢…ウシワカに対抗できる最強の矛になり得る。岩ちゃ〜んちょっと監督とコーチのとこ行ってくるからみんなのことよろしくね〜♩」

 

「おう。そんで一生戻ってくんな」

 

「てか及川があそこまで言うのやばくね?まぁ側から見ても体格やパワーそんであのスキル…間違いなくポテンシャルはウシワカ以上だもんな」

 

「ま、問題は反対側にその問題のウシワカたちも見てることだけどな」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして最後に中央入り口…そちらに佇む4人の男女…黒いユニフォームに包まれたかつては最強・白鳥沢と優勝を争った宮城の雄…近年は名監督であった鳥養監督が休養に入り解任なされ、ここ数年は苦渋を舐めさせならているがその実力は未だ中堅クラス以上…エースにセッターそれにチームの要リベロ…選手だけを見ると粒揃いだが未だに上手くネジがハマり切らず足掻き続けている古豪 烏野高校

 

 

 

 

「なんなんすか!なんなんすか!あの一番!今の中坊ってスパイクサーブ打つんすか!威力もやべぇし!何よりあの顔!」

 

「田中うるさい…いやでも大地。あれは本当にやばくないか?他のチームに取られたら間違いなくそこが来年の優勝候補になる逸材だ」

 

「つってもウチみたいな近年成績の振るわない高校に来てくれるかね?」

 

「んなもん力づくで言わせればいいんすよ!ほらぐっと!」

 

「いやお前あの体格と運動能力みて自分が勝てると思ってることにも驚きだしそう言うのやめろ恥ずかしい!」

 

「ん?清水どうした?」

 

「あの子…どこかで…」

 

 

 

 

 

 

リオはどこに進学させるべき?

  • 烏野
  • 青城
  • 白鳥沢
  • 県外
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