禁足地的など田舎 作:究極完全態ゾ・シン
青い空! 白い雲! そして広がる大自然!
後はオマケに闊歩する恐竜的なサムシング。
う〜ん、どう見てもモンスターハンターですね。対戦ありがとうございました。
某ゲームをパソコンからアンインストールして、別ゲーに移ろうとしたのが数年前。そこで意識が途絶えて、気がつけばこの世界に産まれ落ちていた。
最初の何年かはくたびれたど田舎の因習村にでもいるのかと思っていたが、こうして歩き回れるようになってからは、これこの通り。
モンスターが侵入しづらい狭い道を通り抜けて、村の外に出てみれば、そこには見慣れた顔がずらり。
これで村付きのハンターでもいればまだいいんだが、どうも村人達は「ハン……ター?」といった様子。
禁足地かな?
残念ながらイオンのこの村支店は存在しないため、日々の生活にも困っている有様だ。
さすがに田舎すぎたか。
まあ禁足地より人も少ないし、出店してくれないよなぁ。
とはいえこのままでは死を待つばかり。
ハンターの存在も知らないような
と、後々冷静になってみればドーカしてるとしか思えない行動を始めたわけである。
なんでだろう。外でお腹が減ったから、特産キノコを齧ってただけなのに。
■◆■
そんなこんなでハンターをやってやろうと心に決めたわけだが、立ち塞がる問題がいくつかある。
一つは、武器がないこと。
もう一つは、普通に体を鍛えててもあんな超人になれるとは思わないこと。
人口が学校の一クラス分くらいしかない村なので、当然のように割り振られた仕事をこなしながら、解決策を考えることにする。
武器は、まあいろいろ気にしなければ、皮ペタくらいならなんとかなるんじゃなかろうか。知らんけど。
なんならアイルーの武器よろしく、ピッケルみたいにモンスターの牙なり爪なりを固定するだけでもいいだろう。下手な鉱石より頑丈だろうし。
で、もう一つの身体作りだが。
「う〜ん、流石はモンハンワールド。土がいいのかな? これでうまくいけばいいんだけど」
仕事後、帰宅して家庭菜園の鉢を確認する。
そこには外で思い立った時、ついでに採取しておいた怪力の種が植えてあった。
もうあっという間に増える増える。
この植生があるからこそのモンスターなんだろうな。
さてと。ゲームでは一次的に攻撃力を上げる種なわけだが、こんなもんを育てている理由はもちろん、これを食い続けていれば力が付くかな、というシンプルな発想だ。
「何食べてるんだ?」
「食べる?」
と、この世界での父親が声をかけてきたので一つ渡してみる。父さんはそれを口に入れると、渋い顔をした。
「こういう味が好きなのか?」
「極端な薄味よりかは」
「そうか。まあ好きにしなさい」
許可も得たので、このまま続けるとしよう。
■◆■
それからしばらくしたある日の夜。
俺はいつものようにこっそり村を抜け出して外に出ていた。
もう慣れたもんだ。
村のように入口が限られており、とはいえ村ほどの広さもない空間。
例えるならゲームにおけるベースキャンプのような場所に、そこそこ時間をかけて作り上げた俺の秘密基地があった。
「よいしょっと」
道中拾い集めてきた、使えそうな物を地面にばら撒く。
棒状の骨や、ツタの葉。モンスターが落としたと思われる素材。
そしてカラの実に詰め込んできた今回の秘密兵器。
前回失敗した武器もどきを拾い上げる。
これまた時間をかけて、いい感じに鋭くした大きな金属塊だ。
問題があるとすればそう、柄がないこと。
古のモンハンでピッケルが骨を素材に調合していたように、棒状の骨をこいつにくくりつけようとしていたのだが、結果はお察し。
振り回して何かに叩きつけると簡単に分解してしまう。
そこでだ。
「うわ、キッショ」
カラの実に入れて持ってきた秘密兵器こと、セッチャクロアリを骨の接着面にまぶして潰す。
ゲーム内でも文字通りに接着剤として扱われていたこれを付けた上で、ツタの葉でグルグル巻きにして固定。
「いけるか? これで」
自作の剣──片手剣には大きく、大剣には小さいそれを構えて、巻藁代わりに立てている大きな骨めがけて振り切る。
「お? おお! やったぜ、分解しない!」
刃は骨へと食い込み、持ち手も取れることなくくっついたままだ。
「っしゃおら! ブッコロ……駆逐してやるからなモンスターども!」
こうして俺の、ココットのハンター生活が始まったのである。