グロキシニア転生者が行くHUNTER×HUNTER   作:霊槍って、良いよね

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10話 四次試験 1/2

 三次試験終了の合図とともに、扉が開き、外へ出るように促された。

 

 そこでは、まずくじ引きをするようだ。

 

 くじの中身は現在残っている受験者の受験番号が書かれている紙。

 

 これで『狩る者』と『狩られる者』を決めるようだ。

 

「さて、それではタワーを抜けた順番にくじを引いて貰おう」

 

「おっ、あたしからっスね」

 

 さて、番号は……『302』か。

 

 あー、あの針を顔中に刺して顔を変えてる奴か。

 

 なんか原作にいた気がする。

 

 どことなくキルアと似た雰囲気があるんだよな……いや、全然違う雰囲気ではあるんだけど、血縁独特の共通感?みたいなものだ。

 

 多分兄かな?

 

 名前は……思い出せないや。

 

 全員が引き終わったとこで、試験官のリッポーから詳しい説明がされた。

 

 今、俺たちが引いたくじに書かれている番号の受験者がターゲットとなる。

 

 奪うのはナンバープレート。

 

 自分とターゲットのナンバープレートはそれぞれ3点であり、他は1点。

 

 試験はゼビル島という無人島で行い、試験期間中に6点分のナンバープレートをハントし、試験終了時点で所持していること。

 

 ゼビル島は、船で2時間ほどかかる場所にあるらしく、受験者たちはプレートを隠しながら船に乗り込んでいる。

 

 一部の自信家はそのまま着けてたりするけど。

 

 ちなみに俺はそもそも寿司の試験で1人だけ合格してたり、なんなら1番だからそもそも目立ってたから、隠す意味もないなーと思って、ズボンの腰のあたりにナンバープレートを着けている。

 

 さて、船旅は少しばかり暇だけど……おっ、

 

「2人でなんかお話中っスか?」

 

「あっ、グロキシニア!」

 

 お互いのくじを見せ合っていた様子のゴンとキルアがいた。

 

「敵情視察にでも来たの?」

 

 三次試験最初に合格したのが俺だからか、キルアは少し警戒気味かな?

 

「違うっスよ。あたしのターゲットは君たちじゃないっスから」

 

 『302』と書かれたくじを見せておく。

 

「ゲッ、ハズレくじじゃねーの?それ。あいつ殺し慣れてるぜ」

 

 ふむふむ、どうやらキルアはあれが兄だとは気づいていない様子。

 

 まあ、兄というのはただの憶測でしかないんだけど……。

 

 それでも、歩き方とかから警戒対象とは認識してたのかね?

 

「ゴンといい、グロキシニアといい、俺の周りハズレくじ引いた奴ばっかじゃねーか」

 

「でも、オレ結構ワクワクしてるんだ……戦いなら多分45番に勝てないかもしれないけど、それでも目的はナンバープレートだからさ。やりようはある気がする」

 

 ………あれ?

 

 ゴンってこの時点でヒソカって名前知らなかったっけ?

 

 …………ああー、トンパが説明どころじゃなかったからか。

 

 そういえばヒソカの名前を知るのもトンパ経由だったし、なんなら、今回のヌメーレ湿原でヒソカが目をつけたのはレオリオとクラピカだけだから、そもそもゴンとは会話すらしてないのか!!!

 

 でも、試験前に他の受験者の腕を消してたのは見てるし、あとは野性の勘的なものでヒソカの強さを見抜いたのかな。

 

「あたしは…まあ、多分大丈夫っスよ」

 

 別に302番はハズレくじじゃないし、なんなら当たりくじですらある。

 

 他の受験者の番号は正直あんまり見てなかったから、隠されたら面倒だったけど、302番は着けたままにしてるからすぐに分かったし。

 

「そういえば、お前一次試験の時45番となんか話してたよな。知り合い?」

 

「いや別に。付き纏われてるだけっス。今回の試験で初めて会ったんスけどね…」

 

「ふーん、ま、良いや。それじゃ、生き残れよ、ゴン。グロキシニアは……よく知らないからまあ良いや」

 

 おー、雑。

 

 まあ、一次試験の時少し話した程度の関係でしかないからなー。

 

 

 

 2時間後、ゼビル島に着いた。

 

「滞在期間は丁度1週間、それまでに6点分を集め、ここに戻ってきてください。それでは、三次試験通過順に上陸していただきます!1番の方、スタート!」

 

 さて、あとは流れ作業だ。

 

 まず、森の中に入るとともに『擬似(フェイク)絶気配(ゼロサイン)』を使用し、出発地点まで戻る。

 

 そして、302番が上陸したその瞬間にナンバープレートを服から引きちぎって奪い取る。

 

 これで6点ゲットだ。

 

 一瞬で消えたナンバープレートに、未知の能力を警戒してか、302番が警戒心を露わにしながら森の内部へと進んでいく。

 

 多分1番疑われてるのは俺だけど、どうとでもなるし問題ない。

 

 

 

 残り時間どうしようかなー。

 

 とりあえず、ずっと『擬似・絶気配』使うことも出来るけど、流石にそういうわけにもいかないよな。

 

 この試験には1人1人に試験官が付いており、それぞれ行動を審査されているようだ。

 

 事実、森の中に入った時に視線をいくつも感じた。

 

 そして、その内もっとも俺を見ていた者が、今あたふたしている。

 

 審査対象である俺が消えたのだから当然といえば当然だが、この審査が最終試験に影響するのなら、ずっと『擬似・絶気配』を使うわけにはいかないし。

 

 というわけで試験官が気付ける場所で『擬似・絶気配』を解き、302番のプレートを試験官が見えるように持ったあと、しまった。

 

 これで多分大丈夫だろう。

 

 さてと、残り1週間はどうしたものか。

 

 寝ておくのもなんか違うしな。

 

 とりあえずご飯にするか。

 

 サバイバルといえば、生まれたばかりの頃を思い出すなー。

 

 初代妖精王として生まれたその時、俺はたった1人だった。

 

 その頃は妖精族も俺1人で、妖精族の森の中で、たった1人寂しく思ったものだ。

 

 それでも、そんな孤独は長く続くことはなかった、

 

 俺の誕生を皮切りに妖精族が続々と花から生まれていったのだ。

 

 特に(ゲラード)が生まれた時、ああ、俺は1人じゃないんだって、涙が込み上げてきたものだ。

 

 懐かしいなー。

 

 もう数千年も前のことなのに、あの日のことは鮮明に思い出せる。

 

 元気かな……ゲラード。

 

 妖精王の森自体は大丈夫だろう。

 

 キングもいるし、2代目妖精王のダリアもいる。

 

 ダリアに関しては、聖戦が始まった時に戦争が嫌で姿をくらましてしまったが、聖戦終結後に探し出して連れ戻した。

 

 最高神の影響はまだ受けてなかったから、そこに関しても問題ない。

 

 戦力という一点に関していうなら、妖精王の森は万全だろう。

 

 けれど、ゲラードは元気にしてるのか……それが不安だ。

 

 死地に赴くことも伝え、最後となるかもしれない別れも済ませたけれど……引きずっていないだろうか?

 

 それが心配だ。

 

 

 

 

 

 ……と、感傷に浸ってるばかりじゃダメだな……丁度お客さんのお出ましだ。

 

「出てきたらどうっスか?気配、バレバレっスよ」

 

「そうか?うまく隠れられていると思ったのだが」

 

 余裕そうな表情で現れるのはクラピカ。

 

 しかし、内心焦り、思考を巡らせまくっているようだ。

 

 というか、クラピカと話すのは初めてだな。

 

 なんなら、多分クラピカも俺のことはそこまで知らないはずだ。

 

 二次試験会場まで運んだのも、気絶してた時だったし、木を背に置く時も気配消してたからゴンにも気付かれてないし、ゴンは多分俺がレオリオとクラピカの2人に注目してたことと、ヒソカを追って向かったことだけは知っている気がするけど。

 

 小声で喋っていたけど、ゴンの聴覚なら聞こえていてもおかしくない。

 

 それでも、それをレオリオとクラピカの2人に話していたかは分からない。

 

 多分、話していないかもしれない。

 

 つまり、クラピカにとっては完全に知らない人ってとこか。

 

「君の目的は……ま、言うまでもなくこれっスよね」

 

 プレートを指差しながら言うと、クラピカへ静かに頷いた。

 

「ああ、その通りだ。そのプレート、貰い受ける」

 

「そう易々と渡す訳にはいかないっスね」

 

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