グロキシニア転生者が行くHUNTER×HUNTER 作:霊槍って、良いよね
三次試験終了の合図とともに、扉が開き、外へ出るように促された。
そこでは、まずくじ引きをするようだ。
くじの中身は現在残っている受験者の受験番号が書かれている紙。
これで『狩る者』と『狩られる者』を決めるようだ。
「さて、それではタワーを抜けた順番にくじを引いて貰おう」
「おっ、あたしからっスね」
さて、番号は……『302』か。
あー、あの針を顔中に刺して顔を変えてる奴か。
なんか原作にいた気がする。
どことなくキルアと似た雰囲気があるんだよな……いや、全然違う雰囲気ではあるんだけど、血縁独特の共通感?みたいなものだ。
多分兄かな?
名前は……思い出せないや。
全員が引き終わったとこで、試験官のリッポーから詳しい説明がされた。
今、俺たちが引いたくじに書かれている番号の受験者がターゲットとなる。
奪うのはナンバープレート。
自分とターゲットのナンバープレートはそれぞれ3点であり、他は1点。
試験はゼビル島という無人島で行い、試験期間中に6点分のナンバープレートをハントし、試験終了時点で所持していること。
ゼビル島は、船で2時間ほどかかる場所にあるらしく、受験者たちはプレートを隠しながら船に乗り込んでいる。
一部の自信家はそのまま着けてたりするけど。
ちなみに俺はそもそも寿司の試験で1人だけ合格してたり、なんなら1番だからそもそも目立ってたから、隠す意味もないなーと思って、ズボンの腰のあたりにナンバープレートを着けている。
さて、船旅は少しばかり暇だけど……おっ、
「2人でなんかお話中っスか?」
「あっ、グロキシニア!」
お互いのくじを見せ合っていた様子のゴンとキルアがいた。
「敵情視察にでも来たの?」
三次試験最初に合格したのが俺だからか、キルアは少し警戒気味かな?
「違うっスよ。あたしのターゲットは君たちじゃないっスから」
『302』と書かれたくじを見せておく。
「ゲッ、ハズレくじじゃねーの?それ。あいつ殺し慣れてるぜ」
ふむふむ、どうやらキルアはあれが兄だとは気づいていない様子。
まあ、兄というのはただの憶測でしかないんだけど……。
それでも、歩き方とかから警戒対象とは認識してたのかね?
「ゴンといい、グロキシニアといい、俺の周りハズレくじ引いた奴ばっかじゃねーか」
「でも、オレ結構ワクワクしてるんだ……戦いなら多分45番に勝てないかもしれないけど、それでも目的はナンバープレートだからさ。やりようはある気がする」
………あれ?
ゴンってこの時点でヒソカって名前知らなかったっけ?
…………ああー、トンパが説明どころじゃなかったからか。
そういえばヒソカの名前を知るのもトンパ経由だったし、なんなら、今回のヌメーレ湿原でヒソカが目をつけたのはレオリオとクラピカだけだから、そもそもゴンとは会話すらしてないのか!!!
でも、試験前に他の受験者の腕を消してたのは見てるし、あとは野性の勘的なものでヒソカの強さを見抜いたのかな。
「あたしは…まあ、多分大丈夫っスよ」
別に302番はハズレくじじゃないし、なんなら当たりくじですらある。
他の受験者の番号は正直あんまり見てなかったから、隠されたら面倒だったけど、302番は着けたままにしてるからすぐに分かったし。
「そういえば、お前一次試験の時45番となんか話してたよな。知り合い?」
「いや別に。付き纏われてるだけっス。今回の試験で初めて会ったんスけどね…」
「ふーん、ま、良いや。それじゃ、生き残れよ、ゴン。グロキシニアは……よく知らないからまあ良いや」
おー、雑。
まあ、一次試験の時少し話した程度の関係でしかないからなー。
2時間後、ゼビル島に着いた。
「滞在期間は丁度1週間、それまでに6点分を集め、ここに戻ってきてください。それでは、三次試験通過順に上陸していただきます!1番の方、スタート!」
さて、あとは流れ作業だ。
まず、森の中に入るとともに『
そして、302番が上陸したその瞬間にナンバープレートを服から引きちぎって奪い取る。
これで6点ゲットだ。
一瞬で消えたナンバープレートに、未知の能力を警戒してか、302番が警戒心を露わにしながら森の内部へと進んでいく。
多分1番疑われてるのは俺だけど、どうとでもなるし問題ない。
残り時間どうしようかなー。
とりあえず、ずっと『擬似・絶気配』使うことも出来るけど、流石にそういうわけにもいかないよな。
この試験には1人1人に試験官が付いており、それぞれ行動を審査されているようだ。
事実、森の中に入った時に視線をいくつも感じた。
そして、その内もっとも俺を見ていた者が、今あたふたしている。
審査対象である俺が消えたのだから当然といえば当然だが、この審査が最終試験に影響するのなら、ずっと『擬似・絶気配』を使うわけにはいかないし。
というわけで試験官が気付ける場所で『擬似・絶気配』を解き、302番のプレートを試験官が見えるように持ったあと、しまった。
これで多分大丈夫だろう。
さてと、残り1週間はどうしたものか。
寝ておくのもなんか違うしな。
とりあえずご飯にするか。
サバイバルといえば、生まれたばかりの頃を思い出すなー。
初代妖精王として生まれたその時、俺はたった1人だった。
その頃は妖精族も俺1人で、妖精族の森の中で、たった1人寂しく思ったものだ。
それでも、そんな孤独は長く続くことはなかった、
俺の誕生を皮切りに妖精族が続々と花から生まれていったのだ。
特に
懐かしいなー。
もう数千年も前のことなのに、あの日のことは鮮明に思い出せる。
元気かな……ゲラード。
妖精王の森自体は大丈夫だろう。
キングもいるし、2代目妖精王のダリアもいる。
ダリアに関しては、聖戦が始まった時に戦争が嫌で姿をくらましてしまったが、聖戦終結後に探し出して連れ戻した。
最高神の影響はまだ受けてなかったから、そこに関しても問題ない。
戦力という一点に関していうなら、妖精王の森は万全だろう。
けれど、ゲラードは元気にしてるのか……それが不安だ。
死地に赴くことも伝え、最後となるかもしれない別れも済ませたけれど……引きずっていないだろうか?
それが心配だ。
……と、感傷に浸ってるばかりじゃダメだな……丁度お客さんのお出ましだ。
「出てきたらどうっスか?気配、バレバレっスよ」
「そうか?うまく隠れられていると思ったのだが」
余裕そうな表情で現れるのはクラピカ。
しかし、内心焦り、思考を巡らせまくっているようだ。
というか、クラピカと話すのは初めてだな。
なんなら、多分クラピカも俺のことはそこまで知らないはずだ。
二次試験会場まで運んだのも、気絶してた時だったし、木を背に置く時も気配消してたからゴンにも気付かれてないし、ゴンは多分俺がレオリオとクラピカの2人に注目してたことと、ヒソカを追って向かったことだけは知っている気がするけど。
小声で喋っていたけど、ゴンの聴覚なら聞こえていてもおかしくない。
それでも、それをレオリオとクラピカの2人に話していたかは分からない。
多分、話していないかもしれない。
つまり、クラピカにとっては完全に知らない人ってとこか。
「君の目的は……ま、言うまでもなくこれっスよね」
プレートを指差しながら言うと、クラピカへ静かに頷いた。
「ああ、その通りだ。そのプレート、貰い受ける」
「そう易々と渡す訳にはいかないっスね」