グロキシニア転生者が行くHUNTER×HUNTER   作:霊槍って、良いよね

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2日連続投稿!!!
そして今回少し長めです!!!


11話 四次試験 2/2

 クラピカの戦闘スタイルは、ヌンチャクのように連結した2本の木刀を主体とした近接。

 

 魔力を見せずに戦うというのなら、本来身体能力においては人間を下回る妖精族にとって、苦しい戦いになる。

 

 が、その弱点はとうの昔に克服している。

 

 故に

 

「分かりやすい攻撃っスね」

 

 その全てを素手によって受け流すことなど造作もない。

 

「くっ!!!」

 

 クラピカ、確かクルタ族?という一族の生き残り。

 

 クルタ族を殺した盗賊団に復讐心を抱いている。

 

 ここまでは思い出せている。

 

 その盗賊団が……確か幻影旅団。

 

 幻影旅団の名称は、旅団四天王(笑)を思い出した時に連鎖的に思い出せた。

 

 復讐のため、そして売り払われた同胞の眼球を回収するためにハンターを目指しているんだったよな……。

 

 やりにくいなぁ。

 

 正直嫌いではない。

 

 俺は別に復讐が悪だとか、そんなことは毛ほども思っていない。

 

 そんな綺麗事を言えるほど、ブリタニアは甘くないのだから。

 

 それでも、復讐に生き、そして死んで行った者を何人も見て来た。

 

 それも、片手だけでは数えられないほどに。

 

 その中には、復讐を果たし、無気力になった者も、復讐を果たせず、道半ばで死んでいった者もいた。

 

 それ故に思うのだ。

 

 復讐に生きるのは悪ではない。

 

 しかし、未来を見据えるべきだと。

 

 復讐を人生の目標に置くべきではないと。

 

 …………いっそのこと育てるか?

 

 可能か不可能か……まあ、可能だな。

 

 これほどの才能だ。

 

 育てれば、それこそ…………っと!!!

 

「考え事とは余裕じゃないか!!!」

 

「ま、年季が違うっスからね」

 

 焦った焦った。

 

 今、ここに302番が向かって来ている。

 

 まあ、戦闘音響かせてれば当然といえば当然なのだけど。

 

 それにしたって反応が早いな。

 

 早々にそっちの対応をするべき……だな。

 

「すまないっスけど、しばらく眠ってて欲しいっス!」

 

 素早く接近して、裏拳をクラピカの顎に掠めることで脳を揺らし、気絶させた。

 

 さて、

 

「おっと」

 

飛んできた針を避ける。

 

「お早いお着きっスね」

 

「へぇ、円も使わず完璧に避けるか。結構離れたところから投げたんだけどね」

 

「そりゃ、君は気配が強いっスからね」

 

 隠していても、俺の感知は誤魔化せない。

 

「絶使ってたんだけど……まあ良いや。それで、オレのプレート盗ったの、君?」

 

「ま、誤魔化しても意味はないっスし……そうっス」

 

 懐からプレートを取り出して見せる。

 

「そう、それじゃあそれ、返して」

 

「返してくれたら命だけは見逃す……とか言うつもりじゃないっスよね」

 

「当然じゃん。殺すよ」

 

 殺気が迸り、オーラが吹き上がる。

 

 なるほど、本気っスね

 

「殺してから、返して貰う」

 

「こんなところで死ぬつもりはないっスよ」

 

「ヒソカから少し聞いてるよ。君、水分を操るんだろう?オレのプレートを盗った能力は別だろうけど、戦闘に使うのは水分の方。ここの近くには水場がないことは知ってるでしょ?ここは君が全力を出せる場所じゃない」

 

「そういう君は、全力を出せるんスか?」

 

「全力を出さなくても殺せるよ。だって君、なんでか分からないけど、情があるんだろう?そこの彼に」

 

 事前動作も最低限に、302番はクラピカに向けて針を投擲した。

 

「容赦ないっスね。気絶してる人相手に」

 

 その針を掴み取り、投げ捨てる。

 

 ん?少し驚いてるな。

 

 まあそうか、予備動作も無しに投げたのに反応されたら、そりゃ少しは驚くか。

 

 それに、こんなに至近距離でもあるから。

 

 投げてすぐが最高速度である以上、その最高速度に近い速度の針を掴まれたのだし。

 

「針を刺すことによる人体操作ってとこっスか?」

 

「過小評価してたよ、君を。君は全力で殺そう」

 

 顔の針を全て抜き、302番がその真の姿を見せる。

 

 ………イケメンやないかい!!!

 

 黒髪長髪のイケメンだ。

 

 いや、キルアの兄だとは思ってたからイケメンだろうと予測はしてたけどさ。

 

「針抜いた程度で勝てる……なんて、甘く見られたもんスね」

 

 もちろん、針を抜いただけではないことは分かっている。

 

 今まで、顔の変形に使用していたオーラが全て万全に使えるようになっているから。

 

 音もなく、急接近して来た302番が俺に殴りかかってくる。

 

 『流』も使っているようで、拳に50%の堅が乗っている。

 

 その量も一介の念能力者からすれば膨大であるため、80%ほどとすら勘違いも起きてしまいかねない。

 

 体全体に残しているのが20%ほどであるのも勘違いを加速させるであろうポイント。

 

 さて、残りの30%の行き先は……左 左手に隠し持っている針に周をしているな。

 

 その拳を叩き落とすと、予想通り、針が襲って来た。

 

 けれど、針は俺に刺さることなく、折れた。

 

 俺の防御力を舐めないで貰いたい。

 

 元々体を鍛えていたのにプラスして魔力で防御力の底上げもしているのだから。

 

 そして302番は勘違いをしている。

 

「そうそう、君に1つ言っておくことがあるんスよ」

 

 それは……

 

「水場がない……なんて、それは勘違いっス。水ならほら、ここいらに生えている植物の中に、大量にあるじゃないっスか」

 

 『魔力・災厄』による技の1つ。

 

 『養分抽出(エクストラクトパワー)

 

 これは、植物から水分などを抽出する技。

 

 水分以外にも抽出することは出来るけど、今回抽出したのは水分だけだ。

 

 そして、抽出した水を凝縮させることで水の弾丸を生成。

 

 意味もなく植物を傷付けるのも気が進まないから、今回作った水の弾は全部で10個。

 

「ここは最初から、あたしのフィールドっスよ」

 

 10の弾丸を縦横無尽に駆け巡らせる。

 

 302番は、それに最初は驚きこそすれ、落ち着きを取り戻すとともに回避に専念を始めた。

 

 うん、やはり相当な実力者だ。

 

 弾丸程度の速度に落としているとはいえ、四方八方から襲ってくる水の弾を全て避けているのだから。

 

 そして、隙あらばクラピカへと針を投げ、俺の注意を乱そうとしてくる。

 

 でもまあ、それでも……

 

 水の弾を一気に加速させ、右足の健を断裂させる。

 

 すぐにオーラを纏わせ、流血を防いだようだけど、既に手遅れだ。

 

「君の勘違いをもう1つ教えてあげるっス。それは、あたしが水しか操れないと思っていたこと」

 

 右足の健の断裂により出来たほんの数瞬の隙。

 

 その隙さえあれば拘束するには十分だ。

 

「『樹縛(じゅばく)』」

 

 302番の足元から一気に成長させた樹木が彼を絡め取り、拘束する。

 

 俺の魔力まで込めて耐久力を上げているため、どんなに振り解こうとしても振り解けはしない。

 

 ここで殺してしまったら、後々どうなるか分からないし、とりあえず生かしておこう。

 

 それに、死後の念とかいうのもあるしね。

 

「お……前」

 

「そんな睨むなっスよ。それじゃ、一週間後までさようなら」

 

 首の拘束をきつくし、意識を落とす。

 

 拘束している者が起きるたびに、こうして意識を刈り取るように設計した技だ。

 

 一週間後まで続くように魔力も込めているため、302番は試験が終わるまでここから動けない。

 

 これほどの実力者だ。

 

 一週間程度飲まず食わずでも生き残るだろう。

 

 というか、俺が最初にプレート奪ったせいでこいつ虐殺起こすかもしれなかったし、これが1番良かったのかもしれない。

 

 この人には来年頑張ってもらおう。

 

 さて、

 

「起きてるっスよね」

 

 クラピカの側により、そう話しかけると、恐怖からか体を震わせながら目を開けた。

 

 強い衝撃を加えたわけではないし、やっぱりもう起きてたか。

 

 怖がっているのは……302番の殺気とオーラだろうな。

 

 念能力者でもないのに、あんなのを近くで浴びて仕舞えばこうもなる。

 

 というか、泡吹いて気絶していない分、上出来とも言える。

 

「なんか、聞きたいことがありそうっスね」

 

「先ほどの……あれは……なんだ?」

 

 恐る恐ると言った表情だ。

 

 うーん、どうするべきか。

 

 ……ここで教えてしまっても別に良いか。

 

「あれは念じると書いて『念』という……まあ、いわゆる超能力みたいなもんっス。修行すれば、まあ素質も必要ではあるけれど、極論誰でも使えるものっスよ。それこそ、名を轟かせるような強者は大体使ってるっス。あとは、プロハンターは全員使えるっス」

 

 何かに気づいたようにハッとしている。

 

 先ほどの特殊な力が使えるプロハンターでも捕まえられない旅団もまた、能力者なのではと勘づいたようだ。

 

「それは……私でも使えるのか!?」

 

「使えるっスよ。君なら、10年も修行すれば一流ハンターすら超えた能力者になれると思うっス」

 

「遅い……それでは遅すぎる!!!」

 

「裏道もあるにはあるっスけど……」

 

「教えろ!今すぐに!!!」

 

 おお、旅団への敵愾心から、先ほどまでの震えが全くなくなっている。

 

「裏道は外法っス。求めるのなら、理由から教えて欲しいっスね」

 

「……くっ……それは………」

 

 しばらく思い悩み、そしてクラピカはポツポツと語り出した。

 

 

 

 

「なるほど、その幻影旅団とやらに復讐するための力が欲しいと」

 

「そうだ」

 

 文句でもあるのかといった様相で睨みつけてくる。

 

「別に文句はないっスよ。でも、その先も見なきゃダメっス」

 

「その先!?私には何もないのだぞ!?帰る場所も!!!迎えてくれる人も!!!何も!!!未来に何を見ろと言うのだ!!!」

 

「試験中、君が仲良く話している人たちを何人か見たっス。彼らなら、君の帰る場所になるんじゃないっスか?少なくとも、心の奥底でそう感じていたから、君は笑えていた」

 

 ゴンとキルア、レオリオといた時は、本当に楽しんでいたと思う。

 

「そ……れは」

 

「ま、未来に何を見るのか。それはこれから決めていけば良いっス。君の覚悟は十分分かった。やってやるっスよ。外法」

 

 元来、俺は魔力しか持っておらず、念(オーラ)は持っていない。

 

 そのため、俺は念を本来は使えない……そのはずだった。

 

 けれど、思わぬところから、俺は念を使えるようになった。

 

 それは、世界樹くんか送られてくるエネルギー。

 

 このエネルギーが、念のオーラと同質のものだったのだ。

 

 あの大陸にいた頃は、エネルギーは全て生命活動に使用していたから分からなかったのだが、人類圏に来て、自分で栄養を取れるようになった時に、ふと送られ続けて来て、随分と貯まったエネルギーに目を向けて見たその時に判明したのだ。

 

 というか、離れてもずっとエネルギー送ってくれる世界樹くん過保護だ。

 

 このエネルギーは、俺に送られたその時点で俺に適合した俺のオーラとなる。

 

 そのため、俺は念を使える。

 

 といっても、ほとんど使ったことはない。

 

 だって魔力で十分だから。

 

 オーラの操作感覚自体は魔力とよく似ていたため、すぐにマスターしたけれど。

 

 そんなオーラ操作を持ってすれば、他者を傷つけず安全にその精孔を開けることなど造作もない。

 

「と、その前に。まず君は合格するところからっス。6点分のプレートが集まったら……あそこに見える一本松のとこに来て欲しいっス。そこで待ってるから」

 

 

 

 

 

 それから3日後、試験を後4日に残したあたりでクラピカはやってきた。

 

 ゴンと共にレオリオに協力していて遅くなったらしい。

 

 もちろん、自分のプレート集めも手伝って貰ったようだけど。

 

 早速一通りの基礎を説明して精孔を開くと、未知の感覚に驚いていた。

 

「さあ、まずは纏からっス。始め!」

 

 これでもキングとダリアという2人の妖精王に加え、何百人もの妖精を鍛え上げてきた経験がある。

 

 その経験を注ぎ込んで、人間の中では最強と呼べるまで育ててやるよ。

 

 地獄が極楽に感じる程度には…厳しい修行になるけどね。

 




ここでイルミは試験脱落となります。
イルミファンの方々、申し訳ありません!!!
そしてクラピカ育成ルートに入ります!!!
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