グロキシニア転生者が行くHUNTER×HUNTER 作:霊槍って、良いよね
『練』の声と共にオーラが練り上げられた、その瞬間、キルアが一瞬で壁際に飛び退いた。
あの様子だと、念のこと自体は知らないのだろう。
けれど、誰かの念を感じたことがあり、その誰かにひどく怯えている。
そんなイメージを受ける。
キルア以外のみんなは、その場から動けずにいた。
クラピカから突如発せられたその圧に、動けず、その場で固まっていた。
唯一、ハンゾーくんはクラピカをじっと観察していた。
この圧の正体を確かめるように。
多分、俺がこれについて知っていることは、俺の反応からバレたかもな。
さて、そんなオーラを間近で浴びたヒソカはというと……
「アハァ♡良いよ、良い♤すごく良い♢念を知ってからたった数日でこの練!!!昂ってきちゃった♡」
次の瞬間、ヒソカのオーラが解き放たれた。
悍ましいという表現が1番似合うであろう質のオーラに、全員が更に硬直した。
ハンゾーくんも、これは観察する余裕すらなく、身構えている。
そんなヒソカのオーラに一瞬萎縮しながらもそれを振り払い、クラピカは木刀を放し、床を蹴り、ヒソカへと殴りかかった。
まだ周は教えてないからな。
木刀ではなく、そのまま殴った方が強いのだ。
対してヒソカはその拳の側面に手を添え、少し押すことでそらし、クラピカの体勢を崩すと共にアッパーを叩き込む。
クラピカが気絶しないギリギリのオーラを纏ったアッパーだ。
拳を逸らした時の手のひらのオーラ分配も凄い。
オーラを纏った拳であれば、そもそも触れただけで危ない。
それを絶妙なコントロールによって必要最低限のオーラを手のひらに纏うことで回避したのだ。
相応の衝撃を食らったクラピカではあるが、倒れる前に空中で体勢を立て直し、バックステップでヒソカから距離を取る。
悪手だな。
「これから彼に教えてもらうことだろうけど、念の先輩として、少しだけ見せてあげるよ♡念は、こういう使い方も出来るんだ!」
アッパーを繰り出した時に、すでにクラピカにはヒソカのオーラが付着していた。
粘着性と伸縮性を兼ね備えたヒソカのオーラに引っ張られ、クラピカがヒソカへと手繰り寄せられる。
「まあ、君は変化系じゃなさそうだから、この能力を目指しちゃダメだよ♡」
そうクラピカに囁くと共に、クラピカの腹を殴りつける。
今のクラピカなら気絶しかねない威力だ。
この試験の性質上、気絶させてはダメだと思うのだけれど……いや、そもそも自分が降参するつもりなのか?
「グッ……ガ……ァ……ハァ、ハァ」
驚くべきことに、クラピカは立ち上がった。
今の一瞬で、まだ教えていないオーラの攻防力移動を行い、腹部にオーラを集めたのだ。
引っ張られた後、ヒソカが殴るまでに時間があったとはいえ、凄いな。
本能的にだと思うけど、まさか出来るなんて。
「あぁ、ダメじゃないか……この興奮、もう抑えられなくなってしまいそうだよ♡でも、我慢だよね♢果実を食べるのは、美味しく実るまで待たなくちゃ♤」
ヒソカは一瞬にしてクラピカへと近づき、その耳元で囁いた。
「君、
「なっ!?」
「後で話そ♡」
その言葉を最後に、ヒソカはクラピカから離れた。
「降参♢」
「よ、45番ヒソカ降参により、405番クラピカ合格!!!」
戸惑いながらも宣言がなされ、クラピカの合格が決まった。
勝ったクラピカが満身創痍で、負けたヒソカは無傷だ。
その後クラピカは、手当てのために救護室に運ばれて行った。
そして、ハンゾーとゴンの試合が始まったのだけど、ゴンの意思にハンゾーくんが折れる形でまた勝った方が満身創痍で負けた方が無傷という展開が起こった。
途中で負けを決めて次に進むことに決めたハンゾーくんに勝てた気がしないゴンは納得いかず、結果、ハンゾーくんがゴンを気絶させる形で一方的に黙らせていた。
「甘いとか笑うなよ?」
「笑わないっスよ」
次の試合はボドロとヒソカだった。
あのオーラを感じているため、勝てないと分かっているであろうボドロは、それでも果敢に挑んだ。
それでもヒソカには及ばず、ボドロが降参を宣言し、ヒソカの合格が決まった。
次のハンゾーくんとターバンの人…ポックルの試合は、一瞬でハンゾーくんが勝利を収め、合格した。
次に行われたレオリオとボドロの試合がなんだかんだ最終試験1番の接戦だったと思う。
一進一退の攻防を繰り広げながらも最後はギリギリでレオリオが勝利を収める形で試合は終わった。
次はキルアとポックルの試合だったのだが、試合開始の宣言の直後にポックルが降参を宣言し、キルアの合格が決まった。
「戦ってもつまんないだろうから負けてやるつもりだったのに」
と、キルアは少し拗ねていた。
まあ、単純にトリックタワーでは味方だったから良かったけど、流石にゾルディック家と戦うのは怖かったんだろうな。
殺しのプロだし。
ついさっき同じく殺しのプロの忍にこっぴどく負けたばかりだったし。
最後のポックルとボドロの試合では、危なげなくボドロが勝利し、合格した。
まあ、これは試験形式が悪かったと言わざるを得ない。
ポックルの本領が発揮されるのは遮蔽物が多い場所での遠距離戦闘だろうから。
単純に運がなかったと言うしかない。
まあ、まだ若いのだし、ポックルには次があるだろう。
こうして、今回のハンター試験合格者は、俺、クラピカ、ゴン、ヒソカ、ハンゾーくん、レオリオ、キルア、ボドロの8人で決定したのだった。
試験後、合格者は別室に集められた。
なんでも、ハンター資格と
現在救護室にいるクラピカとゴンには後ほど個別で説明し、先に説明会自体は始めてしまうつもりだったようだが、ここでボドロが待っても良いと発言し、俺含め全員がそれに賛成したことで2人を待つことになった。
そして、2人が戻り、説明会が開かれた。
まあ、なんと言うかやっぱり凄いなハンター免許証ってのは。
行動制限がほとんど取り払われ、実質的な免罪符としての効果も持っている。
だからまあ、紛失、盗難時にも再発行はしないと言うのは案外良いことなのかもしれないな。
その程度の者が持つには、あまりにも重いものだから。
そんなこんなで説明会が終わると、早速クラピカは旅団についてヒソカに話を聞きに行った。
少しして覚悟を決めた様子で戻ってきたクラピカに、今度はキルアが慎重な様子で尋ねた。
「さっきの試合の、あれはなんなんだ?」
「あれは……念は、私もまだ訓練を開始したばかりのものだ。聞き齧った程度の知識しかない。その程度の知識で教えるには、あれはあまりにも危険なものだ……」
自分でも少し使えるからこそ、念の恐ろしさをクラピカは十分に理解しているようだ。
と、その時
「そう、だから帰っておいで。ちゃんと教えてあげるから」
突如として2人の会話に混ざってきた者……イルミである。
まあ、気付いてたけどさ。
絶をしていたとはいえ、俺の感知は誤魔化せない。
といっても不法侵入だけどな?
「兄貴ッ………!」
「そろそろ良い時期だとは思ってたんだ。ハンター試験にも合格したことだし、俺から父さんにキルに念を教えてあげるように頼んであげるから。さ、もう十分楽しんだだろう?帰るよ、キル」
と言うわけで、ポックルが落ちました。脳クチュ回避なるか、果たして!?
そして、グロキシニアがその場にいるけど、家族の問題に口を出される筋合いはないと普通に現れるイルミ……。
多分念についてもキルアはそろそろ教えられるはずだったんじゃないかと思っています。最高傑作に育てるなら、この時期ぐらいには念の修練始めないと流石にね。